■スポンサードリンク


評決の代償



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
評決の代償 (ハヤカワ・ミステリ 1969)

評決の代償の評価: 4.17/5点 レビュー 6件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.17pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(2pt)

うーん

道中全く感情移入できるキャラクターがいないうえに、
最後が強引すぎて萎えた。

アガサ・クリスティ好きの登場人物がいたってことで★2
評決の代償 (ハヤカワ・ミステリ 1969)Amazon書評・レビュー:評決の代償 (ハヤカワ・ミステリ 1969)より
415001969X
No.5:
(4pt)

現代のロサンジェルスを舞台とした良質なリーガル・ミステリ

『12人の怒れる男』が好きな人には強くお薦めできる。
ただし訳文があまり良くないのか、意味が取りづらい(取れない?)箇所が複数あった。
その点で星4。
評決の代償 (ハヤカワ・ミステリ 1969)Amazon書評・レビュー:評決の代償 (ハヤカワ・ミステリ 1969)より
415001969X
No.4:
(4pt)

小説には最後に答えがある、だが現実はそうはいかない

久しぶりに面白い小説に出会えました。
映画の脚本家の著者らしく、海外ドラマのような法廷ミステリーであり群像劇です。

よくあるような結末で全てが解決され、ハッピーエンドorバッドエンドが描かれる!
といった作品ではありません。人種や正義といったあやふやな現実があるだけです。

日本には馴染みのない陪審員制度を味わえる良質な物語です。
評決の代償 (ハヤカワ・ミステリ 1969)Amazon書評・レビュー:評決の代償 (ハヤカワ・ミステリ 1969)より
415001969X
No.3:
(5pt)

作者の散りばめた皮肉に思わずニヤリとしてしまう

皮肉の効いた社会派のリーガルサスペンスであると同時にツイストの効いたパズラーとしても楽しめる。この皮肉を楽しめるかどうかで、評価が分かれるかもしれない。自分は大好き。深刻な内容なのに軽めの文体もいい。繰り返し読むと癖になりそうな一冊。おすすめです。
評決の代償 (ハヤカワ・ミステリ 1969)Amazon書評・レビュー:評決の代償 (ハヤカワ・ミステリ 1969)より
415001969X
No.2:
(5pt)

「はなれわざ」が炸裂するリーガル・サスペンス

2019/6月に読んだ「訴訟王エジソンの標的」は、「暗闇でものを作り出す」ちょっと変わった天才たちを描いた快作でしたが、少し映画の脚本を読まされているようなパラパラした印象がありました。
 「評決の代償 "The Holdout"」(グレアム・ムーア ハヤカワ・ミステリ)をじっくりと読み終えることになりました。
 先日読んだ「短編回廊 アートから生まれた17の物語」の中、最初の短篇「安全のためのルール」(ジル・D・ブロック)は、陪審団選定手続きに参加する私による味わい深い結末を持った短篇でしたが、導かれるようにして読んだ本書もまた(「十二人の怒れる男」へのオマージュを含めて)「陪審員裁判」を克明に描いたリーガル・サスペンスの秀作として記憶されることでしょう。
 舞台は、ロサンゼルス。大富豪の娘、15歳のジェシカ・シルバーが行方不明になり、黒人教師ボビー・ノックスが逮捕され、被害者の遺体が見つからないまま彼は殺人罪で起訴されます。「陪審員裁判」。十一人がボビーの有罪を主張する中、この物語の主人公・マヤだけが無罪を主張し、マヤが他の陪審員をひとりひとり説得しながら、結果、無罪評決を獲得します。しかしながら、その陪審員の一人でもあるリック・レナードがマスコミを巻き込みながらマヤへの批判を繰り返し・・・・十年後、陪審員としての経験をきっかけに弁護士となったマヤ。十年目にその事件をもう一度検証すべくテレビ番組が製作されることになり、かつての陪審員たちがホテルの一室に集められ、リックはマヤに対しても参加するよう要請することになります。そして、リックはその場で決定的な証拠によってボビーの有罪を証明することを明言しますが・・・あろうことか、もう一つの事件が引き起こされることになります。ストーリーについて書くのは、ここまでにしたいと思います。その引き起こされた事件の真相は?かつての被害者不明のままの殺人事件の真相は?誰、何故、一体何があったのだろうか?

 主人公マヤは、西海岸の私立探偵の如く、他の陪審員、関係者を訪れ、かつての事件を紐解こうとしますが、その背景には、現在の米国が直面する問題、一例を挙げれば、"Black Lives Matter"などへの深層的なアプローチがあって、アクチュアルな米国小説としても読ませる内容に仕上がっていると思います。私のレビューが、逆に表層をナゾっただけの内容であるとするならば、パズラーとしても成立している本書について、思うように書いてはいけないという意識が働いているためと言うことができます。真相が次第に解明されながらも事実に辿り着けない中、或る「はなれわざ」が繰り出されることによってその思いは一気に開放されることになります。(結末については、少しだけ言いたいことも残りましたが、経験上それがないミステリなど皆無だとも言えますので、忘れることにしました(笑)。)
 「なぜなら、わたしたちは事実が何を意味するかを議論してるんじゃない。わたしたちは何が事実なのかを議論してるのよ・・・」(Kindle の位置No.4046-4048)ということになります。繰り返しますが、秀でたパズラーだと思います。

*訳者あとがきの冒頭に吉野弘人さんご本人による断り書きがありますが、<訳者あとがき>はくれぐれも読後にお読みいただけますように。
評決の代償 (ハヤカワ・ミステリ 1969)Amazon書評・レビュー:評決の代償 (ハヤカワ・ミステリ 1969)より
415001969X
No.1:
(5pt)

三つの事件の謎解き。

アカデミー賞脚色賞受賞の脚本家で、作家でもあるグレアム・ムーアの2020年に刊行したThe Holdout の本邦初訳。
後半に怒濤の如く、意外な展開と意外な真相の押し寄せてくる作品なので、ネタバレないように配慮してレビューを書きます。
これは一応リーガル・ミステリーの範疇に入る作品で、主人公兼探偵役は女性弁護士マヤ・シール、作品の現在は2019年のロサンゼルスである。
一、事件
〇事件は三つ
☆第一の事件・・2009年に起きた15歳ジェシカの少女の行方不明事件。彼女と交友のあった黒人の国語教師ボビーが殺人罪で起訴される。当時バイトをしながら小説を書いていたマヤは、恋人に連れられてロサンゼルスに引っ越してきて、この殺人事件の陪審員に選ばれる。
12人の陪審員間の最初の投票では、マヤ1人だけが無罪。残り11人は有罪であったが、マヤはディスカッション等において無罪を主張続け、次第に陪審員達は無罪に傾いていく。
これはもちろん「12人の怒れる男」へのオマージュまたはパロディ。最後まで有罪を主張したのが、マヤと性的関係のできてしまった黒人の大学院生リックであったが、最後はリックも諦めて無罪に投票し、ボビーは放免される。
☆第二の事件・・マヤは恋人ともリックとも別れて、ロースクールへ進み、卒業して、優秀な刑事弁護士となる。一方、ボビーの有罪を信じるリックは個人的に事件の捜査を続け、無罪評決の10年後の記念日に、マスコミを巻き込んで、生存する10人の陪審員を当時隔離されていたホテルに集めて、真相解明のドキュメンタリーを作ろうとする。しかし、その前夜、リックはホテルのマヤの部屋で殴り殺され、マヤが殺人の容疑で逮捕される。
☆第三の事件・・保釈されたマヤはリック殺しの犯人を探して、陪審員や、第一、第二の事件の関係者を訪ねていくが・・・。
二、私的感想
〇謎解き本格ミステリーである。リーガル・ミステリーであり、モラル・ミステリー(現代アメリカの様々なモラルが問題となる)でもある。シニカル・ミステリー(皮肉な展開)といえるかもしれない。
〇傑作とまでは言えないかもしれないが、十分面白い作品で、満足した。
〇意外な展開と意外な真相がいろいろあり、一部は予想がつくが、全部は困難。
〇読み返してみると、伏線の張り方はフェアと思う。
〇脇役で気に入ったのは、マヤの同僚女性弁護士のクリスタル。
評決の代償 (ハヤカワ・ミステリ 1969)Amazon書評・レビュー:評決の代償 (ハヤカワ・ミステリ 1969)より
415001969X

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!