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獣たちの葬列



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【この小説が収録されている参考書籍】
獣たちの葬列 (ハーパーBOOKS)

獣たちの葬列の評価: 3.60/5点 レビュー 5件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.60pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

文庫本700ページの「量」に圧倒される

縦糸としての「犯人捜し」と横糸の「復讐」が基本線ですが、そこに「猟奇的殺人」「サイコパス」「プロファイリング」「腐敗した警察組織」「無能な上司」「暴力」「アルコール依存症」「被害者の救済」「DV」「幼児性愛」などなどこれでもか!というぐらいのテンコ盛り状態。

なのであまり「ミステリー」の部分は主要なテーマではなくなっています。でも基本線としての英国(厳密にはスコットランドですが)推理小説の伝統は守られています。「必ず犯人は登場人物のなかにいてながしの犯行はあり得ない」「絶対にBBCラジオドラマ『アーチャーズ』ネタあり」「宅配ピザが大好きだがフィッシュ&チップスを食べる」「なぜか科学的な捜査はほぼ無視されて、きわめて有能なパソコン職人が手伝ってくれる」などなど。

前作は未読のためドロドロの因縁がいまひとつピンとこないので探してみましたが品切れのようです。海外翻訳小説界のサードパーティー(第三勢力)のハーパー・コリンズさん、ぜひ復刊をお願いいたします。
獣たちの葬列 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:獣たちの葬列 (ハーパーBOOKS)より
4596015333
No.1:
(3pt)

この、ちゃらけたどうでもいい描写がなければいいのだが

前作『獣狩り』から2年後。アッシュ・ヘンダーソンは前作ラストで実弟殺しの冤罪をかぶせられ収監中。そこでも繰り返し襲われているところから始まる。
若い看護師が腹部切開され、そこに人形を埋め込まれるという事件が再発している。アッシュは警官当時の8年前にこの事件に関わっており、もう少しというところで犯人を取り逃がした過去がある。
今回、面会に来た警視より、警官に復職させることはできないが、捜査に協力してくれれば出所させるという案件を持ち掛けられる。アッシュは承諾し、出所したついでに積年の恨みつらみがあるミセス・ケリガンに復讐することを計画する…。

アッシュは前作で足部に負った銃創を刑務所で痛めつけられたため、足を引きずり杖を手放せない状態。加えて、逃亡を防ぐために発信機を装着され、またもや犯罪心理学者アリス・マクドナルドと常時行動を共にしなければならなくなる(彼女と100m以上離れるとアラーム)。仮釈放中であるため、相変わらず口は悪いが やんちゃな行動を若干慎んでいる印象だ。
アリスのアッシュに対する対人恐怖症などは改善し、自ら抱きついたりするようになっている。また、友人デイヴィッド(今回から腹黒→シフティに変更 訳者が変わったためか)や、サイバー捜査専門のサビールなども再登場。
事件を巡ってイギリスやスコットランドの警視たちが権力闘争をしている中、さすがのアッシュはその優れた能力を発揮し抜きん出ているところがおもしろい。
真犯人の意外性は強く、まずわからない人物だ。

本作も余計な描写が非常に多く、ページ稼ぎをしている感は否めない。
特に(今回も)食べ物。それもギラついた物ばかりで、こちらが満腹だと胸やけを起こしそうになるほど。毎度の具体的メニューや「汁がたれる」「指をなめる」まで描かれている。
他にもある。別件の幼児殺し事件まで必要だったのだろうか? 被害者の父親(ウィーフリー)の行動や言動には一貫性がなく違和感を禁じ得ない。アリスは学習能力がなく相変わらず酒を飲んでは吐いているし。
どうでもいところを飛ばしていると、そのうち話がわからなくなってしまい、戻る羽目になった。
クライマックスの大事な場面で、進行をもったいぶってか、うるさいほどちゃらけた内容をはさむところはやっぱり好めなかった。
ひとつ思ったのは男女差がないこと。ミセス・ケリガンや刑務官バーバラは精神的にも身体的にも男性以上といってもいいような人物だし、アッシュは「これだから女ってのは」と吐く他の警官等をぶちのめす。
終盤は私にとっても目標が達成され、すっきりした。
あとがきによると、さらに続刊が出版されているらしい。
獣たちの葬列 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:獣たちの葬列 (ハーパーBOOKS)より
4596015333

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