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ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 VIII 太宰治にグッド・バイ
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ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 VIII 太宰治にグッド・バイの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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シリーズがおもしろい | ||||
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読者それぞれがこの本の作家になってる様な、もしかしたら本の中の登場人物なのか、たんなる読者なのか錯覚してる『魔』に、主人公の親友の一言で盛大な物語の迷いが解決した!そんな… 『清々しい(^。^)作品』でした。 次回作も、楽しみにしてまする | ||||
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正直著者の本道シリーズではないと感じるecritureシリーズですが、過去8作を読んだ感じでは、奇数番が割と外連味のあるスケールが大きめな話、偶数番が文芸色濃いめで暗くスケールも小さめの話と使い分けている感じがあります。 どっちが好みかと言えば、著者本来の持ち味の奇数番であって、偶数番は異色揃いではないかというのが読者としての感想です。第1巻だけは両方の要素を持っているのですが、クローズドサークルの3、パーティー出席者全員死亡の5、聖書暗号の7はどれも空想性と娯楽性が高いです。万能鑑定士がゲストで出るのも5と7だし、櫻木沙友理も3,5,7と出ます。 しかしこのシリーズに関しては、最高傑作は偶数番の4「シンデレラはどこに」であり、これはシンデレラのルーツを探るという話の面白さと、偶数番の中では被害者が少なく明るい話だった事が理由にあると思います。続く偶数番は、6が芥川で8が太宰なのですが、これは1で書かれた「李奈が芥川と太宰に執心していて専門家と対談するほど」という前提を受けての展開なので、これらの作家に興味がなかったり、逆にこれらの作家の事だけを掘り下げて欲しいと望んでいると、どっちつかずの曖昧さに埋没する気がします。松岡氏の小説はプロットが明確なのが面白さに繋がっているのに、偶数番は不条理な曖昧さを試そうとしているのか、そこがいつもの味が不足している気がして、物足りなさを感じる理由ではないかと思います。 しかし上記のように今回は偶数番だな笑と思ってましたから、割と徹底した暗さや出版内部事情を描く話、「グッド・バイ」という作品がただのパブリシティだったのかどうかを考える意味でも、長尺の引用は仕方ないなと思いましたし(読んでない人もいるでしょうから)、めずらしく恋に揺れる李奈が惹かれた相手が登場かと思ったのに悲劇が襲うこと、何より「読み手が大はしゃぎするのは自分と同じ境遇が描かれていて共感した時(読者の感想はそれぞれ自分の事情に立脚している)」が謎の真相にリンクしているという点は、充分にこのシリーズらしい、偶数番らしい面白さだなと思いました。奇数番のような明朗な判りやすさはないですが、この暗さもいいんじゃないでしょうか。一方で太宰の津軽弁解釈(1,2巻ではこのルーツに触れていたりもしました)などテクスト論的な分析は掘り下げないので、6の芥川よりは軽いかなと思います。 ところで各出版社の記者は最終的にいい人たちだったで終わるので、今回そんなに出版界をクサしてもいない気がします。文庫のページ数は16Pか32P、64P綴りで決まっているはずで、余ってるページを解説や広告に回してるでしょうから、それらを削ったら価格が安くなるなんてことはないと思います。 | ||||
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