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半落ち
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半落ちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.74pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全216件 141~160 8/11ページ
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各章が、それだけでも十分に完成された短編小説。それらが絡み合って、結果的に、最終章で読者が“完落ち”させられる。一気に読まされてしまいました。 | ||||
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命とか感動とか考えず、ミステリーらしく半落ちの理由、2日間の空白を考えるのがいいです。考えつきそうな女性関係とか、死に場所を探してとかじゃなく、少なくとも私には思いつきもしない理由だった。裁判に至までの人々の描写も良かった。人間、立場や感じ方で十人十色である。と言う事を再認識した。映画は感動ものとして作ってあるので、いわゆるオチを前に出しすぎてミステリーの原作台無しかも。 | ||||
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評判を聞き、映画を先に見ようか原作を読もうか迷った挙句、原作→映画を見たのですが、映画にはガッカリ。原作のミステリーとしての良さが全然反映されず、何故かヒューマンストーリーになってます。小説だけ読んで欲しいです。作者がもと編集者というだけあって、マスコミや警察の舞台裏のディティールがすごい。警察官がアルツハイマーの妻を殺した。しかし、自首してきたのは二日後。その空白の二日間に何をしていたのか。この小説の魅力は、一つの謎をめぐって、取調官、検察官、弁護士などなど、それぞれの視点の賞で構成されていること。それぞれの職業の正義をかかげつつ、組織の一員としてしばられ、不本意に臭い物に蓋をしなければならなくなる過程が見事に描かれています。とてもリアルで、サラリーマンっぽい。そして謎が余計に深まり、次の章に繋がっていく。結末で分かる二日間の謎は、大したことはないですが、そこまでの期待感が素晴らしい一冊。 | ||||
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犯罪を犯した後の2日間を語らず半落ちを守り通す主人公。そしてそれを取り巻く、それぞれの立場の者。取調官、検察官、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官と職も立場も違う。しかしそれぞれが自分の正義を通したいが、組織の壁に立ちふさがれる。久しぶりに奥の深い物語にめぐり逢えた気がします。そして最後に語ろうとしなかった2日間の謎を知った時にきっと納得するでしょう。 | ||||
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ケーキもキャンドルもなかった今年のクリスマスに,この本と出会いました。「本のページを捲っているときだけ,孤独から解放された」(43頁)エッ?それぞれの立場からなる各章の至るところにキーワードは顔出しているのに,ページを捲るものには「空白の2日間」に対する煮え切らない思いばかりが繰り返される。この先どうなっていくのだろう?思えば当たり前のようでもある最終章とはいえ,久しぶりに暖かな涙がとまりませんでした。「あなたは誰のために生きているのか」そう,共に暮らしてはいなくとも,生きていくための支え(理由?)は要るのです。作者が同世代であることに,最後に気づきました。 | ||||
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警察官の「梶」という男が、妻を殺したと自首してきた。警察は揺れる。なぜなら、警察官が罪、まして殺人を犯したからだ。警察は「梶」の取調べを始める。そこである問題が生じる。それは、「梶」が妻を殺した後、二日間もの間、どこかに行っていたという事実だった。そこで何をやっていたのかという「真実」を語らない「梶」に、生まれたのは「空白の二日間」であった・・・・・・「空白の二日間」を主軸に置き、六人の人物の視点によって物語は構成されています。それぞれの人物で生じる組織と個人との摩擦、「梶」の目に湛えられた「真実」、それに惹かれ、巻き込まれていく六人の男の行動は、上手く描かれているなあと思います。しかし、一つ難点を付けたい。本書を「ミステリー」として形容していくのであれば、少しインパクトに欠ける。「空白の二日間」の切り口は面白かったが、そのやり方を取った分だけ、急転直下の結末には、少し物足りなさが残った。ということで、星4つという評価をしました。 | ||||
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組織の中の個人。小さな個に対してそれよりも大きなものとの間に起きる矛盾や視点の相違といった描き方は、刑事、検察官、新聞記者、裁判官の別々の視点から語られることで、読者を力強く引っ張っていく展開ではあったけれど、結末がそうした「摩擦」や「矛盾」が生む苛立ちを削り落としてしまう結果になったのでは?と思いました。読者を引っ張るものが、そうした矛盾から生まれてくる様々な感情であったので、そのまま、「矛盾」の渦に放り込まれたかった気も致しました。 | ||||
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全読したあとに多くの人は主人公と同じように一つのことをするのではないでしょうか。私もすぐそのサイトを開き、今そのことを終えました。小市民なりに、生きる意味、誰かのために生きる意味を得ることができました。ありがとう。横山氏 | ||||
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この作品に限らず、横山秀夫氏の作品に共通しているのは、組織の中の個人であり、社会における矛盾点である。社会とは、勧善懲悪といったものではなく、善悪という価値基準のみに拘束されるものでないため、矛盾を多く孕んでいるもの。この作品の読み方として、個人的には、「ミステリーとしての謎解きがどうだ」とか、「オチがどうだ」とか、「(直木賞の選考の際に話題になったような)犯罪者のドナーがなんたら」とか些末な部分に目を向けるつもりは、全くない。まるでベルトコンベアーで運んでいくかのごとく、どんどん先に進むその社会、そしてその社会が間違っていると認識しつつも、結局は、世間の波に飲み込まれていく各登場人物の心の葛藤。この物語は、一つの事件を通じ、それに関わる多くの人を描いた短編集、連作集なのだと思う。社会の矛盾点そのものを痛烈に批判しつつも、エンタテイメントとしても秀でた佳作であると認識している。 | ||||
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映画が公開されているのを受け、原作を読んでみる事にしました。ちなみに僕はまだ映画を観ていません。 ストーリーは事件に関わる人々の心理描写によって展開して行きます。 なぞが一歩一歩解決に近づいていく息詰まるような描写は、一気に読み進めたくなるほど、僕を本に釘付けにしました。 氏のストーリーは芥川氏の作品に似た描写があるように思います。それゆえに、最期の章を読み終えたとき、それまでの展開とは変わって心の中に晴れない部分が残ったのは僕だけでしょうか。 | ||||
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映画で話題になったので、是非本がよみたいな、と思い購入しました。現職警察官が起こした事件を刑事、検察官、新聞記者、裁判官など事件の判決が下るまでに関わった様々な人々の、それぞれの視点でリレー方式に書かれていくところが特に面白かったです。それぞれ、立場が変われば事件に対する目の付け所、感想、印象も少しずつ違い、多面的に事件を追うことができました。人が変わるたびに少しずつ事件のなぞが明らかになり、取調べや事後処理が進んでいく書き方に上手さを感じました。さらに、警察の抱えるジレンマや、報道の舞台裏についても書かれており、一つの事件の蔭には多くのストーリーがあるのだということを改めて考えました。 | ||||
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この作品は、直木賞のある選考委員から設定にミスがあると指摘された。この設定のミスに関しては、法務省も見解を変え、柔軟に対応する姿勢を見せた。つまり事実が小説に近づいてきたといえる。これは「半落ち」の予想外の効果であろう。小説の中には、明らかに起こりえない設定の話もあるし、法医学的におかしい話もある。またミステリであれば、現実には実行不可能なトリックを使った話もある。だがそれでいて、読み告がれている小説、面白い小説は沢山ある。自分は小説は楽しめれば良いというスタンスなので、この「半落ち」の設定は全く気にはならない(というより、読んでいて何も違和感は感じなかった)。また、選考委員が設定のミスを指摘した辺りから、設定ミスよりも更に細かい部分をも気にする人が出てきた。でもそういった些細な違和感はどんな分野にも存在するもの。作家は自分の知らない分野の作品を書く場合、文献を読んだり取材に行ったりと下調べをすると思うが、十分に下調べをして作品を書いたとしても、その分野を職業にしているような人間から見れば「これはちょっと違うな」という部分も出てくる。でも作家は全ての職業を実体験しているわけではないのでそれは仕方ないし、そういう点をいちいち気にしていたら小説など楽しめない。いろんな意味で話題を振り撒いた作品なので、事前情報を持たずに読む人は少ないかもしれないが、重箱の隅をつついたり些末な事にとらわれたりせず、素直に読めば普通に楽しめる作品。 | ||||
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やっと読了しました。アルツハイマー病の妻を殺した元警部の秘密。。。これだけだとどこにでも存在するエンターテイメントのひとつと感じてしまうところですが、その元警部に仕事上関わる人々のそれぞれの人生、職場での立場、色々な感情が入り込み、更に「ベルトコンベア」「人生50年」といったキーワードと絡んで組織社会に生きる人間の生き方についてが伝わってきました。自分は、それぞれ立たされた立場で何を考え、選択し、行動し、感じているのだろうか、自分を取り巻く人たちは、同じように何を考え、選択し、行動し、感じているのだろうか。少なくとも自分の信念、守るべき人、そういった存在がそれぞれ自身を強くもし、弱くもしているのだなぁと感じました。ずっと「いつか読んでやる!」と思っていた一冊だけに思い入れの強い一冊になりました。人間一人では生きていけない事も教えられている気もしました。 | ||||
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タイトルからしてそそられるものがありましたが、中身はもっとすごいです。見えそうで見えない事件の真相。次から次へと章ごとに引き継がれるさまざまな立場の主人公とその共通した想い。組織の「論理」と個人の「想い」が絶妙なコントラストで描かれる中、最後の最後で明かされる真実。見事に張られた伏線のおかげで、素直に胸に染み込んでくるラストシーン。どれを取っても「秀逸」のひとことです。もう、降参。間違いなく本作を読めば「全落ち」間違いなしです。 | ||||
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この本のキーワードの一つに「空白の二日間」というのがある。この「空白の二日間」に何が起こったのかは、考えれば考えるほど分からなくなるという、読者がのめりこみやすいパターンのストーリーであるが、中盤からあまり物語が進展せず、多少引っ張りすぎな部分は否定できない。しかし、「空白の二日間」の真実が明かされるクライマックスは、素晴らしいできに仕上がっているため、中盤の引っ張り具合を差し引いても、作品をトータルで見るとかなり完成度の高い作品であると思われる。「生きる」ということを考えさせられる感動のミステリー。 | ||||
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読み始めた前半は、内容にグイグイ引きこまれていって、すっかりはまってしまいました。でも、どこまで読んでも半落ちのままで、はまっていたことが薄れるくらい引っ張られてしまったような感じで、結末は「あれ?これで終わり???」っていう不完全燃焼で終わってしまいました。前半から中盤は確かに面白かったと思います。その面白さを持続させながら一気読みすれば、感動できるのでしょうかね? | ||||
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私はこの作品が好きです。でも、半落ちは、読み終わっても、半落ちだった。「空白の2日間」をここまで引っ張る必要があるのだろうか・・・。最初は、何?梶警部は一体この2日間どこに行き、何をしてたの?って知りたくて、知りたくて、読み続けたけど。いくら読んでも、答えは出てこず、あげくの果てには、もしかして、こうなんじゃないの?って思ってた通りの結末に、半ば、感動しつつ、がっかりしつつ。梶さん以外のキャラを必要以上に固めすぎなのでは?って思いました。結局は、梶さんは「いいひと」のままだった。結構、梶さんに大胆に裏切って欲しかったという気もします。でも、私はこの作品好きですよ。 映画までは、見ないけど・・。 | ||||
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主人公は、梶聡一郎かな、と思うのですが、6章構成になっていて、各章にはそれぞれ、刑事、検事、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官の名前が付けられていて、それぞれが主人公となり、それぞれから見た、梶聡一郎が、それぞれが背負っている人生に絡ませながら、語られていきます。 現職の警部である梶が、妻を殺したと、自首してきた。が、殺害してから自首するまで、2日間という時間があった。この空白の2日間について、梶は何も語ろうとしない。いわゆる、『半落ち』だ。 各章で、それぞれの章の主人公たちが、この空白の2日間の謎を、解こうとするのですが、梶は口を開かないし、いろんな邪魔が入って、うまくいかない。真実がわからないまま、梶は流されて行く。 そして、最後の最後に、2日間の謎が明かされる訳だが、1つの事件に対して、警察の取り調べから、検察の取り調べ、新聞記者の取材、弁護士の調査、法廷での審議と、次次に視点を変えて、真実を追究していく過程のあることが、とても面白く感じた。 私は先に、映画を観て、この原作を読んだのだが、映画では語り尽くせなかったディテールが、物語を深くし、また、映画で演じてた俳優を思い浮かべながら読み、楽しめた。 謎解きは、映画の方が、『日記』という小道具を登場させた所為で、劇的なものになっているが、傑作であることに、違いはないと思う。立場を越えて、『命』を守ろうとしたのは、命を助け、命を繋げ、命を守ろうとする命だったからなのか……。 | ||||
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03年度”このミステリーがすごい”第1位受賞作品。ちょっと時代遅れですが もし まだ読んで居られないなら やはりお勧めです。元警察学校教官、教養課次席、書道家、温厚篤実な県警幹部がアルツハイマーの妻を殺したと自首します。梶警部49才。 7年前急性骨髄性白血病で失った一人息子の命日、共に墓参りをした妻はその夜狂乱します。“墓参りに行っていない、息子の命日を忘れた、親じゃない、人間じゃない。” 泣き叫び、のたうち回り、自らを傷つけ、部屋中の物を投げ、殺してくれと哀願する妻。梶警部はついに妻の首を絞めてしまいます。刑事部強行犯指導官、”落としの”志木警部の前で淡々と犯行を自供します。 しかし 自首したのは犯行後2日経っての事、2日間の空白について 梶警部は堅く口を閉ざします。”半落ち” 全ての家族を失った絶望、慟哭、死の決意。しかし警部は自殺を思い止まり あと1年生き恥をさらそうとした。空白の2日間に何があったのか、あと1年 警部の50才に何があるというのか。そして警部の澄み切った瞳の謎。真実を求め、組織の面子と戦う志木警部の焦り。 志木警部を始め 検察官、新聞記者、弁護士、裁判官、看守 梶警部の断罪に関与した全ての人たちが謎に挑み、プライドを賭け、戦い、挫折します。少しだけネタを明かします。 最後のキーパーソンはラーメン店で働く明るく優しい19才の青年です。 ”どうしたらこんなに優しい顔になれるだろう。辛い治療に耐えてきたからか、死線を潜ってきたからか、人は一人では生きられない事をしっているからか” 不覚、思わず涙が出ました。 青年は絶望の梶警部に命を吹き込む事が出来るのか?志木警部が誓います”この男を死なせない” | ||||
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梶という警部が、妻を絞殺し自首する。本人の自供から、殺人の動機、事実関係はすぐに明らかになるが、犯行から自首までの2日間の空白は謎のまま、有罪が確定し服役する。(「半落ち」というタイトルの所以である。)そして梶は、どうやら、51歳になったら自裁するとの決意を抱いているようである。 6つの章には、6人の関係者(刑事、検察官、新聞記者、弁護士、裁判官、看守)の名前が付けられており、自首から取り調べ、裁判、収監、そして空白の2日間の謎が解明されるまでの過程が描かれる。 6人は、各々の職場で、自らの良心、矜持、理想に従い、あるいは梶を救おう、あるいは真相を解明しようと努めるのだが、いずれも力およばず、権力的な圧力、自己保身、薄汚い取引の誘惑に屈服する。 そして、最終章では、梶を死なせたくない一心で裁判確定後も刑事が継続していた真相解明の努力が実を結び、梶の空白の2日間の行動と、51歳で自裁するという決意の秘密が明かされる。 この作品をミステリー、推理小説として読んできた読者は、「さんざん気を持たされた挙句に、ふっと肩透かしを食った」と感じるかもしれない。 しかし、梶と6人の人生を、自分の人生に照らしながら、ある時は共感を持って、ある時は嫌悪感を持って、虚心に丹念に読み進めてきた読者は、一見ささやかなその秘密の純粋さ、重さに深い感動を覚え、涙を禁じえないはずだ。 これは、ミステリーではなく、巧緻に組み立てられた、リアリティーに富む、極めて上質の社会派人情噺なのである。 | ||||
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