夏の闇

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評判

夏の闇の評価:

4.50/5点 レビュー 52件。 A ランク

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平均点4.50pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全100件 61〜80 4/5ページ
No.40
(4pt)

羞恥心から開放されて・・・・・

「著者開高健の最高傑作!」とよくいわれる1冊である。が、私は決してそうは思わない。むしろ「オーパ!」のような釣り紀行のほうがはるかに清清しく、文章もすばらしい。

 本書は、ヴェトナム戦争でトラウム状況に陥ってしまった哀れ小説家と、愛人女性との初老の恋の物語である。羞恥心から開放された二人の哀れ破廉恥痴話げんか夜話である。

 「あちらのこちら」の話が出てくるまでは、本書の舞台がJR新大久保駅前の飲み屋街の一角にある安下宿の一室のことかいな、と思っていた。そうではなかった、吃驚! 「あちら」は、東ドイツであり、「あちらのこちら」は「西ベルリン」だったのだ。道理であのシュタインコップ先生が登場するし、その愛人秘書君も出てくるんだナ。
夏の闇 (1972年) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (1972年)より
B000J95UVQ
No.39
(4pt)

羞恥心から開放されて・・・・・

「著者開高健の最高傑作!」とよくいわれる1冊である。が、私は決してそうは思わない。むしろ「オーパ!」のような釣り紀行のほうがはるかに清清しく、文章もすばらしい。

 本書は、ヴェトナム戦争でトラウム状況に陥ってしまった哀れ小説家と、愛人女性との初老の恋の物語である。羞恥心から開放された二人の哀れ破廉恥痴話げんか夜話である。

 「あちらのこちら」の話が出てくるまでは、本書の舞台がJR新大久保駅前の飲み屋街の一角にある安下宿の一室のことかいな、と思っていた。そうではなかった、吃驚! 「あちら」は、東ドイツであり、「あちらのこちら」は「西ベルリン」だったのだ。道理であのシュタインコップ先生が登場するし、その愛人秘書君も出てくるんだナ。
夏の闇 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (新潮文庫)より
4101128103
No.38
(5pt)

人間の奥底をさらけ出す作品

本作はベトナム戦争を舞台とする「輝ける闇」の主人公と同一人物と思われる男が、再度主人公となる続編といってもよい作品だ。男はベトナムに従軍した後に現在は欧州のとある国で一日の大半を寝て過ごすような虚無的な生活を過ごしているが、そんな男のもとに10年前につきあって別れた女が現れる。二人とも40前後だろうか、異国で落ち合った二人は一夏を共に過ごすことになる。

このように書くと少しはノスタルジックで甘い男女の交情が描かれるかと思うが、全くそうはならない。男は自分も他人も愛することができない人間(あるいは自分を愛せないが故に他人を愛せない人間)で、自分と他人を冷静に観察することはできるが、他人と気持ちを通わせるといったことができず、「人格剥離」と呼んでいる動くことも話すこともできない無気力的な症状に突然陥る発作に悩まされている。従って、男は女が異国で苦労してきた孤独や怒りや苦しみを感知することはできても、観察するのみで共感したり慰めの手を差し伸べることは出来ないし、しようとはしないのである。

この男のどこまでが開高自身なのかはわからないが、少なからず投影されている気がする。人間の感情の奥底を精密に描いてこれでもかとさらけ出すこの作品には、読者を圧倒する力がある。
夏の闇 (1972年) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (1972年)より
B000J95UVQ
No.37
(5pt)

人間の奥底をさらけ出す作品

本作はベトナム戦争を舞台とする「輝ける闇」の主人公と同一人物と思われる男が、再度主人公となる続編といってもよい作品だ。男はベトナムに従軍した後に現在は欧州のとある国で一日の大半を寝て過ごすような虚無的な生活を過ごしているが、そんな男のもとに10年前につきあって別れた女が現れる。二人とも40前後だろうか、異国で落ち合った二人は一夏を共に過ごすことになる。

このように書くと少しはノスタルジックで甘い男女の交情が描かれるかと思うが、全くそうはならない。男は自分も他人も愛することができない人間(あるいは自分を愛せないが故に他人を愛せない人間)で、自分と他人を冷静に観察することはできるが、他人と気持ちを通わせるといったことができず、「人格剥離」と呼んでいる動くことも話すこともできない無気力的な症状に突然陥る発作に悩まされている。従って、男は女が異国で苦労してきた孤独や怒りや苦しみを感知することはできても、観察するのみで共感したり慰めの手を差し伸べることは出来ないし、しようとはしないのである。

この男のどこまでが開高自身なのかはわからないが、少なからず投影されている気がする。人間の感情の奥底を精密に描いてこれでもかとさらけ出すこの作品には、読者を圧倒する力がある。
夏の闇 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (新潮文庫)より
4101128103
No.36
(5pt)

ぜひセットで…

この作品は、先の輝ける闇 (新潮文庫)と、後の「花終わる闇」をもって3部作として構想されたが、3作目は未完に終わった。

それというのも、前2作があまりにも親密に呼応しあってるからではないかと、この2作を立て続けに読んだ後、痛感した。

この2作は、様々な面で見事な対照をなしているけれども、びっくりするくらい似てもいる。

時系列的には、「輝ける闇」から「夏の闇」につながるが、どちらを先に読んでも構わないと思う。

それは、陰と陽がお互いを追い求めながら永遠に回転する様を思わせる。

おそらく、作家が執筆中には意図していなかったことが、どこかで起こった。

この作品のエンディングで、東西をくぐり抜ける環状線の描写があるが、これは当初から計算されていた結末というより、作家が切り拓いた道を振り返る事で見えた情景だと思う。

この2作の凄い所は、どちらか一方だけを読んでも、十分な感銘を与えてくれる事だ。

3作目は、この2作に切り込みを入れ、交わるものとなったはずだが、それが果たせなかったのも、さもありなん、と思う。

読み切るのは楽ではないけれど、充分過ぎる位の見返りがあります。

ぜひセットで読んでみて下さい、お薦めです。
夏の闇 (1972年) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (1972年)より
B000J95UVQ
No.35
(5pt)

ぜひセットで…

この作品は、先の輝ける闇 (新潮文庫)と、後の「花終わる闇」をもって3部作として構想されたが、3作目は未完に終わった。

それというのも、前2作があまりにも親密に呼応しあってるからではないかと、この2作を立て続けに読んだ後、痛感した。

この2作は、様々な面で見事な対照をなしているけれども、びっくりするくらい似てもいる。

時系列的には、「輝ける闇」から「夏の闇」につながるが、どちらを先に読んでも構わないと思う。

それは、陰と陽がお互いを追い求めながら永遠に回転する様を思わせる。

おそらく、作家が執筆中には意図していなかったことが、どこかで起こった。

この作品のエンディングで、東西をくぐり抜ける環状線の描写があるが、これは当初から計算されていた結末というより、作家が切り拓いた道を振り返る事で見えた情景だと思う。

この2作の凄い所は、どちらか一方だけを読んでも、十分な感銘を与えてくれる事だ。

3作目は、この2作に切り込みを入れ、交わるものとなったはずだが、それが果たせなかったのも、さもありなん、と思う。

読み切るのは楽ではないけれど、充分過ぎる位の見返りがあります。

ぜひセットで読んでみて下さい、お薦めです。
夏の闇 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (新潮文庫)より
4101128103
No.34
(3pt)

時代は常に変わっている

・・たった今し方「名作」と誉れ高い本書を読み終えたところだ・・・
正直に書こう、全編に漂う言いようの無い「やるせなさ」「よるべなさ」とでも言えるであろうか・・一言「退屈」だった・・・
開高の時代は、既に終わっている。時代は常に「変化」しており、「怠惰」を生きる生きられる「時代」では最早ないのである。これからは、「漂白」の時代になるのではないだろうか・・・
深刻な「リストラ」相次ぐ「自殺」卑劣極まりない「殺人」潜伏する「偽装」横行する「詐欺」・・ETC。
開高は後に、自ら行き詰まる「文学」から足を洗い「フィッシュ・オン」へと変貌する・・その「中間点」が、本書ではないだろうか・・そう思えてならない・・謂わば、蝶へ脱皮する前の蛹の状態(段階)が本書ではないだろうか。まあ折り返し地点に位置する意味では、本書は「重要」な作品ではあると思う。
だが、遅れてきた一開高ファンとしては今度は開高が晩年に残した「珠玉」を読んで、それを改めて確かめたいと思っている。
夏の闇 (1972年) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (1972年)より
B000J95UVQ
No.33
(3pt)

時代は常に変わっている

・・たった今し方「名作」と誉れ高い本書を読み終えたところだ・・・
正直に書こう、全編に漂う言いようの無い「やるせなさ」「よるべなさ」とでも言えるであろうか・・一言「退屈」だった・・・
開高の時代は、既に終わっている。時代は常に「変化」しており、「怠惰」を生きる生きられる「時代」では最早ないのである。これからは、「漂白」の時代になるのではないだろうか・・・
深刻な「リストラ」相次ぐ「自殺」卑劣極まりない「殺人」潜伏する「偽装」横行する「詐欺」・・ETC。
開高は後に、自ら行き詰まる「文学」から足を洗い「フィッシュ・オン」へと変貌する・・その「中間点」が、本書ではないだろうか・・そう思えてならない・・謂わば、蝶へ脱皮する前の蛹の状態(段階)が本書ではないだろうか。まあ折り返し地点に位置する意味では、本書は「重要」な作品ではあると思う。
だが、遅れてきた一開高ファンとしては今度は開高が晩年に残した「珠玉」を読んで、それを改めて確かめたいと思っている。
夏の闇 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (新潮文庫)より
4101128103
No.32
(5pt)

「当時の男」と「普遍的な女」と

ベトナム戦争が行われていた頃に、進歩的文化人が現れて、人ごとに「お前は何もしなくていいのか」と叫びまくった。国中がベトナム戦争への個人の対応を巡ってヒートアップしていた。全人類的な言い方で、人々に「反米運動」をせまっていた。他国の戦争に。いまはどうか、イラクは?アフガンは?パレスチナは?
 ベトナムでの取材を経て無気力になった?目の前で人が殺されるのを見てくれば、それは衝撃かもしてない。しかし、それは普遍的な衝撃なんだろうか?
 この作品がすぐれているのは、圧倒的な日本語の表現力に尽きると思う。素晴らしいと思う。かれがもう一度ベトナムを目指すのは、正義感、義務感というものではない。血の流れる現場か阿片の現場にしか実存し得ないかれの精神構造からだ。「当時の男」と「普遍的な女」が同一時制で、かみあう筈もないのだ。
夏の闇 (1972年) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (1972年)より
B000J95UVQ
No.31
(5pt)

「当時の男」と「普遍的な女」と

ベトナム戦争が行われていた頃に、進歩的文化人が現れて、人ごとに「お前は何もしなくていいのか」と叫びまくった。国中がベトナム戦争への個人の対応を巡ってヒートアップしていた。全人類的な言い方で、人々に「反米運動」をせまっていた。他国の戦争に。いまはどうか、イラクは?アフガンは?パレスチナは?
 ベトナムでの取材を経て無気力になった?目の前で人が殺されるのを見てくれば、それは衝撃かもしてない。しかし、それは普遍的な衝撃なんだろうか?
 この作品がすぐれているのは、圧倒的な日本語の表現力に尽きると思う。素晴らしいと思う。かれがもう一度ベトナムを目指すのは、正義感、義務感というものではない。血の流れる現場か阿片の現場にしか実存し得ないかれの精神構造からだ。「当時の男」と「普遍的な女」が同一時制で、かみあう筈もないのだ。
夏の闇 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (新潮文庫)より
4101128103
No.30
(5pt)

「輝ける闇」と「夏の闇」。開高健の代表作はこの2作だと思う。

もちろん、この「夏の闇」だけ読んでも素晴らしい作品であることに変りはないが、やはり「輝ける闇」を読んでから読むべき一冊だろうと思う。

主人公の「私」は何故怠惰な生活を送るのか、沈殿してしまうのか、絶望しているのか、そんな自分を嫌悪しながらもそこから抜け出そうとしないのか。そして、何故ベトナムに戻ることを決めたのか。その理由が、彼のベトナム戦争での経験にあるのは「夏の闇」でも触れられているが、経験そのものを作品化したのが「輝ける闇」だからだ。

「夏の闇」を読んでから「輝ける闇」を読み“だから「私」はこんな生活を送るようになったのか”と感じるよりも、“「私」がこんな生活を送ることになった必然性を理解したうえ”で、この作品を読む方が、より「私=開高健」の闇を感じることができるように思える。

開高健の文体は力強く男臭い。文章から開高の体臭が漂ってきそうだ。

この作品の舞台はドイツである。著者が、南北ベトナムに対する東西ドイツという意味でそうしたと勝手に推測しているのだが、わたしが勝手に抱くドイツからイメージされる色の「灰色」、そして、どんよりとした灰色の空。そんなイメージを抱く舞台で、心の闇を抱えた男と女の生活が濃密な文体で描かれるこの作品、読み終わった後の疲労感はかなりのものだ。

わたしが最も繰り返し読んだ著者の作品は「オーパ!」だが、やはり彼の代表作は「輝ける闇」と「夏の闇」。この2作だと思う。
夏の闇 (1972年) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (1972年)より
B000J95UVQ
No.29
(5pt)

「輝ける闇」と「夏の闇」。開高健の代表作はこの2作だと思う。

もちろん、この「夏の闇」だけ読んでも素晴らしい作品であることに変りはないが、やはり「輝ける闇」を読んでから読むべき一冊だろうと思う。

主人公の「私」は何故怠惰な生活を送るのか、沈殿してしまうのか、絶望しているのか、そんな自分を嫌悪しながらもそこから抜け出そうとしないのか。そして、何故ベトナムに戻ることを決めたのか。その理由が、彼のベトナム戦争での経験にあるのは「夏の闇」でも触れられているが、経験そのものを作品化したのが「輝ける闇」だからだ。

「夏の闇」を読んでから「輝ける闇」を読み“だから「私」はこんな生活を送るようになったのか”と感じるよりも、“「私」がこんな生活を送ることになった必然性を理解したうえ”で、この作品を読む方が、より「私=開高健」の闇を感じることができるように思える。

開高健の文体は力強く男臭い。文章から開高の体臭が漂ってきそうだ。

この作品の舞台はドイツである。著者が、南北ベトナムに対する東西ドイツという意味でそうしたと勝手に推測しているのだが、わたしが勝手に抱くドイツからイメージされる色の「灰色」、そして、どんよりとした灰色の空。そんなイメージを抱く舞台で、心の闇を抱えた男と女の生活が濃密な文体で描かれるこの作品、読み終わった後の疲労感はかなりのものだ。

わたしが最も繰り返し読んだ著者の作品は「オーパ!」だが、やはり彼の代表作は「輝ける闇」と「夏の闇」。この2作だと思う。
夏の闇 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (新潮文庫)より
4101128103
No.28
(5pt)

読んでおくべき本の一つ

開高先生の著書は、読んでおくべき本だと思っている。私も先生の著書を片っ端から読んで読んで読み漁った経験がある。
とにかく先生の描く世界にどっぷりとはまり、抜け出すためにまた読むといったことを繰り返していた。
私は迷った時に開高先生の本を手に取り、また池波正太郎先生の本を手に取るなど、両先生に何度も慰められたり、励まされたりしている。
自分自身の経験から息子にも読ませるために開高先生の全集を目に付くところに置いている。
夏の闇 (1972年) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (1972年)より
B000J95UVQ
No.27
(5pt)

読んでおくべき本の一つ

開高先生の著書は、読んでおくべき本だと思っている。私も先生の著書を片っ端から読んで読んで読み漁った経験がある。
とにかく先生の描く世界にどっぷりとはまり、抜け出すためにまた読むといったことを繰り返していた。
私は迷った時に開高先生の本を手に取り、また池波正太郎先生の本を手に取るなど、両先生に何度も慰められたり、励まされたりしている。
自分自身の経験から息子にも読ませるために開高先生の全集を目に付くところに置いている。
夏の闇 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (新潮文庫)より
4101128103
No.26
(5pt)

それでも、人間は生きる。

私小説は書かないと公言し、寓話小説を書き続けた開高健。

しかし、ベトナム戦争の現場で衝撃を受け私小説を書き始めた。

この本はより私小説としての色が濃厚になった「輝ける闇」の連作である。

「夏の闇」で特筆すべきは、選び抜かれ洗練された言葉と

鋭く真理を突いたストーリー。

恋愛小説として語られる事もあるが、恋愛も人生の一部と

捉えるのであれば、私はそれに反対しない。

醜い部分はオブラートに包まれがちなものであり、

「恋愛」のそれを剥がすと非情な真理が現れるのである。

それを目にしたときの衝撃は、計り知れない。

前作を読まずとも入り込めるので、

この素晴らしい言葉と真理の結晶を是非手にとって頂きたい。

間違いなく、日本文学の最高峰のひとつと言える傑作である。

私はもっと若いうちに手にしておけばと後悔している。
夏の闇 (1972年) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (1972年)より
B000J95UVQ
No.25
(5pt)

それでも、人間は生きる。

私小説は書かないと公言し、寓話小説を書き続けた開高健。

しかし、ベトナム戦争の現場で衝撃を受け私小説を書き始めた。

この本はより私小説としての色が濃厚になった「輝ける闇」の連作である。

「夏の闇」で特筆すべきは、選び抜かれ洗練された言葉と

鋭く真理を突いたストーリー。

恋愛小説として語られる事もあるが、恋愛も人生の一部と

捉えるのであれば、私はそれに反対しない。

醜い部分はオブラートに包まれがちなものであり、

「恋愛」のそれを剥がすと非情な真理が現れるのである。

それを目にしたときの衝撃は、計り知れない。

前作を読まずとも入り込めるので、

この素晴らしい言葉と真理の結晶を是非手にとって頂きたい。

間違いなく、日本文学の最高峰のひとつと言える傑作である。

私はもっと若いうちに手にしておけばと後悔している。
夏の闇 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (新潮文庫)より
4101128103
No.24
(4pt)

優れた文体。研ぎ澄まされた文章。

研ぎ澄まされた文章で男の闇が描かれている。傑作小説である。ここまで冷徹なまるで日本刀のような文章に出会ったことはない。物語は男の心情の吐露が続くが、その感情表現がすばらしい。すばらしいから物語を凌駕している。日本語のある到達点といっても過言ではない。
夏の闇 (1972年) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (1972年)より
B000J95UVQ
No.23
(4pt)

優れた文体。研ぎ澄まされた文章。

研ぎ澄まされた文章で男の闇が描かれている。傑作小説である。ここまで冷徹なまるで日本刀のような文章に出会ったことはない。物語は男の心情の吐露が続くが、その感情表現がすばらしい。すばらしいから物語を凌駕している。日本語のある到達点といっても過言ではない。
夏の闇 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (新潮文庫)より
4101128103
No.22
(5pt)

闇に住んだ人

開高健は、豪放磊落のマスクの陰にこのような闇を抱えていた。ベトナム従軍によってその本質的な資質をより強く自覚したであろう作家は、この代表作以後は、わずかの優れた短編を残した以外は、繰り返しの多いエッセイや釣り旅行記のようなものを書き散らすばかりだった。痛ましいことだ。本心では、この深い闇から遠ざかりたかったのであろうが、作家としての精神がそれを許さなかった。しかし、本作が作家の到達した最高峰の小説作品となった。作品中、雨のパリや、夏のドイツの描写は実に的確である。釣りのシーンも、個人的には他の小説、エッセイ中のものより、本作中のパイク(ドイツ語ではヘヒト)釣りが一番好きだ。小生、新潮社版の『開高健全作品』も所有しているが、この作品は、文庫を読み破る度に買い換えて常備している。いつも旅先で読むためである。作家への愛惜と尊敬の念をこめて、合掌。
夏の闇 (1972年) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (1972年)より
B000J95UVQ
No.21
(5pt)

闇に住んだ人

開高健は、豪放磊落のマスクの陰にこのような闇を抱えていた。ベトナム従軍によってその本質的な資質をより強く自覚したであろう作家は、この代表作以後は、わずかの優れた短編を残した以外は、繰り返しの多いエッセイや釣り旅行記のようなものを書き散らすばかりだった。痛ましいことだ。本心では、この深い闇から遠ざかりたかったのであろうが、作家としての精神がそれを許さなかった。しかし、本作が作家の到達した最高峰の小説作品となった。作品中、雨のパリや、夏のドイツの描写は実に的確である。釣りのシーンも、個人的には他の小説、エッセイ中のものより、本作中のパイク(ドイツ語ではヘヒト)釣りが一番好きだ。小生、新潮社版の『開高健全作品』も所有しているが、この作品は、文庫を読み破る度に買い換えて常備している。いつも旅先で読むためである。作家への愛惜と尊敬の念をこめて、合掌。
夏の闇 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 夏の闇 (新潮文庫)より
4101128103