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(短編集)

本日のメニューは。



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【この小説が収録されている参考書籍】
本日のメニューは。 (集英社文庫)

本日のメニューは。の評価: 4.30/5点 レビュー 10件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.30pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全10件 1~10 1/1ページ
No.10:
(5pt)

いい感じの軽い読み物です。

短編小説で、温かみのある話なので、たまに読み返しています。
本日のメニューは。 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:本日のメニューは。 (集英社文庫)より
4087440419
No.9:
(4pt)

仙台に来る前に読んでほしい一冊

冒頭の「四分間出前大作戦」
これは仙台に住む人間にとって特別な思いがるだろう
そして私のようにロードバイクで転倒しひと月以上入院した者には
更に特別な思いがある

まず大学病院の位置関係は
仙台の東北大学病院とほぼ一緒で交通状況は本文と変わらない車の通りが多い通りだ
キーポイントとなる歩道橋の位置は
数十メートル東にずれていて木町通りを超えた「木町小学校」前にかかる

次にお店を考えると
歩道橋の目の前ではないが
県道仙台村田線(大学病院前の道路)から少し入った所の「揚次」を想像する
ここは蕎麦屋なのだがここの中華そばが有名で
中華そばとコロッケを目当てに客が多く集まる人気店

肝心の中華そばだがあえて実名を挙げる
なぜなら小説は「中華そば・ふじや」だが
実際は仙台市本町に実在する「中華そば・富士屋」
同じ名前のお店をつけているのだw

ちょっとクラシカルでバランスの取れたスープに
ふんわりした食感の麺(伸びているわけではない)
やわらかく炊かれたチャーシューにほんのり甘辛なメンマ
実直なつくりの中華そばでチャーシューの入ったワンタン麺も人気メニュー
店内には「麺固めご注文はお断りさせていただきます」の張り紙が堂々と張ってあり
ランチタイムは並んでも食べたいサラリーマンで大いににぎわうお店

実際の富士屋の主は「神接客」といわれるほどで
とても丁寧な言葉で話す物腰も超丁寧で柔らかい
ここが原作と少し違うかもしれないw

本文については読んでもらうのが一番だが
ちょっと昔の仙台といったイメージの街に生きる客とお店が織りなす
ちょっとほろっとする物語たち

仙台に出張や旅行で訪れる前に読んでもらうと
気位が高い風で実はシャイだったりする仙台人の事を納得してしまうような小説

星を減らしたのは「富士屋」実名で乗せたことにより
僕が食べに行くときにさらに忙しくなっているかもしれないからw
お勧めの一冊です
本日のメニューは。 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:本日のメニューは。 (集英社文庫)より
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No.8:
(3pt)

ふーむ。こだわりが昭和だね。

飲食店の経営は難しい。コロナ禍において、さまざま制限を受けた。東京では、家賃が高い、立地条件がいいほど高い。株の神様の邱永漢さんは、『飲食店は、始めた時から、どう閉めるかを考えることが必要だ』と言った。本書での飲食店主がこだわっているものが、なんとなく、昭和なのだ。出前であれば、出前館があったりする。
5つの短編。「4分間出前大作戦」。中華そば屋。毎日食べても飽きない味のラーメン屋。妻が出前をしていたが、なくなってしまって、出前もできなくなった。中華そば屋の前に、病院があるが、道が整備されて、歩道橋で渡らないといけない。そんな時に、小学生の子供が、入院しているお父さんに、ラーメンを食べさせてやりたいと言って、中華そば屋の店主に頼むが、「美味しさは、4分以内に食べないと美味しくない」と言って、子供たちは、中華そばのどんぶりを借りて、練習する。
その設定がおもしろい。こだわりなのだ。設定をしすぎている。もっと柔軟にすればいいのだが、それをしてしまえば、物語は成り立たない。果たして、子供たちはお父さんにラーメンを食べさせることができるか。
「おむすび狂詩曲」お母さんは、娘の弁当を作るのが好きだ。SNSで「いいね」とされることに、全力を挙げる。結果として、娘が欲しい弁当なんて関係ないのだ。娘は、見た目はいいが、全く、おえっという臭いを放つマズメシを食べることができない。近くで店がオープンする。おむすび屋である。おにぎりではなく、おむすびというのが重要。朝から、そのおむすび屋に娘はいく。塩おむすびが美味しいのだ。そのことを母親に見つかってしまう。
「闘え、マンプク食堂」オヤジは、お客を満腹にさせたい。のれんに「マンプク」と言った文字の暖簾がかかっている。息子が、筋萎縮性側索硬化症で亡くなった。声さえ出ないのに、脳だけ衰えない。若くして、寝たきりの状態になり、結局は食べることもできなくなって、死んだ。そのことが、満腹になって欲しいの願う食堂の親父になっている。そこに、痩せているがいっぱい食べる青年がきて、再三度外視して、満腹にするマンプク定食を作る。それも、1000円以内なのだ。その青年は、大食い競争にも出たりする。とにかく満腹と言わせることが、親父にとっては、幸せなのだ。
「或る洋食屋の1日」洋食屋グリル月河。おすすめのメニューは、ビーフシチュー。じっくりと作り込むのだ。ドミグラスソースを50年間作り続けてきた。味を受け継ぐのだ。ドミグラスとは、フランス語で「半分に・煮詰める」という意味だ。しかし、体力が続かない。レシピを受け継ぐものもいなかった。
「ロコ・モーション」脱サラして、キッチンカーで洋食屋をやろうとする。ハワイで食べた「ロコモコ」が美味しかったのだ。しかし、キッチンカーで料理することができない。キッチンがないと売ることができない。それで、ドムグラスソースの閉店した洋食屋を教えられる。そこで、美味しいロコモコ丼が作れることになる。
お客さんが、何を食べたいのか?よりも、自分のこだわりで飲食店を経営しようとする食堂経営者たち。
食堂のこだわりって、なんだろうか。サイゼリアの正垣泰彦の「美味しいから売れるのではない、売れているから美味しいのだ」という言葉が浮かんだ。著者の食のこだわりが、作る側ばかりのことを考えている限り、閉店するしかないだろうね。食の物語の時代の流れに、追いついていかない。
まぁ。味わいたいのは、ドミグラスソースだけかな。表紙のおむすびは美味しそうだ。
本日のメニューは。 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:本日のメニューは。 (集英社文庫)より
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No.7:
(5pt)

読みやすい!特に主婦に読んで欲しいです!

すっごく良かった!
書店でおすすめだったのでなんの気無しに購入した本でしたが、読み始めたら止まらない。そして涙も止まらない。心がじんわりとして、そっか食ってほんと大事だな。大切にしないと、と改めて感じる一冊でした。
わたしは主婦なので、毎日の献立に悩んだり、大した反応もないのに面倒くさいなぁーとよく思います。でも、夫や子供は言葉にこそしないけれど、私が作るご飯にほっとしたり、いつものありきたりのご飯を求めて家に帰ってきてるのかなーと思いました。
どれもとても読み応えがあって感動する作品でしたが、やっぱりおにぎり屋が、わたしにはとても響きました。
行成さんの他の作品も読んでみたいです^ ^
本日のメニューは。 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:本日のメニューは。 (集英社文庫)より
4087440419
No.6:
(5pt)

料理とそれを取り巻く人間ドラマ

文字も大きく読みやすい
気軽に読める短編集
ステイホームにもぴったりの一冊
本日のメニューは。 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:本日のメニューは。 (集英社文庫)より
4087440419
No.5:
(5pt)

温かい食事に負けない温かいストーリー

行成さんの人柄を感じさせる心が温まるショートストーリー集。活字でしか表現されてない筈の数々の庶民派料理(失礼!)に妄想が弾け、自然にお腹がグゥとなってしまうのは私だけでは無い筈。
本日のメニューは。 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:本日のメニューは。 (集英社文庫)より
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No.4:
(3pt)

いいね☺️

良かったよ
本日のメニューは。 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:本日のメニューは。 (集英社文庫)より
4087440419
No.3:
(4pt)

ドラマ化してほしい一冊

食を通し、人を描いた短編集。
「ちょっと、ありえないよなあ」という設定が、最後にはまるく収まっていきます。
物語が進むなか、読み手の価値観も変化する。そのプロセスが楽しいです。

一番気に入ったのは、第3話「闘え!マンプク食堂」。
これね。泣きます
本日のメニューは。 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:本日のメニューは。 (集英社文庫)より
4087440419
No.2:
(5pt)

面白かったです

美味しいお話が好きなので、読んでみました。
お料理が美味しそうなのはもちろんなのですが、
どのお話も、人を思う温かい気持ちがあって、心の中で応援しながら読みました。感動しました。
是非2が出て欲しいです。
本日のメニューは。 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:本日のメニューは。 (集英社文庫)より
4087440419
No.1:
(4pt)

「どこにでもありそうな飲食店」を舞台に描かれる食べる喜びをテーマとした人情ドラマ。「縁」の描き方が良い。

作者である行成薫さんの作品はこれが初めて。最近じゃライト文芸系レーベルにも「お店もの」とりわけ「飲食店もの」が溢れ返っているのでスルーしようかと思ったのだけど、直感的に「何か違うかも」と感じて拝読させて頂く事に。

構成の方は短編連作形式で5編の短編が収められている。内容の方はいずれも飲食店を舞台としたドラマなのだが、どこかしら「昭和感」の漂う人情喜劇的な色合いが強いホームドラマの様な内容。舞台となる飲食店もお洒落なカフェの様な敷居の高さを感じさせない、むしろ若干時代に取り残され気味な年季の入った(というか草臥れた感じの)大衆向けの店ばかりがピックアップされている事もあってより人情喜劇的テイストを高めているな、という印象。

「四分間出前大作戦」
出前を担ってくれていた妻を失い店を閉めようかと悩む中華そば屋の店主と現役時代から常連客だった元医師の老人の前に「入院中のパパにラーメンを食べさせたい」という幼い兄弟が現れるエピソード。「うちのラーメンが美味しく食べられるのは出来てから四分以内」という店主の拘りと兄弟の細やかな願いに正業とは認めがたい世界に生きる息子に悩まされる老人の親子関係の絡め方が上手い。「陸上マン」のキャラ付けはちょっと過剰な気もするが……

「おむすび狂詩曲(ラプソディ)」
SNS全盛時代という現代社会を反映した様な一編。「いいね!」最優先の見掛けばかりで味は二の次というマズ飯を作り続ける母親に悩まされる女子高生とその救いの場となっている極小店舗の「おむすび屋」を経営する女店主の物語。誰にも理解されずやって当たり前と感謝もされない「主婦」という孤独からSNSに走った女子高生の母親と家計の助けにと始めた店が自分を守ろうとした筈の家庭から切り離してしまった女店主の孤独を対置する事で互いに際立たせている。

「闘え!マンプク食堂」
「人情もの」というか「昭和テイスト」という点ではこれがピカ一。とある事情から客に腹いっぱい食わせる事に拘る様になった大衆食堂のオヤジとある日突然現れた痩せた体に見合わぬブラックホールの様な胃袋を持つ青年のプライドを賭けた「対決」の物語。べらんめえ口調のオヤジと若干気弱でおっとりした女将さんというある意味「コテコテ」の人情話なのだけど、「腹を満たす喜び」という食の原点とでも称すべきテーマを描き切った感も。

「或る洋食屋の一日」「ロコ・モーション」
この二編に関しては「二つで一つ」という部分がある。

前者は50年続けてきた洋食屋が迎えた最終営業日を仕込みから閉店後の片づけまで描いた若干短めの物語。近所の商店街の寂れ方も含めて「終わりゆくもの」として経営者夫婦の姿を一切のご都合主義も無しに追った所に淡々としていながらも店主が50年育ててきたドミグラスソースの描写などに重ねてきた歴史の厚みみたいな物をズシリと感じさせてくれる。

後者は逆にパワハラ企業を辞め脱サラで「ロコモコ丼」のキッチンカーを始めた若い夫婦の物語であり「これから始まる新しい人生」を描いている点で前者とは対照的な内容となっている。始めたばかりで躓いたキッチンカーの窮地に現れた人物の素性が意外。「或る洋食屋の一日」を読んでいて「あれ、この部分活かさないまま終わっちゃうのか」と思わされた部分がこの話に繋がってくるとは意表を突かれた。二編を使って「人生における地味な積み重ねの意味」みたいなテーマを掘り下げる趣向も気が利いている。

全編を読み通して思わされたのは「縁」という物の描き方が実に巧みだな、という点。各話は基本的に独立しているんだけど、それとなく全ての物語が同じ町を舞台にしているのだなと気付かされる仕掛けが施してある。特にアッと言わされたのが「四分間出前作戦」と「ロコ・モーション」に登場する人物の描き方。同じ人物を異なる登場人物の視点を用いて描けばこうも異なる見え方になるのか、と人物を立体的に描く手腕には唸らされるものがあった。

その上で全ての作品で「人と人の繋がり」というものが細やかに描かれているのが素直に「良いな」と思わされる。特にオチという物がない「或る洋食屋の一日」なんかは50年続けてきた洋食屋が店主の拘りだけでなく、同じ商店街の仲間であったり、開業から二人でやってきた老妻との長年の積み重ねの上にしか成り立ち得ない機微の交わし合いみたいなものだけで読ませる一編となっており「こういう小説もあるのか」と不思議な満足感に満ちていた。

「人情もの」や「昭和テイスト」というといかにも古臭そうと敬遠される方もおられるかもしれないが、丁寧に描けば掘れば掘るほど無限に湧く泉の様な市井の人々による「人間ドラマ」という世界を堪能させてくれる好作。過剰なキャラ付けによる臭さに満ち溢れた作品に辟易した時にはこういう作品の存在が時に「救い」となる。
本日のメニューは。 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:本日のメニューは。 (集英社文庫)より
4087440419

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