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ニュータウンは黄昏れて



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【この小説が収録されている参考書籍】
ニュータウンは黄昏れて
ニュータウンは黄昏れて (新潮文庫)

ニュータウンは黄昏れての評価: 4.16/5点 レビュー 51件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.16pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全51件 41~51 3/3ページ
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No.11:
(4pt)

バブルに踊らされ購入した分譲団地

バブル崩壊。当時バブルに踊らされた人は沢山いただろう。
この著者もその一人。
登場人物は架空であるが住宅に関しては著者が実体験した内容だそうだ。
  
私も当時のニュースで、よく流れていた事を思い出す。
新規分譲団地が抽選となり、人気の階、人気の部屋は当選確率が何十、何百倍と。。。。。分譲されるたびに大賑わい。
 
当時、郊外であっても安くても3000万、5000万は当たり前の分譲団地。
土地は下がらないと国民全員が思っていた時代。
大借金をして購入しても資産が増え、一生安泰と誰もが喜んだ時代。
それがバブル崩壊と共に20年以上経ち、今では1500万でも売れない。。。。
 
そんな借金を抱え、過去を悔やみ、人を羨み、生活を切り詰めながら、家族を守り、子を育てる母親の頼子。
そんな時に娘の琴里(ことり)の前に現れた、超資産家の彼氏。
琴里の教育ローン、団地の借金を全て肩代わりするとの一言に家族は。。。。。
  
まだ借金も払い終わっていないのに、団地は傷み、何億、何十億も掛かるリフォームか建て替えかを検討する理事会では大きくもめ、待ったなしの状態。 話は意外な方向へと流れ進んでいく。
 
バブル崩壊で多くの人が今でも傷つき、誰にでも勧められる内容の本ではないが、
話はジェットコースターのように流れ進んで飽きさせない内容でした。
ニュータウンは黄昏れて (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ニュータウンは黄昏れて (新潮文庫)より
4101269513
No.10:
(5pt)

一気に読みました、面白かった!

地方出身、都内在住の自分にとって「将来、どんな終の棲家を確保するか?」は大きなテーマです。
子供の頃、多摩ニュータウンに住んでいた親戚のところによく遊びに行っていた自分には親しみも感じる
タイトルだっだのもあり、購入しました。内容は…想像以上に面白く、夢中になって一気読みしてしまいました。

私はいわゆるバブル世代ですが、その最盛期に全く恩恵を受けなかったので知りませんでしたがバブル崩壊で
大変な目に遭っていた不動産所有者がたくさんいたのですね。今に至るまでずっと賃貸暮らしなので知る由も
ありませんでした。

母親の頼子の奮闘に加え、娘の琴理とその二人の親友と資産家の男との不思議な関係…若者の就職難や貧困問題、
ストーカー問題などなど、現代の病巣がこれでもかとストーリーに織り込まれているのですがそれもまた興味深い。

でもやはり一番印象に残ったのは集合住宅を分譲で買うことのデメリットですね。年数を経れば住民も高齢化していき、それぞれの
家庭の事情もバラバラなため何を決めるにも簡単にはいかず、理事という七面倒くさい役割も回ってくる…読んでいて
背筋が寒くなりました。買っても買わなくても、何かしら問題は出てくる…住宅問題の根深さに、何とも言えないやりきれなさ
を感じました。
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No.9:
(4pt)

住居を所有するリスクと都市計画の大切さを感じた。

好きな点
家を所有する憧れを打ち砕いたこと

嫌いな点
薫の虚栄心に満ちて何もできないクズっぷりが自分と重なるところ
不幸はお金で避けられても幸せはお金でつかめないこと。

勧めたい人
今の環境に漠然とした不満がある人、お金さえあれば、家さえあればと思っている人

評価の理由
手に入れられないと諦めている経済的自由さや住居を手に入れても幸せになれない描写が経済的に不自由で賃貸に住んでいる不幸を合理化してくれること。
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No.8:
(4pt)

日本の中産階級の人たちの悲哀が描かれています。

一生懸命サラリーマンして、マンション買って本当は1.5倍くらい値上がりして戸建てに移って終わりの計画だったのに、
こんな値下がりして、ローンで苦しむなんて、世の中おかしい。
真面目に生きてきた人が、酷い目に合うのはおかしいという考え方が下地にあるように思えた。

筆者はその反面、ニートフリーターや親から不動産を相続した人に対して余り良い印象をもっていないように感じた。
金持ちではないけれど、下層階級でもない。サラリーマンの家庭で夫が一度は出世もして4000万くらいのマンション買うみたいな
日本の中産階級の人たちの悲哀が描かれていていると思う。

マンション管理組合の運営に関してはよく描かれていると思います。
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No.7:
(3pt)

主役不在・・・?

綿密な調査・取材を感じさせる内容で、そのことだけでも十分読み物として楽しいのですが
団地に住まう人々の人間関係がとても面白く書かれており、極めて地味なストーリー展開の
作品でしたが最後まで退屈せずに読むことが出来ました。
主人公らしき女の子はいるにはいますが、どちらかと言えば群像劇。
さらに言うなら、無生物である団地(古びたマンション)が主人公というちょっと変わった作品です。
(でも、大地主のマザコン野郎の気色悪さはこれでもかというかんじで笑えました)
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No.6:
(4pt)

少し後悔・・・

ニュータウンにマンションを10数年前に購入しました。今の売却額は1/3以下です。年を取り、ペットも飼いたくなりますが制限もあり、長期修繕費や共益費を今後も負担することを考えると少し後悔します。駅には近いのでそれだけが救いです。現実を見せつけられた本でした。でも、今を楽しみたいです。
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No.5:
(3pt)

殺人事件も恋愛も濡れ場もないのに適度におもしろい

少女漫画風というか女性目線で書かれているのでご都合的というか「?」の部分が多々ある。しかし、何かと考えさせられるお話しだった。もの凄く褒めればジェーン・オースチンか。妻もこんな風に私や世間を見ているのかしらん。
特にぼんぼんのキャラは立っていた。でも、本当はこういう人は女性に不自由しないし、もっとうまいことやっているんだけどね。安部晋三、麻生太郎、鳩山兄弟、小泉孝太郎、石原慎太郎の息子達、みのもんたの息子ETC。
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No.4:
(5pt)

とにかく面白かった

バブル崩壊、住宅ローン返済などを経験してきた者にとって、
同時代を生きる人たちがいま直面している現実に興味がありました。
団地に住んだことはありませんが、子供の頃は団地に憧れていました。

ノンフィクションのような読み応えのある内容で、
バブル崩壊前夜に中古団地を高値で購入し、
時代の激しい変化の波をもろに被ってきた家族の、
生き様を描き出しています。

団地の理事会や建替え問題など、
外部からは伺い知る事のできないことも
リアルにかいま見る事ができ、興味はつきない内容でした。

日本で「生きるために最低限必要な住む」ということが、
これほど困難であることに、社会的な提議もしています。
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No.3:
(5pt)

ニュータウンの崩壊を背景に、人間関係、仕事、恋愛、身近な風景。

高度成長期に建設された多くのニュータウン、そこにマイホームを買った区分所有者も既に還暦、古希、喜寿、傘寿・・。 今後どこでも発生する深刻なマンション問題。 更に家族の諸問題、娘の恋愛問題と、本書は現実に即した怖い話が続く。 身の回りに起きる問題だからこそ興味は尽きずにどんどん読み進む。 ここ青木葉団地は駅からバス5分、5階建てエレベーターなし、10棟が立つ典型的な中規模ニュータウンだ。 織部一家は高円寺の賃貸アパートから、築15年の中古で5階建ての4階、95平米の4LDKを52百万円で購入した。 当時は給与は年々上昇、ボーナスは出て、退職金で住宅ローンを完済する青写真で、公庫と銀行から42百万円を借り入れ。 しかし東洋ソフトウエア(株)勤務の夫・明広は年俸制導入、退職金制度廃止、しかも会社は吸収合併で窓際に、妻・頼子はパートで住宅ローンの返済表を心配しながら見つめる毎日だ。 そんな折に管理組合の役員改選が輪番で回って来て、4号棟の理事として頼子が嫌々引き受ける。 そして理事会では建て替えか修繕か喧々諤々の議論は続く。 中学時代まで同じ棟の仲良し娘3人組だった織部琴里(持帰り寿司店バイト)、小川朋美(大学院生)、坂本三起子(中堅商社社員)も27歳、恋愛問題で3人が絡まる。 そこには異常な程にしつこい、別れたいと言っても納得しない、つきまとう、最近何処でも起きている情けない男のストーカー行為が登場する。 この男は異様にプライドが高く、傷つきやすく脆い、素直に謝れず、責任を他人に押し付け、人間関係が上手くいかない。 裕福な家庭で馬鹿な母親にスポイルされて育ち、学歴コンプレックスがあり、極端な見栄っ張りであり、挙げ句に学歴詐称だ。 
このように幾つもの深刻でかつ興味深いテーマが織り交ぜられて、現在・将来の誰もが経験するような展開に惹きつけられる。 マンションの老朽化問題は避けて通れず、私の住む大規模ニュータウンもいずれ将来は検討事項に上がるだろう。 心配なのは街中の1棟で、修繕積立金も低いまま改定なく、徴収も怪しいマンションだ。 また特に5階建てのエレベーター無しのマンションも含めてババの引き合いだ。
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No.2:
(4pt)

よく調べて考えて書かれた本

バブル崩壊前にニュータウンの団地の一室を高値で購入してしまった家族の物語です。
 主に、(1) 母親が借金返済のために苦労をしたり、団地内の建て替え問題で管理組合の理事会でやりとりする物語、(2) 娘が男性と謎めいた経緯により付き合うようになる物語と幼馴染の女性の友人3人のそれぞれの人生展開、を軸に物語が進んでいきます。
 特に序盤・中盤の母親の苦労やマンション住民の言動や行動は、なかなか身につまされるものがあり、かなり息苦しくぞっとするものがあります。よく調べて、よく考えたうえで書かれた物語なのでしょう。

 日本の住宅問題を上手にあぶりだした社会派の小説なので、なかなか考えさせるものがあります。バブルの前後の地価や住宅価格の急上昇と旧下落の時代は、世代間で著しい不公平を生んでいますが、そのことが実感できます。また、集合住宅の老朽化の問題も大変な問題であることに改めて気づきます。

 読んで楽しい本ではないので、誰にでもお薦めできる本ではありませんが、上記のような問題に関心がある人であれば読んでみてもいい本と思います。
ニュータウンは黄昏れて (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ニュータウンは黄昏れて (新潮文庫)より
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No.1:
(5pt)

よく調べこんだリアルさがあります

<ネタバレ注意>
テーマは、ニュータウンの分譲マンションの建て替え問題と、女性にとっての結婚・ストーカー・セクハラの問題。
50代の母親を主人公に建て替えの話を、20代の娘を主人公に後者の問題を描き出します。
娘の問題もハラハラします(最初から危なっかしさが透けてみえるので)が、面白いのは、母親の方の問題ですね。
マンションの管理組合の運営の様子や、その時に会話の中身などは、本当にありそうな感じで、
著者は相当に調べこんで書いているなと思いました。
私自身、現在、住宅問題について、悩んでいるところなので、参考になりました。
分譲マンションは、老朽化したときの覚悟が要りますね。
といって、狭小住宅の一戸建てを買った場合の悲劇もこの作者は取り落としさず、
描写しています。
途中まで、どう転んでも、出口なしのように見えた主人公母娘について、
けっこう意外などんでん返しがありますよ。
ニュータウンは黄昏れて (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ニュータウンは黄昏れて (新潮文庫)より
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