■スポンサードリンク
アリスの国の殺人
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
アリスの国の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.71pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
徳間文庫が版の途絶えていた名作を続々と再版しており、ありがたい。 オールドアニメファンにお馴染みの辻先生だが、小説はスーパー&ポテトシリーズを二冊読んだだけだ。メタフィクションが入るので、あまり好きではなかった。 本作はいい。メタというより現実と虚構の境界をぶち壊すパワーに溢れている。 コミック雑誌創刊準備で多忙な編集者・綿畑は、スナックで居眠りしているうちに愛する「不思議の国のアリス」の夢を見る。夢の世界で綿畑はアリスとの結婚式に臨む。が、チェシャ猫殺害の容疑者として裁判にかけられる。目覚めた現実の世界では、鬼編集長が殺されていた。夢と現実の二つの殺人の真相は? 驚くべきことに、二つの事件にしっかりした謎解きが用意されている。どちらも推理譚として一級品である。夢のほうはコミカルで「てへべろ」な解決で、現実は生々しく痛ましい真相が判明する。それぞれの世界にふさわしい決着だ。終盤のカタルシスには、唖然とするしかない。アリスを扱ったミステリは小林泰三が書いているし、虚実が混ざる世界は「鉄鋼少女」だったか?で読んだ。でも、本作はそれよりずっと前に書かれている。 80年代に本作をものした辻真先は、凄いとしか言いようがない。 他人の創作したキャラを使うのは反則ぽいけど、それこそが本作の核心だしなあ。ラストのフィクションからの逆襲は、痛快至極。夢の世界の住人は死なない。吾妻ひでおが大御所として登場するシーンは、感無量だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
二つの世界を行き来するのはまあまあ面白い。とはいえ、いまや陳腐な感もある。そして、素直にアリスの世界にすればいいものをニャロメニャロメうるさい。途中からこの世界の話は全て読み飛ばしたが全く問題ない。時々使われるギミックがうるさい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
82年当時、笠井潔氏「サマーアポカリプス」と争っての賞受賞。 従って、テーマ、ストーリー、トリックといった観点でなく、一言で言えば全編遊び心をミステリに取り入れた斬新性が勝ったということか。 確かに今でいうバカミスやメタミスの要素は先見的であるのだが、現実とアリスの夢物語を交互に描くことで、かえってどちらの物語も中途半端に終わってしまった感がある。 いっそのことアリスの夢物語に徹した方が良かったのではないか。 その昔に都築道夫氏の夢と現実の区別がつかなくなる短編があったが、辻氏流の都築氏に捧げたオマージュだったのかもしれない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
結城信孝が「叙述ミステリベストテン日本編」であげていたので読んでみたが、これはないわ。だいたい叙述じゃないし、『不思議の国のアリス』と日本まんが・アニメのパロディーみたいな部分はちっとも面白くないし本編(?)と大した関係はないし、本編もトリックは荒唐無稽、女の描き方がひどいし、推協賞も変なのが多いわ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
不条理ものが好きな方なら楽しめるのだろうか? 著者のユーモアのセンスが私には合わなかったのか、まったく面白さがわかりませんでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
新宿ゴールデン街のはずれにあるスナック「蟻巣」に集まる作家、マンガ家、編集者たち。児童文学、特に『不思議の国のアリス』が大好きで、児童書出版で名を成す幻想館へ入社した綿畑克二もそんな編集者の一人。が、希望と違って、幻想館が新たに発行するマンガ雑誌の担当につかされ、さらには他社から引き抜かれた鬼のような編集長には怒鳴られっぱなしと不満の募る毎日。ある日、蟻巣で愚痴をこぼしながら酒を飲み、酔って寝込んでしまった綿畑は、自分が『不思議の国のアリス』の世界にいる夢を見る。そこで起こるチェシャ猫殺猫事件。容疑者にされた綿畑は、恋人であるアリスと真犯人を探し始めるが・・・。さらには、驚いて目覚めた現実の世界でも殺人事件が待っていた・・・。 現実と夢が交錯し、その両方で起こった不可能犯罪を描く本格ミステリ。 現実の世界と夢の世界を交互に語り、『不思議の国のアリス』を意識した言葉遊びがあちこちに散りばめられ、最後の最後に著者得意のテクニックで読者をアッと煙に巻く。なんともよくできた、凝りに凝った作品です。特に夢の世界のパート、現実世界から見ればありえない摩訶不思議な論理が通るワンダーランド、そこで起こった密室殺猫事件が一体どう解き明かされるのか、マンガ世界からのゲストも多数登場し、とてもおもしろく読めました。 この後、スナック「蟻巣」は、作者の創造したシリーズ探偵や登場人物たち、ポテトとスーパー、トラベルライターの瓜生慎、マンガ家の那珂一兵らが出会い推理を披露しあい、談笑する、辻作品世界ではとても大切な場所になっていきます。そんな蟻巣が初お目見え(だと思います、多分)、さらに第三十五回日本推理作家協会賞長編部門受賞作と、辻ファンなら読み逃し厳禁の一作です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
新宿ゴールデン街のはずれにあるスナック「蟻巣」に集まる作家、マンガ家、編集者たち。児童文学、特に『不思議の国のアリス』が大好きで、児童書出版で名を成す幻想館へ入社した綿畑克二もそんな編集者の一人。が、希望と違って、幻想館が新たに発行するマンガ雑誌の担当につかされ、さらには他社から引き抜かれた鬼のような編集長には怒鳴られっぱなしと不満の募る毎日。ある日、蟻巣で愚痴をこぼしながら酒を飲み、酔って寝込んでしまった綿畑は、自分が『不思議の国のアリス』の世界にいる夢を見る。そこで起こるチェシャ猫殺猫事件。容疑者にされた綿畑は、恋人であるアリスと真犯人を探し始めるが・・・。さらには、驚いて目覚めた現実の世界でも殺人事件が待っていた・・・。 現実と夢が交錯し、その両方で起こった不可能犯罪を描く本格ミステリ。 現実の世界と夢の世界を交互に語り、『不思議の国のアリス』を意識した言葉遊びがあちこちに散りばめられ、最後の最後に著者得意のテクニックで読者をアッと煙に巻く。なんともよくできた、凝りに凝った作品です。特に夢の世界のパート、現実世界から見ればありえない摩訶不思議な論理が通るワンダーランド、そこで起こった密室殺猫事件が一体どう解き明かされるのか、マンガ世界からのゲストも多数登場し、とてもおもしろく読めました。 この後、スナック「蟻巣」は、作者の創造したシリーズ探偵や登場人物たち、ポテトとスーパー、トラベルライターの瓜生慎、マンガ家の那珂一兵らが出会い推理を披露しあい、談笑する、辻作品世界ではとても大切な場所になっていきます。そんな蟻巣が初お目見え(だと思います、多分)、さらに第三十五回日本推理作家協会賞長編部門受賞作と、辻ファンなら読み逃し厳禁の一作です。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!