うしろにご用心!
評判
うしろにご用心!の評価:
3.75/5点 レビュー 4件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1〜2 1/1ページ
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うしろにご用心!の評価:
3.75/5点 レビュー 4件。 C ランク
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そして今回、木村二郎さんの訳でウェストレイクの2005年の作品が読めるとは思わなかった。
リチャード・スタークの「悪党パーカー・シリーズ」が陰の傑作群であるなら、「ドートマンダー・シリーズ」は能天気な陽のケーパー小説群ですから、特に理屈は必要ありません。只々、読めれば良い。
カリブ海の<地中海クラブ>施設で休養プログラムを受けていた故買屋、アーニー・オルブライトがニューヨークに戻り、ドートマンダーが彼から呼び出されます。彼がバディのケルプと出向いていくと二人はアーニーから或る提案を持ちかけられます。アーニーが施設で出会ったプレストン・フェアウェザーという富裕な投資家がセントラル・パークを見渡せるペントハウスにしこたまアート・コレクションを所蔵しており、ドートマンダーたちがそれらを強奪すれば、それを売り払った70%を手に入れられると宣います。その強奪事件の顛末がメイン・ストーリーですが、それらに関係するのか?しないのか?(笑)、ドートマンダーたちがいつも集合するバー&グリル、<OJ>に異変が発生し、そのサブ・ストーリーが一方で炸裂、また<地中海クラブ>で淫らな美女漁りに耽溺していたプレストン・フェアウェザーとその秘書のアラン・ピンクルトンにも新たな試練が舞い込み、メインの強奪事件を二重にも三重にも絡め取りながらいつものように不埒で楽しいクライム・ノヴェルが展開されていきます。
2005年には、インターネットもGPSも存在していて、ドナルド・E・ウェストレイクが2008年に急逝しなければ、彼は新しいテクノロジーを使ったキレッキレのニューヨークを舞台にしたクライム・ノヴェルを描き続けたに違いないと思うばかりです。
1970年頃、ピーター・イェーツが監督した「ホット・ロック」に感激して、角川文庫でウェストレイクの原作に触れ、尚且つクインシー・ジョーンズのサントラ盤に酔いしれた日々が懐かしく思い出されます。よって、巻頭からそのメロディーが脳内空間に響き渡り、ドートマンダー以下登場人物たちの時に理解不能なタメ口に翻弄されながら、そう言えば紙の本は全て処分してしまったために「斧」も「鉤」も「聖なる怪物」(全て木村二郎さんの翻訳)も手元になくなってしまったことに溜息をつくことになりました。まあ、仕方がありません。世界は”アフガニスタン・バナナ・スタンド"なのだから(笑)。
それにしても今回のこの「うしろにご用心!」のオチは、或る高名な画家の絵画の存在にあります。やるよね(笑)。
▫️「うしろにご用心! "Watch Your Back!"」(ドナルド・E・ウェストレイク 新潮文庫) 2025/2/12。