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煤煙
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煤煙の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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グレーな弁護士業ものとして見ると、エンタメ性ばっちりで面白い けれども破滅願望という点で見ると、男の中途半端なわがままだなぁと。特に、家族は捨てたのに男の友人は捨てなかったあたりが、こいつ捨てきれてないなという感じ 弁護士ものとしてのシリーズで見たかった | ||||
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硬骨の弁護士。 ブラディドールシリーズの宇野弁護士こと、キドニーにも通ずるのが この作品の主人公・青井正志だと思います。 たとえば交通事故の裁判。 誰がどう見ても明らかに歩行者に非があっても、 車側に責任だけは取らせる。 青井は、これが納得できない。 だから、そういう裁判を引き受ける。 541ページもある作品なので、読み応えは抜群なんだけど、 連作ではなく、本当に一つの話なので、 幾つもの事件を抱えて少しづつ話が進んでゆく内容だから、 読んでいるこっちはジリジリともどかしさすら感じてしまう。 さらに、 この作品は終盤が凄い。それも色んな意味で。 何もかも、全てをぶち壊すような展開で、 読んでいるこっちは「えぇぇぇええええ!!!???」と叫びそうになった。 全541ページ中、515ページまでは死ぬほど面白い! だけど、残りの26ページは・・・。 これはもう、実際に読んでもらうしかないわ。 | ||||
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自分を壊したいと思って、壊し続ける男の物語。 青井正志。40歳。離婚した弁護士。 どうして、壊したいのかが、よくわからないが、 それが 男の 美学であり 悲劇の主人公 なのだろう。 あらゆるものを 失おうとする 意志。 法を武器とすることで、一人で反乱しようとする。 駐車禁止を取り締まりにたいする 婦警への追求 が なんともいえず 悲しいような気もする。 子供が飛び出てきて、それにぶつかった男を弁護する。 子供を被害者でなく 加害者として訴えるという。 無過失責任とはなにか? 車は 急に止まれない。 なぜ 制限速度が決まっているのに、それ以上走れる車を生産するのか? サラ金の法定外利子にたいする たたかい。 お金に執着せず 何が問題なのか ということに挑む。 北方謙三の ハードボイルド。 | ||||
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北方謙三氏の現代版ハードボイルド(敢えてこう呼びます)は、読んでいませんでした。と言うより避けていたのです。大藪ハードボイルドと比べるとどうしても湿気を感じる内容だと思っていたからです。ですが、これは何だ!!ほとんど大藪春彦だ。何だろうこの乾いた感じは?歴史ものだけは、すべて読んでいますが、現代版北方氏がこんなことになってるとは思いませんでした。何もわかっていなかったことが、よくわかりました。 現代の何も目的が無くなった渇き、飢えが溢れてくるようなまさしくハードボイルドです。大藪春彦が生きていたら、もし、最盛期の大藪春彦であったら、こんな小説が生まれていたのに違いないと思わせる小説でした。間違いなく北方氏が正統な日本ハードボイルド小説の流れの最先端にいることを感じさせてくれるものです。 どこまで続くんでしょう。壊れるまでかな? | ||||
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非常に有名な作家ですが、実際に作品を読んだことがあるひとは、意外と少ないのではないでしょうか。もったいない。北方謙三は、とんでもない天才作家なのに。 中年の弁護士が、無罪の人間を有罪にし、有罪の人間を無罪にし、善悪を超越した暴挙をくりかえして、ゆるやかに破滅へ進んでゆく。ただそれだけの物語が、すさまじい殺気と無常感をはらんで、無我夢中で読み終わりました。 むずかしい文章は一行もない。だけど、これは、文学です。とてつもなくクールでホットな、現代文学です。 | ||||
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ここしばらく水滸伝と剣豪小説の目立った感のある著者ですが、久々に力のある”現代物”のハードボイルドです。かなりヴォリュームのある小説ですが、読み出すと止まりません。主人公が自ら社会常識的なものからはみ出そうとしていく様は、初期の名作「檻」を思い起こさせますが、今回は主人公が弁護士という設定がために、ある意味でよりリアルな感覚で迫ってくるものがあり、読者の方がそれに魅入られてしまうかのようです。救いのない結末ですが、不思議と読後感も不快さはありません。事件設定も一つ一つ面白いですし、別れた奥さんや娘、事件の関係者たちもそれぞれ味があります。 | ||||
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毀れてしまいたい、という自己破壊の願望を持ちながら、己の持つ体力、知力、生命力から、落ちていくことのできない弁護士が主人公。社会的正義よりも、自らの正義、規範を元に、自らが事件を調べ、やくざ等と法律を武器に戦います。長編ですが、いろいろな事件を次々と扱っていくような形です。肉体での戦いは少なく、言葉での戦いが中心になってきます。一気に読みました。謎や事件の結末が気になって途中で読むのを止められないというより、主人公の生き様に、捕らえられ、抜け出せなくなる、という感じでした。主人公の元妻、愛人等、他の登場人物も魅力的です。 | ||||
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