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半落ち
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半落ちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.74pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全216件 101~120 6/11ページ
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この作品は映画化されたのだけれど、映画も見損ねていた私は今になってやっと読むことができました。 私は妻を殺した梶聡一郎の心情を語った小説かと思い込んでいたので、正直、意外な展開でした。梶を取り調べた警察官や検察、スクープを狙う記者、弁護士や裁判官、看守の立場から語られるなんて、想像もできませんでしたから・・・。 ただ、最後はちょっとあっさりしすぎてたかな?なんて思ってしまうのは贅沢なのでしょうか?「空白の2日間」を黙秘したまますべてを受け入れるには充分な理由だったとは思いますが・・・。 | ||||
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プロットといい、人物描写といい、なかなか面白い話でした。 映画の方は見ていませんが、小説がかなりドラマチック。 人の絶望を扱ったものとして、僕は、キングのグリーンマイルが最高傑作と思う(これは映画もね)。この本でも、その人の絶望を扱っているんだけど、「すくい」があるところが、グリーンマイルと違うかな。そこが、ちょっと、甘さを感じる。でも、多分、その甘さがいい、とも思える。 いま僕は、絶望のただ中にいるから、甘さやすくいを求めるのかな。 | ||||
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アルツハイマーに苦しむ妻。殺してほしいと懇願する彼女を扼殺後、自首までに二日間。どこで何をしていたのか、彼はどうしても話そうとしない・・・。 よくできたいい話。でも「いい話」に持って行こうとする作者の意図が、全編すけて見える気がする。主人公・梶の善人さを、うっとうしいくらい前面に押し出して。 話の核となる謎もすぐ判ってしまう。(正確に、ではなかったけど。)だから「なぜ喋らない」と、右往左往する狂言回しの六人が、作者に動かされてるだけ、に思える。また、ラストに驚きもないので感動も減ずる。引っぱるネタじゃないと思うので短編の方がよかったのでは? 一人、梶の妻殺しを理解しない立場の人間を出しているのはいい。彼がいないと、独りよがりな話にまで落ちたと思う。 無駄に描きこまず、演出しすぎず、「作品から何を感じるか」をもっと読者に委任してほしいと思った。 | ||||
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よく売れて、映画にもなった本です。 ちょっと前は、よく平積みにされていました。 非常に読みやすい。 この作家は、人物を描写する力があると思いました。 物語の内容はともあれ、読んでよかったと思える作品です。 構成、展開、プロットなどなかなかよかった。 最後の急展開は、賛否が分かれるようですが、私は善しとしたいです。 また、厳密なリアリティーには欠けるようですが、 読者が入り込んでゆける程度のリアリティーはあります。 | ||||
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梶という一人の殺人者と、彼が犯した事件を廻る6人との人間ドラマ。 6人それぞれが様々な人生を背負い、信念と葛藤を持って梶と向き合う。 しかし、一貫して信念を持ち続け善人であったのは他ならぬ殺人者梶であった・・・ 最後の結はやや駆け足気味で想像の範囲内ではあったが、純粋に面白い作品であった。 | ||||
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アルツハイマー病を患った妻を扼殺した元警官の物語。なぜ自首したのか?その謎が最後まで続く。人は誰のために何のために生きていくのかを考えさせる秀作です。とても読みやすいので秋の夜長におすすめです。 | ||||
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刑事畑一直線の警官が警視だったり(ありえない)、キャリアでもないボンクラの警部が出てきたり(あれで昇進試験は通ったのか?)、司法試験合格組でロクに現場を知らない検事が妙に勘が冴えていたり(検事が捜査することは殆どない。言葉使いも威圧的で眼光鋭い検事など実際にはマズ居ないタイプ)だが・・・それらを度外視しても感情移入できるだけの文章力は流石だ。やはりプロだ!話自体は意外と言うほどのことはないが、小説は「結末よりも、その進行過程が大事」という見本のような作品だ。値段以上の価値を認める。 | ||||
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横山秀夫のミステリーは緻密に計算された話という印象が強かった。 だけど、この本はスローテンポだけど、飽きが来ない、新しい雰囲気の作品だと感じた。 読んだ後は何故か泣けてしまう、心温まる話。 現代の「痴呆症」の問題も踏まえて読むと、更に染みるかもしれない。 素晴らしい本です。 | ||||
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警察官である梶が自分の妻を殺した事件について関わる 警察官、検察官、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官の 6人の視点から展開されていきます。 6人それぞれスッタモンダありながらも梶の処遇について 話は進みます。肝心の部分は最後まで引っ張られてます。 様々な事情に振り回される6人の複雑な心境がリアルに描写されていて 引き込まれます。読んでよかったです。 | ||||
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絶対面白いと思い、あらすじや解説は一切読まず本編から読んでみた。 結果としてはいい意味で裏切られた感じだ。当初は主人公・梶が妻殺しにいたる数々の苦悩が綴られているのだろうと思っていた。ところが本作は梶に関わる数人の男たちのプライドをかけた静かな戦いが繰り広げられてゆく。読み応えのある内容だ。最後の2日間の種明かしもわかってみればなんてことないと言う人も多いだろうが、作者・横山秀夫はあえてそういう種明かしにしたのだと思う。奇想天外な結末は横山秀夫くらいのレベルになればいくらでも考えられるはず。そこを主人公の人柄まで考察してどんな結末が最も梶が梶らしさを出せるか。ある意味、この結末には非常に苦労したのではないだろうか。 | ||||
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この作品については賛否両論様々なようですね。私は、297 ページある中の最後の4ページで泣かされました。オチとして衝 撃の大きなものではありませんでしたが、私としては予想の範囲 外だったので「今ひとつ」という印象はありません。「空白の二 日間」についても、小さな、他人にとってはどうでもいい秘密だ っとからこそ、梶の真の優しさを表現できているのではないでしょ うか。 ミステリーや謎解きを求めている方にはお勧めできませんね。 何かを求めてではなく、もっと純粋にただ本を読み進めていけば 感動できる物語だと思います。 | ||||
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妻を殺した現職警察官・梶聡一郎、その語られない空白の二日間の謎とは? 刑事、検事、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官、梶聡一郎に関わる6人 の男達の目を通し、物語りは進む。 それぞれが一遍の短編小説のような章立てとなっている。 面白い章立てだが、肝心の主役「梶聡一郎」の気持ちが伝わって来ない。 妙に達観してるような印象で、周りの人だけが一生懸命になってるような感じがする。 ラストの「落ち」は、内容はほぼ想像がついていても、やはり感動してしまった。 作者は人間の心を震わせるツボを心得ているようだ。 ボクシングで言えば、アッパーカットが来ると判っているのに、食らってしまうような感じ。 出て来るのはオッサンばっかりで、色気もない無骨な作品だが、秀逸な人間ドラマである。 | ||||
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犯人である謎の主人公=梶をめぐって、警察官・検事・記者などそれぞれの立場の別の主人公たちの視点から章仕立てで一歩ずつ真実に迫っていくその構成力は素晴らしいと思う。、そして章ごとの主人公たちがそれぞれに持っている人生の陰の部分と照らし合わせながら、梶を理解しようとする姿は美しく、感動的ですらあり、その姿が一気に読ませてくれる。映画化もされているが、個人的には我慢して映画を見に行かずに先に原作を読んで正解だったと思っている。 少し残念だったのは、章ごとの主人公たちの努力が一歩ずつ実を結んだ副作用(?)として、オチの半分は予測できてしまうこと。モラルに貫かれた非常に良い小説だとは思うが、ミステリーにどんでん返しを期待する方には強くはお薦めできない。 | ||||
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完成度の高い小説だなというのが感想。内容的には少々納得いかない感もあるが、工夫された構成が素晴らしい。 事件に関わった人々が、絶妙に絡み合い、一つの物語を構成していく手法はスゴイと思う。関係者の人間模様を描いていくことで、主人公のもつ不思議な世界観を構築していく。読み進めていくにつれ、不思議な感覚に陥った。 読者の知らないところで事件を解決させるので、この手法については賛否ありそうですが、私は「ウマイ手法を考えついたな〜」と思います。 | ||||
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非常に評判もよく映画化されてもいるので、とても期待して読みました。 空白の2日間に焦点が当てられていて、謎を解き明かしていくというストーリーに引き込まれました。 ですが、正直ラストは腑に落ちないというか、納得がいかないというか・・・不完全燃焼でした。 ミステリーという枠組みでなく、殺人を通しての人間ドラマといった方がしっくりいくかなと思いました。 | ||||
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が一番気に入りました。彼が苦悩しているさまが胸にしみた。新聞記者である中尾は一番権力から遠い存在だったから感情移入したのだと思う。中尾が上司の片桐に「書けません…」と言うところがすごくつらくて泣けた。それと梶に関わった人たちの家族についても丁寧に書いてあるところがよかった。例えば、藤林の妻がアルツハイマーの藤林の父の介護に疲れていてそれで義父に自ら死んでほしいと思ったこともあると藤林に告白するところが丁寧に描かれていて悲しみや辛さが伝わってきてよかった。 この本のテーマは「誰かのために生きる」というものだったと思う。 この本の登場人物たちは家族のため、自分のため、大切な人のために命を使っていた。「人間五十年」という梶の書に号泣した。 梶には4年の服役を終えたら、命を大切にして長生きしてほしいと思いました。 | ||||
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ついに文庫化されたので、読んでみました。 この3年余りの間に映画化され、wowowの放送を観て一番の「謎」は既に知っていたので、白紙状態で初読みされた方とは大きく印象が違うかもしれませんが、「謎」を知っているのにこれだけ心を揺さぶられるとは正直思っていませんでした。 二度、涙しました。 いつの間にか主人公に自分自身を投影するところがあったのでしょう。いつもは通勤電車の中で読むのですが、今回は自宅で最後の2章を一気に読み、改めて『人前で読んでいなくて良かった』と思いました。 最後の終わり方は映画と小説で大きく違うのですが、私は映画の方が緊張感が保たれていて好きです。改めて映画を思い起こすと、原作の歯切れの良い描写を実に丁寧に映像化していたことが分かります。でももちろん、例えば刑事が「謎」に気づくきっかけを前半に巧みに含ませている伏線の張り方のような繊細な記述は小説の方が優れていますね。 もう一度映画を観たくなりました。 | ||||
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アルツハイマーに悩む妻を殺した警察官の梶聡一郎をめぐり、取調官、検察官、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官が、信念と組織の論理の板ばさみにあいながらも、なんとか動機を探ろう、そして梶を救おうとする。一章、一章が比較的独立しており、リレーのようにつながって一篇の長編小説を構成している。新聞記者をしていた著者ならではの、警察や検察内部の権力抗争が詳細に記載されている点も面白い。ミステリーというよりは、秀逸な刑事ドラマのような感じである。 | ||||
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東京駅からひかり号に乗った時に読み始めて、京都駅に着く頃には読み終えました。一気読みでしたね。 妻殺しの犯人が、そこまでして隠さなければならなかったものは何か?生きる意味を与えたものは何か?読み進むうちに、いやでも期待は高まります。 キンキンに高められた期待に対して、この結末が十分であるかどうか、評価が分かれるところです。私は「ほぼ満足」でした。 余談ですが、細野不二彦氏の「ギャラリーフェイク」に、愛息の心臓が臓器移植のため摘出されてしまう物語があります。生前からの息子の意志とは言え、父親にとってはあまりに無慈悲な話でした。しかし、息子の心臓が生き続けていること、のみならず息子が得意だったピアノ曲をレシピエントが息子そっくりに奏でていることを目の当たりにして、父親の心は満たされるのです。 あのブラックジャックにも、すし職人だった亡夫の腕が、別のすし職人に移植されることによって生き続けるという物語があります。 この手の物語、私は純粋に好きです。感動します。 | ||||
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警察官が起こしたある事件が,刑事,検事,新聞記者,弁護士,裁判官,そして最後に刑務官の目を通して語られます.彼らは最初は,名誉欲や出世欲,あるいは,それぞれの信念に基づいて行動しますが,次第に犯人の心に秘めたものの大きさを感じていきます. ストーリー展開は「空白の二日間」を追うことに終始しますが,それぞれの人に立場なり,都合があり,各職業がどのような理念に基づいて成り立っているのかという裏面からの描写のうまさに,ついつい時間を忘れて読み進んでしまいました. 人として大切なものの存在を改めて思い出させてくれる作品です. | ||||
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