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果てしなき渇き
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果てしなき渇きの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全40件 21~40 2/2ページ
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今回映画化するというこで まずは原作を読みたいと思い 購入しました。 私は学生 ( 高校生 ) ですが こういう類の人間の奥深さに ついての小説を読むのが好き だったので、最後まで一気に リズム良く読むことができました。 グロい表現、暴力、BLというか同性で 行為を行ったりすることなどに 理解を持たない人は読み進めるのは きついとは思いましたが…。 結論からすると本当に最後の 1、2ページのためのこの400ページか、 と思うくらいすんなり心に 落ちてきました。 加奈子と歳が近いからこそ 加奈子の気持ちも理解できたような 気がして映画を見に行くのが 待ち遠しいです。 | ||||
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文章はそこまで酷評されるほど悪くないと思う。だが作者名を伏せて「これ誰が書いたと思う?」と聞かれたら馳星周と答えていた。 グルーヴ感あふれる文体、交互に挿入される現在パートと回想パートなど意欲的な企みは面白い。だが主人公の元刑事には共感できない。はっきり言ってクズである。外道である。極め付けのゲスである。 最後まで読めばこの意味がおわかり頂けると思うが、全ての元凶は主人公。なのに責任転嫁して「娘を狂わせた奴を殺す」というお題目を掲げて周囲を巻きこみ暴走を続けるのだから共感も同情もしようがない。ここまでクズを極めると逆に痛快、その吹っ切れた様が清々しくもある。 主人公が「娘を愛していた」と繰り返す割に肝心の父性愛が空疎で真に迫らないのも難点。 作者が意図した演出なのだろうが、娘を女、それも悪女と紙一重の聖女と崇め奉り劣情しているようで違和感を覚えた。 論点は現在の加奈子がいかに悪辣なモンスターであるかという事に終始し、父親ならば当然持ち得るはずの娘の幼少時の回想や二人の特別な思い出などは最初から存在しなかったのように一切排されている。その極端な偏りに内在する歪みが、ますますもって藤島を「父性」で括られる愛情表現の範囲から逸脱させている。 狂乱に塗れた藤島の姿は娘の無事を祈る父親というより、けして振り向いてくれない女を求め続ける、憐れをも誘う惨めで滑稽な男の醜態に酷似している。 加奈子の人物造形は秀逸。存在感は際立っていたと思う。 残虐なシーンも多いので読む人は選ぶだろうが、馳星周の世界観が好きな読者はハマるかもしれない。 | ||||
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映画化ということで購入するも、事前に口コミ評価を見てかなり落胆。 ただ、実際読んでみると悪くはなかったです。 スピード感があり、のめり込んで一気に読める内容でした。 ただし、暴力・セックス・どうしようもない悲壮感のどれをとっても馳星周の作品の方が上かな。 この作品は、「鎮魂歌(不夜城U)」や「虚の王」を始めとする馳星周の影響を大きく受けているんじゃないでしょうか? また、キーとなる女性の描写もちょっと弱い感じ。 このあたりは、「ヒトリシズカ」の方が上ですね。 (ヒトリシズカの方が後から書かれていますし、あちらのオチはひどいですが) いずれにせよ、人物描写がちょっと甘く、ストーリーもどこかで見たような話というのは感じられます。 ほぼ処女作という事を差し引けば、仕方ないとも思えますけどね。 ただ、普通に読み物として読む分には悪くなかったですよ。 ラストも個人的には好きですしね。 よくできたB級パニック映画を見終わった際の満足感と似た感じ・・・といったところでしょうか? | ||||
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映画化されるというので読んでみましたが、これを中島さんが目をつけたのもわかる。 これって、とあるミステリーの古典中の古典を踏襲した内容なんです。 ゼロ年代で話題になったアメリカ映画と韓国映画ではその作品を構造的に組み込んだ作品が 目立ったのですけど日本映画ではあまり類例を見なかったので、これが映画化されるのはまあ 結構な事じゃないでしょうか。 | ||||
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深町秋生の小説は、アウトシリーズから始まってデッドクルージング、ダウンバイローと読んで来たが、今のところ、これこそが最高傑作です。 文体が下手、構成が下手、という欠点はもちろんあります。むしろ、現在でも決して文章は上手くない作者のデビュー作なのだから正直目も当てられないレベルです。 しかし、それが逆に、この暗い物語を書かずにはいられない、作者自身の抑えきれない衝動のようなものの現れに感じられて、味わい深い作品です。 主人公もダメ人間なら娘もダメ人間、ダメ父娘が周囲を巻き込んで身勝手に暴走し、悪意を振りまきます。それに巻き込まれて暴行、拷問を受け、さらには死んで行く周りの人々。 まさに果てのない渇きに満ちた世界です。 読後は、もちろん爽快感など一切もたらさず、ただ、殺伐とした殺し合いが繰り広げられているサファリパークを通り抜けたような感覚にされます。 とにかく、嫌な世界、暗い世界を覗いてみたい、という時にはお勧めです。 そして、この作品が真に輝くのは、作者のあとがきを読んだ時です。 作者はどうも、この暗い世界に共感を覚え、慈愛に満ちた世界を疎んじているとのこと。 これを読んだ時に、そんな陰鬱な人間が実在していることに私は強いショックを受けました。 ある人間が、暗い青春時代からいつまで立っても抜け出せず(暗いと言っても作者のブログなどを読む限りたいしたものではなさそうなのだけど)、三十路近くなってもなお引きずり、挙げ句の果てに不器用な文章で小説に叩きつけた……そんな過程を経て生まれた、いわば大事故の産物がこの小説なのだと、私はあとがきを読んで始めて気づいたのです。 後の作品(ダウンバイローを除く)に比べてもエンターテイメント要素の薄い作中の雰囲気からも、作者の焦燥感が伝わって来ます。 こんな小説を書くに至る原因となった青春時代を振り返るレポートがあったとすれば、間違いなく、作者の最高傑作となるでしょう。 小説自体の完成度はもちろん、この小説に共感の声を寄せる感想文・レビューなどもすべて、見逃せない大アクシデントであり、貴重な体験でした。 ダウンバイローと並ぶ傑作です。 ひねくれてはおらず、グロテスクな世界に共感できない方にこそお勧めです。 | ||||
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だって、そういう小説なのだから。 レビューの中で「不愉快だ」「残酷だ」との言葉も多いですが それはシュークリームを食べて「甘い」と言ってるのと同じです。 主人公も娘も嫁もみな常軌を逸しているとは思います でもそれは「渇望」しているからなんです。 じゃあ、何を? 結局のところ愛情に飢えているのでなく、刺激に飢えているのだと思います。 登場人物みんな同じ「渇き」です。 新たなる刺激を求め、暴走する人々、それを目撃したい読者。 読者もまた刺激を求めているんです。 もっと新しい場面、もっと新しい刺激 性急な思いに駆り立てられ、疾走感あふれる作品になっっていると思います。 僕自身、読んだのは数年前ですが、とても印象的でした。 ただ、再読するものじゃありません。 文体や構造もそれほど練られたものではないと思います | ||||
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自分はこの本を読む前に『ストロベリー・ナイト』を読んでいたので、 グロテスクな描写はそんなに気になりませんでした。 (『ストロベリー・ナイト』が、吐き気を催すような酷さだったので・・) ストーリー全体としては、本当によく構成されているなあという感想です。 父親の心情もさることながら、ラストまでのストーリーの運び方は非常にセンスがありました。 娘の失踪から始まった物語は、無理なく闇社会への突入へ進んでいましたし、 その時々に必要な登場人物も、きっちり役割を与えて登場させていた感が自分を唸らせました。 (たまに「この人必要ないんじゃないか・・」と思う人物を登場させる作家さんがいますので・・) ただ、みなさんが指摘しているように、主人公の人格の壊れっぷりは目に余るものがありました。 他者に対する接し方が狂っています。 あんな人間を元警察官と設定するなんて、作者は何を考えているんだろうと少し疑ってしまいました。 思い切って元極道の人とかにすればスンナリ読めたかもしれません。 また、娘の失踪や、その他自分の周りにいる人間に対する報復の理由はまあ納得できたのですが、 いかんせん主人公と娘の過去がエグイです。 ここに嫌悪感を抱く読者は多いかなと思いました。 でもラスト少し救われました。 なので☆4つくらいが妥当だと自分は判断しました。 | ||||
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このミス第3回大賞。 グロだってのは聞いていたけど、確かに最後の1ページで、不愉快ながらほう、と思った。 最後の最後に救いじゃなくてずどんと落とされた感じはすごいG。 でも、途中の女性への暴力シーンだとか覚醒剤使用のくだりは、いらないような気がするけど。 最後の1ページのための小説と思えばあの疾走する狂気も仕方ないのか? ただ、最後の1ページのガツン、というショックの大きさだったら、 むしろその前はさらっとしているほうがGはでかいのでは? 作品もきれいだし・・ということであたしなら、最後のGの大きさとしては、荻原浩の「噂」に、軍配。 | ||||
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終始救いがなく、且つ暴力描写の連発。 読後感の悪さは、作者の意図によるものであり、責めに帰すところではない。 現時点と3年前が交互に描写されており、伏線含め、読者を離さない工夫が為されていると思う。 ただ、主人公(?)の藤島の破綻しているといっても過言でない性格には、その背景が描かれていおらず、違和感を覚えた。3年前部分の語り手である少年以外、登場人物への感情移入は出来なかった。もう少しリアリティが出るような肉付けがあれば、良かったのではないか。 | ||||
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暴力シーンや性的描写はとても生々しく、不快感を抱く人も多いはず。主人公の刑事藤島はこれでもか、というところまで堕ちていきます。しかしながら、読者をぐいぐいと引きずり込む凄まじいパワーと、圧倒的な破壊力を秘めた作品です。分かる人には分かるし、分からない人には分からない、そんな魅力を持ったまさに“問題作” | ||||
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このミス大賞-第三回大賞。 ドラッグを部屋に残したまま行方不明になった娘。その父であり元刑事の藤島は必死に、そして狂乱の世界にはまりつつ娘を求め探す。娘と深く悲しい関わりがあった同級生の過去の話と現在の父親という二人の目線から、徐々に娘の姿が浮かび上がってくる…娘は何を考えて何をしていたのか。 とにかくグロいし暴力的・性的な描写が激しく生々しくて時折キツかったくらい。キツすぎて電車の車内で俺すげぇ顔してたみたいで向かいに座ってる人にチラ見されてた。でもそのくらいの強烈な描写が登場人物の人間味や恨みなんかを一層リアルに感じさせてるのかも。たまに出来すぎな展開もあったけど、それを気にさせないスピード感とスケールのデカさがあって最後までドキドキさせられる。細かい事は考えずに、酒でも飲みながら世界にどっぷり浸かって一気に読みたい一冊。 | ||||
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万人に好まれる小説ではない.再読する人もいないだろう.嫌悪感を抱く人のほうが多いかもしれない. しかしながら,読み始めてしまったら最後,疾走するストーリーに身を任せるだけだ.小説のジャンルとしては新堂冬樹の小説に似ている.薄っぺらな人物描写,決して上手いとはいえない文章,品性のかけらも感じない内容,最低の読後感.それでも息もつかせぬ怒涛の展開,このパワーには脱帽だ. | ||||
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物語の好奇心に揺さぶられ、約500ページの活字の世界を疾走しても、 得られたものはやはり「渇き」であった。 人間性を失い、記号だけと成り果てた登場人物たちが、 絶望の淵を互いに渡り歩く、そんな物語である。 果てしなく渇く。 | ||||
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二つの話が並行して進んできます。 一つが元刑事の「藤島」が行方不明になった娘「加奈子」の行方を追う話で、もう一つが中学生の「瀬岡」が虐められる話。 壊れた家庭、壊れた人間、人間が堕ちていく様が書かれています。 壊れた人間の怖さがこれでもかと言うほど書かれています。 爽快な読後感を求めている人は読まないほうが良いでしょう。 | ||||
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いじめと娘の失踪。どちらも重すぎる。というか哀しすぎる。この物語りすべてが。これでもかと人間の暗闇を掘り下げてくる。読んでいると、熱っした重石を詰め込まれたように身体の中が重く熱くなり、知らないうちに眉間に力が入り、気付くとため息が出ている。どうしようもなくネガティブな内容だけれど、“負”に魅せられたかのように読み続くてしまう。 | ||||
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本書、物語の持つ雰囲気は殺伐としている。行動の向こうに狂気があり、狂気の向こうに暴力があり、暴力の向こうにサディスティックな雰囲気が漂う、そういう読者を選ぶ作品なのである。似たようなデビュー作風に、○『葬列』小川勝己の作品があるが、本作はそれよりはるかに完成度が高い読み物でもある。だから、いわゆる鬼畜系(って何だろう?好きな言葉じゃないが)に嫌悪感を抱かず、純粋に小説の面白さで判断できる方には多分合うのではないかな。父親たる主人公、その妻、そして娘という関係に、読み手としての家族構成を投影させる余地などない。自分を重ねる必要はない。狂気と暴力とサディズムの行動は、本書の物語世界の揺るぎない骨格なのだから。今年のこのミス大賞、本書『果てしなき渇き』は、ゆっくりと味わったり、ゆっくりと考えたりせず、ただ読んで読んで読むべしなのである。 | ||||
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この作品の中から,サスペンスの中に潜む愛や希望を見つけ出そうとしたらそんなものはどこにもない。ドラッグ,いじめ,レイプ,殺人,人間の持っている闇の世界をこれでもかと最後の最後まで書きつづっている作品だからだ。失踪した娘を捜す父親がどこまでも墜ちていく姿が哀れで切ないが,同時進行で,失踪した娘の同級生の視点から描かれた2本立てのようなストーリーは最近時々見かけるが,少年が受けるいじめや暴力,そしてその結末がこの作品の陰湿さをより鮮明に際だたせて効果十分である。人間の闇だけをこうも凄惨に描いた作品はめずらしいかもしれないが,残念なことにはその闇の広がりは感じたが闇の深さはあまり感じられなかった。最後まで正体がつかめない闇の中心であった失踪した娘。本人を登場させずに関係者の会話だけでイメージを想像させていく構成は,最後まで闇を闇とさせている。 | ||||
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これはすごい。人の「闇」をここまでえぐりだした作品にひさしぶりに出会った。ここには最近のノワールが失いつつある、本来のノワールの魅力―人間の暗黒が、これでもかとつまっている。目を背けたくても思わず覗かずにはいられない人間の醜い業が突きつけられている。残念だがこの本はあまり売れない可能性がある。だが、こういう物語は決してなくなってはいけないものだ。できれば多くの人に読まれてほしいと思う。作者のこれからに期待する。 | ||||
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これはすごい。ここまで人間の闇が抉り出された物語はあまりないだろう。ここには最近のノワールが失いつつある本来の魅力、人間の暗黒がこれでもかとあぶり出されている。目を背けたくても背けずにはいられない人の業が描かれている。この本は残念ながら売れない可能性がある。それほど読むに厳しい本だ。だが決してこういう物語はなくならない。それはここに描かれているのがまぎれもなく虚飾のない人間の姿だからだ。 | ||||
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元刑事の父親が失踪した娘を捜していくのだが、その過程でどんどん落ちていく様がすごい。娘の正体も唖然とするが、彼女に関わる男たちも狂気の沙汰。暗く、重い、ドロドロとした情念が渦巻いているような作品で、一般向けではないが、こういうのが好きな人にはかなり支持されると思う。 | ||||
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