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(短編集)

あなたの愛人の名前は



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【この小説が収録されている参考書籍】
あなたの愛人の名前は (単行本)

あなたの愛人の名前はの評価: 3.92/5点 レビュー 12件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.92pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(4pt)

男女の気持ちの違いがよく描かれている

『あなたは知らない』『俺だけが知らない』の2つの話が繋がっていて良かったです。このような恋愛をしたことがある人でないと共感できないとは思います。(わたしは大共感です!)男女の気持ちの違い、心理描写がリアルに描かれていて切ない気持ちになりました。
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No.11:
(2pt)

弱い人たちの諦め

短いし、さらっと読める作品でした。
ただ、はまらない。文章を読んでいてもそのそばから読んだ言葉が抜け落ちる感じで、あまり響かなかった。
パートナー以外の人に関係を求めてしまう脆さみたいなものが共通項として各作品にあるだけで、なんだか消化不良な作品でします。
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No.10:
(4pt)

その昔 あなたのことが 大好きで そして今では 嫌いになった

タイトルの与えるインパクトが強く、タイトルだけで「不倫モノはちょっと」と敬遠する人も少なくはなさそうな作品。しかし内容は、まるで友達のようになってしまった夫を持つ女性のエゴイズム、自身の母から蔑ろにされた経験を自分が母になることをきっかけにフラッシュバックしてしまう女性、客観的に「間違いはない」婚約者よりも本能で好きだと思えた男性と浮気してしまう女性など、女性の内面の機微に寄り添った話が多く収録されていました。

その中でも、対になっている「あなたは知らない」「俺だけが知らない」が良かったです。好意があるのは分かるけど自分と同じくらい想ってくれているかまでは推し量れない、上手くいきそうでいかない胸がぎゅっとなる感覚にさせてくれるのがザ・島本理生作品!という感じで、私はとても好きでした。この切なさを味わいたくて、このニ編はまた読み返すと思います。

客観的に見て幸せそうに見える人たちにも人知れず抱えている悩みや葛藤がある、というテーマの短編小説でした。
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No.9:
(5pt)

ちょっぴり不思議な連作短編集

冒頭の「足跡」の治療院には、心の中でギョッとしたが、まぁ、お話なのだからと読み進める。
第一話と第二話がニアミスみたいな感じでつながっており、第三話と第四話が話し手を替えた手法で繋がっている。そして、第五話と第六話がほんの少し関わり合っているという感じだろうか。第四話の終わりに出てきた10万円が、第六話で大きな役割を果たすことになる。ちょっぴり不思議な連作短編集という感じだ。
筆者の中では、それぞれの登場人物のキャラクターは確立しているのだろう。読み進めていくにつれ、その一人一人が際立ってくるのである。その中でも、第五話から登場する絵未が、いい雰囲気を醸し出している。黒田との出会いが、彼女を再生へと導いていく。恋の力でゆっくりと立ち直っていく様子が心に沁みる。
そうだ。どの話も夫婦や恋人や家族、その関係に傷つき、そこから再生していく物語なのだ。この作家の根底に流れているのは、そうした問題意識とともに、人間に対する優しさ、傷ついても乗り越えていける、人間の強さへの信頼なのではないだろうか。
読み終わって、とても清々しい、幸せな気持ちで本を閉じることができた。
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No.8:
(4pt)

一気に読むと

読み終わったところです。
再び生きる、という言葉が浮かんでいます。
人に傷つけられ、人に暖かな温もりを与えられ。

余韻にひたれる最後です。
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No.7:
(5pt)

本の世界に引き込まれました。

初めて島本理生さんの本を読みました。
六つのお話が入っていて、読みやすく、とても面白かったです。短い話ですが、本の世界に引き込まれました。
島本さんの他の本もぜひ読みたいと思っています。
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No.6:
(4pt)

満たされているようで、どこか満たされていない心情がうまく描かれていた

満たされているようで、どこか満たされていない。そんな男女の心情が事細かに描かれていて読み応えがあった。

「あなたは知らない」と「俺だけが知らない」では、すれ違う男女をそれぞれの視点で描いた話で、どんな結末になるかハラハラしながら読んだ。

他の物語も独立した短編ではなくて、次の話で前の登場人物の話が出てきたりして、物語のその後が語られていたのもよかった。

個人的には小さな料理屋をやっている黒田の一本木なところが好きだった。
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No.5:
(4pt)

愛って何だろう。

この本に出てくる人物たちは、パートナー以外に愛を求めざるをえない、どこか人間特有のもろさというか、不安定感のようなものを抱えています。不倫、愛人という単語を聞くと自分とは関係のないことと考える人もいると思いますが、生活の中で生まれる隙間、余白の中にどうしようもないものを抱えて一線を越えてしまう人もいる。そんな人たちは決して特別な人ではなくて、自分を認めてほしい、愛されたいと願うどこにでもいる普通の人だったりする。そんな怖さというか、リアリティーを感じました。
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No.4:
(4pt)

もう一度じっくり読みたいと思わせるのはさすが…

直木賞取ったファーストラブの作者。ファーストラブも不思議な雰囲気の文章なのだが、この短編集も実世界ではこのような事が行われているのだろうなぁ…という範囲内での男女関係が不思議な雰囲気で描かれている。そのため感情移入はしやすい。男の気持ちはよくわかるし、ああ女性はこんな場合こんな事を考えているのか…というような事も考えながら読み進めるので、あっという間に読み終わったが、終わってもすっきりせずに余韻を残している。

人生というのは死んだら終わりだが、結婚や出産や浮気や不倫…というような日常はそれが終わってもずっと人生は続いているわけで、小説や映画や舞台のように、はいこれでおしまい~というわけにはいかないのだ。そう言う意味ではこの本はとてもいい本で、もう一度じっくり読み直してみたいと思わせる。やはり直木賞取るのだから只者ではないという事だろう。

なんかコンビニ人間といい、自分の身の回りに実在しそうな人物や事件トラブルを描く方が、臨場感持って読めるから感情も移入しやすいという事なんだろうな。
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No.3:
(3pt)

世間体の崩壊の危険がないレベルの話。

短編集の中で興味を引いたのは、はじめの『足跡』。
治療院と言っても、タオマッサージみたいな性感治療マッサージではない。紹介制の「女性向け風俗」の設定。
快楽が受ける側の内面から深く描かれる訳ではない、想像範囲内の行為が曖昧に軽く描かれ、
あとは読者の経験に基づく想像にお任せ、といったところか。
相性が『手が触れた瞬間に分かった』のくだり、これは昔の花村萬月氏のエッセイに描かれていたこと。
だから新鮮味はない(『あなたは知らない』の『月が綺麗です』も、私も使い古されたネタだと思った)。
年齢もあるのか、自らの肉体的経験を削るより、内面描写をテクニックで読ませるタイプの作家さんなのかな?
『罪悪感』初婚の倦怠期主婦にはこの程度の冒険が限界か?の話。私は真白が『壊れてる』とは思わなかったけど。
追記:私は真白側で、既に壊れてしまった部類の人間なのかもしれない。
だから創作恋愛には、経験したら危険で引き返せない、破滅ぎりぎりの深さ、谷崎のような世界を求めているような。

他の作品も他のレビューの方と同じく、私もサラリと読みました。
「人と違って私の人生はドラマティック」の自意識過剰は、実は淡々と危険を伴わない誰にもありがちな日常・恋。
破滅の匂いはしない、思い当たるような作り事、安心の保証の中で共感できれば、この本を楽しめます。
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No.2:
(3pt)

概ね楽しく読んだ・ネタバレあります

…が、1話目で、つい、他の作家さんの本を連想してしまい、「ん~…?」という微妙な感触のまま読み進んでしまった

「月が綺麗ですね」がアイラヴユーってのは…それは「意味」じゃなくて「そういうセンスのある『訳』をした人がいる」って話で、「意味」って言うには違和感ある気が…意味というよりトリビア?
明るく締めてるんで読後はいいが、少々安直な気も
さらっと読んで今楽しんで、あっさり忘れる感じだった
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No.1:
(5pt)

幸せに見えていても、満たされているとは限らない

6篇からなる短編集である。

そのうちの一篇に「足跡」というタイトルのものがある。

「旦那さん以外に抱かれたいと思ったことはないの?」という聞き捨てならない質問から始まる話で、女性が主人公。

とあるきっかけから、自分の中に「満たされていない」部分があるということに気がつく女。

この話の中では、舞台が、「既婚者しか通うことができない治療院」が舞台になっているので、「現実にはそんなところねーよ」と思うかもしれないが、これは単なるメタファーなのだと思う。

ポイントは、“たまたま”知人から紹介された治療院というところ。

たまたま訪れた雑貨店で、たまたま訪れたスーパーで、たまたま乗っていた電車の中で、たまたま同僚と意気投合し...

それは、どこであろうと“きっかけ”にすぎない。

その些細なきっかけにより「自分の中にある満たされなさ」を知り、気がついた時には.....。というところがこの話のポイントになっている。

一見して、「幸せそうに見えるあの人が、不貞をするなんて!」と世間はいうかもしれない。

しかし、その「満たされなさ」は本人にしか分からない。いや、本人すらも気づいていなかった、もしくは「気がつかないふり」をしていたのだから。

だから「浮気はよくないよ!けしからん!」と頭ごなしに否定する人には、この本は合わないだろう。

むしろ、登場人物たちの感情の機微や、その危うさを味わうところにこの手の作品の楽しみ方があるのだ。

はたまた、別の一篇では、「遊びから始まる恋」の末路を描いていたり。
遊びが故に、本音を伝えられない辛さをリアルに描いて見せている点はさすがである。

本音が言えないからこそ、自分の気持ちに気がつかないふりをしている人もいれば、気づきながらも気づいているからこそ、決定的ににすれ違う人々もいる。

センシティブでもあり、読後は心地よい希望もほんのり醸してくれる稀有な作品ではないだろうか。

私はまず一気に通読しましたが、すこし時間をおいて、夜長にウイスキーでも飲みながら再度少しずつ読み進めていきたい作品です。
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