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薩摩燃ゆ



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【この小説が収録されている参考書籍】
薩摩燃ゆ〔小学館文庫〕

薩摩燃ゆの評価: 4.40/5点 レビュー 5件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.40pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(5pt)

自分の生き方を問うことができる一冊

一途に将に尽くしたのに、子供を2人も殺され、最後は自分までとは、何と儚い人生。現世のサラリーマンや人間関係、また、経営者の方も信じてアプローチしてきたマーケットから市場変化に追いつかず、取り残されたパターンに相通じるところが満載であり、自分の生き方の選択に強烈に語りかけてくれた最高な一冊。
薩摩燃ゆ〔小学館文庫〕Amazon書評・レビュー:薩摩燃ゆ〔小学館文庫〕より
4094082093
No.4:
(4pt)

悪に手を染める財務省官僚といったところでしょうか?

宝暦治水でお世話になった薩摩藩の維新前のお話。
岐阜の人間なので無条件に薩摩の行うことを支持してしまいます。

デフォルト寸前というか、借金の250年ローンって…実質デフォルトしてますが、
藩命を受け悪に手を染める財務省官僚といったところでしょうか?
笑左衛門はひたすら借金を無くすためあらゆる悪事を行います。
関ヶ原以降のしたたかな薩摩らしさ?全開です。

切った切られたも山場も設けてないお話ですが、
“もう少し読んでしまおう”とついつい読み進むテンポの良さがあります。
薩摩燃ゆ〔小学館文庫〕Amazon書評・レビュー:薩摩燃ゆ〔小学館文庫〕より
4094082093
No.3:
(4pt)

廣郷が評価されたのは第二次大戦後だった。

脇坂昌宏著『国難を背負って幕末宰相ー安部正弘・堀田正睦・井伊直弼の軌跡』を読んでから薩摩藩家老職を務めた調所笑左衛門廣郷の話が出てきたことからこの本を読むことにした。
本書『薩摩燃ゆ』は、この調所笑左衛門を主人公にして、彼の薩摩藩立て直しに奔走した後半生を史実に辿って書かれた小説である。
小説であるから著者のイメージした笑左衛門を随所に書かれているから事実とは異なる部分もあることは否めない。
笑左衛門は、元藩主の老公「島津斉豪」の命を受けて藩財政の立て直しを始めるが、斉豪が亡くなった後も藩主「島津斉興」の元で辣腕を振るうことになる。
後継者を巡る長男島津斉彬とその異母弟島津久光による争いがお家騒動に発展すると、笑左衛門は、斉興・久光派に与する。
先に読んだ『国難を背負って』では、斉彬が残した手紙に、「一、笑吐血のこと・・・・・」との冷めた書き出しがあることからも、斉彬の心情が読み取れるのである。
が、本書では、著者の安部龍太郎氏は、笑左衛門が水面下では斉彬を擁立していたことにしている。
ま〜、小説だから著者自身の解釈で好いわけで、評者がこのことに苦言を呈しているわけではない。
500万両もの藩の借金を、大阪の商人「出雲屋孫兵衛」と図って5分の25万両返済で古証文を取り返し、250年賦で返済する下りは、多分事実もこのような展開であったと面白く読み進んだ。
250年賦など借金を踏み倒すのと同じようなものだから酷い仕打ちだと思うが、「無い袖は振れない」と笑左衛門が居直る姿が目に浮かぶようであった。
藩再生のため、多くの犠牲をも顧みず奔走しながらも矜持を失わず生涯を終えた笑左衛門の姿を描くことから、幕末前の日本を理解することも多くある労作であると評価したい。
薩摩燃ゆ〔小学館文庫〕Amazon書評・レビュー:薩摩燃ゆ〔小学館文庫〕より
4094082093
No.2:
(5pt)

犠牲なくして未来は開けないのか

-いつまでもかわらないこと-
広辞苑には「万古不易」の意味としてこのように掲載されています。
調所笑左衛門広郷
私はこの人物を知らなかったし、タイトルから「薩摩」のことが書いてある小説だろうとしか思わなかった。
薩摩島津家関連で小説に登場する主人公と言えば、島津義弘・斉彬・久光、西郷、大久保、大山巌、桐野利秋、東郷平八郎くらいが相場だ。
目次には「借金五百万両」「黒糖地獄」「唐物抜荷」…とただならぬ様子。
しかし読み進めるとエンディングまではあっという間だった。
主君重豪の命を受け、53歳で藩財政改革主任に抜擢されて73歳で自害するまで、多くの犠牲を払ってまで改革を推し進めたその「信念」と「忠孝」の心に感銘を受けた。広郷が「幕末から明治維新後の日本の歴史の基点の一つになっている」と言っても過言ではないような気がした。そして今、私たちは多くの犠牲の上に立っている、生かされていることを再確認した。
日本の歴史を顧みて、今日までの多くの犠牲を無駄にしてはならないとこの本を読み終えて改めて思った。
薩摩燃ゆ〔小学館文庫〕Amazon書評・レビュー:薩摩燃ゆ〔小学館文庫〕より
4094082093
No.1:
(4pt)

あっぱれ 調所笑左衛門広郷こそ万古不易の人物だ

こんな人物がいたのか!彼なくせば、明治維新はなかった! 彼を知れたことに、とてつもない満足がある。彼は、財政改革を断行する。そのためには、悪にも手を染め、贋金作り、密貿易さえ厭わない。同時に、人材も発掘し、西郷、大久保を見出す。藩主重豪(しげひで)の命令=「万古不易の備え」に命をかけて挑む。斉興(なりおき=重豪の子)にふたりまでも子どもを殺害される。それでも改革の炎は消さない。意外だったのは、英明の誉れ高き斉彬(なりあきら=斉興の子)。斉彬こそ、私は明治薩摩の恩人だと思っていたので、動揺した。最後に、では、どうして、☆が5つではないのか? それは、エンディングが不満だから。あまりにもむごく、あまりにも唐突に、作家は彼を殺した。彼の最期に、もっとふさわしい場を用意できなかったのか? 読者としての抗議で、☆は4つにした。
薩摩燃ゆ〔小学館文庫〕Amazon書評・レビュー:薩摩燃ゆ〔小学館文庫〕より
4094082093

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