1973年のピンボール

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1973年のピンボールの評価:

3.84/5点 レビュー 137件。 C ランク

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全229件 181〜200 10/12ページ
No.49
(5pt)

この頃から既にムラカミは・・・・・

 「1Q84」の2009年に作者のデビュー連作を再読することはなかなか面白いもので、「1Q73年のピンボール」と言ってもいいような本作、既にパラレル・ワールドの世界が見え始めている。1973年という年は、既に「古き良き時代」とはいえないかも知れないが、それなりの青春の輝きのようなものがあったアナログの時代であった。
 ジューク・ボックスから流れてくるのがあのジャクソン・ファイブというのも、マイケルの訃報を聞くにあたり、まったくの偶然とも思えないのだ。
 ピンボール・メーカーとして"BIG4"の時代があった当時、世界のAccounting Firm は"BIG8"の時代であった。これまた、懐かしい。
 1968〜69年という世界的な学生を中心とした「革命の時代」が過ぎ、1973年というこれから迎えるオイルショックも目前という時代、そうまだ何が起こるかわからない時代。そして、そう、「何もかもがすきとおってしまいそうなほどの11月の静かな日曜日だった。」のだ。
1973年のピンボール Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボールより
4061168622
No.48
(5pt)

この頃から既にムラカミは・・・・・

 「1Q84」の2009年に作者のデビュー連作を再読することはなかなか面白いもので、「1Q73年のピンボール」と言ってもいいような本作、既にパラレル・ワールドの世界が見え始めている。1973年という年は、既に「古き良き時代」とはいえないかも知れないが、それなりの青春の輝きのようなものがあったアナログの時代であった。
 ジューク・ボックスから流れてくるのがあのジャクソン・ファイブというのも、マイケルの訃報を聞くにあたり、まったくの偶然とも思えないのだ。
 ピンボール・メーカーとして"BIG4"の時代があった当時、世界のAccounting Firm は"BIG8"の時代であった。これまた、懐かしい。
 1968〜69年という世界的な学生を中心とした「革命の時代」が過ぎ、1973年というこれから迎えるオイルショックも目前という時代、そうまだ何が起こるかわからない時代。そして、そう、「何もかもがすきとおってしまいそうなほどの11月の静かな日曜日だった。」のだ。
1973年のピンボール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.47
(3pt)

青春の哀しみはもう理解できない

二十数年ぶりに読んでみたものの、理解不可能なまま終わってしまった。
大人になればもう少し理解できるのかな?と思ったけど、若くなくてはわからないこともあるのだということを知った。
大学生でこの本に初めて出会った時に、あまりに気障な文章に生理的嫌悪感を感じたものだけど、やはり今読んでも鼻につく感じがある。
逆に、最近の作品ではあまり感じることがなかったのだけど…。世の中が村上春樹的に洗練されてきたということだろうか?
基本的に、この人の作品に出てくる男の欲望に都合良く作られてるような人形っぽい女の子が好きになれない。
そして、主人公の一見紳士的でソフトでありながら、冷笑的で内向的な卑屈っぽさがどうも共感できない。
要するに、どこか納得できないものを感じてしまうのだ。
でもまぁ、この人の独自の世界ってすごいなと思うし、ストーリーも面白いし、アフォリズムにも感心させられる。
嫌いじゃないんだけど、やっぱりちょっと鼻につく、村上春樹。
何が言いたいんだ?っていうのが素朴な疑問です。
読んでいて少し不愉快になるのは、若い日々の自分の愚かしさを思い出してとても哀しくなるからだろうか。
そういう意味では、タイムリーに青春の哀しみを描いて、若者の支持を得た優れた作品といえるのだろう。
1973年のピンボール Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボールより
4061168622
No.46
(3pt)

青春の哀しみはもう理解できない

二十数年ぶりに読んでみたものの、理解不可能なまま終わってしまった。
大人になればもう少し理解できるのかな?と思ったけど、若くなくてはわからないこともあるのだということを知った。
大学生でこの本に初めて出会った時に、あまりに気障な文章に生理的嫌悪感を感じたものだけど、やはり今読んでも鼻につく感じがある。
逆に、最近の作品ではあまり感じることがなかったのだけど…。世の中が村上春樹的に洗練されてきたということだろうか?
基本的に、この人の作品に出てくる男の欲望に都合良く作られてるような人形っぽい女の子が好きになれない。
そして、主人公の一見紳士的でソフトでありながら、冷笑的で内向的な卑屈っぽさがどうも共感できない。
要するに、どこか納得できないものを感じてしまうのだ。
でもまぁ、この人の独自の世界ってすごいなと思うし、ストーリーも面白いし、アフォリズムにも感心させられる。
嫌いじゃないんだけど、やっぱりちょっと鼻につく、村上春樹。
何が言いたいんだ?っていうのが素朴な疑問です。
読んでいて少し不愉快になるのは、若い日々の自分の愚かしさを思い出してとても哀しくなるからだろうか。
そういう意味では、タイムリーに青春の哀しみを描いて、若者の支持を得た優れた作品といえるのだろう。
1973年のピンボール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.45
(4pt)

ゆとりの僕が解釈

僕は村上氏の生きた時代背景は良く分からない。知っているとすれば全共闘時代の中に青春を見出した世代のひとりというイメージがある。それは扨置き。この作品は、全く世代の違う現代に生きる僕がこの作品に対する解釈を許してはくれなかった。だが無理矢理理解した結果以下のようになった。 若者が資本主義社会に埋没し、都会の喧騒の中リアリズムを模索してゆく暗い闇のお話しに感じた。戦争があるわけでもなく、ただなんとなく生きていられる。いくら女を抱いても、物に自身を投射しても自身の価値を見出だせないであぐねいている若者の物語と感じた。何も生み出さないピンボールに力を注ぎマニア並に知識を得て満足する姿は現代のオタクを連想させる。現実から逃れ、自身の妄想世界に自身をやつすことでしか現実感を獲得することもできない人間を連想させた。結果的にそれらからは「何も生まれないし何も得られない」。そんな空虚と虚脱感を感じた。 見知らぬ土地にいって何もかも終わらせてしまいたいのも、孤独を紛らわすためにリアリズムを感じさせない妄想的双子を登場させたのも作中の登場人物の絶対的孤独感の紛らわしに過ぎないと思った。そして次々に襲う不安定な感覚に僕らはやり過ごすことしかできないでいる。結果なにを得たのかも分からずバス停で、穏やかな日のもと、そしてそれからの漠然とした未来もただ生きるしかないという不確かな未来を暗示して終わった。僕は現代人の感覚も村上春樹の生きた若者の生き急ぐ渇き飢えみたいなものは共通していると最後に感じた。だからこそ「ゆっくり歩け、そして水をたっぷり飲む」が生きてくるのだと思う。僕らは渇いた青春時代を幾度と繰り返すけどいつか夢のようであればいいというそんな願いを感じた。
1973年のピンボール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.44
(4pt)

中身のある宝石箱

「風の歌を聴け」が中身の無い宝石箱だとするなら、
「1973年のピンボール」は中身のある宝石箱。
キラキラとした文章は素敵であこがれます。
箱の中身は時の流れの確かさと、自分の感覚の不確かさとでも言いましょうか。
前作にも増して読む価値があると思います。
但し前作を読んでから読むべきだという気が多少はしますが。
1973年のピンボール Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボールより
4061168622
No.43
(4pt)

中身のある宝石箱

「風の歌を聴け」が中身の無い宝石箱だとするなら、
「1973年のピンボール」は中身のある宝石箱。
キラキラとした文章は素敵であこがれます。
箱の中身は時の流れの確かさと、自分の感覚の不確かさとでも言いましょうか。
前作にも増して読む価値があると思います。
但し前作を読んでから読むべきだという気が多少はしますが。
1973年のピンボール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.42
(5pt)

村上作品の中では、珍しくビジュアル

特に養鶏所の中に置かれた何十台ものピンボールマシン!
村上さんの本は、映像化することが難しいと思うのですが、この作品は双子の美人姉妹、ピンボールマシーン、ダムに投げられた配電盤、などなどシーンが映像化に耐えうる珍しい作品だと思います。
1973年のピンボール Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボールより
4061168622
No.41
(2pt)

隠し味としてすらもなかなか検出できない裏マチズモ

 前作『風の歌を聴け』よりも遥かに小説っぽくなってる点が退屈。情景描写も頑張っているのだが、取っ
て付けた感は否めない。しかし、そこに村上春樹という人物のお行儀の良さや真面目さを垣間みることもで
き、やがて世界的人気作家になったことを思えば、極めて謙虚に前作の(評論家や先輩作家から指摘された
であろう)弱点を補うこの姿勢──というか、村上春樹自体の人間としての資質が──、本作の魅力を下げ
ても、後の作家としての価値を延ばす決め手にはなり得ていたのだろう。が、いかんせん退屈は退屈──こ
の退屈さや雰囲気を好む読者の感性を決して否定はしないがそれでも。
 それにしても、こんな“僕”がいつも運命的に女の子にモテちゃうというのも、かなり意表を突いた裏技
的マチズモと読めば、実はかなり男ワールド全開な汗臭い作品でもあるし、逆に言えば、隠し味としてすら
もなかなか検出できないこうした裏マチズモを、ふんわり優しく“僕”という人称設定と語り口で包んでし
まう春樹的手法に、少なくないアンチたちが嫌悪を示すのは自然な反応なのかもね(いつも僕ばっかモテて
ずるい的な嫉妬混じりの突っ込みも含めて)。しかしながら、電話工事に訪れた作業員と一瞬好戦的になる
“僕”のキャラクターに真のリアリティを感じたのは、苦し紛れの悪意ある深読みとは簡単には断罪できな
いだろう。この“僕”を全て“俺”に変換しても尚、最後まで同じ気分でこの物語を読み切ることは絶対に
できないはずだと思うからだ。
1973年のピンボール Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボールより
4061168622
No.40
(5pt)

空が晴れて澄み渡る秋の午後に読みたい

初期3部作の2作目。
昼休みにペットショップで猫と遊びたくなり、スタン・ゲッツを聴きながら
仕事したくなり、家の中で配電盤を探したくなり、ペニー・レインをサビ抜きで
口ずさみたくなり、純粋理性批判が読みたくなり、夕方のゴルフ場に行きたくなり、
ピンボールがしたくなり、そして双子の女の子と暮らしたくなる、そんな話。
1973年のピンボール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.39
(4pt)

鼠の話しが印象的だった

「風の歌を聴け」の続編ではあるが、前作を読まなければ本作が分からないという分けではない。
 
文章は非常に読みやすいが非常に難解だ。僕と鼠の2人の物語が交互して書かれる。個人的には今に苦しみ抜け出そうとする鼠の話しが印象的だった。
1973年のピンボール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.38
(4pt)

ミントガムのような作品

「風の・・」の次に読むといいとの意見が多いですが、まったくそのとおりと感じた。
「風の・・」も「1973年の・・」も物語はシュールであるが、
私には感覚的に共感できる部分があり(あるいは錯覚かもしれないけど)、楽しく読めた。
全体的にシュールな内容なのだが、そこから何かを「感じれる人」は感じ取って欲しいと・・作者が材料を提示してくれているような気がした。
爽やかな、でもほろ苦いミントガムを噛んでいるような作品だと思う。
1973年のピンボール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.37
(4pt)

「きばり」がかなりほぐれたデビュー二作目

今から15年ほど前のこと。
「ノルウェイの森」に魅せられた私は、
この作家の長編小説をデビュー作から順に読み始めた。
デビュー作にして文学賞を受賞した「風の歌を聴け」の翌年に発表された
2作目の長編小説がこの「1973年のピンボール」だ。
「ノルウェイの森」の後で読んだデビュー作ではその「軽さ」に面食らったが、
「1973年の・・」では、その「ブッ飛び具合」に面食らったものだ。
登場人物はデビュー作を踏襲するものの、作品の質は全く違う。
ピンボールへの偏執、双子の姉妹との共同生活、配電盤の葬儀など、
一見何の脈略もない複数の話題が続いていく。
文体は相変わらず読みやすいものの、内容はシュールで難解だ。
それらは単に意味のない話の寄せ集めなのか?それとも深い意味があるのか?
答えは未だに見つかっていないが、
当時20代半ばの私の感性には、なぜか訴えるものがあった。
ただし、誰の感性にも訴えるかと言うと、それはありえない。
多くの人にはこのわけの判らない小説は、ゴミ同然かもしれないが、
残念ながらそれは読んでみないと判らない。
今現在冷静に振り返ってみると、
デビュー作に感じられた作者の「意地」や「きばり」が、
良い意味でほぐれてきているようにも思える。
デビュー作は、そこかしこに独特の表現を散りばめながら、
全体として「普通の青春小説」として成り立つようにも努めていた。
そのデビュー作が評価されて安心したのか、
二作目は「作家本来のやりたいこと」が、より強烈に表現されている。
1973年のピンボール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.36
(5pt)

偏愛している作品

 デビュー作 風の歌をきけ と 大作 羊をめぐる冒険の合間の作品で わりと地味とという
評価が多い。
 
 話としては双子の登場、ピンボールを巡る 幾分シュールな展開もあり その後の村上春樹の世界を
強く予感させる作品だ。いくつかの挿話は 結局答えが出てこないまま終わっていく。その辺のもどかしさも 既に村上らしい仕立てになっている。
 但し叙情性に満ちている。特に 冒頭の井戸掘りの話からはじまり 最後は11月の雨で終わる本作は いたるところに水のイメージに満ち溢れている。その鮮烈さも捨てがたい魅力だ。
 そうして これが重要だと思うが 前期村上春樹の一大命題である「直子」という女性が 本作には登場している。その悲劇性は既に ノルウェイの森の「直子」を予告するものになっている。
 三部作の真中は 何でも難しいわけだが 個人的には 極めて好きな作品だ。
1973年のピンボール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.35
(5pt)

この殺伐感

「風の歌を聴け」から三年たった所謂初期の三部作の第二作である。主人公「僕」の変化を楽しむことがこの小説の面白さであろう。ピンボールへの向かい方は何かとても象徴的なものだ。文章全体に漂う殺伐感はまさに主人公の心情風景なのであろう。
 村上春樹という作家の小説を読むと、この程度のことなら自分もかけるのではないかと錯覚を覚えてしまうが、これがなかなか手強くて、再読してみるとそこに書かれていることの深さを感じずにはいれない。日常を描くようでいて、まったくの物語をつくリ出しているところに気付いていきたい。
1973年のピンボール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.34
(4pt)

羊をめぐる冒険へ

シリーズ第二弾。
風の歌よりちょっとボリュームアップ。
羊をめぐる冒険から読んでしまったので、これからという方はぜひ
風の歌を聴けのあとに読んでいただきたい。
*作品紹介には三部作とあるが2007年現在は四部作。
1.風の歌を聴け2.1973年のピンボール3.羊をめぐる冒険4.ダンス.ダンス.ダンス
1973年のピンボール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.33
(5pt)

Pinball, 1973

his is the English version of "Pinball,1973" originally written by Murakami Haruki.

It is well translated into flowing colloquial English, but still keeps the atmosphere of the original book.

The following extract is taken from his novel.

"Call us whatever you like."

The girls always took turns speaking.

It was like an FM stereo check, and

made my head even worse.

"For instance?" I asked.

"Left and Right," said one.

"Vertical and Horizontal," said the other.

"Up and Down."

"Front and Back."

"East and West."

"Entrance and Exit," I managed to get in, not

to be outdone. The two of them looked each otherl and laughed cotentedly.
1973年のピンボール 1973 PINBALL 【講談社英語文庫】 Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボール 1973 PINBALL 【講談社英語文庫】より
4770022085
No.32
(3pt)

他の作品に比べると・・・

 村上氏の他の作品と比較してしまうとどうしても見劣りしてしまった。巧みな文章力は初期の作品と言えど健在だが、文章の構成や、登場人物の心理描写に甘さを感じた。
 しかし同じ初期の作品でも『風の歌を聴け』の方が断然楽しめたのはなぜだろうか。私は構成や心理描写の点で難があると感じたが、それは他の読者にとってはそうでないのかもしれない。読む人によっても違う捉え方ができるのも、村上氏の小説―私は特に他の作品においてそう思うが―の魅力なんだと思う。
1973年のピンボール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.31
(2pt)

構成が甘いが雰囲気を楽しめる

キャラクターや物事の描写には優れているが、
構成に脈絡がなく、思いつきでだらだら書いたという
印象が残る作品。
初期の作品はこういう感じだったのかと思った。
それでもなぜか「雰囲気」を感じ取ることができ、
読書そのものは楽しむことができた。
こうしたこと(雰囲気の提供)は、著者がバーを経営していたことと
無関係ではないと思う。
1973年のピンボール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.30
(4pt)

これは映画じゃないか?

村上春樹は映画のシナリオ作家になりたかったとどこかで話していました。そのように考えるとこの小説にあらわれるアメリカングラフテイー風な登場人物及び人物の行動パターン、そして与えられている小道具大道具の類のカラフルでサイケデリックな雰囲気がいかに工夫を得て、全体を構成しているかが読み取れます。これはもちろん出来損ないの「羊をめぐる」ではありますが、出来損ないの「ノルウェイの森」そして出来損ないの「ねじまき鳥」もあちらこちらに散見する村上先生の事、このような作品があったからとて全く驚くにあたりません。
しかしこうしたパッチワークのような視覚的イメージを連らねながら、自身の感傷や精神的悩みについても適度にほのめかしの利く村上春樹。初期の作品ではありますが、完成度はかなり高いのではないかと思います。
1973年のピンボール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114