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室町少年倶楽部
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室町少年倶楽部の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.58pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
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記録された歴史の隙間にファンタシーを嵌め込むのは山田風太郎の得意。人が変わるのがテーマと文中にもあるが、応仁の乱に至る、作者の作ったドラマは興味深く読めて面白い。 | ||||
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佐々木道誉を主人公にした「婆沙羅」は鎌倉幕府滅亡から3代将軍義満の代まで生き残った道誉の生涯をバサラという当時の時勢から読み解いたもの。今日の敵は明日の友となんでもありの南北朝時代において、その象徴ともいう道誉の哲学の一端が読み解けて面白い。一方後醍醐天皇から始まるバサラの系譜が将軍義満に受け継がれそれに道誉が降参するという展開も面白い。中編ながら南北朝時代の通史のようにもなっているのも見事。 | ||||
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「婆沙羅」「室町の大予言」「室町少年倶楽部」の3編所収。 「~大予言」と「~倶楽部」は『室町少年倶楽部』(文春文庫)を読んでいたのだれど、「婆沙羅」が読みたくて購入。 「婆沙羅」は佐々木道誉を狂言回しに南北朝時代を描いた作品、といってよいかと思うのだが、理屈で収まらない破天荒な時代への興味深さを沸き立たせるとともに、「~大予言」「~倶楽部」の室町時代へと繋がる破滅的絢爛さの予兆も感じられてとても面白かった。 『~倶楽部』の2編に「婆沙羅」が加わることで、足利家の物語として締まったものになったと思う。 また、『~倶楽部』を読んだ時に印象をもった、文化がただの美しいものではなく、その成り立ちには何かの犠牲やおどろおどろしさのようなものがあることも改めて感じた。 | ||||
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ストーリーもそうだけど、山田風太郎の語り口が最高。 読んでて「気持ちいい」 | ||||
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教科書で習った歴史観 では味わえない太平記、室町期の時代の人物が目の前に現れる感じ! 山田風太郎観は楽しい! | ||||
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頭休めのつもりで読んだのですが、山田風太郎に ハマりまくった。 こんな作家に出会えて嬉しい! | ||||
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山田風太郎は故人となっているために、過去の作品は文庫本を手に入れがたい。 | ||||
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室町時代、とくにドロドロの応仁の乱に至る経緯などは、歴史音痴には近寄りがたく、文化面以外はずっとスルーしてきましたが、この作品で一気に魅力が増しました。誰もが利権獲得のために血眼の醜い形相で争う世の中を、幼いころに心ならずも将軍にされてしまった足利義政が、狂気をはらんだ少年の眼で俯瞰する姿は、日野富子ならずとも、恐ろしく感じたことだろうと思います。 | ||||
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「戦争はすべてを破壊する。人間が残せるものは芸術だけだ」という先生の言葉。『室町少年倶楽部』の最後のヒョーロク将軍(=足利義政≒山田風太郎)の嘆きがその言葉に重なり、はっとした。遠い少年の日々。 | ||||
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足利義光から義政の時代を経て応仁の乱に至るまでの細川、山名、日野等の人間模様が描かれていていました。 安定期の時代の人間模様を観察出来る読み物でした。 | ||||
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山田風太郎さんの室町モノが読みたいなと思っていたところ、あるではないか、Kindleに。 「室町の大予言」「室町少年倶楽部」の2編が収められていて、ともに足利将軍の姿を追いながら、 その周辺の人々も含め「人はどう変わるか」を描いている。 どちらも面白いのだが、衝撃的なのは表題作。 冒頭、ジュブナイルと思わせるような描写で始まり、タイトルも「~少年倶楽部」だし・・・、 と呑気に思っていると、いやいや大変なことになる。 将軍の後継問題を軸に物語はドロドロとした展開に。史実をベースにしている(だろう)だけに、 語り口が冷静なだけに、その凄まじさがグイグイと迫ってくる。 そして、人々のそれぞれの欲、夢と挫折、偶然と必然により作られていく時代の流れに、 その人々が飲み込まれ、追い込まれていく。 破滅へ向かう無常感。戦中派の風太郎さんならではの室町時代観・文化論と言っていいかもしれない。 | ||||
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部下が将軍を自宅の庭に招いて豪快に首をはねちゃうんだからすごいよね。サラリーマンには溜飲が下がる(スッキリ)!変に小説ぽく脚色しなくても史実だけで十分面白い。 中編2話の構成で、「室町の大予言」は嘉吉の乱を下敷きにしたストリで、表題作は応仁の乱に至る過程を下敷きに解りやすく描かれている。当然、両編とも山風でしか書けない仕上がりになっている。 | ||||
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表題作と「室町の大予言」の中篇2作を収める。室町ものは著者最晩年の仕事で、初出はともに1989年の文芸誌。 両作とも軽い書き方だが、史実に沿って進行していく歴史小説に近い叙述で、創作キャラはほとんど登場せず、伝奇度はあまり高くない。 「室町の大予言」。 何とくじ引きで後継に決まった足利6代将軍、義教(よしのり)。この時の「楠木くじ」は今でいう「あみだくじ」で、本書では楠木正成が発明したとしている(史実かどうか不明)。戦陣で採用する兵法もこれで決めたことが多々あったというからビックリ。本来のあみだくじは別の形式だったと著者は書いている。 物語を推進する大予言は二つあり、どちらも謎めいた書き方で(ノストラダムスの影響か?)一定の解釈はむつかしい。 一つ目は天王寺に伝わる聖徳太子が書いたという「天王寺未来記」で、正成が読む。二つ目は本能寺に伝わる日蓮の予言「本能寺未来記」。その予言に導かれるようにして赤松満祐(みつすけ)が義教を暗殺し、そして滅んでいく。 解説の鹿島茂は2本とも史実ではないかと推測しているが、本能寺未来記は風太郎の創作ではないか。謎めいた文言だが、素人が読んでも誰の出現を予告しているのかわかる書き方だ。 「室町少年倶楽部」。 8代将軍義政と周辺の人々、特に細川勝元(後の管領)との関係をその幼児期から歴史小説風に描く。創作キャラはほとんど登場しないが、登場する実在キャラが濃いので展開はとても面白い。 義政が政治に背を向け“デカダンス将軍”へと変貌して銀閣寺を遺し、一方で時代が応仁の変へとなだれ込んでいく過程が説得力をもって描かれる。鹿島が言うように、時代の進展に目を背け“少年倶楽部”にとどまって美に殉じる義政を描き切って、時代をも描くことに成功している。 ただ、非常に良い出来ではあるが、全盛期に比べ文章の粘りのようなものが薄れているという感を免れないのが惜しい。 | ||||
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とても良い状態の商品でした。値段の設定も良心的で、満足しました。 | ||||
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山田風太郎の室町物は初読。多くの読書子が高評価を与えているシリーズらしい。作者晩年の集大成と言ってもいいと思う。この版は中編が二本。「室町の大予言」と表題作が収録されている。どちらも上質な歴史小説と言って良い?まあ、定義にもよるが。室町時代って何故か影が薄い。英雄が少ない。後の戦国時代が華々しいのに比べると一目瞭然。大スターの義満だって実は金閣寺と能楽とセットで知っている位が普通の様な気がする。こういうハンデを負いながらも、二編とも重層的な面白さに満ちている。鹿島茂さんが解説で絶賛して居るのもうなづける(実は此れだけで買いなのだが)。読後、中編ながら掴み所のない室町期がなんとなく分かった気がした。これは明治物を通して明治時代の理解が深まったのと同じ構造の様な気がする。ウソが多く、殊更古びた描写が有るわけではなくともヤッパリ歴史小説なのだ。それも良質の。得意技の同時代有名人遭遇もちゃんと有ったし。大満足 | ||||
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忍法帖から明治物を経て、山田風太郎が最後に辿りついたのが絢爛たる妖しの室町時代だった。乏しい知識を総動員してぼくなりに室町時代を考察してみるに、あの時代とは戦国の世と江戸時代とが巧みにブレンドされた時代のように思えるのだが、どうだろうか? 将軍家は義満の時代から花の御所や北山第を建築、栄華の限りを尽くし八代将軍義政の世にはさらに豪奢な生活に明け暮れ、その政治に携わることない無責任さが応仁の大乱をひき起こした。本書には二編収録されているのだが、表題作はその義政を描いた好編である。義政が三春丸と呼ばれていた幼少から、応仁の乱が起こる晩年までを描いている。 いかにもそつがなく、流れるように読みすすめられる小説の見本のような作品だ。室町の時代が内包する狂気が絢爛さの中でにぶく光っており、まだ呪術や妖魔が信じられていた時代の雰囲気がプンプン匂っている。もう一編の「室町の大予言」は、義政の父にあたる義教が主人公。義教は三代将軍義満の三男であり、本来なら将軍職につくことのない人生を送るはずだったのだが、五代将軍義量(義教の兄である四代将軍義持の子)の急逝によりくじ引きで将軍職におさまった変り種である。風太郎はこの歴史的事実をもとに、謎の予言書「本能寺未来記」なるものを配し室町の世に魔界を現出した。もうここまでくると曲芸に近い技の冴えをみせている。さすが風太郎。晩年の作品にもかかわらず、その質は衰えることがない。魔界としての室町を縦横無尽に書き尽くし、艶やかで凄惨な印象を与えて秀逸である。ほんと風太郎って小説の神様なんだなぁ。 | ||||
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室町ものの傑作です。風太郎さんにあと十年の寿命があれば、このジャンルは時代小説界で何本もの名作を産み出す大鉱脈になっていた筈。きっと風太郎さんは関心を持っていた蓮如を登場させた大娯楽小説を書き、蓮如の業とその迫力を書いていたと思います(もう叶わない願望ですが)。老齢で亡くなった方なのに、その早すぎる死を惜しんで余りあります。 | ||||
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最近、ホラー・時代伝奇作家の朝松健がものしている分野が室町時代である。この今日見る形での時代伝奇「室町もの」のはしりは間違いなく山田風太郎に見る事が出来る。しかし山田風太郎は「忍法帖」「明治もの」という二大ジャンルで確立したものを創り出す事はなかった。 この作品の他にも「婆沙羅」「室町お伽草子」など数点のみで彼の最晩年に挑んだ分野は途切れてしまう。もし、現在ちくま文庫刊行中の忍法帖短編集のごとき網目の巨大なサーガが編まれていたら。山田風太郎「室町もの」はもっと普通に知られていたに違いない。 なにせ室町という混沌とした時代はまさに著者が描こうとした奇怪な世界そのものだったのだ。その事を思うと残念で仕方がない。 | ||||
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最近、「バジリスク」のヒットのお蔭で再び山田風太郎が読まれている。風太郎は原作の「甲賀忍法帖」を皮切りに数々の忍法帖を送り出して大衆小説の重鎮としての地位を固め、後に明治ものに転じ、数年前にドラマ化された「警視庁草子」を初めとしてここでも大ヒットを収めた。この「室町少年倶楽部」はその後「婆沙羅」や「室町お伽草子」と並んで発表された室町ものの一篇で、いわば晩年の作品である。 ではパワー不足なのかというと、そんなことはない。この本に収録されている内の一作目、「室町の大予言」は彼一流のエスプリを、表題作は虚無感を、それぞれ内蔵し、必ずや読者を仰天させるだろう。 特に表題作を再読し、結末に至ったときの衝撃はなお筆者の心を捉えて話さない。俗に暗君と呼ばれる足利義政の哄笑は、この時代をも嘲笑っている。-是非その眼で確かめてほしい。 | ||||
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