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(短編集)

本日のメニューは。



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【この小説が収録されている参考書籍】
本日のメニューは。 (集英社文庫)

本日のメニューは。の評価: 4.30/5点 レビュー 10件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.30pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

ふーむ。こだわりが昭和だね。

飲食店の経営は難しい。コロナ禍において、さまざま制限を受けた。東京では、家賃が高い、立地条件がいいほど高い。株の神様の邱永漢さんは、『飲食店は、始めた時から、どう閉めるかを考えることが必要だ』と言った。本書での飲食店主がこだわっているものが、なんとなく、昭和なのだ。出前であれば、出前館があったりする。
5つの短編。「4分間出前大作戦」。中華そば屋。毎日食べても飽きない味のラーメン屋。妻が出前をしていたが、なくなってしまって、出前もできなくなった。中華そば屋の前に、病院があるが、道が整備されて、歩道橋で渡らないといけない。そんな時に、小学生の子供が、入院しているお父さんに、ラーメンを食べさせてやりたいと言って、中華そば屋の店主に頼むが、「美味しさは、4分以内に食べないと美味しくない」と言って、子供たちは、中華そばのどんぶりを借りて、練習する。
その設定がおもしろい。こだわりなのだ。設定をしすぎている。もっと柔軟にすればいいのだが、それをしてしまえば、物語は成り立たない。果たして、子供たちはお父さんにラーメンを食べさせることができるか。
「おむすび狂詩曲」お母さんは、娘の弁当を作るのが好きだ。SNSで「いいね」とされることに、全力を挙げる。結果として、娘が欲しい弁当なんて関係ないのだ。娘は、見た目はいいが、全く、おえっという臭いを放つマズメシを食べることができない。近くで店がオープンする。おむすび屋である。おにぎりではなく、おむすびというのが重要。朝から、そのおむすび屋に娘はいく。塩おむすびが美味しいのだ。そのことを母親に見つかってしまう。
「闘え、マンプク食堂」オヤジは、お客を満腹にさせたい。のれんに「マンプク」と言った文字の暖簾がかかっている。息子が、筋萎縮性側索硬化症で亡くなった。声さえ出ないのに、脳だけ衰えない。若くして、寝たきりの状態になり、結局は食べることもできなくなって、死んだ。そのことが、満腹になって欲しいの願う食堂の親父になっている。そこに、痩せているがいっぱい食べる青年がきて、再三度外視して、満腹にするマンプク定食を作る。それも、1000円以内なのだ。その青年は、大食い競争にも出たりする。とにかく満腹と言わせることが、親父にとっては、幸せなのだ。
「或る洋食屋の1日」洋食屋グリル月河。おすすめのメニューは、ビーフシチュー。じっくりと作り込むのだ。ドミグラスソースを50年間作り続けてきた。味を受け継ぐのだ。ドミグラスとは、フランス語で「半分に・煮詰める」という意味だ。しかし、体力が続かない。レシピを受け継ぐものもいなかった。
「ロコ・モーション」脱サラして、キッチンカーで洋食屋をやろうとする。ハワイで食べた「ロコモコ」が美味しかったのだ。しかし、キッチンカーで料理することができない。キッチンがないと売ることができない。それで、ドムグラスソースの閉店した洋食屋を教えられる。そこで、美味しいロコモコ丼が作れることになる。
お客さんが、何を食べたいのか?よりも、自分のこだわりで飲食店を経営しようとする食堂経営者たち。
食堂のこだわりって、なんだろうか。サイゼリアの正垣泰彦の「美味しいから売れるのではない、売れているから美味しいのだ」という言葉が浮かんだ。著者の食のこだわりが、作る側ばかりのことを考えている限り、閉店するしかないだろうね。食の物語の時代の流れに、追いついていかない。
まぁ。味わいたいのは、ドミグラスソースだけかな。表紙のおむすびは美味しそうだ。
本日のメニューは。 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:本日のメニューは。 (集英社文庫)より
4087440419
No.1:
(3pt)

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本日のメニューは。 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:本日のメニューは。 (集英社文庫)より
4087440419

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