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悪党たちのシチュー
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悪党たちのシチューの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.80pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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| いや、やはりロス・トーマスは最高だ。 多度多彩な登場人物たちを生き生きと描き分ける手並みの鮮やかさには感嘆の他ない。 アフリカで極限なまでに過酷な体験を味わったジャーナリスト(それがどんなものかは読んでのお楽しみ)と海千山千の選挙コンサルタントの組み合わせ、デビュー作『冷戦交換ゲーム』以来、著者お得意のバディ物だが、今まで断片的にしか翻訳されていなかったのが信じ難いような傑作。 しかし作中、南米某国を舞台に暴かれる陰謀たるや、絵空事とは思えぬアクチャリティがあり、アメリカは今も昔も変わらないのだな…という詠嘆を呼ぶ現実味に満ちている。 | ||||
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| 新潮文庫は偉い! ここのところ古いロス・トマ作品をチョイスし翻訳し、流行りの時期が過ぎたとは言え、初訳、しかも文庫での出版という、ファンとしては垂涎ものの本を供給してくれているのだ。古い時代の作家なので今更ロス・トマと言ってもわからない人は多いのかもしれないが、かく言うぼくにとっては海外探偵小説及びハードボイルドを語る上での最高レベルの作家の一人がこのロス・トーマスであり、当然ながらぼくは全作読破しており、前作に愛着を覚えている者の一人である。 ロス・トーマスの全盛期は1980年代(現在70歳のぼくが20~30代の頃)であり、パソコン通信で冒険小説&ハードボイルフォーラムを主宰していた時期に最大級に自信をもっておススメしていた作家の筆頭でもある。MWA最優秀長編賞を獲得した当時の話題作『女刑事の死』以来、邦訳が連続していた時代ということもあるが、何と言っても独特の語り口や、ストーリーテリングの裁き方などに奇妙なユーモアやアイロニーがある上、登場人物の個性が豊か過ぎて好きになってしまうキャラの多さたるや世界トップクラスの筆の冴えとしか言いようがない、等々、褒めちぎり放題の当時の状況であった。 本書はその『女刑事の死』直前の長編作とあって、ロストマらしさがやたらに発現された作品であるように思う。二人主人公作品というのはこの作家の場合全く珍しいことではないのだが、本書ではその二人の個性が際立っており、国際色も豊かで、見えるものが見えたそのままではないという妖しさや、登場人物の背景に立つ家族や関係者たちの存在までもがどこか胡散臭く見えるところなどは非常にこの作家の天才ぶりを見せてくれるものである。 語り口の妙は読み易さというところに繋がるし、見えているものが後に異なる光に投影されると全く別のものに変化してしまうというイリュージョニスト的作風もこの作家独特のものである。軽妙な語り口と猫の眼のように変わる視点と、なによりも我らが主人公たちの(本書でも主人公は二人の性格・境遇の異なる男たち)魅力的な行動力学が読書の推進力である。 ショッキングな冒頭のシーンから、様々な人物の光と影が軽妙に交錯して、ラストのどんでん返しに雪崩れ込むロストマ節をこの時代になってもまだ新作として味わえる奇跡がまさに有難い。新潮社さん、この勢いでどんどん未訳作品を世に出して頂けることを願ってやみませんよ。 | ||||
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| <過去>だったはずの作家。ロス・トーマス。 「冷戦交換ゲーム」(早川書房)で度肝を抜かれ、以降立風書房から地味に出版されていた「可愛い娘」、「ポークチョッパー : 悪徳選挙屋」、「強盗心理学」、「恐喝 : シンガポールウインク」、「クラシックな殺し屋たち」、「悪魔の麦」、「大博奕」まで全て読んでいました。以降早川書房から出版された「女刑事の死」(傑作!)を経て「暗殺のジャムセッション」までもまた楽しんで読み続けていました。しかし、残念ながら紙の本を処分してしまったため一冊も手元にありません(笑)。 そして、気がつけばいつかしら新潮文庫から旧作が翻訳、出版されていました。 今回、久々ロス・トーマスを読みましたが、相変わらずその先の見えないストーリー・テリングは健在でした。 主人公は、二人。政治家の資金調達係のドレイパー・ヘールとジャーナリストのモルガン・シトロン。ヘールは、カリフォルニア州知事になるボールドウィン・ヴィッチの下で活動し、ヘールの父親の旧友でもあるジャック・リプローグルから或るホワイトハウス絡みのゴシップを聞き出している最中、ピックアップトラックにより追突され、リプローグルが殺害されてしまいます。そのゴシップとは一体?ヘールは、アフリカの独裁国家に捕まり釈放されたモルガンと知り合い、二人はそのゴシップを調査し始めますが・・・。これ以上ストーリーを記すことはできませんが、描こうとしてもおそらく私の力では及ばない(笑)。それほど予測不能なやり取りが進行していきます。 何とまあ、いかがわしい人間たちが次々と現れ、それぞれがいい加減な行動を積み上げつつ、大団円へと雪崩れ込んでいきます。その訳のわからないプロセスとオフビートな会話を楽しみつつ、それでも尚ロジックがしっかりと組み立てられていることにやはりエンタメ作家、ロス・トーマスの凄みを感じないわけにはいきませんでした。 何故かそのいい加減さに本当の大人の男たち、女たちの美学を見出すことができます。 ◻︎「悪党たちのシチュー "Missionary Stew"」(ロス・トーマス 新潮文庫) 2026/2/28。 | ||||
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| ロストーマスにどっぷりハマり、全部ではないけど手に入る限りでは作品を読んでます。 新潮の発掘シリーズでもロストーマスは3作目。このシリーズのなかでは本作が一番好きですね。無理に長くせずキレ味を保ちながら二転三転。エグいエピソードもしょっちゅう出てくるのにクールです。 それに、いまどき翻訳モノは文庫でも1500円以上するのにこのお値段。めちゃくちゃお買い得です。新潮さんありがとう。 できればハヤカワから出てた作品の復刊も読みたいです。 | ||||
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| *ここの電子書籍で購入しました 元ジャーナリストが、曰くのある政治関係者から手伝いを依頼され・・・というお話。 解説で小野家さんが「バディ物、国際諜報小説、恋愛小説、クライムコメディ、家族小説、場面場面で好き放題展開する」と書いてらっしゃいますが、まさにそういう作品になっております(バディ物=主人公が二人一組で行動する作品)。時期的にも、MWA賞を取る少し前だったとの事で、円熟した感じになっていて、読み応えがありました。 アメリカのクライムノベルでロス・トーマスと双璧っぽい紹介のされ方だった、エルモア・レナードが市井の犯罪に関する展開で、西部劇風な所がありましたが、ロス・トーマスの場合は、国際謀略小説風に大風呂敷を広げる感じでしたが、エルモア・レナードが西部小説を書いていた経歴でそうなり、ロス・トーマスは政治記者をしていた為、そういう風になっている様に思えましたが、どうでしょうか。 主人公が人の肉を食べさせられた、という過去ですが、昔のアフリカの大統領で、実際に人の肉を食べていた人がいたそうで、多分その話しから、こういうキャラクター設定になったと思われます。 毎年、この人の作品が翻訳される様になってきて、10年くらい前なら全く想定外の時代になり、喜ばしいですが、後は昔立風書房で出ていた作品の復刊(オリバー・ブリーク名義の物を含めて)が望まれます。 この「海外名作発掘」枠で出る作品はおしなべて、良質な物が多いので、嬉しいですが、去年(2025年)の年末のベストで、ここから出た作品が一位になるとは思わなかったので、少々驚きましたが、良い物は時代や地域と関係なく評価される様で、またこの枠から出るものは期待しております。 アメリカでも大御所でありつつ、特異な作風の作品が多く、尚且つ面白い作品が多かった巨匠の充実作。是非ご一読を。 | ||||
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