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半落ち
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半落ちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.74pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全216件 121~140 7/11ページ
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知にはたらけば角が立つ 情に棹させば流される 意地を通せば窮屈だ とかくこの世は生きにくひ かの文豪、夏目漱石の名言をそのまま小説にしたような作品です。 日頃から会社組織のあり方に疑問を抱いているサラリーマンなら、 共感できる部分もきっと多いはず。推理小説というより、ヒューマン ドラマに近い結末に思わずホロリとさせられました。 | ||||
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「日本中が震えた」という帯の惹句はちょっといただけない。犯人が黙秘し続けた秘密は、そこまでして隠すべき事かぁとちょっと興醒めです。 ただし、それが暴かれる最後の場面の描き方はうまいものだと思いました。 刑事、検察、弁護士、判事、それぞれの立場と事情がみせる人間模様、感情の揺らぎがよく描かれており、愉しむことが(この表現はちょっと誤解されやすい)できました。 感動をウリにするのではなく、否応なく事件に巻き込まれた人々の物語を堪能すべき作品であると思います。 | ||||
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このミス2002年版、2001年文春傑作ミステリーベスト10ともに1位。作品としての話題性とともに、直木賞の選考を巡る一連の騒動でも注目された作品である。文庫化をきっかけに再読してみた。作者の作品に共通する、「警察組織と個人のありかた」というテーマを、現職の刑事がアルツハイマーの妻を殺すという犯罪をベースにおいて、事件に関係する6人の視点から描いた作品である。やはり、うまいし、面白い作品だと思うが、この作品を語るときに頻用される「感動」「感涙」「意外な結末」という言葉には同意できない。また、「意外な結末」についても、かなり早い段階でキーワードが作品中に出現し、それが印象的である故、そもそも「謎」に感じなかった。細かいことを書いたが、この作品が秀作であることは間違いない。一方、アベレージの高い横山氏の他の作品と比較してこの作品が取り立てて優れているかというと、決してそうは思わない。たとえば、翌年に発行された「クライマーズハイ」の方が、「感動」という点では数段上だと思う。他の作品を未読の方は、是非これをきっかけに手にしてもらいたい。 | ||||
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現職の警官がアルツハイマー病に侵された妻に懇願されて妻を扼殺し、二日後に自首してくる。物語はこの空白の二日間に焦点が当てられ、彼が裁かれていく過程で携わった取調官、検事、記者、弁護士、裁判官、刑務官の6名の視点でそれぞれがしがらみに捕らわれながらも、少しずつ真実を追究していく。この作家の作品は初めて読んだのだけど、話の進め方が面白く、じりじりと真実(空白の二日間)を追いつめ、現実(しがらみ)に追いつめられていく心理描写が凄かった。おかげでその後、彼の作品すべてを読破するに至った。彼の作品は手に汗握るような臨場感があって、面白い。 | ||||
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ミステリーを読むときにあれやこれやと想像して、その中の一つが当たったり近かったりとことをもって、「途中でトリックに気づいた」と主張する人が私はとても嫌いです。素直に読み、素直に感動しました。秀逸の作品です。心から一読をお薦めします。 | ||||
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ベストセラーで映画化された横山秀夫のこの小説を文庫版になって初めて手にしました。複数の登場人物が、章ごとにそれぞれの視点で物語を語り、進行する手法は良くできています。 警察という組織の中にいて、何十年も模範的な警視だった主人公が「妻殺し」を犯し、絶望の淵に追いやられてなお生きようとする秘密は何なのか最後までひきつけられました。 「半落ち」だった主人公の秘密が最後についに明らかにされる「落ち」が意外?もしくは物足りない?という手合いもあるかもしれませんが、40代以降の人(特に男性?)は多分共感できると思います。 限界や絶望を見てもなお、人生に少しでも意義を見出そうと最後まで懸命に生きる様が、胸を打ちます。 | ||||
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現役の警察官。嘱託殺人の罪で出頭。だが、なぜ、自死を選ばなかったのか。物語はその謎を追おうとしてしてその道を次々に断たれていく者たちの「視点」がリレーのごとく受け継がれて話が展開されていく。取り調べた警察官、検事、記者、弁護士…。全部で6人の章から成り立っている。うち裁判官の章だけは謎解きよりも梶の犯した罪そのものに重きが置かれ、これのおかげで話全体の現実味が増している。「空白の2日間」のみの謎がなかなか解明できないだけに(最初の章の志木が水面下で捜査を続行しているが)最終章の謎解きが少しあっけない気もした。しかし哀しくて優しい謎は胸を熱くする。―「あなたは誰のために生きているのですか」。どうしても守りたい人のため―。 | ||||
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ひとことで云えば美しい人間愛を書いた本だと思います。 心が洗浄されるような感じです。 サスペンスというより人間の本質を書いた本ではないでしょうか。 この本は結構お薦めですね。 | ||||
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自分は誰のために生きているのか。これについて考えさせられる作品です。 | ||||
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この作品は映画化されておりテレビで放送されていてその内容の酷さに(途中で観るのを辞めるくらい)、こんはずはないはずと思い読んでみました。読んでみて、全然違うじゃん!これが第一印象。おかまみたいな刑事はいないし安い新聞記者もいなかったし・・・役者のエゴに殺された作品ですね。さて横山氏お得意のデカモノです。同じデカモノでも毎回視点が違うし面白いですね~。人間臭い。非常にリアルに臭いです。今回のこの手法も上手い!主役が随時変わっていくけども話しは進行していく手法です。似た手口はあれど、こうまとまらないしキャラもたたないんですが流石です。この作品の場合こんなオチかな?と想像は出来てたんですがまとまりどころを抑えているというかエンディングに導かれているような、まあ収まるところに堂々と収まったという感想をもった次第です。良かったら私のHPもご覧になってください。 | ||||
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警察内部の仕組みは分かったが、主人公が黙秘を続ける理由が読み終わっても釈然としない。どうして関係者が主人公をこれほどまでに「神格化」するのかも。。。おそらく、サラリーマン組織の悲哀を私はまだ知らないということだろうか。 | ||||
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来年から地元の地方銀行に就職する自分にとって、ぐさりぐさりとくる箇所が多かった。正しいことができない。こんな現状にまだ出くわしたことがない自分はまだ半信半疑で、社会を知らないあまちゃんなのかもしれない。ストーリーは社会的な問題を多く含んでいたように思う。最後もそうだ。感動というよりは、物語をとおして現実社会を考えさせられる作品だった。 | ||||
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映画化もされたので多くの人がストーリーの概要をご存知と思いますが、警官がアルツハイマーの妻を殺害して自首して来て、犯行の様子は素直に話すものの、殺害日から自首してくるまで何をしていたのかについてはかたくなに口をつぐんでいるという物語です。犯人を直接的に主人公に据えるのではなく、1章ずつ彼の事件にかかわる周囲の人(刑事、検事、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務所職員)の視点で物語が進行します。各章とも、それぞれの人物がそれぞれの苦悩を抱えており、その犯人との触れ合いの中でそのことを思い知らされるというような構成になっています。最後の章で犯人が抱えていた秘密が明らかにされるのですが、それが明かされた瞬間はさほど衝撃的な秘密ではなかったので、正直「な~んだ」と思ってしまいました。秘密が明かされるまでが長いので、期待が高まり過ぎてしまったのだと思います。ただ、すべての謎が解けた後の数ページを読んでいるうちに、じわじわと感動が高まってきました。犯人の秘められた行動以上に、最後の最後に登場する“命の尊さを知っている人物”が魅力的でした。 | ||||
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死んだ息子のことさえ忘れてしまいそうになる妻。せめて息子を覚えているうちに母として死にたいの言葉に、梶総一郎は、妻の首に手をかけます。壊れていく妻の最後の願いを、彼は断ることができませんでした。生きる希望を失い自殺しようとした彼に、もう少しだけ生きていこうと思わせた「空白の2日間」。この謎が、梶と関わる人間に重くのしかかります。警察官、検事、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官、それぞれの視点から多角的に描かれたこの作品は、内容に幅と深みを感じさせ、読む者をさらに惹きつけます。彼らのそれぞれの立場、それぞれの思惑や利害関係が交錯する中、梶はただ黙秘を続けます。その姿は一つの信念に貫かれ、凛としたものさえ感じます。やがて、全てが明らかになったとき、言いようのない悲しさが込み上げてきました。梶が守ろうとしたもの、もう少し生きてみようと思わせたもの、そして息子への思い・・・。「もう自殺など考えずにこれからは強く生きてほしい。」そう願わずにはいられませんでした。 | ||||
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ともすると愛情や感情等が入り込む余地のない警察,検察を舞台にした縦割り社会の中のドラスティックな話しかと思って読んだが,組織の中で描かれているのは一人の人間の心の中に秘められた愛だとわかった。刑事や検察,刑務官などそれぞれの立場で懸命に生きている人間の視点から事件を捉えている構成は読み手を飽きさせない。映画だと配役のイメージで決定させられてしまうけど,原作を読むと個性ある登場人物が生き生きとしてイメージできる。 | ||||
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全く読み詰まることなく頭に流れ込んでくる文章、どこを読んでも引き込まれるストーリー。これでオチさえ決まればパーフェクトだったのですが、若干期待し過ぎてしまいました。決して悪くはないのですが、前半が巧すぎて、動機の弱さが引き立ってしまうという皮肉。普通の作品であればこれで十分ですが、あの横山秀夫の代表作ですからねえ。生半可なものでは満足できません。途中までは星5つじゃ足りないかもと、久しぶりにワクワクする作品でした。もし他の作家であれば星5つだったかも。 | ||||
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孤独に苦しんでいる人に読んでほしいです。人が生きる理由は、与えられるものではなくて、自分で作るものなのではないか、と考えさせられました。死ぬときに、「悪くない人生だった」と思えるような生き方のための参考になるかもしれません。 | ||||
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映画も試写会から観ましたが、「これはいける!」と思った一作。横山氏は流石に警察関係の記者をやっていたというだけあって、関わってくる人間模様の描写がものすごくリアルですね。実際もこうなんだろうな~と思ったりしました。偶然にも「痴呆」という深刻な課題が関係する本人、裁判官など皆に共通したテーマであったことがまたその後の判断・考えかたの違いがこんなにもあるのかと改めて悩む次第。 | ||||
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他人ばかりを描写して主人公の人物像を浮かび上がらせるレトリックはそれなりに楽しめる。全体にいい人が目立つのは主人公の人徳かもしれない。この作者は他作品にも共通しているが、現実的な泥臭い世界よりも綺麗事で終わることを好むようである。それはそれで満足できるものである。 | ||||
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村上龍さんの「愛と幻想のファシズム」を読んだときに圧倒的な知識と経験に裏づけされた文章に驚かされたものです。横山さんの描写する警察の構造は、まさにそのような文章です。それもそのはず、編集のお仕事をされていたのですね。組織内でもめる警察達の、やけに人間臭い物語から話は展開されます。敏腕警視→敏腕検事→新聞記者→弁護士→裁判補佐官→刑務官と、物語はそれぞれの人間にたすきを渡されつつ、謎が深まってゆきます。犯人は空白の二日間に一体何をしていたのか・・・今までの作品に比べればどんでん返しはなく、ちょっと拍子抜けしましたが、組織や環境にもがく人間がよく描かれていて面白く読めました。映画にがっかりされた方もぜひ読んで損はないと思います。 | ||||
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