ひとり日和

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ひとり日和の評価:

3.38/5点 レビュー 78件。 C ランク

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平均点3.38pt

Amazonレビュー一覧

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未読の方はご注意ください

全70件 61〜70 4/4ページ
No.10
(5pt)

老人的主人公、若者的老人の絶妙なクロス

出ました!芥川賞受賞作品!!

この作品を読む上で大事なこと、それは「無」。皆さんは日常に満足していらっしゃるでしょうか。きっと多くの人は、この作品の主人公に共感できるはず。いやさせられている。大学もいかず、ただふらつく人生を夢みながらも、やはり社会的地位を得なくてはいけない我々人間にとって、この主人公は我々に内在する隠れた記号なのである。

さて、作品はというと

若者と年寄りという、かなり明確なコントラストにより、読者を作品へ強引に引き込んでいる。ここで注目すべきことは、若者のような年寄りと老人のような主人公の交差。

文学的にいえば、二人がシニフィエとシニフィアンが自己脱構築しあった、まさにクロスの関係をかもし出しているから読み応えがある。

主人公が老人をうらやましがり、老人は主人公よりも元気であるという、一風変わったプロットに、現代の隠れた部分を鮮明に映し出した作者の意図が読み取れないだろうか。

ひとりの人生、死ぬときは皆ひとり。その不幸を理解したうえで、幸福に生きている老人は、当時のウィトゲンシュタインを連想させなくもない。そして、主人公も虚無という壁に立ち向かい、今日もどこかの電車に乗り込んでいく。

読むべし!!
ひとり日和 Amazon書評・レビュー: ひとり日和より
4309018084
No.9
(5pt)

老人的主人公、若者的老人の絶妙なクロス

出ました!芥川賞受賞作品!!

この作品を読む上で大事なこと、それは「無」。皆さんは日常に満足していらっしゃるでしょうか。きっと多くの人は、この作品の主人公に共感できるはず。いやさせられている。大学もいかず、ただふらつく人生を夢みながらも、やはり社会的地位を得なくてはいけない我々人間にとって、この主人公は我々に内在する隠れた記号なのである。

さて、作品はというと

若者と年寄りという、かなり明確なコントラストにより、読者を作品へ強引に引き込んでいる。ここで注目すべきことは、若者のような年寄りと老人のような主人公の交差。

文学的にいえば、二人がシニフィエとシニフィアンが自己脱構築しあった、まさにクロスの関係をかもし出しているから読み応えがある。

主人公が老人をうらやましがり、老人は主人公よりも元気であるという、一風変わったプロットに、現代の隠れた部分を鮮明に映し出した作者の意図が読み取れないだろうか。

ひとりの人生、死ぬときは皆ひとり。その不幸を理解したうえで、幸福に生きている老人は、当時のウィトゲンシュタインを連想させなくもない。そして、主人公も虚無という壁に立ち向かい、今日もどこかの電車に乗り込んでいく。

読むべし!!
ひとり日和 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: ひとり日和 (河出文庫)より
4309410065
No.8
(4pt)

タイトル通りの作品

フツーの女性のある1年間をとってもフツーに綴った小説。人生に目標を明確に持った「こういう人のようになるべし」という人達と正反対の世界に居る主人公の日常を通じて、「虚無感」と「人との係わり合いの希薄さ」を思い切り感じさせてくれる作品です。

自分も時々ふとした瞬間に「結局自分は独りぼっち」と感じる時があり、通じるものがありました。読後感は「ふうん」といったところですが、1週間ぐらい経つと「なかなか良かったな」と思い出させてくれます。それから、タイトルは内容にドンピシャリですね。
ひとり日和 Amazon書評・レビュー: ひとり日和より
4309018084
No.7
(4pt)

タイトル通りの作品

フツーの女性のある1年間をとってもフツーに綴った小説。人生に目標を明確に持った「こういう人のようになるべし」という人達と正反対の世界に居る主人公の日常を通じて、「虚無感」と「人との係わり合いの希薄さ」を思い切り感じさせてくれる作品です。

自分も時々ふとした瞬間に「結局自分は独りぼっち」と感じる時があり、通じるものがありました。読後感は「ふうん」といったところですが、1週間ぐらい経つと「なかなか良かったな」と思い出させてくれます。それから、タイトルは内容にドンピシャリですね。
ひとり日和 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: ひとり日和 (河出文庫)より
4309410065
No.6
(4pt)

「生きる」意味

中国に赴任する母親と別れて、遠い親戚のおばあさんと一緒に暮らすことになった主人公知寿の一年が、たんたんとした描写で描かれてゆきます。

大学進学をいやがり、フリーターとしての生活を主人公は選びます。「生きる」意味を掴み切れない主人公は、他人との深い関係を恐れているようにも見えます。でも、関係を持つことを避けているわけでもありません。

過去の思い出の品を靴箱から取り出して懐かしんでいる少女。現在を、或いは現代社会から逃避しているような感覚は、その関わり方を知らないためかも知れません。

でも、七十を超えたおばあさんの恋愛を楽しむ姿を見、自分の失恋を考える時、何となくおぼろげながら「生きる」方法を見つけたのかも知れません。思い出の品々を捨てる時、彼女の中の何かが変わったのかも知れません。

地の文章で、このおばあさんのことを最初は「彼女」と三人称で書いています。それがやがて「吟子さん」と書かれるようになります。このあたりが、主人公知寿の心境の変化なのでしょう。

一皮向けた彼女が、一般社会の中でOLとしてちゃんとやっていけるようになることを祈りたいと思います。
ひとり日和 Amazon書評・レビュー: ひとり日和より
4309018084
No.5
(4pt)

「生きる」意味

中国に赴任する母親と別れて、遠い親戚のおばあさんと一緒に暮らすことになった主人公知寿の一年が、たんたんとした描写で描かれてゆきます。

大学進学をいやがり、フリーターとしての生活を主人公は選びます。「生きる」意味を掴み切れない主人公は、他人との深い関係を恐れているようにも見えます。でも、関係を持つことを避けているわけでもありません。

過去の思い出の品を靴箱から取り出して懐かしんでいる少女。現在を、或いは現代社会から逃避しているような感覚は、その関わり方を知らないためかも知れません。

でも、七十を超えたおばあさんの恋愛を楽しむ姿を見、自分の失恋を考える時、何となくおぼろげながら「生きる」方法を見つけたのかも知れません。思い出の品々を捨てる時、彼女の中の何かが変わったのかも知れません。

地の文章で、このおばあさんのことを最初は「彼女」と三人称で書いています。それがやがて「吟子さん」と書かれるようになります。このあたりが、主人公知寿の心境の変化なのでしょう。

一皮向けた彼女が、一般社会の中でOLとしてちゃんとやっていけるようになることを祈りたいと思います。
ひとり日和 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: ひとり日和 (河出文庫)より
4309410065
No.4
(5pt)

心に持つ孤独

芥川賞と聞いて浮かぶ名前と言えば、「綿矢りさ」や「金原ひとみ」だ。でも私は彼女達の作品 を、誠に恥ずかしながら一読したことは無い。

そんな私が先日、とある電車内の広告で目にしたのが、この「ひとり日和」だった。著名人らの批評などを見て、”うーん。じゃあ何となく買ってみようか”と思った。

この本について感想を述べることが、非常に難しい。何故なら登場人物にも、展開されるストーリーの中にも、取り分けて目立ったものは無いからだ。

物語の終盤に差し掛かったところで、私は”こういうオチがあるに違いない”と踏んでいた。しかしそれは、あっさりと筆者によって裏切られた。

変わることのないもの、ただそこにあるだけのものを描くことはとても難しいと思う。奇想天外なストーリーや斬新なテーマが、一見人目には付き易いものではあるが。

読んでいて、いつの間にか私自身が知寿になってしまった。私も彼女と同じように、生と死

両方から遠く離れた世界にいて、一人でただ繰り返されるだけの毎日を生きている。そして今この瞬間にでも、何かによってこの日々がぶち壊されることを願ってやまないのだ。

これを読んだ私自身は、果たして”生きている”と言えるのだろうか。

そう考えさせられた一冊だった。
ひとり日和 Amazon書評・レビュー: ひとり日和より
4309018084
No.3
(5pt)

春の風を感じるような小説

他人の物の一部を盗むことでその関係を確認するしか人間関係を築けない主人公。本当はもっと深く関係したいのに部分で自分を納得させて、簡単に、便利な人間関係にぐずぐずしている様にとても共感したました。全体の印象としては、二十歳の女性と老婆との掛け合いが、なんでもできると思いがちな年代を包みこんでいる感じがとてもおもしろかった。好感のもてる小説だと思う。
ひとり日和 Amazon書評・レビュー: ひとり日和より
4309018084
No.2
(5pt)

心に持つ孤独

芥川賞と聞いて浮かぶ名前と言えば、「綿矢りさ」や「金原ひとみ」だ。でも私は彼女達の作品 を、誠に恥ずかしながら一読したことは無い。

そんな私が先日、とある電車内の広告で目にしたのが、この「ひとり日和」だった。著名人らの批評などを見て、”うーん。じゃあ何となく買ってみようか”と思った。

この本について感想を述べることが、非常に難しい。何故なら登場人物にも、展開されるストーリーの中にも、取り分けて目立ったものは無いからだ。

物語の終盤に差し掛かったところで、私は”こういうオチがあるに違いない”と踏んでいた。しかしそれは、あっさりと筆者によって裏切られた。

変わることのないもの、ただそこにあるだけのものを描くことはとても難しいと思う。奇想天外なストーリーや斬新なテーマが、一見人目には付き易いものではあるが。

読んでいて、いつの間にか私自身が知寿になってしまった。私も彼女と同じように、生と死

両方から遠く離れた世界にいて、一人でただ繰り返されるだけの毎日を生きている。そして今この瞬間にでも、何かによってこの日々がぶち壊されることを願ってやまないのだ。

これを読んだ私自身は、果たして”生きている”と言えるのだろうか。

そう考えさせられた一冊だった。
ひとり日和 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: ひとり日和 (河出文庫)より
4309410065
No.1
(5pt)

春の風を感じるような小説

他人の物の一部を盗むことでその関係を確認するしか人間関係を築けない主人公。本当はもっと深く関係したいのに部分で自分を納得させて、簡単に、便利な人間関係にぐずぐずしている様にとても共感したました。全体の印象としては、二十歳の女性と老婆との掛け合いが、なんでもできると思いがちな年代を包みこんでいる感じがとてもおもしろかった。好感のもてる小説だと思う。
ひとり日和 (河出文庫) Amazon書評・レビュー: ひとり日和 (河出文庫)より
4309410065