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いつかパラソルの下で
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いつかパラソルの下での評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.90pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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森さんの作品は児童向けばかりかと思っていたので性に関する描写が現れたときは驚きました。そういうわけではありませんがだいぶ大人向けの作品になっていると思います。死んだ父親の過去を疎遠なる家族が紐解き、関係回復に向かうという流れはこの手の作品の王道ですね。もし、父親が健在のときに過去が暴かれれば、それこそ真逆の展開になっていることを考えると少々重いお話な気がしました。ときおり笑わせてくれる文章は健在ですのでそんなに肩肘を張ることはないと思いますよ。 | ||||
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父の交通事故死のあと、父の浮気が発覚 堅物だった父になにが…? というわけで兄妹3人で父親の知人、故郷、友人、親戚をたずね いままで知らなかった父の一面を知る、という物語 父の死、浮気と暗いテーマだなと思ったが 内容はさわやか。読んだあともスカっとする。 父も男だったってことね | ||||
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ニートの野々は、地に足がついてないような浮遊感ある人生を送っていた。厳格で頑固な父親と絶縁して実家を飛び出したのが20歳。それからバイトを転々としながら、生きてきた。心許ない、生きている実感…彼との仲は円満だけど、実は彼女は不感症。そんな自分でも愛してくれて幸せ者のはずなのに、なぜか虚しい… そんな折、交通事故で亡くなった父親の一周忌を前に、兄弟三人が顔を合わせた。野々と同じように家を飛び出し、自由奔放な生活をしている兄、実家に残り両親のご機嫌取りばかりをしていた妹。そして久々に会う母親は痴呆らしい症状をみせていた。 母がおかしくなった原因を兄弟が思案する中発覚する衝撃の事実。なんと、生前の父に浮気話が浮上したのだ。テレビ番組や服装、門限、友人関係、音楽、、すべてに厳格だった父の裏切り。兄弟は戸惑い、憤り、驚き、様々な思いを抱え、さらに、父の遺言ともいえる言葉に恐れおののく。その言葉の意味をさぐるため、謎解きのような、父の過去を探る旅が始まるのであった。 好き好きに生きてきた兄弟3人だけど、実は、それぞれにトラウマを抱え、コンプレックスを感じ、今まで、自分の生き方に不安や戸惑いを覚えていたことは、旅の中で徐々に明らかになっていく。そして、父親の故郷を巡りながら、各々気づくのだ。父親を口実に現実から逃げていたことを。“トラウマ”という言葉を免罪符として。 野々も父親の跡を追いながら、自分自身を見つめていきます。そして、ココロの奥に潜んでいた本当の気持ちに気づいていきます。涙あり、笑いあり。一歩成長した彼女、また兄弟たちの姿に、ほんのりあったまる、そんな物語です。 淡々と話は進んでいきますが、なぜか読むのを止められない。それはさるきちが、作品を通して我が身を見ていたからかもしれません。 | ||||
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亡くなってしばらくしてから、ひょんかことから故人の別の側面が・・・ ありがちな設定だが、これは主人公がその謎をどんどん追求していく物語。 結局自分のためにもそれが必要だと感じて追求の旅に出るわけだが、 結末はちょっと、あっさり過ぎないかい?という感じだった。 まあ拍子抜けはするが読後感は悪くない。 たまたま手元にあって読んでみたら割に面白かった、というところ。 と言うことで★★★。 | ||||
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堅物で頑固で何かにつけて抑え付けてくる父親− そんな父親に対する葛藤を三人の兄妹それぞれの視点から綴る。 設定が我が家とそっくりで、なぞるように読んだ。 でも、どこか距離を置いて読めたのは、私がすでにその渦中からは卒業できていたからだろう。 『永遠の出口』で幼少時の機微を鮮やかに蘇らせてくれた作者の、大人版の、ある時代からの 卒業物語。 人は「卒業式」というものがなくなってからの方が、ほんとうの意味で、都度色々なものから の卒業を余儀無くされるのかもしれない。 | ||||
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『ダ・ヴィンチ』などで評判が良かったので読みました。森絵都さんの本を読むのは初めてでしたが、ぐいぐい読ませる表現力だなと思いました。 厳格すぎる父親の教育によって、自分の人生が縛られていると感じる主人公とその兄・妹。その父の死後、兄弟たちの前に父の秘密が明らかにされ、そこから父のルーツを探す旅が始まる。そしてそれは、父によって縛られ続けてきた自分たちを解放する旅にもなる・・・。 細部は異なるとしても、多くの人に共感を呼ぶテーマではないでしょうか。 でも私は、読後、物語のテーマを自分と父に還元させて、関係を見つめなおしたりすることはできませんでした。物語がかなりドラマティックだった(主人公の佐渡での体験など)ことが、面白いけれど現実離れしているように感じたからでしょうか。ということで、星3つです。 | ||||
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病的なまでに潔癖で厳格な父。その父の死後、生前の浮気が明らかになる。三人の兄妹(兄28歳、姉25歳=主人公・野々、妹23歳)にとっては驚天動地の事実。父の抑圧を受けてきた三人は、浮気の真偽、ひいては父のルーツをたどるべく、郷里・佐渡を訪れる。 佐渡に着くと、伯母とその娘である反抗期の中学生・愛がいた。いちいち小憎らしい態度で、反発をあらわにする愛。「お母さんたちに何か頼まれたんじゃないの? 私の心を開こうとか、うざいこと考えてるならやめてね」野々はその見当違いぶりにあきれ、「世界は自分を中心に回っていると信じて疑わない十代の顔」に見入って苦笑してまう。さて、三人はこの旅で何らかの答えを見つけ、父との確執に決着がつけられるのか… ところで、野々も兄も恋人に激しく非難される。五つ年下の彼女に「誰だって親には恨みの一つもあるけど忘れたふりをしてるんだ」と罵倒される兄。「あんたはそうやってなんでもかんでも親父のせいにしてるんだ」「一生、被害者面して生きてくつもりかよ」と言われる野々。その恋人にしても実は意外な背景があり、野々は唖然とするのだが… つまり、誰しも多かれ少なかれ親の影響は受けているものだし、悩みやしがらみのない人はいない。悩みの強い人ほど近視眼的になりがちだ。周りが見えなくなり、雪ダルマ式に悩みは大きくなる。思えばそれは、「世界は自分を中心に回っていると信じて疑わない十代」と図らずしも重なる構造ではないか。ちょっと世界の中心軸をずらしてみれば、何か変わるかもしれない。肩の荷が軽くなるのかもしれない。そんな気がした。 最後に一通の手紙が出てくる。その端正な文章は、野々のもつ浮遊感との対比が鮮やかで、印象的だ。こんな手紙、一度書いてみたい。 | ||||
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28歳の独身女性・柏原野々は、亡くなったばかりの父の部下と称する女性から、かつて父と自分は愛人関係にあったと告げられる。野々ら三兄妹を徹底的にストイックに育て上げようとしていたあの堅物の父が、本当に部下の女性に手を出したりしたのだろうか。三兄弟は父をたどる旅に出る…。 二十歳前後の若者が性的関係に何か人生の重大さを見出してがんじがらめに縛られている様を、最近話題の小説の中で幾度も目にしてきました。例を挙げるならば、山崎ナオコーラ「人のセックスを笑うな」(河出書房新社)や島本理生「ナラタージュ」(角川書店)などです。 それぞれの小説に見られる若者たちの性愛に対する偏執狂的な思いに対して、私は否定的なレビューを綴りました。 そんな私にとってこの小説の前半部で「濡れない」野々がひどくコンプレックスを抱く様子は、少なからず辟易とする思いを与えるものでした。どうやら彼女は自分の性的な部分に、父の痕跡を見ているようでもあります。それがこの物語の核なのか、と思うとなおのことこの物語は私の舌に合わない気がしてきました。 ですが、佐渡へ渡った野々たち兄妹は父の足跡をたどりながらあることに気づきます。それは父親を言い訳にしてはならない、ということです。父自身がそのまた父、つまり兄妹たちの祖父を言い訳にしていた節があります。人は血をたどることで、その血に人生の大半を背負わせてしまうことが珍しくありません。そのことがくびきとなって、人生の幅を狭めてしまう。そのことに彼らは賢明にも気づくのです。 そしてまた、佐渡から戻った野々に対して恋人の達郎は、彼女が奇妙にセックスにこだわってきたことを見事に看破してみせます。この点が、先に挙げた二つの小説と決定的に違うと私は感じるのです。 くよくよしても人生は進まない、ということを伝えるひとつの形としてこの小説を読みました。 | ||||
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亡くなった父に愛人がいた・・・これって話の設定は桐野夏生の「魂萌え」に似てる、と思った。さあ、重たい話の始まりなのか?と腰をすえて読み始めてみると、途中からどんどん話のスピードが加速して、空気を吐き出しながら飛んでいく風船のような感じ。私としては、もう少し後半で父の人間性に触れて欲しかったし、最後のほうで駆け込みのような、悪く言えばとってつけたようなエピソードが結構多かったように感じた。兄にしても達郎にしても、あとちょっとだけ掘り下げて欲しい気もする。あと、佐渡の人がこの本を読んだらどう思うかな?私は新潟県人だけと、ちょっとひっかかるところもあったから・・・ | ||||
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家族の誰にでも厳しかった父が、実は浮気をしていた!その衝撃的な事実に、残された家族は呆然となる。そして父が語っていた「暗い血」という言葉。その事実を確かめるために、野々たち兄妹3人は佐渡へと向う。そこで知らされた意外な事実! 現実はきっとこんなものなのだろう。拍子抜けするような事実。野々たちの気持ちにも変化が生じる。愛しても愛されないこともある。受け入れても受け入れられないこともある。だがそれも人生。そう思ったとき、父への思いも変わってくる。「いつか、野々たちと仲良く語り合う日がきっと来る。」父もそう思い、願っていたのかもしれない。 | ||||
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親友には浮気をした父親がいるので、それを良く知っている私は共感したくないという気持ちです。でも、「お父さん」「お母さん」って、いつから男とか女として認められなくなってしまうんだろうと、悲しく思います。男として、女としてもう一度生きたいという気持ちを責めることはできません。でも、その関心をもっと違うところに向けていれば、もっと何か変わったのではないかと思わずにいられないのです。結婚とは一生の契約です。それを破るのは、どういう気持ちであれ、許されることではないのにと、悲しく思います。 | ||||
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