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あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。
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【この小説が収録されている参考書籍】
あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全244件 241~244 13/13ページ
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中学二年生の百合は、生活態度が悪いと母親に叱られ家を飛び出して昭和20年夏にタイムスリップし、特攻隊員佐久間と恋に落ちる。・・・・という筋書きである。 モチーフはT・ヴェルメシュの「帰ってきたヒトラー」と同じだが、あれは1945年から現代にタイムスリップしたもので、その真逆であり、しかも前者は戦前の人物から現代を見たシニカルな文明批評が特色なのに対して、ここでは現代人から見た戦争の不合理と悲劇を描く。「あなたたちが命を落としてまで勝利を手にして、本当に家族が幸せになれると思うの?」との主人公の問いかけに、佐久間は微笑んで彼女に接するのみである。やがて出撃の時が迫る。 反戦を煽情的に叫ぶのでなく、平和は戦争に斃れた犠牲の上にあることを静かに訴えている。それだけにラスト近くの主人公のモノローグ「たくさんの苦しみと悲しみと犠牲の上に築かれたこの新しい世界で、私たちは、これからも生きていく。」は、重く心に響く。あの戦いで死地に赴いた特攻隊員も人の子だった。肉親も恋人もいただろう。だが彼らは愛する祖国と人を守り、平和を求めて進んで散華したのだ。ゆえに集団的自衛権とか第九条改正云々という声が姦しく聞こえる昨今がやりきれぬ。泉下の英霊たちはどう思っているかとつい愚痴も出てしまう。 作者は当時の事をよく調べていて、灯火管制、空襲や代用食、官憲の横暴などをしっかりととらえており、この手の作品にありがちな時代考証の間違いがなく、年配者にも読める。 そしてラストの件である。帯に「号泣」とあるので、逆に泣くもんかと意地になって読み進めたが、年甲斐もなくウルっときてしまった。ちょっと悔しかったけど、本を読んでこんな感動したのは久しぶりである。是非、将来の祖国を担う若い人材にも読んでほしいし、戦争を知らない世代によってこんな悲しくも美しい反戦文学が出たことも喜ばしい。 | ||||
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帯に「大号泣」とあって、「もりすぎでしょ。」と思っていました。 でも、読んでいくうちに「当たり前の生活」がどんなに有難いことなのか実感し、 最後の百合と彰のそれぞれの想いが切なくて泣きました。 続編をぜひ文庫化して欲しいです。 | ||||
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面白くて一気に読み終えてしまいました。 私は20代の男ですが本作のヒロインである百合の戦争に対する気持ちなど非常に理解でき感情移入してしまいました。 また読み終わったあとに今の平和な世界に感謝する気持ちが生まれてきました。 | ||||
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商品紹介の文にある通り、怒濤のラストは圧巻。畳み掛けられるまっすぐな言葉が突き刺さるようで、苦しくなった。 ある日突然、戦時中の日本にタイムスリップした現代の中学生の百合が、特攻隊員の彰と出会って恋をして、彼の出撃を見送る。 あらすじで言うとそれだけだけど、戦争に直面した百合が感じた不条理とか、死を覚悟した彰の必死な思いとか、それが非常に力のある言葉で語られていて、胸を抉られる。 「ただ懸命に生きていただけなのに、どうしてこんなふうに死ななきゃいけないの?」 「俺は大事な人たちを守るために行く」 「生き恥ってなに? 生きたいと思うことは恥ずかしいことなんかじゃない!」 「百合、生きてくれ」 戦争と平和、生と死、愛について、とても考えさせられる作品だった。 | ||||
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