風の歌を聴け

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風の歌を聴けの評価:

4.07/5点 レビュー 370件。 C ランク

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平均点4.07pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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未読の方はご注意ください

全922件 801〜820 41/47ページ
No.122
(4pt)

完璧な文章などといったものは存在しない・・・

はじめて読んだ時は、読み易くユーモアのある青春小説という印象を受けたが、特別何も心に残らなかった。とにかく不可解で、何度読み返しても意味のわからない箇所が何カ所もあった。この本が私にとって大きな意味を持ったのはそれから何年も経ってから。「完璧な文章などといったものは存在しない・・・」後に輝かしいキャリアを築くこの作家が、何故この一文から始まらなければならなかったのか。勝手な解釈かもしれないが、それが突然分かった気がしたのだ。作者も書いている「僕がその本当の意味を理解できたのはずっと後のことだった・・・」と。
幻の小説家ディレク=ハートフィールドの生涯を通して作者が伝えたかった事とは何か。繰り返される脈絡の不明確なエピソードの数々。数年後に再びこの本を開いた時、それは確かにある実感に基づいて書かれたものだと感じることが出来た。文章を書くということ、生きるということ、夢や幻、それから死。我々にとって意味があるものとは何か・・・。一人の人間が夜のキッチンでこれを書かねばならなかった理由がはっきりと感じられ、強く胸を打った。ある日のデイゲームで空を飛ぶ打球を見ながら「そうだ小説家になろう」と決意した一人の人間の想いと一緒にいる気がした。たとえそれが錯覚だったとしても。生涯忘れられない一冊だ。
村上春樹氏の小説はだいたいどれも好きだが、これが始まりだったというのは大切なことのような気がする。ちなみに英国でも人気作家だが、どういうわけか本作と二作目の「1973年のピンボール」のみ英訳版が出ていない。
風の歌を聴け (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 風の歌を聴け (講談社文庫)より
4062748703
No.121
(5pt)

乾いた文章

この小説を読んだのは高校一年のころ。ブックオフの片隅にある百円の文庫本コーナーだった。正直言って、全く期待していなかった。というか村上春樹の名前すら知らなかった。だけど、この本は僕の中に革命をもたらした。まるで軽いステップを踏みながら踊っているような文章。当時の僕はすっかりこの小説に酔わされた。もし作者がジャス喫茶の経営者のままであったなら、僕は月並みにしか本と触れ合うことはなかっただろう。"僕"と"鼠"の二人が織りなす物語。乾いたタッチで描いた村上春樹のデビュー作。今の時代では感じ得ない空気を、この小説を通して感じてもらいたい。
風の歌を聴け (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 風の歌を聴け (講談社文庫)より
4062748703
No.120
(2pt)

不毛

・文中で筆者自身も不毛だと書いているとおり、
 自己分析的というよりも、吐き出し的という程度の不毛な作品です。
・単なる不毛な学問書のようで、読むことに我慢が必要です。
 抑揚のないクラシック音楽を分かろうとして聴いているに等しい徒労感を感じます。
・彷徨する思索の文章は、無駄が多くて、切れ味も、ぬくもりもないように思います。
風の歌を聴け (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 風の歌を聴け (講談社文庫)より
4062748703
No.119
(4pt)

それは神宮球場から始まった。

村上春樹は80年代の代表的な日本人そして作家です。この作家のデビュー作である「風の歌を聴け」を読むと、そこにはまだまだ戦後の色濃い70年代を彷彿とするアメリカ軍占領時代の文化が息づいています。FENのデイスク・ジョッキーだの、ビールとフレンチフライだの、靴を磨くのがオヤジの家訓だの、このバタ臭さ?が何とも言えません。でも、この時代の若者はこうしたアメリカが唯一のアメリカだった。映画やテレビやレコード(CDもなかった時代です。)で、夢のように想像していたアメリカ。プレップスクールの高校生のように生きてみたい極東日本の男の子。しかし、それは村上春樹だけではなく、大方の日本人の若者は多かれ少なかれ同じ気持ちだったと思います。
ガイジンになりたい日本人。アメリカ人みたいな日本人が日本語で書いた小説が、ある日神宮球場でヤクルト・スワローズの試合を外野席で見たその瞬間に始まった。それは事件でした。もし、作家があの試合を見ていなかったら彼はまだ奥さんと小さい飲食店を経営している粋なオジサンだったかもしれないわけですから。今や日本文学を世界に向かって背負って立つ大作家村上春樹の本当に初々しい爽やかな青春の物語がここにあります。是非ご堪能ください。
風の歌を聴け (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 風の歌を聴け (講談社文庫)より
4062748703
No.118
(3pt)

デビュー作

村上春樹のデビュー作。氏の作品には前期と後期に分別されていて、それは『ねじまき鳥クロニクル』以前以後である。前期の作品の特徴は、ノスタルジー、デタッチメント(無関心)、諦念、といったところで、後期の作品の特徴は、現実の諸問題とのコミットメント(関わり)、である。この作品は、まさにその前期作品の特徴の、ど真ん中を射ている。前期作品と後期作品の世界観、どちらが好きかと言うのは人それぞれだと思うが、僕はメタフィクション化が促進された後期の世界観の方が断然好きだ。しかしながら友人は、この前期のあっさりしているようで陰影を含まれた感じの方が好きだと言っていたので、まさに人それぞれ。
時代の虚無を、必要最低限の言葉数で、物語として感じられる作品だ。氏の作品は、氏の文学史全体を把握していくことによって、見方が変わってくると思う。何はともあれ、今や「世界のMurakami」となった彼の、記念すべき出発点だ。
風の歌を聴け (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 風の歌を聴け (講談社文庫)より
4062748703
No.117
(4pt)

灰色じみた蒼

この作品を色で表すとしたら、灰色じみた蒼か、灰色じみた緑だと思う。とにかく灰色が入っているイメージだ。それは、「鼠」というへんてこな人物が登場するからかもしれないし、文章の静謐さ、簡潔さ、つめたさからきているのかもしれない。
作品世界は、どこまでも性的な世界だな、と思う。
村上作品に出てくる主人公の「僕」は、女性の読者からしたらどれも非常に中性的で、男性性が押さえ込まれている。彼のしたセックスだって、なんだか即物的で簡潔で、いやらしさがない。
でも、その抑圧された男性性が、女性の読者にとっては、なぜか余計に性的に感じられる。主人公が、自己主張のあまり無い、わけのわからない青年であるにも関わらずとても魅力的に思えるのは、そのためだろうと思う。この「僕」は、すごくセクシーだ。分かりやすいセクシーさじゃなくて、なんだか、心の底からくすぐられるセクシーさなのだ。女性読者はそれをかぎつけて心酔するし、男性読者はそれに共感する(のではないかと思う)。
この感想は、村上の他の作品『ノルウェイの森』の主人公に対しても抱いた。村上の描く「僕」には、そういう共通点がある。とても魅力的だ。
わけもわからず、さらっと読めてしまう短編。わけもわからないだけに、何回読んでも飽きたりしないし、何回でも求めてしまう作品。
風の歌を聴け Amazon書評・レビュー: 風の歌を聴けより
4061163671
No.116
(4pt)

灰色じみた蒼

この作品を色で表すとしたら、灰色じみた蒼か、灰色じみた緑だと思う。とにかく灰色が入っているイメージだ。それは、「鼠」というへんてこな人物が登場するからかもしれないし、文章の静謐さ、簡潔さ、つめたさからきているのかもしれない。
作品世界は、どこまでも性的な世界だな、と思う。
村上作品に出てくる主人公の「僕」は、女性の読者からしたらどれも非常に中性的で、男性性が押さえ込まれている。彼のしたセックスだって、なんだか即物的で簡潔で、いやらしさがない。
でも、その抑圧された男性性が、女性の読者にとっては、なぜか余計に性的に感じられる。主人公が、自己主張のあまり無い、わけのわからない青年であるにも関わらずとても魅力的に思えるのは、そのためだろうと思う。この「僕」は、すごくセクシーだ。分かりやすいセクシーさじゃなくて、なんだか、心の底からくすぐられるセクシーさなのだ。女性読者はそれをかぎつけて心酔するし、男性読者はそれに共感する(のではないかと思う)。
この感想は、村上の他の作品『ノルウェイの森』の主人公に対しても抱いた。村上の描く「僕」には、そういう共通点がある。とても魅力的だ。
わけもわからず、さらっと読めてしまう短編。わけもわからないだけに、何回読んでも飽きたりしないし、何回でも求めてしまう作品。
風の歌を聴け (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 風の歌を聴け (講談社文庫)より
4061317776
No.115
(5pt)

36人目のレビュー

頭で考える事と心で感じる事、その境界線を破壊してくれるような物語はそう多くはありません。然しながら、この物語は自分の無意識君の所まで壁抜けして入って来た困り者の一人でした。今更ここのレビュー見て新たにこの作品を読む人も少ないとは思いますが、今までにこの物語を読んだ事のある方、是非極力頭を使わずにボケラーと字面を眺めてみて下さい。ココはコウイウ意味なんじゃナイノ?とか。鼠って何のメタファーだよね?とか。そういうの抜きも、たまにはいいじゃないですか?ビール飲むときは、ビール飲みたいから。ビール飲んで美味しいのは、ビールが旨いから。そういうのもアリにしませんか?『風の歌を聴け』と命令されてるんだから、自分の五感で風の声を聞いてみようかなと、自分的にはそれで全然オーケーでした。その無意識君からのフィードバックを、しばらくしてから自我意識君がモグモグやる訳です。それに耐えうる作品を書いておられる村上春樹さんマンセーです。結局の所、物語とは書き手と読み手のお互いの影が交わるところなのでしょうから。どうぞ言の葉をモグモグ反芻して下さいませ。自我意識君が思いもかけない事を発見出来るかもしれませんよ。
風の歌を聴け (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 風の歌を聴け (講談社文庫)より
4062748703
No.114
(3pt)

自己分析的小説

帰省中の大学生「僕」と友人の「鼠」のひと夏。
ロマンスと呼ぶには奇妙な設定の恋と、独特の味を出しているジェイズバー。そんな中で生き生きと描かれているのは、ハートフィールドをはじめとする作家の話だった。
夏の思い出として振り返っているにはあまりにも詳細であり、現在の話としては淡白すぎる。
自分の過去をビデオで見て再確認するような小説だった。
春樹作品の主人公「僕」は、いつも同じような性格と雰囲気を持っている。その「僕」の青春時代、すべてのはじまりの物語として一読をお勧めする。
小説家は自らを描く以外に書くものはない。
風の歌を聴け (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 風の歌を聴け (講談社文庫)より
4062748703
No.113
(4pt)

ごつごつした文章

 村上春樹のデビュー作であるこの作品はなんと言えばいいのだろう。
 退廃的、斬新、何も残らない、表現すればこんな感じ。
 読者によって好き嫌いが分かれてしまう作品かもしれない。
 私には少し荒削りな、ごつごつした感じの文章という印象でした。
風の歌を聴け (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 風の歌を聴け (講談社文庫)より
4062748703
No.112
(5pt)

ムラカミ・ワールドの原点

先週遂に「春樹をめぐる冒険」国際シンポジウムが開かれたほど、今や国境を越えてが愛読されている村上春樹。本書は著者のいわずと知れたデビュー作。後の作品のモチーフが凝縮されている。鼠もビールも指が4本の女の子の双子の女の子もサンドイッチも中国も井戸も、31章の古墳を眺める鼠の感覚と32章の火星の井戸の縁に腰を下ろし荒野を眺めた青年の感覚との対称性と同一性も・・・・・・本当にきりがないほど。本屋や図書館司書泣かせのデレク・ハートフィールド創作は抜群のアイデア。十年に一度は風の歌を聴きたくなる。
風の歌を聴け (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 風の歌を聴け (講談社文庫)より
4062748703
No.111
(5pt)

取り合えず読むっきゃない。

まず普通の小説からは違う書き出しでこの小説は始まる。それはまるでドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」のような始まりかただなぁという印象を見出すことができる。そして、この本を読み終えると鮮やかとは言わないが、なにかある種の満足感を与えてくれる本である。
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4062748703
No.110
(3pt)

雰囲気だけで読ませる作品。('-,_ω-`)プッ

えーと、微妙です。('-,_ω-`)プッ
とりあえず前半は楽しめました。親しみやすい文体がすーっと身体の奥に入っていく感じがして心地よかったです。
だけど後半から(主人公が女子と絡みだした辺り)謎の哲学めいた言葉だったり、他の書物から印象的な言葉を引用したりとよくわからない展開になって興ざめしてしまいました。
中盤辺りで一度読むのをやめたのがまずかったかなあ。一気に読めば前半の心地よさをそのまま後半まで持ち越せた気がしなくもない。
この人の小説全般に言えることだけど、訴えたい明確なテーマってないですよね。多分。最初にプロットは立てるけれども書いていく中でどんどん話が脇に逸れて行ってる気がする。で、最終的には意味の分からないものになると。
だけどその意味の分からない話の中にも共感するところがあったり、話の雰囲気がなんとなく良かったりしてこの人の作品は評価されてるんでしょうけど、今作では読了した後、その"なんとなく良い"感じにはなれませんでした。ダンスダンスダンスとかねじまき鳥ではなれたんですけどね。何が違うんでしょ。('-,_ω-`)プッ
風の歌を聴け (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 風の歌を聴け (講談社文庫)より
4062748703
No.109
(4pt)

順番は重要

春樹氏はすでにスーパーな作家だ。
だから今春樹氏に初めて出会えば今の新作から読むと思う。
でもそれからその新作を読んでみて「いい」と思えたなら必ず作者のデビュー順に読んでみてほしい。
するとその「いい」と思えた作家の歩みまでが楽しめる(読める)。
これはその人の作品を読むうえですごく貴重な体験を提供してくれるはずだ。
本書は著名なこの作者の「スタート」で、作品自体もコンパクトなのに十分に味わい深い実が凝縮された作品だと思う。
結局はノルウェイもここから出世したんだな〜、と思うだろう。
実は「根」は同じなのだ。
村上春樹氏の順番の「1」を楽しんでほしい。
風の歌を聴け (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 風の歌を聴け (講談社文庫)より
4062748703
No.108
(5pt)

文学的なことはわからないが

村上春樹は私の最も好きな作家さんです.
なかでも,この処女作はこれまで何遍も読み直しています.
何遍もの読書に耐えうるだけの力を持った小説であることは確かです.
この人の描き出す世界が心地よく感じる理由を表現しようとすると,
論理的に簡潔に表現できない.
もちろん文体の軽やかさや,
比喩を駆使した表現などが
魅力的ということはわかる.
けれども,
そこだけに惹かれているわけではないこともわかる.
この引っかかるような心地よい感覚を感じてください.
風の歌を聴け (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 風の歌を聴け (講談社文庫)より
4062748703
No.107
(5pt)

おもろい

 村上さんの作品は気取ったところがあるから嫌いだ、とかいう人がい
ますが僕は彼の作品が好きです。確かにかっこつけすぎの表現はありま
すが、読んでいてなんともいえない世界に浸ることができます。人に何
かを語る本もいいですがカンジで入っていく彼独特の調子は読んでいて
癖になります。
 この作品は村上さんのデビュー作で「1973年のピンボール」「羊をめ
ぐる冒険」「ダンス・ダンス・ダンス」とつづいていく4部作になって
ます。この作品が気に入った方は読んで見てください。
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4062748703
No.106
(5pt)

この本から始まった

単行本の初版を買った。純文学はほとんど読まないがロックとジャズの香りが漂う本を好んで読んでいたから買った。世代も2つ上の作者ということで同世代の共有するものを感じた。僕には「わかる」本であったが、芥川賞の講評を読んで、こういう人のために書かれているのではないのになあと思った記憶がある。20年経った今、いわゆる大作家になったはずなのに、私にはそんな風に思えない。そういう意味ではそれまでの作家のイメージを払拭してくれた新しいタイプの作家です。テレビに出ない、自分の我侭を貫く、すごくアメリカンぽっくて実は庶民の目が根底にある。そして体制に迎合しない。作品の前に人物に惹かれているので一応全ての作品を読むことになった。
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4062748703
No.105
(3pt)

悪くはないんですが…

非常に読みやすく、世界に入り込みやすいことは好感が持てます。しかしそのことと、文学性は切り離して考えるべきだと思います。まったく別のある実用書のレビューで、次のようなことを書いている人がいました。
「この本は非常に○○についてわかりやすい。しかし、わかった気になるだけで実際はわかっていない危険性をもはらんでいると思う。読むと文学がわかった気になる村上春樹作品と似ている」
非常に的を射たコメントだと思います。そして、この小説は村上春樹の処女作だけあってその性質が特に顕著です。
個人的には村上春樹氏は、純文学の新境地を切り開いたと言うのではなく、純文学を大衆文学に近づけたという意味で偉大なのではないか、と思います。それはすばらしいのですが、氏は同時に「曖昧なままごまかす」という手法を文壇に持ち込んでしまった点が、少しまずかったんじゃないか、という気がします。
要するに彼の作品でしばしば見られる
「‾つまりはそういうことだ」
という表現です。この作品などはそれの宝庫です。この言葉を、小説、ひいては文学をわかったつもりにさせる免罪符として用いているような気がしてしまうのです。文章で書いてあるからには、三島由紀夫の作品のように、細大漏らさず書いてほしいと、僕は思います。
この小説を読んでピンと来なかったとしても、文学を諦めるのは早すぎます。ピンと来なかった人は、曖昧な表現が受け入れられなかった可能性が高いと思います。そういう方には、三島やトルストイなどの、ハッキリと書いてある作品をお薦めします(ただ、その細部を理解するのは少々困難ですが)。
村上春樹氏の作品では、「スプートニクの恋人」が、最後に曖昧さがあまり残らず、晴れ晴れとした読後感が得られるので、お薦めです。
風の歌を聴け (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 風の歌を聴け (講談社文庫)より
4062748703
No.104
(5pt)

嵐の後で

村上春樹は間違いなく全共闘時代を生き、影響を受けた作家の一人だが、彼はそれから10年の年月を経て語り始める。しかも全共闘時代という嵐を書くのに、70年代の退屈な夏を書く。ちょうど大地震の物凄さそのものを見せるのは不可能で、地震が収まった後に被災地の映像を写すことしか出来ないのと同じように。そういえば、僕の学生時代には「しかし彼女は間違っている。僕はひとつしか嘘をつかなかった。」という部分で、どれがそのひとつの嘘だと思うか、という問題が流行ったこともあった。そういうことを思い出すと、やはり村上春樹は社会現象だったのだなと思う。
風の歌を聴け (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 風の歌を聴け (講談社文庫)より
4062748703
No.103
(5pt)

村上ワールドへのプロローグ

この作品に出会ったのは予備校生のときで巷では村上氏の「ノルウェイの森」がベストセラーとなっていました。姉にもらったこの本はいまだに何かのおりに読み返してもう20回ぐらい読んだと思います。当時ちょうど主人公と同じ年頃で大学生への憧れもあいまって強烈に響いたと思うのですが、今も当時のままの思いで読むことができます。確かに他の村上作品にはもっとインパクトのあるものもたくさんあり好きな作品もたくさんあるけれど何故かこの作品は自分にとって別格のような気がします。デビュー作が一番好きだなどというと村上さんには申し訳ないけれど、いまや村上ワールドに入り込んでしまった自分にとってのプロローグがこの作品なのだと思います。かすかに心地よく流れてくる風の歌が本当に聴こえてくるようなそんな作品です。
風の歌を聴け (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 風の歌を聴け (講談社文庫)より
4062748703