■スポンサードリンク


雨降りvega



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
雨降りvega (幻冬舎ルチル文庫)

雨降りvegaの評価: 4.65/5点 レビュー 31件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.65pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(3pt)

星座のような物語

星座のような物語だった。悪い意味で。作中における大きなイベント(星)が少なく、その間が星座の線のように冗長だった。
 好きになった相手と再会、ただし姉の婚約者として。物語の筋としては魅力的だ。しかし本作、作中の時間経過があまりにも長い。そのためイベントA→(通過点としての時間)→イベントB→(通過点としての時間)……この繰り返しに思えてならなかった。しかも個々のイベントによる状況の変化が乏しく、はっと目を引かれることが少なかった。あらすじが美しいだけにもったいない。
 同じ筋で短編小説の長さに凝縮するか、好きになった相手と姉との関係をより濃密にする(本当に結婚まで行かせる)か。もう少し読み応えのある形に仕上げて欲しかった。
雨降りvega (幻冬舎ルチル文庫)Amazon書評・レビュー:雨降りvega (幻冬舎ルチル文庫)より
4344830083
No.2:
(3pt)

ゆったりした空気

ネットで知り合った年上の人アルタイルにしか心を開けない文人。卒業式の後、友人の言葉に傷付いた文人は駆けつけたアルタイルに初めて会う。アルタイルに惹かれていくが本名すらわからないまま途絶える。再会した時、アルタイルは姉の婚約者として紹介される。

全体的にゆったりとした空気が流れています。この空気感が好きな人ははまる作品でしょう。友人の言葉、姉の婚約者としての再会、結構ぞっとするネタはいくつがありましたがそれでもゆったりした空気でした。姉も混乱してるけど優しい混乱ぷりで、ドロドロしてません。
神崎のあたりが切なくてもどかしかったです。
この空気感も好きな方だし展開もいいんだけど何故かそんなに気に入りませんでした。
雨降りvega (幻冬舎ルチル文庫)Amazon書評・レビュー:雨降りvega (幻冬舎ルチル文庫)より
4344830083
No.1:
(3pt)

<ネタバレありなのでご注意を!>ちょっと気になるところがあるけど、良かった。

心を打つ表現が多々あり、片想いとか両想いとかいうことより、恋心を持ち続けることの苦しさと切なさが味わえます。
二人のやりとり、心の動きといった心情描写は見事で最後まで一気読みでした。

以下、気になる点を。(ネタバレを含むので未読のかたはご注意を!)

お姉さん、いいのか?と思いました。
結果オーライだからと言って、取り返しのつかない傷を負わされたお姉さん。
いくら別の人との婚約が決まったとしても、文人と新開の性格を考えるとホントに心から幸せと言える?付き合える?と思ってしまいます。

誰かの不幸(傷)の上に成り立つ幸せは本当に幸せなのだろうか。それも「気付かずに」とか「知らず知らずのうちに」傷つけているのではなく、ハッキリと相手が傷つく(傷つけた)ことが分かっていて、その紆余曲折のすえ付き合ったところで、人は本当に幸せになれるだろうかと思いました。

お姉さんが二人をたとえ許したとしても、新開自身、文人自身が互いに付き合うことを許せるのか。文人にとっては大切な家族である姉を心療内科にまで通わせた元凶である新開と自分。心置きなく付き合えるのか。

このお話はいわゆる三角関係の、略奪した側(文人)視点で描かれたお話とも言えます。
姉はあとから出てきた弟(文人)に婚約者を取られる。
そして婚約者(新開)の心変わりをどうすることも出来ず、また弟の幸せを願うあまりに傷つく。
三角関係が成り立つ重要な要素として、新開が優柔不断。
バイだったので姉と弟が翻弄された、ということになります。
作者さんの描写が美しく巧みなので、文人と新開の二人にお話の焦点が絞られますが、実際は三角関係の争いの末、姉が敗れた、という形だと思います。

でも、互いの恋愛感情の成就だけでは人は幸せにはなれないと思うのです。
二人が付き合い続ける限り、姉の複雑な思いは癒えないでしょうし、新開も文人も姉を傷つけ続ける。
繊細にして「想い」をこれほど大事に育んだ二人の性格を考えると、二人が手放しで幸せになれる気がしません。
二人がもっとエゴイストだったりヤンデレだったりしたならば、私もここまで疑問は感じなかった。
でもこのお話はシリアスな恋愛ものです。シリアスだからこそ、この二人のハッピーエンドには疑問を感じてしまいました。
私はハッピーエンド推奨派ですが、この場合はそれぞれがしっかりと互いだけをまっすぐに見つめ合える新たな相手を見つけ、誰も傷つけることなく想い合う恋愛をすることが新しい一歩でありハッピーエンドのような気がしました。

要するに、私はこのお話でここまでの偶然性、ドラマ性は必要ないと思いました。
むしろ縁のない女性と新開が付き合っていたとしても、十分に二人の思いの深さや辛さ、人を愛することの切なさは感じられ、そのほうが二人のお付き合いやハッピーエンドを祝福できると思いました。

お話の結末として二人が結ばれたことは喜ばしいと思う半面、とても近視眼的な狭い世界での幸せ、儚い条件付きの幸せという印象がぬぐえず、モヤモヤする読後感でした。
あくまで私見です。
雨降りvega (幻冬舎ルチル文庫)Amazon書評・レビュー:雨降りvega (幻冬舎ルチル文庫)より
4344830083

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!