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(短編集)

愛と名誉のためでなく 南アルプス山岳救助隊K-9



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【この小説が収録されている参考書籍】
愛と名誉のためでなく: 南アルプス山岳救助隊K-9 (光文社文庫)

愛と名誉のためでなく 南アルプス山岳救助隊K-9の評価: 4.40/5点 レビュー 5件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.40pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

表紙の絵から期待されるほど、救助犬の記述は多くありません。

「愛と名誉のためでなく」とは、
この短編集における一編のタイトルに
過ぎません。
「名誉のためでなく」だけなら分かりますが、
「愛のためでもない」という点は、
作品のなかからは、明確に読み取れませんでした。
「愛」というのは、本人が意識するかどうかに
かかわらず、発揮されるものだからです。
「愛のためではない」と思って行動しても、
そこに「愛」が現われている、という
人生の深みを、本書の著者が理解しているか
どうかは、不明です…。

表紙の絵には、奥のほうから、
ジャーマンシェパードのバロン(♂)
狼の血を引くといわれる川上犬のリキ(♂)
ボーダーコリーのメイ(♀)が
描かれていますので、
本書が、山岳救助犬の生態や調教などについて
詳しく書いているのかという期待感を
持たせますが、実際には、各短編で扱う、
救助を要する人間たちの諸事情がメインなので、
いささか、失望感を味わいました。

出動した救助犬と救助隊員との絆は感じられますが、
上述の三頭のすべてが、まんべんなく登場するわけ
でもなく、準主役、というわけでもないのが、
残念でした。

登場回数は、ボーダーコリーのメイが、いちばん
多いです。
人間よりも、遙かに嗅覚が発達しているので、
事故や事件の解決を決定的にするのは、いつも、
救助犬たち。
人間に忠実な性格だけに、寿命は、家庭の
飼い犬よりも、およそ、半分ほど、というのは、
申し訳なく、たとえようもなく切ない事実ですが、
本書の犬たちが、任務を果たした時に見せる、
至福の態度をみていると、尊くて、
こちらのほうが救ってもらっていることに
気付きます。

山岳で命の危険に瀕した人間たちには、
それなりの失態や生き方そのものの問題が
ありますので、その命を無心に援けようと
出動する犬それぞれの姿には、
唯々、有難うと、手を合わせることしか
できません。

☆救助されたばかりの人に
 ホットカルピスを与えている場面に
 接した際、カルピス好きとしては、
 うれしくなりました♪

犬好きな人はもちろんですが、猫好きな人も、
本書の救助犬たちの活躍に接することで、
その健気な生き方に感動することでしょう。

著者の樋口さんには、数々の長編小説があり
ますが、本書は、短編集ですので、
いろいろな人生垣間見られます。

Amazonサイトで山岳関連書を検索中に
見つけた本書。
この出合いには、感謝しております。

山岳救助犬の調教や日頃の生活ぶりなどを紹介した
本があれば、読んでみたいと思います!
愛と名誉のためでなく: 南アルプス山岳救助隊K-9 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:愛と名誉のためでなく: 南アルプス山岳救助隊K-9 (光文社文庫)より
4334103898

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