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恐怖の関門



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恐怖の関門の評価: 4.29/5点 レビュー 7件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.29pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(5pt)

こんな不思議な冒険小説&不可解なミステリーは生まれて初めてでした

この作品、冒険小説の王者アリステア・マクリーンが書いた「究極のミステリー」と言えそうです。
開巻そうそう、プロローグでいきなり旅客機が謎の襲撃を受け撃墜されます。旅客機事業のオーナーらしい話者の「私」は別の場所にいて、無線をつうじて旅客機と交信しています。旅客機には「私」の妻が乗っており、たった二分の仲睦まじい会話のあと最愛の人が失われるという衝撃の幕開け。いったい何がどうなったの?
プロローグを読んだだけでは話者の「私」がいったい誰なのかすら分からない。プロローグというものの性質上、この「私」が必ずしも本編の主人公とは限らないわけで・・・。

その後、本編第1章以降も、エピソードや事件はガンガン起きてストーリーはズンズン進んでいくのに、読者にはこの先、物語がどういう方向へ向かうのか皆目見当がつかない。

ふつうどんなミステリー(推理小説)でも、何か殺人事件なり大きな悲劇が起きてこの先、犯人捜しへと向かい、最後に解決が待っているくらいの大筋は分かりますよね。
ところが本作「恐怖の関門」では、確かにプロローグで旅客機が墜落し乗客が死んでいて、たまたまその旅客機に事業主の「私」の最愛の妻や息子が乗っていたという大きな悲劇が起きているわけだけれど、それと第1章以降に出てくる話者の「私」が全く結びつかない。
何しろ、第1章のページをめくれば、そこはいきなり法廷であり、被告の「私」は事もあろうに法廷で警察を射殺し傍聴人の娘を人質に必死の逃亡を開始。その後、手に汗握る決死のカーチェイス、危うい潜伏の果てに、別の警察に逮捕され、富豪である人質の娘の豪邸に連行されるというしまつ。その時、ようやく「私」がタルボという名前であることがわかる。

そこから先も、読者は何が何だか分からぬままに、豪邸に監禁されているはずの「私=タルボ」の不可解きわまる数々の隠密行動に付き合わされる。
読者のいだく謎は深まるばかりだが、中盤にさしかかったあたりで、ネタバレしない範囲内で、多少の状況説明や、今までの経過の説明が出てくる。
このネタバレしない範囲内の必要最小限の説明がじつに巧妙で (女性読者には失礼かも知れないけれど) チャイナドレスの横のスリットから、女性の美脚がチラッと見えかくれするような効果を読者に与えます。つまり、先を読まずには死んでも死にきれないような、超もどかしい心境におちいってしまう。この段階で、読者の私は文字どおり興奮してページをめくる手が止まらなくなっていました。

その後も、何が何やらわからないままに事態は急展開し、終りのほうでタルボの操縦する深海探査船バチスカーフ (伊藤哲訳ではバシスカーフ) を駆って深海探査というSF小説的なシチュエーションになったところで、誰も近寄れない深海のただ中の狭いバチスカーフ潜水函内という究極の密室において、すべての謎が明らかになる・・・。

冒険小説好きな方 (女性?) のサイトで非常に面白い作品として紹介されていたので読んだんですが、こんな不思議な冒険小説、こんな不可解なミステリーは生まれて初めてでした。いったい何が起きているんだ? このタルボという男はいったい何を目指しているんだ? この男の目的は? このドラマの背後にどんな衝撃的な事実や事件がかくれているんだ? 
そんなことをずーっと考えながら、300ページ以上読まされるのは、まさにチャイナドレスのスリット越しに美脚のほんのわずかの部分が見えかくれする悩ましい状態がずーっと続くようなもので、えもいわれず甘美な拷問 (!) としか言いようがないです。
生半可の冒険小説&ミステリーでは飽き足りないとお感じのかたにぜひ読んでいただきたい作品です。
恐怖の関門 (ハヤカワ文庫 NV 135)Amazon書評・レビュー:恐怖の関門 (ハヤカワ文庫 NV 135)より
4150401357
No.6:
(5pt)

こんな不思議な冒険小説&不可解なミステリーは生まれて初めてでした

この作品、冒険小説の王者アリステア・マクリーンが書いた「究極のミステリー」と言えそうです。
開巻そうそう、プロローグでいきなり旅客機が謎の襲撃を受け撃墜されます。旅客機事業のオーナーらしい話者の「私」は別の場所にいて、無線をつうじて旅客機と交信しています。旅客機には「私」の妻が乗っており、たった二分の仲睦まじい会話のあと最愛の人が失われるという衝撃の幕開け。いったい何がどうなったの?
プロローグを読んだだけでは話者の「私」がいったい誰なのかすら分からない。プロローグというものの性質上、この「私」が必ずしも本編の主人公とは限らないわけで・・・。

その後、本編第1章以降も、エピソードや事件はガンガン起きてストーリーはズンズン進んでいくのに、読者にはこの先、物語がどういう方向へ向かうのか皆目見当がつかない。

ふつうどんなミステリー(推理小説)でも、何か殺人事件なり大きな悲劇が起きてこの先、犯人捜しへと向かい、最後に解決が待っているくらいの大筋は分かりますよね。
ところが本作「恐怖の関門」では、確かにプロローグで旅客機が墜落し乗客が死んでいて、たまたまその旅客機に事業主の「私」の最愛の妻や息子が乗っていたという大きな悲劇が起きているわけだけれど、それと第1章以降に出てくる話者の「私」が全く結びつかない。
何しろ、第1章のページをめくれば、そこはいきなり法廷であり、被告の「私」は事もあろうに法廷で警察を射殺し傍聴人の娘を人質に必死の逃亡を開始。その後、手に汗握る決死のカーチェイス、危うい潜伏の果てに、別の警察に逮捕され、富豪である人質の娘の豪邸に連行されるというしまつ。その時、ようやく「私」がタルボという名前であることがわかる。

そこから先も、読者は何が何だか分からぬままに、豪邸に監禁されているはずの「私=タルボ」の不可解きわまる数々の隠密行動に付き合わされる。
読者のいだく謎は深まるばかりだが、中盤にさしかかったあたりで、ネタバレしない範囲内で、多少の状況説明や、今までの経過の説明が出てくる。
このネタバレしない範囲内の必要最小限の説明がじつに巧妙で (女性読者には失礼かも知れないけれど) チャイナドレスの横のスリットから、女性の美脚がチラッと見えかくれするような効果を読者に与えます。つまり、先を読まずには死んでも死にきれないような、超もどかしい心境におちいってしまう。この段階で、読者の私は文字どおり興奮してページをめくる手が止まらなくなっていました。

その後も、何が何やらわからないままに事態は急展開し、終りのほうでタルボの操縦する深海探査船バチスカーフ (伊藤哲訳ではバシスカーフ) を駆って深海探査というSF小説的なシチュエーションになったところで、誰も近寄れない深海のただ中の狭いバチスカーフ潜水函内という究極の密室において、すべての謎が明らかになる・・・。

冒険小説好きな方 (女性?) のサイトで非常に面白い作品として紹介されていたので読んだんですが、こんな不思議な冒険小説、こんな不可解なミステリーは生まれて初めてでした。いったい何が起きているんだ? このタルボという男はいったい何を目指しているんだ? この男の目的は? このドラマの背後にどんな衝撃的な事実や事件がかくれているんだ? 
そんなことをずーっと考えながら、300ページ以上読まされるのは、まさにチャイナドレスのスリット越しに美脚のほんのわずかの部分が見えかくれする悩ましい状態がずーっと続くようなもので、えもいわれず甘美な拷問 (!) としか言いようがないです。
生半可の冒険小説&ミステリーでは飽き足りないとお感じのかたにぜひ読んでいただきたい作品です。
恐怖の関門 (1977年) (ハヤカワ文庫―NV)Amazon書評・レビュー:恐怖の関門 (1977年) (ハヤカワ文庫―NV)より
B000J8U3R8
No.5:
(5pt)

こんな不思議な冒険小説&不可解なミステリーは生まれて初めてでした

この作品、冒険小説の王者アリステア・マクリーンが書いた「究極のミステリー」と言えそうです。
開巻そうそう、プロローグでいきなり旅客機が謎の襲撃を受け撃墜されます。旅客機事業のオーナーらしい話者の「私」は別の場所にいて、無線をつうじて旅客機と交信しています。旅客機には「私」の妻が乗っており、たった二分の仲睦まじい会話のあと最愛の人が失われるという衝撃の幕開け。いったい何がどうなったの?
プロローグを読んだだけでは話者の「私」がいったい誰なのかすら分からない。プロローグというものの性質上、この「私」が必ずしも本編の主人公とは限らないわけで・・・。

その後、本編第1章以降も、エピソードや事件はガンガン起きてストーリーはズンズン進んでいくのに、読者にはこの先、物語がどういう方向へ向かうのか皆目見当がつかない。

ふつうどんなミステリー(推理小説)でも、何か殺人事件なり大きな悲劇が起きてこの先、犯人捜しへと向かい、最後に解決が待っているくらいの大筋は分かりますよね。
ところが本作「恐怖の関門」では、確かにプロローグで旅客機が墜落し乗客が死んでいて、たまたまその旅客機に事業主の「私」の最愛の妻や息子が乗っていたという大きな悲劇が起きているわけだけれど、それと第1章以降に出てくる話者の「私」が全く結びつかない。
何しろ、第1章のページをめくれば、そこはいきなり法廷であり、被告の「私」は事もあろうに法廷で警察を射殺し傍聴人の娘を人質に必死の逃亡を開始。その後、手に汗握る決死のカーチェイス、危うい潜伏の果てに、別の警察に逮捕され、富豪である人質の娘の豪邸に連行されるというしまつ。その時、ようやく「私」がタルボという名前であることがわかる。

そこから先も、読者は何が何だか分からぬままに、豪邸に監禁されているはずの「私=タルボ」の不可解きわまる数々の隠密行動に付き合わされる。
読者のいだく謎は深まるばかりだが、中盤にさしかかったあたりで、ネタバレしない範囲内で、多少の状況説明や、今までの経過の説明が出てくる。
このネタバレしない範囲内の必要最小限の説明がじつに巧妙で (女性読者には失礼かも知れないけれど) チャイナドレスの横のスリットから、女性の美脚がチラッと見えかくれするような効果を読者に与えます。つまり、先を読まずには死んでも死にきれないような、超もどかしい心境におちいってしまう。この段階で、読者の私は文字どおり興奮してページをめくる手が止まらなくなっていました。

その後も、何が何やらわからないままに事態は急展開し、終りのほうでタルボの操縦する深海探査船バチスカーフ (伊藤哲訳ではバシスカーフ) を駆って深海探査というSF小説的なシチュエーションになったところで、誰も近寄れない深海のただ中の狭いバチスカーフ潜水函内という究極の密室において、すべての謎が明らかになる・・・。

冒険小説好きな方 (女性?) のサイトで非常に面白い作品として紹介されていたので読んだんですが、こんな不思議な冒険小説、こんな不可解なミステリーは生まれて初めてでした。いったい何が起きているんだ? このタルボという男はいったい何を目指しているんだ? この男の目的は? このドラマの背後にどんな衝撃的な事実や事件がかくれているんだ? 
そんなことをずーっと考えながら、200ページ以上読まされるのは、まさにチャイナドレスのスリット越しに美脚のほんのわずかの部分が見えかくれする悩ましい状態がずーっと続くようなもので、えもいわれず甘美な拷問 (!) としか言いようがないです。
生半可の冒険小説&ミステリーでは飽き足りないとお感じのかたにぜひ読んでいただきたい作品です。
恐怖の関門 (1968年) (ハヤカワ・ノヴェルズ)Amazon書評・レビュー:恐怖の関門 (1968年) (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
B000JA3VZW
No.4:
(4pt)

古さはさほど気にならない

機転の利く主人公に二転三転する先の読めない展開と紛れもなく名作なのだが終盤はちょっと残念な感じになってきたのは否めない。
特に車係を説得するシーンはもうちょっとどうにかならなかったのだろうか。
恐怖の関門 (ハヤカワ文庫 NV 135)Amazon書評・レビュー:恐怖の関門 (ハヤカワ文庫 NV 135)より
4150401357
No.3:
(4pt)

ラストに待っている大きなカタルシスを味わってください

はっきりいって冒険小説は、あまり得意な分野ではない。シュミレーションゲームがあまり好きでないのと同じで、細かい戦局の説明や軍事戦略などに疎いものだからどうにもついていけないのだ。
そんな冒険小説を敬遠しがちなぼくでもおもしろく読んだのが本書「恐怖の関門」だった。
本書は、たいそう手が込んだミステリなのである。冒険小説でありながらミステリとして機能している稀有な作品だといってもいい。なんて大口叩いて、冒頭でも書いたとおりそれほど冒険小説読み込んでるわけでもないのだが。
とにかく本書には感心した。あらゆる出来事の謎がラストで氷解する快感は、並のミステリ以上のカタルシスだった。とりあえず本書の読み方としては何が起こっても、どんなに頭を傾げる出来事があっても一気呵成にラストまで読みすすめることをオススメする。
で、いったいどんな内容なのかというのが気になるところだと思うのだが、読んだのが遥か昔なのではっきりいって詳細は忘れてしまった。
確かメキシコ湾に沈んだ金塊か宝がからんでいて、主人公がことごとく読者の予想を裏切る行動をとっていくような話だったと思う。彼の真意が謎のメインになっていたはずだ。とりあえずのっけから謎また謎のプロットだった。どうか、振り回されるのを覚悟で読んでみて欲しい。最後には大きなカタルシスが待っているから。
恐怖の関門 (ハヤカワ文庫 NV 135)Amazon書評・レビュー:恐怖の関門 (ハヤカワ文庫 NV 135)より
4150401357
No.2:
(4pt)

ラストに待っている大きなカタルシスを味わってください

はっきりいって冒険小説は、あまり得意な分野ではない。シュミレーションゲームがあまり好きでないのと同じで、細かい戦局の説明や軍事戦略などに疎いものだからどうにもついていけないのだ。

そんな冒険小説を敬遠しがちなぼくでもおもしろく読んだのが本書「恐怖の関門」だった。

本書は、たいそう手が込んだミステリなのである。冒険小説でありながらミステリとして機能している稀有な作品だといってもいい。なんて大口叩いて、冒頭でも書いたとおりそれほど冒険小説読み込んでるわけでもないのだが。

とにかく本書には感心した。あらゆる出来事の謎がラストで氷解する快感は、並のミステリ以上のカタルシスだった。とりあえず本書の読み方としては何が起こっても、どんなに頭を傾げる出来事があっても一気呵成にラストまで読みすすめることをオススメする。

で、いったいどんな内容なのかというのが気になるところだと思うのだが、読んだのが遥か昔なのではっきりいって詳細は忘れてしまった。

確かメキシコ湾に沈んだ金塊か宝がからんでいて、主人公がことごとく読者の予想を裏切る行動をとっていくような話だったと思う。彼の真意が謎のメインになっていたはずだ。とりあえずのっけから謎また謎のプロットだった。どうか、振り回されるのを覚悟で読んでみて欲しい。最後には大きなカタルシスが待っているから。
恐怖の関門 (1968年) (ハヤカワ・ノヴェルズ)Amazon書評・レビュー:恐怖の関門 (1968年) (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
B000JA3VZW
No.1:
(3pt)

失った男

アリステア・マクリーンの作品の主人公達はとことんプロフェッショナルである。「最後の国境線」・「ナバロンの要塞」etc・・・。
この「恐怖の関門」でも、ジョン・タルボがそれにあたる。
すべてを失った男が復讐の為に行うことは?
マクリーンは常に敵のキャラクターを強力・強大に配置し、プロ対プロのリアリズムを織り交ぜながらストーリーを展開する。またその上に「自然」が主人公に立ちふさがる・・・。
冒険小説のルールを忠実に守りながら、ストイックな男達の世界を描き出したマクリーン黄金期の作品。是非一読してみてください、おすすめです。
恐怖の関門 (ハヤカワ文庫 NV 135)Amazon書評・レビュー:恐怖の関門 (ハヤカワ文庫 NV 135)より
4150401357

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