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遠い旋律、草原の光
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遠い旋律、草原の光の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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意外にも評判良いみたいなのですが、これは正直音楽ミステリとしては箸にも棒にもかからない駄作でしょう。 カリンニコフの如き、知る人ぞ知る作曲家の交響曲なんぞをモティーフに使っているところから見ても、 作者はそれなりにクラシック音楽に対する造詣もあるはずなんですが、(個人的にはそういう作曲家を使うことによる、そのへんのひけらかし感も若干イラッとくるところですが・・・)それにしてもあの楽譜になっている暗号トリックはひどすぎると思います。 どこがひどいか。まず第一に「誰が見ても表記が不自然でまともな楽譜には見えない=どう見ても暗号でしょ」という点。まあ、音楽について無知な相手をごまかせれば良い、というレベルなのでこの点はまだ良いのですが、致命的なのは「いくらなんでも曲としてひどすぎるwwww」点でしょう。譜面を追ってみると誰でもわかるのですが、まあどう贔屓目に見ても、幼稚園児の落書きレベルで、こんなものを聞かされる観客はたまったもんじゃないでしょうし、これをプログラムとして取り上げる主人公など、プロとしてありえないレベルの狂人だと思います。(作中でこの曲をなんどもさらっている主人公の描写には苦笑を通り越して狂気さえ感じずにはいられませんでした。) 加えて「暗号が解明され、驚愕の真実が明かされる」ような話ならともかく、明かされた内容そのものがどうしようもなくくだらない、どうでもいいようなことで、それが判明したときは思わず本を破り捨てたくなるはずです。 恋愛小説として素晴らしいとの声もありますが、これもそこまで心情的に共感できるところがなく凡庸な出来だと思います。まあ実際、オリジナル曲の楽譜で暗号を作って、しかもそれが曲としても素晴らしいなんていうのは、ほとんど神業とも言えるのではないかと思いますが、このレベルのものを小説として出版してしまうというもの、ある意味神の如き豪胆と言えるのではないでしょうか。 | ||||
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うーん。……何と言ったらいいのでしょうか。 とりあえず、ミステリとしては、冗長な凡作です。美貌の指揮者と難病を患う抽象画家の出会いを契機に三代にわたる秘められた因縁が露わになる、というだけの話で、新たな犯罪事件は何も起こらず、楽譜の暗号だけはよく出来ていますが、そのほかの謎は(二つの暗号も含めて)何ほどのこともなく、それでこのページ数ではあまりにも長すぎます。解明の過程も、変なもったいぶりが鼻について、よろしくありません。 恋愛小説としても、いまひとつです。長篇二冊分の分量があるのですから、横恋慕や不慮の災害、誤解や錯覚など、あの手この手で、もうちょっと紆余曲折させるのが小説の作法というものでしょう。出会いました、お互い好きになりました、気持ちが通じ合いました、そして……、では、簡単すぎて胸に響いてきません。 本篇は、それぞれの道に心血を注ぐ若き芸術家たちの生きざまを描いた「芸術家小説」として読むべき作品なのだと思います。 ところが、特殊小説家である作者は、本来なら芸術家の人間性を描くことに注ぐべき労力を、彼らの創り出す芸術そのもの、文章では表現しがたい音楽や抽象画を描き出すことに注ぎ込みます。殊に、コンサート・シーンの描写は素晴らしく、活字だけによって、音楽をここまで表現したという点だけでも、この作品の存在意義はあると思います。 私としては、画業に専念していた緑川弦が火渡樹理に恋した時、彼の心の中で何が起きたかをもっと知りたいと思いました。時として、絶望が人を平安にし、希望が人を苦しめ狂わすことがあります。樹理を愛したことにより、忘れていた死への恐怖が幾倍にも大きくなって甦ったのではないでしょうか? しかし作者は、そんなことにはお構いなく、長々と、生き生きと、抽象画創作の過程を書き綴ります。 結論としては、見当違いな期待をせずに読むならば、これは確かに、美しい日本語で表現された充分に良い小説です。 | ||||
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うーん。……何と言ったらいいのでしょうか。 とりあえず、ミステリとしては、冗長な凡作です。美貌の指揮者と難病を患う抽象画家の出会いを契機に三代にわたる秘められた因縁が露わになる、というだけの話で、新たな犯罪事件は何も起こらず、楽譜の暗号だけはよく出来ていますが、そのほかの謎は(二つの暗号も含めて)何ほどのこともなく、それでこのページ数ではあまりにも長すぎます。解明の過程も、変なもったいぶりが鼻について、よろしくありません。 恋愛小説としても、いまひとつです。長篇二冊分の分量があるのですから、横恋慕や不慮の災害、誤解や錯覚など、あの手この手で、もうちょっと紆余曲折させるのが小説の作法というものでしょう。出会いました、お互い好きになりました、気持ちが通じ合いました、そして……、では、簡単すぎて胸に響いてきません。 本篇は、それぞれの道に心血を注ぐ若き芸術家たちの生きざまを描いた「芸術家小説」として読むべき作品なのだと思います。 ところが、特殊小説家である作者は、本来なら芸術家の人間性を描くことに注ぐべき労力を、彼らの創り出す芸術そのもの、文章では表現しがたい音楽や抽象画を描き出すことに注ぎ込みます。殊に、コンサート・シーンの描写は素晴らしく、活字だけによって、音楽をここまで表現したという点だけでも、この作品の存在意義はあると思います。 私としては、画業に専念していた緑川弦が火渡樹理に恋した時、彼の心の中で何が起きたかをもっと知りたいと思いました。時として、絶望が人を平安にし、希望が人を苦しめ狂わすことがあります。樹理を愛したことにより、忘れていた死への恐怖が幾倍にも大きくなって甦ったのではないでしょうか? しかし作者は、そんなことにはお構いなく、長々と、生き生きと、抽象画創作の過程を書き綴ります。 結論としては、見当違いな期待をせずに読むならば、これは確かに、美しい日本語で表現された充分に良い小説です。 | ||||
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ミステリとして読むと三つ星。 恋愛小説として読んで五つ星。 故に評価を四つ星にしました。 音楽・絵画・短歌。 様々な芸術が倉阪鬼一郎の手によって読者の前に表されますが その全てが素晴らしいです。 読書をしながらオーケストラの演奏を聴いている気持ちになり 読書をしているのに目の前に絵画があるように思えてくる。 素晴らしい文章です。 それだけに謎解きが野暮ったいというか 蛇足に感じてしまったような気が・・・。 (読者それぞれ感じ方次第でしょうが) それでも何度も読み返すであろう良作であることには間違いありません。 | ||||
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ミステリとして読むと三つ星。 恋愛小説として読んで五つ星。 故に評価を四つ星にしました。 音楽・絵画・短歌。 様々な芸術が倉阪鬼一郎の手によって読者の前に表されますが その全てが素晴らしいです。 読書をしながらオーケストラの演奏を聴いている気持ちになり 読書をしているのに目の前に絵画があるように思えてくる。 素晴らしい文章です。 それだけに謎解きが野暮ったいというか 蛇足に感じてしまったような気が・・・。 (読者それぞれ感じ方次第でしょうが) それでも何度も読み返すであろう良作であることには間違いありません。 | ||||
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