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鎌倉うずまき案内所
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鎌倉うずまき案内所の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 21~30 2/2ページ
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30年前には無かった小説かと思います。 まず、こうした良い意味で肩の力が抜けた文体で書かれた女性作家の作品、というものが見当たらなかったように思うのです。 男性作家だと、どうしても力んだり大上段に構えたり、となってしまう作品が多いですね。 もちろん女性作家は全て、リラックスムードということではありません。(例えば湊かなえ氏の作品などは全体に重いですし、大御所では山崎豊子氏作品も重厚この上ありません。) しかしながら女性ならでは視点で描かれている所が本書のいくつかある長所の一つです。 (最大の長所かもしれません。) メチャクチャ深刻ではないところ、誰にでもあるような悩みが描かれているのが素敵です。 さらに、以下のように万遍なく人生相談のテーマを扱っています。(内容から言って、ラジオ人生相談のコーナーみたいな雰囲気です。) 1 転職の悩み(今している仕事が気に入らない) 2 息子の進路の悩み(子供には安定した道を進んでほしい) 3 結婚する上での悩み(マリッジブルーに近いかもしれません。) 4 友達付き合いの悩み(ぼっちは嫌!) 5 初志に帰れるか、仕事の悩み(承認欲求が強すぎて迎合してしまう) 6 自己肯定感の悩み(俺の人生これで良かったの?) これらを女性らしい優しさで解きほぐして行きます。 とっても温かい眼差しで・・・。 次に、それら人生相談を説教がましく上から目線で説いていない所が素晴らしいですね。 この手法はまるで法話のごとくです。仏教の・・。 お寺に行くと、お坊さんは物語を話してくれます。 神話的なものから実際最近あった実話まで、様々な物語を語ってくれます。 そうした話を何となく聞いていると、人間って必ず自分のことと重ねて聞いてしまうものです。 強制されないから、なおのこと自分のこととして聞いてしまいます。 そこで自らを反省したり、自分のありのままの姿が炙り出されて自分が恥ずかしくなったりします。 でも、その恥ずかしさこそ自らを救う一歩なのですね。 そして新しい気持ちで、前を向いて再び生活の中に入って行けます。 それが法話を聞く、ということですね。 (ちなみに神道の場合、鳥居をくぐって参道=産道を通り、本殿=神=子宮にお参りをして、また産道を下って鳥居をくぐり出ていくという行為自体が、生まれ変わり=リフレッシュの装置として機能する、ということです。日本人は大きく分けて、この2つの浄化作用をもって歴史を刻んできました。) ということで、本書は中学生から初老の人まであまねく体験する悩みをザックリ網羅する形で“人生相談”にのっています。 そしてその解答にオリジナリティーがあって素晴らしいのです。 さらに重要なことは、他のレビュアーの方もおっしゃっていますが、平成という時代を生きてきた複数の登場人物がどこかでみんな繋がっていて、何回も違う年齢で登場するので、はじめは純粋に短編を楽しむつもりであったのが、あまりにアクロバティックに絡んでいくので、2度読みの楽しさをも提供していることです。 ここまで緻密な構造(=成り立ち)を持った小説で、一話一話の内容も真実を突いた説得力あるもの、という作品はなかなか無いでしょうし、ここに来て、日本文学の領域を広げて、なおかつハードルを上げてしまった最先端のマイルストーンとも言うべき傑作かと思います。 ちょうどそれは建築で言えば、ザハ・ハディド。 女性初のプリツカー賞を受賞した彼女の作品は今までに見たことのない、誰もが成し得なかったハイレベルの美しさを具現化し、現代建築のハードルを一気に高めてしまいました。(可能性を押し広げた、とも言えますが。) なので、小説でも音楽でも建築でも美術でも、どこかで必ずグイッと駒を進める天才が現れます。 そしてその天才を乗り越えようと、また天才が現れる・・・。 青山美智子さんは、その天才の一人だろうと思います。 | ||||
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うずまきって何だろう?と思い読み始めました。それぞれのストーリーに出てくる主役の人物が関連していて、面白かったです。一気に最後まで読んでしまいました。毎回、作者の世界観に引き込まれます。 | ||||
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こんなことがあったらいいなと思います。日常が、ふとしたことで、迷い込んだ世界で変わっていくなんてファンダジーです。 | ||||
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以前、青山さんの作品を読み大変面白く 今回も購入させて頂きました。 | ||||
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評価が高かったので買ってみました。 ファンタジー風ゆえに、最初は不思議な感覚を持って読みましたが、途中からなんとなく筆者の意図が伝わってきました(と思います)。同じ情景の繰り返しがあり、そこは飛ばして読んでしまいました(全部が同じではないですけど)。 期待が高すぎたのか、やや期待外れの部分があり、マイナス2としました。 | ||||
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じわじわと懐かしく、あの頃の気持ちになって泣ける。 最後は、みんな頑張った!私も頑張った!みんなあの頃の未来に生きてる!って感動します。 | ||||
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閉店している古ぼけた時計屋の脇に出ている看板には「鎌倉うずまき案内所」と下向きの矢印がある。矢印にそって階段を降りて店に入ると、双子らしき爺さんが問いかける。「はぐれましたか?」 そう、鎌倉うずまき案内所は、人生に迷った人間がなぜか訪れてしまう店。この店で、人生を「手助けするアイテム」を教えられ、「困った時のうずまきキャンディ」をもらい、人生が変わっていく6人の連作物語。 人生が変わる、と言っても、なにか奇跡が起こるわけではない。ものの見方、考え方がかわるきっかけ、人生の転機のきっかけになるのがこの案内所。読後にちょっと胸があたたかくなる、素敵なストーリー。 物語は、2019年、平成の最後の年に始まり、6年きざみに過去にさかのぼり、最後は平成元年、1989年で終わる。そして読み進めるにしたがって、周到にはりめぐらされた伏線が回収されていき、連作全体の構造が明らかになっていく。最初はなんかよくわからないけれど、過去にさかのぼっていくたびに少しづつ伏線が回収され、最後は平成元年という「うずまき」のスタートに辿り着く、という構造。心温まるだけでなく、物語としての仕掛けも見事です。 青山美智子さん、初めて読んだけど、いいですね。なんか、ジャック・フィニィを思わせる筆致。この本を面白いと思った人には、フィニィの『レベル3』もおすすめです。 | ||||
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今回も見事に青山美智子さんの世界に引き込まれてしまいました! 切なさ、後悔や傷み、人生の中できっと誰も持つ感情が、不思議と読み終わったときには幸せな感情に変わってるのです、ほんとすごいです… 各ストーリーに巧みな繋がりがあるので、読み返すごとに見落としてたことを発見できるのもまた面白いです。 | ||||
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青山美智子さんの小説は過去の2作を読んですっかりファンになっていたので、楽しみに待っていたこの3作目(*^^*)♪ 青山さんの小説はいつも泣けちゃうけど、絶対に悲しい涙じゃないのがすごくいいです。あったかくて幸せな涙。お話の中のどこかに自分がまぎれこんでるような。 今回も、平成の世をぐるぐるしながら、やっぱり優しくて楽しくて泣けて、なんだかセラピーを受けてるみたいで……と、ほわほわ気分で最終章にたどりつき、「え?わ!マジか! そうなのかあああ!!!」と、まさかの大どんでん返しにびっくり。やられたーーー! まさか青山さんがこんな仕掛けをしてくるなんて思わなかった! 読者にとって、文中にもある「固定概念」が試されるかも。すごいなーって、ますますファンになりました! 1話から6話まで、さりげなく張り巡らされた伏線が、ぴたりぴたりとつながっていくさまはお見事としか言いようがありません。カリスマ書店員・新井見枝香さんの帯コピーにもあるように、ほんとに読み終えたらすぐ読み返してしまった。2回目に読み返したときはさらに良かった。最後の「大どんでん返し」も、それを念頭に読んでいくと新たな感動が芽生えて、うんうん、みんなよかったねって、ほんとに良い小説だなと思いました。 6話とも全部良かったけど、特にお気に入りは1995年の「花丸」かな。笑えるとこもいっぱいあったんだけど、途中のせつなさにわかりみ。そして最後は超ハッピーな涙があふれた。 「はぐれる」って言葉もいい。私もはぐれてる。案内所で、私も双子のおじいさんとお話したいなー。アンモナイト所長は私にどんなうずまきを見せてくれるんだろう。そして「困ったときのうずまきキャンディ」もマジで欲しい☆ そして恒例の、読み終わったあとは田中達也さんの表紙をながめて楽しむヨロコビ(*^^*) 何度もぐるぐる楽しめる本です! | ||||
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平成時代を6年毎にさかのぼり、6人の登場人物の悩みが描かれてます。 各時代の流行り物が出てきて、懐かしい気持ちになりました。 1回目は感情移入してて、気づかなかったのですが、途中から「これって繋がってる!」って分かってから、早く読み返してみたくなりました。 終わってすぐに2回目に突入し、伏線回収を楽しみました! 作中の悩みに底がないという会話がとても共感して、私も「ナイスうずまき!」されたいです。 | ||||
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