熱帯

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評判

熱帯の評価:

3.35/5点 レビュー 103件。 D ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.35pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全103件 101〜103 6/6ページ
No.3
(2pt)

見つからない出口,もしくは入り口にぐったり

読んでいる途中に失くなり,多くが存在を知らず,読み終えられないとされる本を巡る奇譚.

ただ,森見さん自身が一登場人物として現れ,日常の中からそのことを思い出したり,
長かったスランプや過去の勤め先など,氏の『個人的な部分』が普通に語られる様子は,
好き嫌いの問題だとは思いますが,『現実感』が強すぎて物語の中へと入っていきづらく,
最後も氏の名前が出てきた瞬間,一気に引き戻され,スーッと冷めてしまうのを感じました.

また,重要な一冊となる『千一夜物語』を意識した,回想に回想を重ねる入れ子構造は,
少しずつその境目がぼやけ,何を読んでいるのかと狙い通りに惑わされてはいくのですが,
気が付けば海洋冒険譚となり,京都をはじめ現世(?)との繋がりを交える展開になじめず,
それが狙いなのでしょうが,作中の人物らと同じく出口,もしくは入り口を求めてぐるぐる….

そのため,この世の全ては物語であり,それぞれがその書き手でもあり,読み手でもあり,
物語は決して終わらず,続くという,ありきたりの解釈しか浮かばなかったのが残念でした.
熱帯 Amazon書評・レビュー: 熱帯より
4163907572
No.2
(5pt)

森見版「果てしない物語」

その昔、他ならないこのAmazonのサイトの中にマトグロッソというページがあって(今は別のサイトに引っ越していますが)、森見がこの『熱帯』を連載していました。最後まで読んだ読者が居ない幻の小説『熱帯』(佐山尚一)を巡っての、『熱帯』に取り憑かれた人間達の謎に満ちた追跡劇。しかしその連載は2011年に中断しました。連載を抱えすぎた森見が心身症を発症して「書けない作家」になったからです。正直な話、森見登美彦の『熱帯』も幻の本になるのではないかと私は観念して居ました。しかし森見は復活し、1−2年に一作というペースで中断した連載を着実に完結させていったのである。今回、完結した『熱帯』を読むことができて森見読者の一人として至福の至りとしか言いようがありません。
本作について語るべき点は多々あって、とても語り尽くせるものではありません。脇筋の「虎」ひとつとっても、森見に絡めて語るべきことは山のようにあります。小説についての小説、あるいはメタフィクションを書こうという作家が必ずと言っていいほどに拘る『千夜一夜物語』にこの小説も拘っているという点で、物語の方向性は明らかなのですが、そこをどう森見の「語り」が捌いて見せるのかが読ませどころかなと思います。ただ、人の想像力/想像力をテーマにして、その想像力に「食べられそうになる」人間がどう立ち直るのかを描いているという点で、これは森見版『果てしない物語』だなと思いました。
熱帯 Amazon書評・レビュー: 熱帯より
4163907572
No.1
(4pt)

本好きのための本

枕元から無くなることを恐れてひと息に読んだ。
怒涛の伏線回収はあっぱれ。真ん中あたりは多少間延びしたが、最後はまとまっている。
後半のマジックリアリズム的展開は視覚イメージがよく広がったので、アニメ化されたら盛り上がりそうである。
「謎」についての核心的描写がもう少し欲しかったが、そこは自分の『熱帯』だけが本物なのだから、という逃げ方もできるだろう。
読み終わると、最初からもう一度読み始めたくなるので、読者は熱帯に閉じ込められること必定である。よくできた本なのは間違いない。
熱帯 Amazon書評・レビュー: 熱帯より
4163907572