黒と茶の幻想

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評判

黒と茶の幻想の評価:

4.19/5点 レビュー 53件。 B ランク

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平均点4.19pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全45件 21〜40 2/3ページ
No.25
(5pt)

まさに恩田ワールド

 「非日常」と「美しい謎」。まさにこれこそ恩田ワールドにぴったりのテーマじゃありませんか。学生時代の友人たちが、旅行に出かける。そこは俗世とはかけ離れた、太古の森を抱く島。謎にはぴったりの舞台が用意されている。
 蒔生、彰彦、節子、利枝子の4人。ここに、これまた謎めいた存在の”梶原憂理”がどのようにからんでくるのか。上下巻、4部構成で、それぞれタイトルには登場人物の名がついている。タイトルとなっている人物の目を通して、物語が進んでいく。
 誰が殺したとか、堂殺したとか、派手なトリックが出てくるわけではなく、かといって、ほんわかした、いわゆる”日常の謎”でもない物語。それぞれが無意識に、この旅で何かを解決しようとしている。それがなんなのか、旅に出た当初はわかっていないのだけれど、繰り返されるたわいもない会話のうちからおぼろげに見えて来る。
 いつか行こうと思っているものの、なかなかいく機会に恵まれない。時間とかお金とか仕事の制約で。それが、ひょんなことから実現する瞬間というのは、それがその場所へ「行くべき時」が来たということなんだ、この4人はそれがわかっている。そこで何かが起こるということも。
 謎というのは必ずしも解けばいいというものではなく、謎は謎のままのほうが美しい場合もある。それがわかっていながら、答えを探さずにはいられない。それによって苦しむかもしれないと、心の底ではわかっていながら、知らずにはいられない。人間ていうのは、不思議なものです。その答えを見つけることによって、この4人は、これからどんな人生を歩んでいくんだろう。
 この物語の設定が、ひなびた温泉旅館なんかだったら、中年にさしかかろうという男女4人の、ただ過去を懐かしむような陳腐な物語になってしまうかもしれないところ、Y島という特殊な舞台だからこそ、雰囲気も盛り上がる。
 一部に『麦の海に沈む果実』の風景が出てきて懐かしくなった。恩田作品を愛読している人にはおなじみでしょうが、どの作品も、随所に”おなじみ”のものが出てくるのです。それも、恩田作品の楽しみですよね。
 早く下巻も読みたいです。憂理はどうなったんだろう?
黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫)より
4062749459
No.24
(4pt)

美しい謎

今はそれぞれの生活を営む4人の男女が、過去の謎を解き明かすべく旅をする。本屋大賞を受賞した「夜のピクニック」の大人版のような、1冊でした。
4人のキャラクター設定がはっきりしており、それぞれの人物の立場で「利枝子」「彰彦」「蒔生」「節子」と章立てされている構成もお洒落です。
旅する中で明らかになる事実、本人しかわからないままの謎など、読み手の興味をぐんぐん引き寄せていくので、長編ながら厚さを感じさせません。
この仲間に入って一緒に語り合いたいと思いつつ、旅の終わりには一緒にしんみりした私です。
黒と茶の幻想 (Mephisto club) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (Mephisto club)より
4062110970
No.23
(4pt)

狂言回し

あの大学生は何だったのだろう?妙に気になるけれども、謎めいたままだ。額に汗した者だけが得られる高揚感が広がる文章は、一人一人の感情を収斂させていく。何かを得て島を後にしたとき、生きる希望がわいてきたのだと思う。
黒と茶の幻想 (下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (下) (講談社文庫)より
4062753618
No.22
(4pt)

言の葉

言葉が巧みに状況を見え隠れさせている。言葉が良くも悪くも全体を支配している。誰の視線、誰の考えをきちんと理解しておかないと、しばらく誤解したままでいたりもする。
それにしても、こんな静かな文章に極限状態を織り込んだものだ。圧倒的な存在感のJ杉は姿を見せてもいないのに。
黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫)より
4062749459
No.21
(4pt)

恋人でなく配偶者でもなく

もう若くはなくそれぞれ配偶者もいる学生時代の同窓生男女四人が離島へ旅行。各章毎四人の持ち回りで構成。上辺では安楽椅子探偵気取って謎解きをしたり、お互い現在にいたる経緯を報告しながらの旅。旅の中でも船旅のリミットは特別。船でしか行けない土地は世界から隔離されたよう。大人になると想像以上に自分の考えることを話さないものなのだなと実感。そもそも考えることを回避しているのに愕然。あの頃とは違うしあの頃と同じ。そして旅にも終わりがきます。恋人でなく配偶者でもない異性と旅に出たくなる小説。文庫より単行本で読むのが気分です。
黒と茶の幻想 (Mephisto club) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (Mephisto club)より
4062110970
No.20
(4pt)

青春の思い出と現実

中年になった友人と旅行を通じて、青春の頃の思い出を思い出させる。
一人一人の思いが章立てで分けて書かれていて、当時の本当の気持ちと今ある自分についてみつめなおす。バブル世代に学生だった人たちにはほろ苦い思い出をきっと思い出すであろう。
黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫)より
4062749459
No.19
(5pt)

文豪の品格漂う名作です!

この作家は、ミステリやファンタジー形式の作品が多いのだが、究極のテーマは人間そのものである。
それは、明治、大正の文豪たちが挑んだテーマであり、純文学といわれるものが常に追い求めてきたテーマでもある。
作者は、直木賞候補の常連となりつつあるが、芥川賞こそがふさわしい。
特にこの作品などは、深淵なる謎につつまれた人間存在の一端が垣間見える名作であり、文豪の品格漂う一編と言える。
恩田陸に芥川賞を贈ったりすれば、今の文壇をかなり見直すんだけどね。。。
黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫)より
4062749459
No.18
(4pt)

ボリュームの割に引き込まれて、読み終わってしまいました。

ある種のミステリーではあると思うのですが、事件とかが起きた訳ではなく、4人の登場人物の過去の謎に迫る内容です。
屋久島の描写も美しく、特にこの著者独特の表現が生きていて、不思議な太古の森の世界へ連れて行かれました。
屋久島は一度行ってみたい所だったので、興味も惹かれました。
後書きの無い本なので、この人の後書きを読んでみたいとも思いました。
ボリュームの割りにサクサク読めてしまう感じで面白かったです。飽きさせないポイントポイントが次々出てきて、また、同じ事について語っていても、語り手によって、明らかにされる謎が違ったり。。。
ただ、屋久島をY島とか、J杉とか何故かアルファベットに置き換えられていてそこがちょっと読みづらさを作っていました。何故、そのまま屋久島、縄文杉...じゃダメだったんでしょうか?
日常生活を離れて...と言うのを強調する為に、実際の地名を使うのを避けたのでしょうか?理由が分かりませんが...
また、タイトルの意味も明確には読み終わった今も掴み取る事が出来ませんでした。読み足りないのかな?色で言うなら緑なら分かるんですが。。。心の中の美しい謎がこういう色になるんでしょうか?
恩田作品を初めて読んで、いきなり楽しく読める本に出合えました。
黒と茶の幻想 (Mephisto club) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (Mephisto club)より
4062110970
No.17
(5pt)

おとなではなかった頃には戻れないおとな達の物語

4人の男女が旅に出て過去という名の謎に向き合う。恩田作品においては処女性の代名詞のような少女・憂理が物語のカギを握り、また、トラウマめいた謎が後をたたないが、これはおとなの物語だ。「おとなではなかった頃」に戻りたくても戻れないことを知っているおとなたちの物語である。4人はそろって怜悧な頭脳の持ち主だ。観察眼、判断力、想像力に優れ、なのに自分のこととなると途端に蒙昧になる。大切な人間が立ちはだかり、盲点を作っているからだろう。利枝子にとっての蒔生、彰彦にとっての姉・紫織、そして蒔生にとっての憂理だ。自分自身のなかに死角をもった彼らは、危うい。最も現実的な節子でさえ幼いころの危うさを内包している。解けない謎はなかった。謎を謎のままにしておけない4人の潔癖さが辛い印象を残す。一方、彼らが歩く森は、人間が足を踏み入れることのできない暗やみに膨大な謎を隠し、けれど圧倒的に安定している。自然との対比が鮮やか。
黒と茶の幻想 (下) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (下) (講談社文庫)より
4062753618
No.16
(5pt)

おとなではなかった頃には戻れないおとな達の物語

4人の男女が旅に出て過去という名の謎に向き合う。恩田作品においては処女性の代名詞のような少女・憂理が物語のカギを握り、また、トラウマめいた謎が後をたたないが、これはおとなの物語だ。「おとなではなかった頃」に戻りたくても戻れないことを知っているおとなたちの物語である。4人はそろって怜悧な頭脳の持ち主だ。観察眼、判断力、想像力に優れ、なのに自分のこととなると途端に蒙昧になる。大切な人間が立ちはだかり、盲点を作っているからだろう。利枝子にとっての蒔生、彰彦にとっての姉・紫織、そして蒔生にとっての憂理だ。自分自身のなかに死角をもった彼らは、危うい。最も現実的な節子でさえ幼いころの危うさを内包している。解けない謎はなかった。謎を謎のままにしておけない4人の潔癖さが辛い印象を残す。一方、彼らが歩く森は、人間が足を踏み入れることのできない暗やみに膨大な謎を隠し、けれど圧倒的に安定している。自然との対比が鮮やか。
黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫)より
4062749459
No.15
(5pt)

また読みたい

それぞれが抱える思いを胸に秘め同級生はある島へ旅行に出かける。彼らの出会いや過去のエピソードが語られるうち、昔起こったある出来事の真相が語られていく。こう書いてみるとものすごくミステリー小説っぽいですが、決してそれだけではありません。それぞれ一人ひとりの人物がよくかけていて、それぞれが抱えてきた苦しみは時間が経とうとも消えないのだなと感じた。
黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫)より
4062749459
No.14
(5pt)

分厚いけど一気に読めます!

恩田陸さんに惚れこみ、図書館でこの本を見つけて借りてみました。その分厚さに、ちょっと気後れしながら・・・。しかし、その心配は無用でした。内容は、大学時代の友人だった4人が久しぶりに再会し、旅行に出かけるというもの。複雑に絡み合った4人と、その友人や家族との関係。大学生だったあの時期、一体4人に何が起こっていたのか・・・!?4人の名前が掲げられた4つの章に分かれており、その人物の視点から話が進み、そして過去の謎が少しずつ暴かれていくのです。この『黒と茶の幻想』は、恩田さんの『三月は深き紅の淵を』の中にそのまま登場します。恩田さんのいくつかの作品は、シリーズという訳ではないようですが、同じ名前の人物が登場して、ある作品では架空の人物だったり実在の人物だったりします。様々な作品や魅力ある登場人物が、全く違う作品にふと登場して、それが背後に隠れる神秘的な謎となって作品全体に影響を及ぼしているような気がします。様々な形で作品同士が複雑に絡んでいるので、現在私はそれを把握しきれていない状態ですが・・・。とにかく、先が気になって仕方ないこの本。恩田陸が好きな人、屋久島に行ったことがある人、これから行きたいと思っている人にもオススメです。
黒と茶の幻想 (Mephisto club) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (Mephisto club)より
4062110970
No.13
(5pt)

こんな友情が欲しい

大学時代の友人たち、男2人女2人の4人旅。各メンバーがそれぞれ素敵で、きっと誰かに感情移入できることと思います。こんな旅がしたい!と絶対に感じさせられます。本の中でゆったりと流れていく時間が心地よいです。四人が話している内容をじっくり味わって読みたい一冊。長いし高いけど読む価値ありです!!
黒と茶の幻想 (Mephisto club) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (Mephisto club)より
4062110970
No.12
(5pt)

旅をしよう

「旅行に行きたい」この本を読んでそう思いました。日常じゃない空間だから口をついて出てくる本音、見えてくる事実、互いに対して深まる疑惑。『三月は深き紅の淵を』の中で「伝説の桜を探して旅をする4人の話」として紹介されている一遍とこの本は重なる部分があります。主要登場人物4人各々の視点から描かれた物語の中には、惜しげもなく多くの謎がちりばめられています。それら全ての謎がすっきりと解決するというわけではありませんが、そこも魅力の1つだと私は思います。主要登場人物4人はもちろんのこと、回想、思い出話等に出てくる人物たちも非常に印象的です。贅沢な本だと思います。
黒と茶の幻想 (Mephisto club) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (Mephisto club)より
4062110970
No.11
(5pt)

深い

4人の視点から見る今、過去、謎、素晴らしい作品だと思います。何回も読み返すほど、深い作品です。恩田陸作品が好きなら間違いなくお勧めです。より物語を深めたいなら『麦の海に沈む果実』も呼んでみるといいです。
黒と茶の幻想 (Mephisto club) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (Mephisto club)より
4062110970
No.10
(5pt)

過去を探す旅

恩田さんの本は、どこか懐かしさを感じる作品が多いけど、この本もそのうちの1冊だと思う。学生時代の仲間だった男女4人が、とりとめのない『謎』からずっと気になって聞けなかった『謎』まで、山歩きをしながら話していく。雄大な自然に囲まれると、やっぱり人の心は裸になるのかな?全てをさらけ出したい気分になるのかもしれない。気心知れた4人だけど、実は他の3人が知らない自分を見つけていたり、自分の想像以上に、友達を観察していたり…。案外、こういう事って日常生活で多いのかもしれない。茶色は、普段他人に見せている自分で。黒は、自分しか知らない自分の一面。そんな印象を受けた。謎を解いていく様はテンポも良いし、第一、4人の掛け合いがおもしろい。
黒と茶の幻想 (Mephisto club) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (Mephisto club)より
4062110970
No.9
(5pt)

迷宮の森

 幻想的な森の中を進みながら、登場人物の名前をもつ4つの章が展開されていく。主人公たちによってまさに物語られる過去は、霧に幻惑される森さながらに絡み合っていき、開けた路を見つけるためにどんどん読み進めずにはいられない。 大人となった登場人物達が過去の謎と対峙するという、ありきたりな設定ではあるが、少年少女たちが主人公となる作品が多い恩田作品としては、大人の慌ただしい日常がぼやかれることによって、かえって少年時代の危うさと切なさが浮き立つ気がする。 舞台となったY島(読んだ後に偶然行った)も、神秘的な森の雰囲気がぴったりで、いつもながら話の舞台設定のうまさに酔わされる。読んだ恩田作品の中では、これが今一番のお気に入り。
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4062110970
No.8
(5pt)

黒と茶の幻想

恩田作品は初めてじゃないけれど、初めて恩田ワールドにはまり込んだ作品だ。旅をする四人の名前が順に章名になっているが果たして主人公は誰なのか。一度も登場しない人物の存在感が圧倒的だったりするのは宮部みゆきさんの火車に通じる面もあるがまったく読んでみれば違った内容だ。上質の小説を愛し、至上のときを過ごすのを好む読者には絶対に見逃せない本だと思う。
黒と茶の幻想 (Mephisto club) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (Mephisto club)より
4062110970
No.7
(5pt)

とりとめのない話

『三月は深き紅の淵に』で、ものすごく魅力的な部分のように語られていた第一章が、語られていたそのままに再現された作品で、それだけでもうただただ感心します。Y島に中年の男女4人が旅行して、ただお喋りするだけの話が、まさかこんなに面白いなんて反則です。活字好きな人たちが持っている共通の知識や体験を駆使して、同時代的な雰囲気溢れる謎が次々に提示されていくのですが、これがもう懐かしさを刺激して止まないのです。20代後半から40代にかけての活字好き・TVドラマ好き・洋画好きは一見の価値はあると思います。その上、それらの謎たちにぐるっと取り囲まれて目隠しされた、ひとつの大きな(私にとっては)魅力的な謎ときたら!とにかくもうただただ贅沢なものを読ませて頂いて感謝!の念に耐えないです。人によって合う合わないは激しくあるかと思いますが、粗筋から想像できるストーリーよりも激しく面白かったです。
黒と茶の幻想 (Mephisto club) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (Mephisto club)より
4062110970
No.6
(4pt)

厚いけどすぐ読める

4人が集まって、それぞれのトラウマや大学生時代に起こった謎を解明してゆく話。学生時代の友人が久々に集まって、表面的には関係の無い話をしながら相手の出方を探ってみたり、忘れていた事を思い出して謎の解決に導いたり…4人の間で繰り広げられる駆け引きと心理戦にはドキドキします。他人が語る自分と、自分で思う自分のギャップもひとつの見所。雰囲気的には「ネバーランド」や「木曜組曲」に近いものがあるような気がします。「麦の海に沈む果実」の憂理が出てきて少しストーリーが入りますが、読んでいなくても全然違和感ないと思います。
黒と茶の幻想 (Mephisto club) Amazon書評・レビュー: 黒と茶の幻想 (Mephisto club)より
4062110970