■スポンサードリンク
十三角関係
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
十三角関係の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.57pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
1956年出版の「本格」推理小説。そもそも嗜好からして「変格」の風太郎先生がどんな作品を書いたのか、と思って読んだ。「本格推理」、論理整合性のために人間描写がステレオタイプになることが多いのであまり好きでないけど。 娼館のマダムのバラバラ殺人という異常な事件、そして戦後の風俗を描いた前半は面白く読んだ。筆運びもなめらかで、私の生まれた年に出版されたので、背景となる風俗もなんか懐かしい。でも、最後の謎解きの部分になると筆がなめらかでなく、読みにくい。また、無理やりプロットをつくった感じで、犯行の動機もアリアリティがない。やっぱり、風太郎さんはこじんまりとまとまった小説でなく、破天荒なホラ話が似合うなぁ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
収録の「帰去来殺人事件」が差別語により削除された経緯があり、おそらくその流れで傑作選中唯一電子化されない状況が続いています。しかし精神病院の描写が凄まじい「十三角関係」は削除されず、どうも出版社の基準が良くわかりません。紙の本でも後期再販分は「帰去来殺人事件」が復活しているとの情報もあり、ぜひとも早期のkindle化を望みます。私は紙の本で購入し引越しの折に手放してしまったため今になってkindle版にて傑作選を買い直してますが本作品のみ読むことが叶わずにおります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
新宿歓楽街の裏のぼろアパートに住む医者なのか探偵なのかわからん怪人物・荊木歓喜シリーズ。人間心理に注ぐ冷徹な眼と熱い心はやまふーの分身か。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
歓喜先生の人柄に救われてます。救いといえば表題作のラストは…風太郎は神だなあ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
女を描かせて山風の右に出る作家はまずいません。 本作は長篇ミステリですが、山風の短篇ミステリのエッセンスを凝縮してさらに一段階高次に引き上げたような傑作です。 舞台は戦後まもない売春街。主人公の探偵役は堕胎専門の闇医者。 このデカダンきわまる設定だけで、傑作の予感はぷんぷんします。 戦後間もない日本といえば、価値観の劇的な転換期であり、文学畑でも坂口安吾や太宰治など、既存の価値観を爆散させんとするかのような刺激的な作家が躍進した時代。 山風も一般的な知名度は劣るものの、上記二者と並ぶ作家です。 男から見た女性心理というのが最大のミステリだ、という「眼中の悪魔」にも通じるテーマ。 トリックも自著から引かれたアイデアが取り込まれています。 登場人物たる妖婦と聖女がそれぞれ対立概念として描かれ、物語に深みを与えます。 文体はきわめて明快で娯楽色が強い。キャラクタもそれぞれ戯画化されていてわかりやすい。 それでいてテーマは深く普遍的で、警句もすぐれ、一個の文学作品として完成度が高い。 ミステリファンにも文学青年にも薦められる名著です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
山田風太郎作品は忍法帖から入ったのですが、元々はミステリが好きなので手にしてみました。これは素晴らしいです。作者独特の古さを感じさせない文章から、序盤での供述が長く感じず、不可能としか思えないトリックを完璧なまでに見せてくれます。読んで損はありません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
山田風太郎にとっての唯一のシリーズもの探偵・茨木歓喜の登場するほぼ全作品を集めた作品集。大兵肥満・酔いどれの茨木歓喜は売春婦たちの堕胎を生業とする非合法の医者。そんな彼が時に優れた洞察力を発揮し、事件の真相を見抜きます。しかし犯罪を犯す人々は時として、弱い立場の人であったり、被害者も殺されても仕方ないような(?)悪人であったりするわけで、そんなとき、情に厚い歓喜先生は真相を指摘しながら見逃したりするわけです。そんな型破りでアウトローな名探偵・茨木歓喜が活躍する作品集。前半は短編集、後半は長編「十三角関係」という構成。この中でのお勧めは最後の短編「帰去来殺人事件」です。この話では、普段は傍観者の立場であった歓喜先生が殺人事件!の容疑者として疑いを受けたり、歓喜先生の過去に触れられたりします。そしてラストは涙なくして読めないような圧倒的な結末。この一編で茨木歓喜は僕にとっての永遠のヒーローになりました。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!