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氷柱
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氷柱の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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<氷柱>☆☆☆☆ 世捨て人のような、両親や親類の遺した財産で何不自由なく暮らす男が、ある事件に遭遇したことをきっかけに、法の手の及ばない権力者を処罰していく犯罪小説。 孤独で虚無的な主人公の造形が素晴らしい。 また、ストーリーは小気味よく進み、乾いたタッチの文体も良い。 まるで良質なフィルムノワールを観ているような感覚になる。 ただし、結末が弱いと感じた。 捻りを試みているが、トリックを含めてやや無理がある印象。 傑作になり損ねた秀作といったところか。 | ||||
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東京創元社文庫から出ている多岐川恭・復刊シリーズの第3弾。 『氷柱』と『おやじに捧げる葬送曲』の2つの長編が収められている。532頁という厚さである。 『氷柱』は、1956年に河出書房が『探偵小説名作全集』の別巻として書き下ろしを募集したときに第二席となったもの(第一席は仁木悦子『猫は知っていた』)。その後、河出書房新社(1958年。 1963年に「ある脅迫」と合本で再刊)、春陽堂書店(1963年)などとして出ている。 得意なロマンチシズムで、非常に魅力のある物語だ。主人公の造形、彼の行動についてのアイディアが面白い。もうひとひねりすれば、傑作になったろうと思う。トリックがいまいちなのと、結末に大きな不満が残るのが欠点。 『おやじに捧げる葬送曲』は、1984年に講談社から出たもの。これまた人物の魅力が素晴らしい。「真相」が徐々に明らかになっていく過程も興味をそそる。しかし、やはり欠点も多い。話に無理があるし、ストーリーとしてスッキリしない。特に前半部分は不要ではないかと思う。 ミステリ作家としてよりは、時代小説で活躍した人だが、おそらく、その選択は間違っていなかったろうと思う。 とはいえ、人物や雰囲気を味わうだけでも、本書には読む価値がある。 | ||||
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東京創元社文庫から出ている多岐川恭・復刊シリーズの第3弾。 『氷柱』と『おやじに捧げる葬送曲』の2つの長編が収められている。532頁という厚さである。 『氷柱』は、1956年に河出書房が『探偵小説名作全集』の別巻として書き下ろしを募集したときに第二席となったもの(第一席は仁木悦子『猫は知っていた』)。その後、河出書房新社(1958年。 1963年に「ある脅迫」と合本で再刊)、春陽堂書店(1963年)などとして出ている。 得意なロマンチシズムで、非常に魅力のある物語だ。主人公の造形、彼の行動についてのアイディアが面白い。もうひとひねりすれば、傑作になったろうと思う。トリックがいまいちなのと、結末に大きな不満が残るのが欠点。 『おやじに捧げる葬送曲』は、1984年に講談社から出たもの。これまた人物の魅力が素晴らしい。「真相」が徐々に明らかになっていく過程も興味をそそる。しかし、やはり欠点も多い。話に無理があるし、ストーリーとしてスッキリしない。特に前半部分は不要ではないかと思う。 ミステリ作家としてよりは、時代小説で活躍した人だが、おそらく、その選択は間違っていなかったろうと思う。 とはいえ、人物や雰囲気を味わうだけでも、本書には読む価値がある。 | ||||
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