機龍警察 白骨街道
評判
機龍警察 白骨街道の評価:
4.25/5点 レビュー 28件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 21〜22 2/2ページ
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機龍警察 白骨街道の評価:
4.25/5点 レビュー 28件。 B ランク
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ストーリーを追うことはやめにしたいと思いますが、今回の舞台は、ミャンマー、そしてもう一つの舞台は古都・京都。国際指名手配犯を追ってミャンマー行きを命じられる姿、ユーリ、ライザ、三人の突入班龍機兵搭乗員たち。待ち構えるミャンマー警察、国軍、武器密輸商人、人身売買組織、そしてロヒンギャの少年・カマル。
方や、特捜部理事官・城木の身内にあたる城州グループによる「機甲兵装導入」を巡るあれやこれやの事件をめぐる贈収賄ルートを追及する沖津以下特捜部の部員たち。そして、城木の従兄、城州ホールディングス役員、城邑昭夫とその妹・毬絵との間で深く苦悩する理事官・城木の孤立した姿。3方の視点から描かれる謀略事件は、「動」なる事件と「静」なる事件を交互に描写しながら、この国を覆い尽くす「悪しきもの」の存在へと力業でアプローチしていきます。
また、タイトルが象徴する白骨街道へと連なる「インパール作戦」という歴史的なパースペクティブを天上から照射しながら、混乱の中にある「スー・チー政権」という「今」を差し出し、その中に映画的な軍事ロード・ノヴェルとも呼べるような視点から、月村了衛は、姿、ユーリ、ライザたちの血沸き肉躍る冒険行を充実の筆致で書き連ねていきます。「文句なし」のエンタメだと思います。(荒ぶる冒険の中、伏線もまたしっかりと回収されていますから、巧みなストーリー・テリングを堪能できます。)
影に怯える財務捜査官・仁礼、マーメイドを意味する「ミュアゲルト」をしなやかに駆使するライザ・ラードナー、ミャンマーの大地、密林、その「ミュアゲルト」の機体を叩く一向にやまない雨音。原初の旋律。毬絵の「京琴」のしらべの如き京都ことばが、聞こえるはずのない「ビルマの竪琴」の音色に変わる時、第二種機甲兵装による地獄の闘いが繰り広げられます。
ページ・ターナーでありながらも、時折、立ち止まって周りを見回した時、(「コロナ禍」によって暴露されたこの国の脆弱性に立ち返った時、)すべては「一瞬の敵」ではなく、「巨悪」とも呼べる"Constant Enemy"によって牛耳られたこの国のシステムを嫌悪し、憂うことにもなりました。私たちにできることがあるとすれば、それはユーリ・オズノフがいみじくも云った言葉だけなのでしょう。
何と言ったかは、本書を最後までじっくりとお読みください。