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秘太刀馬の骨
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秘太刀馬の骨の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.58pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 21~33 2/2ページ
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時代劇専門チャンネルでNHKドラマ「秘太刀馬の骨」(主演・内野聖陽、段田安則 2005年)を見ていて、思わず読みたくなった。以前に読んだ文庫本がどこかにあるはずだが、すぐに読みたかったので、キンドルでダウンロード購入、一気に読了した。 暗殺剣である秘太刀「馬の骨」の継承者をさぐる、小気味よいディテクティブ・ストーリーのテンポが心地よい。探偵役の主人公ふたり、半十郎と銀次郎の組み合わせの妙もまた楽しい。東北の小藩で出世の道を登り始めている半十郎と江戸で剣術を学んだ美男子・銀次郎。沈着冷静なベテランと生意気な新人という刑事ものの常道を踏みながら、藩の権力抗争や「容疑者」の家庭の事情が暴かれていくプロセスは、藤沢作品ならではの緻密な人物描写もあって、どんどん引き込まれていく。 半十郎もまた家庭の問題を抱えて愚痴をこぼしながら、銀次郎との捜査を続けるところなども、ほほえましさと親しみを感じる。 決着はとてもハードボイルド・タッチ。夜の対決シーンの描写は迫真のものがあり、頭の中に映像が浮かぶようだ。 すかっとした読後感があり、満足した。 が、あとで見つけた文庫本の出久根達郎による解説を読んだら、もう一度読まなくちゃいけないような気がしてきた。 | ||||
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再読でも又いっ紀き読み。著者の新作がもう出ないと、思うと残念だ。なんという面白さ・・ | ||||
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『馬の骨』を継いだのは誰か、『馬の骨』を追う理由は何か。 近習頭取浅沼半十郎は家老小出帯刀から、昔の暗殺事件に用いられた秘剣『馬の骨』の継承者の調査に加わるよう命ぜられる。 家老の甥石橋銀次郎は秘剣の継承者と思われる者に次々と勝負を挑むが一向に明らかにならない。 さらに深まる謎と政治的闘争の影に半十郎の決断は・・・ 作者晩年の作品で、円熟した手法に謎解きの要素を加えたもので、人情的な部分よりもサスペンス的な部分が強いものとなっている。 確かに隠れた傑作と言われるのもうなずける。 藤沢ファンならばぜひ読みたい一冊。 | ||||
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初めて時代小説なるものに挑戦しましたが・・・さすが本作も含めあちこちで 映像化されている作家の作品だけあって読み手をぐいぐいと引き込みます。 (熱中しすぎて目標の駅を乗り過ごす始末・・・) 時代劇に必須と思われる「人情」と「立会」を満たし、その上で「秘太刀」の 使い手探しというミステリを加えたのです。これで面白くないわけが無い! 光景を想像させる筆力、無理の無い&伏線もしっかり張った構成力。 多くの人が読後に満足感を覚えているのが傑作の証明です。 食わず嫌いは勿体ない。是非一読を。 | ||||
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オール讀物1990年12月号(平成2年)から1992 年10月号(平成4年)迄約2年間に亘って断続連載(7回)されたのが初出。 僕は藤沢作品でこの作品が一番好きだ。何故好きか?それはこの作品がミステリー仕立てになっていることに原因がある。只でさえステキな藤沢作品がミステリー仕立てになっているのだから、ミステリー好きにはたまらない作品だ。そしてもう一つこの作品に出てくるがむしゃらで無茶苦茶な剣客・石橋銀次郎が大好きなのだ。この男、剣を交えるためにはあらゆる策略を働かせる、とんでもなく下世話な男なのだがキャラが濃いから好きなのである。 藤沢作品は常にラストがステキだと思う。本作もラストがこの上なくステキだ。ミステリー好きに推薦したい傑作だ。 | ||||
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派閥の家老の命を受け、真の「秘太刀馬の骨」の継承者を見つけるため、真剣勝負に挑む。 藤沢作品にしては、前半は武士が主人公のわりにかなりねちっこい展開になっている。 もちろん臨場感ある立ち合い シーンの数々は期待を裏切らない。 秘太刀を伝授されたのは誰か? 最後まで推理を楽しませてくれる。 実は初出の「オール読物」と単行本では、伝授者がそうです。 また、文庫本の出久根氏の解説で真犯人がどんでん返し。 ぜひ解説は本編を完読してからお読みください。 | ||||
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一度目は、本文を読んで、へぇー。 二度目は、解説を読んでなんとなく物語の終わり方に納得。 三度目は、インターネットでいろいろ調べて、当初の出版時と文庫では、馬の骨の使い手が違うことその他を知る。 こういう楽しみが出来る本です。 そしてたどり着いた自分の結論は、「誰を使い手にするか決めかねたんじゃないか」ということでした。 未読の方は、くれぐれも解説は読後に。 そして自分なりの「使い手」をさがしてみてください。 | ||||
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恒例の海坂藩シリーズ。 重臣暗殺事件の陰に見え隠れする謎の剣技「馬の骨」。 果たしてその暗殺剣は実在するのか?そして伝承者の正体は? やがて、秘剣探索の中、藩を揺るがす陰謀の存在が浮かび上がる… というのが物語の縦軸ですが、単なるサスペンスではありません。 登場する剣豪達一人一人が実に人間くさく個性的。 探索の中での剣豪達と出会いを通じて、 主人公と(気鬱の病の)妻の壊れかけた家族・夫婦の絆が再生していく …そんな夫婦の物語としても読めます。 ((最初、「気分悪い!」と思っていた強引な探索のやり方が、 実はこの再生の物語の複線になっている当たりは、さすがに上手い!)) 読後感はあくまでも爽やかで、胸が温かくなります。 ずっと三人称で語られてきた作品は、最後の最後、 ある意外な人物の一人称で締めくくられる。 その鮮やかな転換。お見事! | ||||
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本書が「藤沢作品の隠れた名作」と言われているとの書評を見て購入しました(NHKで昨年ドラマ化されたのも知っていたし)。 当初主役格である”銀次郎”の無礼で非情なやり方に少なからず不愉快を感じますが、中盤以降はこの物語のリポーターである”半十郎”同様に秘密探求に引き込まれてします(ここら辺が上手いんだよなー)。 そして読後感は爽やか!で、「やっぱり藤沢作品はいいんだよなー」と思ってしまうんです。 この2ヶ月で隠し剣、用心棒シリーズを含め立て続けに読み続けて9冊目ですが、どれも傑作でどれも映画化できるようなクオリティーでした。 池波文学にはまった(シリーズ物は全て読破)以来の快感です。 | ||||
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あっという間に読んでしまった。気づくと朝。作者の本の著書はどれも睡魔を軽々とやっつけてしまい,私はそのたび睡眠不足のまま仕事に向かう。ただ,後悔はない疲れはしているが,眠気はやってこない。たぶん興奮が続いているからだろう。どちらかというと上気して朝を迎えるのが常である。特に本書はとてもじゃないが眠れなかった。謎解きと剣術,愛情と権力闘争。登場人物の設定に至ってはこれぞ藤沢小説という感じです。蝉しぐれと並ぶ大傑作です。んでも蝉しぐれの方がちょっとだけいいかな。ほんのちょっとだけ。 | ||||
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元家老が暗殺された際に使われたと噂される秘太刀「馬の骨」という剣法。現家老からその探索を命ぜられた主人公は、家老の甥という放埓な若者と共に、秘太刀の持ち主かもしれぬ矢野一派の剣客と次々に試合するも見つからず。しかしやがて驚愕すべき真実を見ることになる・・。 単なる剣客ものとは異なり、ここでは「犯人探し」ともいうべきミステリの要素が極めて色濃く出ている。さらに物語りに深みを付加するのは、かつて息子を亡くしたことによる主人公の妻の気鬱の病。一進一退するその状況に振り回される主人公。秘太刀探しに翻弄され、内にも外にも憂いをかかえた彼の姿に、自分の姿を見る男性諸氏も多いのでは。 ひとたび読み始めると、秘太刀の存在の有無という謎解きと、魅力的な剣客たちとの壮絶な試合の様子に惹かれ、一気に読み通してしまう。そんな藤沢文学の傑作の一つである。 | ||||
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藤沢周平の随想を読んでいる読者には良く知られている事なのだが、藤沢氏は大の海外ミステリー好きである。ミステリーの一つの分野に「犯人探し」ものがある。犯人は誰か、容易周到な読者は推理を当てるかもしれないが、多くの読者は騙される。しかし一つだけ原則がある。社会派推理物とは違い、犯人は必ず「意外な人物」であるという事だ。 さて、この作品は先ずは「剣客小説」といっていいだろう。氏の真剣勝負の描写には定評がある。今年の秋にもまた、氏の剣客小説の一つが映画化されるそうで私は大いに楽しみなのだが、映像で見るのとはまた違い、文章で読むと、想像の世界で剣の速さは無限大になるので、楽しい事この上ない。 一方で犯人探し物としてもまた面白かった。秘剣継承者ははもちろん「意外な人物」であった。ただし、本来のミステリーファンは不満を抱くであろう。「きちんとした」伏線は張られていないからである。もちろん伏線は張られている。その微妙な伏線を私は大いに楽しんだ。そしてそれが氏の「奥ゆかしさ」なのだ。氏はこれが「本格推理物」として見られる事を避けたのである。というのが私の推理である。 この作品はなによりも「時代小説」である。下城の太鼓の音で自宅に帰っていく武士たちの生活、北の国の四季の移り変わりを丁寧になぞっていく描写、その中での武士の「覚悟」、現代に通じる派閥の暗躍、氏が一番描きたかったものを読者は見落としてはならない。 | ||||
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裏表紙に『隠れた名作』なんて事が記入されてました。 こんなにおもしろい本に『隠れた』なんて勿体無い! もっともっと読む人がいればいいのに。 内容を書くと怒られますのでふせておきますが、最後の最後に『おおおおお前かよっ!』と本におもわず『ツッコミ』を入れてしまいました。 絶対に『買い』です! | ||||
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