刑罰
評判
刑罰の評価:
4.25/5点 レビュー 12件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21〜23 2/2ページ
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
刑罰の評価:
4.25/5点 レビュー 12件。 B ランク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
現在、短編小説における私的ベスト作家は、このシーラッハである。補足するなら作家の本業は弁護士である。さらに言えば、ナチ党指導者の一人ギョール・フォン・シーラッハの孫である。この出自が作品や仕事に影響を与えているかどうかは、全くわからない。読者としては無視してよいし、弁護士として、また作家としての彼の人生を想像してもよいだろう。
ともかくぼくは、彼の新刊が出る度、作品世界に導かれるのが待ち遠しく、一作一作を、ページ毎、否、一行毎に、味わってゆく。短く端的に出現してゆく文章。そこに描かれた個性的な人間模様。それらを読んでゆく時間は、いつもとても貴重で、代え難い体験となってゆく。そう。読書の充実を、短い短編の中で感じ取ることができる、その希少な手腕こそが、この作家の魅力である。
作家が、ドイツの裁判を通して関わってきた実際の事件に材を取り、普通の人間が人生を思いのままにならず、巻き込まれたり、逆に誰かを巻き込んでゆく様子を、小説として綴る。俗にいう法廷ミステリではなく、犯罪を犯したり巻き込まれたりする人間の悲喜劇を、ある距離を置いた特別な視点で描いてゆくものである。
本書は『刑罰』というタイトルなので、それを念頭に各短編を楽しんだのだが、後で本についている帯を見ると、「罰を与えられれば、赦されたかもしれないのに」「刑罰を課されなかった罪の真相」とあり、ああ、すべての主人公は法律上の刑罰を与えられていなかったのだ、と後から気づかされた次第。
どこかアイロニーに満ちた人間ドラマに満ちた作品集、と思いつつ読み終えたものの、そういうテーマで統一されていたとは気づかなかった。振り返れば、なるほどと思うことばかりである。法廷で本来与えられる刑罰を様々な理由から受けることなく、よって収監されることもなく、日常が続く。しかしその日常は、それまでと同じものではない。衝撃と驚きに満ちた結末が待つ、完全性の高い作品ばかりである。
一ダースの物語。それでいて凡百の長編作品を軽く凌駕してしまう一冊。濃密な圧力を秘めた10ページ余のそれぞれの小説。この一冊の本による不思議体験を味わいたい方は、是非、手に取って頂きたいと思う。シーラッハ未読の方は、本書に限らず是非彼の本を体験して頂きたいと思う。小説とは量ではなく質である。そんんなことが、今までよりずっと明確になることだろう。