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開化鉄道探偵
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開化鉄道探偵の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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「明治維新」という時代は映画やテレビドラマ等でもよく取り上げられるテーマで、やはりいろんな意味で魅力的だからでしょう。鉄道をテーマにしたミステリーとの相性も良いし、探偵役が元八丁堀の同心というのも興味深くて面白い設定です。実在する歴史上の人物を織り交ぜてあることで真実味が増し、スイスイ読めてしまいました。 | ||||
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明治初頭の鉄道工事現場で起きつつある謎めいた事件を追うという長編ミステリ小説。2017年作品が文庫化されたものである。個人的に山本作品は初読。 主な登場人物は、もと八丁堀同心(江戸の町の警察機構ですね)で現在は素浪人である草壁氏と、新橋駅で働いている鉄道局技手見習の小野寺君。舞台は京都にほど近い(旧)逢坂山トンネル掘削現場。もうこの辺りで鉄道マニア兼ミステリファンたる読者(私のことだ)は食いつくわけであります。(旧)逢坂山トンネルといえば、日本の鉄道技術史に残る有名な工事。これを題材にするとは…。 さて、トンネル工事にからんだ不可解な事件や事故が頻発しているのを調査してほしいという依頼により二人は現地入りするわけだが、まず汽車で横浜まで行き、そこから汽船で神戸へ、さらに汽車で京都へ、というルート。そう、当時開通していた鉄道ルートは、ご存じのように新橋~横浜と、神戸~京都だけだったというわけ。もちろん東海道や中山道を歩いていくよりはこのほうが速い。このあたりでも鉄道マニアな読者は(以下同文)。 明治初期の交通網の状況から始まり、お雇い外国人の処遇、鉄道敷設に対する地元の賛成・反対問題、田舎の庶民と京都の花街の対比、政府予算やら薩長閥やらの確執などなど、(鉄道マニアならずとも)ああ日本史の授業の最後のほうでやったよなあ、という話があちこちにちりばめられていて、読みながらう~んなるほどと思うところ多数。 まあ、今どきホームズ&ワトソン体制なのかとか、メインのトリック自体がちょっとねえとか、後半がご都合主義な展開だとか、終幕での舞台づくりが陳腐すぎとか、いろいろ批評はあろうかと思いますが、これ、そもそも読み物として面白いです。鉄道マニアだったり、近代の歴史好きだったりすると、さらに楽しめることうけあいですね。 | ||||
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1879年頃の鉄道建設に絡むミステリです。 前半は、元八丁堀同心の長屋住まいのニート草壁、熱血工部省鉄道局長、東京から京都までの交通手段、建設現場で働いている人々など鉄道のトリビアを楽しめました。 草壁が逢坂山でいろいろ調べ始める辺りから、明治政府内部の薩長対立の話が出てきて風呂敷畳めるのかなと思っていたら意外な所から黒幕登場。真相解明のカタルシスはあまりないです。 トイレ掃除の衛生上の重要性を力説したり、人命救助のため夜中に臨時列車を走らせる外国人機関士カートライトが脇役ではいい味を出しています | ||||
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『大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう』シリーズで知られる著者は、実は鉄道会社に勤めているのだという。そうした背景を活かし、明治初期の鉄道建設現場で起こる事件を描いたのが本書となる。 元同心を探偵役に据えた長編ミステリで、捕物帖と近代ミステリのないまぜになった味わいが楽しい。 入り組んだプロットには仕掛けがあり、飽きさせない物語だ。ただ、ミステリとしての完成度はイマイチなのではないか。 事件現場となるのは、京都から大津へ抜ける逢坂山のトンネル工事。綿密な取材がなされており、いつも通っているあのあたりで、こんな難工事が進められたのかと感慨深かった。 | ||||
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日本の鉄道の黎明期、初の外国人技師なしでの鉄道トンネル開通に挑んでいる逢坂山の現場で、不審な事件が頻繁していた。 これを何者かによる妨害工作だと考えた鉄道局長の井上は、隠棲していた腕利きの元八丁堀同心の草壁を説得し、調査に当たってもらうこととした。 井上と共に現地に着いた草壁を待ち構えていたのは、現場近くの仮開業した駅から乗車した客が転落死したという凶報であり、しかもその客は工事を請け負っている会社の社員だった。 その後も続発する不審事象。犯人は誰か?そしてその狙いは? 科学的捜索手法のない時代であり、目撃者がいない状況で事件が起きたら、それは丸ごと謎となってしまう。アッと驚くトリックなどがあるわけではないが、そのような環境下において、情況と論理で謎解きを組み立てた手腕は見事。 ワトソン役の小野寺の人物像がやや単純なきらいはあるが、全体に人物造形はしっかりしている。 鉄道トンネル掘削現場の情況や鉄道敷設をめぐる当時の社会情勢なども描かれていて、その面でもなかなか読み応えがある。 | ||||
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京都と大津の間、と言われても私のような北海道の住人にはピンと来ないが、ウィキペディア情報によれば、「旧東海道線の、滋賀県大津市と京都市の間にある逢坂山に掘削された664.76mのトンネルで、1778年(明治10年)着工、外人技師の力を借りず日本人の力だけで2年弱で完成させた。」という。 このトンネル工事の過程でおきた工事妨害殺人事件=史実ではなかろうが=、本書のネタである。 本業が鉄道会社の社員であるという著者らしく、黎明期の鉄道事業(ハード、ソフト)そのものの記載に詳しい。 コアな鉄道ファンでない一般的な乗り物ファンにも、このへんの凝り様は嬉しい。 本書の主人公は、旧幕の縛吏(いまで言えば警察官)で、新政府の誘いを断って出仕せず市井の暮らしをしている元・八丁堀の辣腕同心、およびその助手を務める鉄道見習い技師で御家人の息子、という設定である。 なお、辣腕元同心の推理力と、幕末から明治初期にかけての時代活写が、本書の見どころだろう。 旧幕側と薩長の心理的反目、その薩長の内部反目も本書の背景になっている。 北海道に住んでいると分からないが、明治150年(明治元年は1868年)にあたる本年(平成30年)に至るも、完全には解消していないらしい。 【余談:尺貫法とフィート・ポンド法】 本書のなかで、寸法はメートル法、尺貫法(尺、間)、ヤード・ポンド法(フィート)の3種類で記載されている。 いまでも、尺貫法は建築モジュール(畳や建材の寸法など)に生きている。 そして、ここが面白いところだが1尺は30.303㎝、1フィートは30.48㎝であるから、尺とフィートは実用上は等しい。 先般、戦後ほどなく生産された国産クラシックカメラの対米輸出仕様を中古で手にいれたとき、距離計にフィート目盛りしかないので、一瞬、戸惑った。 しかし、すぐ尺貫法の尺と見做せばいいことに気が付いた。 畳の縦横が3尺×6尺、伝統武道で使う杖(ジョウ)や剣道の竹刀が4尺前後、10フィート(≒10尺)は3m、15フィート(尺)は4.5mで一般的な5ナンバーセダンの全長。 このへんが身体感覚でわかっていればフィート表示は何ら支障にならない。 また、航空ファンにもフィートは却ってメートル法より分かり易いだろう。 | ||||
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トンネル作りの現場で起きた不可解な事件の解決をするミステリーものですが、そんなに大きなトリックや要因があるわけでもなく、感動はありませんが、まあ鐡道に興味のある方には面白い作品でしょう。 | ||||
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登場人物の魅力は今一つ。 探偵も特徴ないし、ワトソン役はぼんくら。 探偵はずーっとカードは伏せたままで読者は置いてきぼり。 あっと驚くようなトリックどんでん返しもなし。 伏線もなく黒幕は出てくるし。 普通に警察が捜査すれば探偵いらなくね? 文明開化に反発する探偵と鉄道嫌いの登場人物絡みなんかもなかったし。 題材を料理し切れてない感じ。 キャラが今一で同じ探偵で続編とか作れるかどうかも微妙。 | ||||
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初めての作家の初めての作品でした。時は明治初期、鉄道が東海道沿線を繋がろうとする舞台は逢坂山のトンネル工事現場。次々と起こる事件は、事故か事件かそれを追う主人公とその助手。時代劇とミステリーが融合した非常に興味深い作品でした。他の作品も読んで見たくなります。 | ||||
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