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いつかパラソルの下で
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いつかパラソルの下での評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.90pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全41件 21~40 2/3ページ
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異常なほど厳格だった父親の死をきっかけに 出てきた女性問題、バラバラになりかけた家族を再生 というところがテーマかなー、少し背伸びしすぎた感が ありました、少女小説の第一人者の彼女がこんな小説 書く必要があるのか、少し疑問です。 彼女の小説が好きなことのに変わりはないけど・・・ | ||||
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堅物で頑固で何かにつけて抑え付けてくる父親− そんな父親に対する葛藤を三人の兄妹それぞれの視点から綴る。 設定が我が家とそっくりで、なぞるように読んだ。 でも、どこか距離を置いて読めたのは、私がすでにその渦中からは卒業できていたからだろう。 『永遠の出口』で幼少時の機微を鮮やかに蘇らせてくれた作者の、大人版の、ある時代からの 卒業物語。 人は「卒業式」というものがなくなってからの方が、ほんとうの意味で、都度色々なものから の卒業を余儀無くされるのかもしれない。 | ||||
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嫌っていた父親の死を機に兄妹が故郷の佐渡を訪れ足跡を巡る。家族、さらに親戚へと輪は広がる。しかしいつしか、過去と将来、世代という認識に目覚めていく兄妹の姿がある。少しあっさりしすぎているかもしれない。佳作。 最後の矢作依子の手紙は余計だろう。 | ||||
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『ダ・ヴィンチ』などで評判が良かったので読みました。森絵都さんの本を読むのは初めてでしたが、ぐいぐい読ませる表現力だなと思いました。 厳格すぎる父親の教育によって、自分の人生が縛られていると感じる主人公とその兄・妹。その父の死後、兄弟たちの前に父の秘密が明らかにされ、そこから父のルーツを探す旅が始まる。そしてそれは、父によって縛られ続けてきた自分たちを解放する旅にもなる・・・。 細部は異なるとしても、多くの人に共感を呼ぶテーマではないでしょうか。 でも私は、読後、物語のテーマを自分と父に還元させて、関係を見つめなおしたりすることはできませんでした。物語がかなりドラマティックだった(主人公の佐渡での体験など)ことが、面白いけれど現実離れしているように感じたからでしょうか。ということで、星3つです。 | ||||
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病的なまでに潔癖で厳格な父。その父の死後、生前の浮気が明らかになる。三人の兄妹(兄28歳、姉25歳=主人公・野々、妹23歳)にとっては驚天動地の事実。父の抑圧を受けてきた三人は、浮気の真偽、ひいては父のルーツをたどるべく、郷里・佐渡を訪れる。 佐渡に着くと、伯母とその娘である反抗期の中学生・愛がいた。いちいち小憎らしい態度で、反発をあらわにする愛。「お母さんたちに何か頼まれたんじゃないの? 私の心を開こうとか、うざいこと考えてるならやめてね」野々はその見当違いぶりにあきれ、「世界は自分を中心に回っていると信じて疑わない十代の顔」に見入って苦笑してまう。さて、三人はこの旅で何らかの答えを見つけ、父との確執に決着がつけられるのか… ところで、野々も兄も恋人に激しく非難される。五つ年下の彼女に「誰だって親には恨みの一つもあるけど忘れたふりをしてるんだ」と罵倒される兄。「あんたはそうやってなんでもかんでも親父のせいにしてるんだ」「一生、被害者面して生きてくつもりかよ」と言われる野々。その恋人にしても実は意外な背景があり、野々は唖然とするのだが… つまり、誰しも多かれ少なかれ親の影響は受けているものだし、悩みやしがらみのない人はいない。悩みの強い人ほど近視眼的になりがちだ。周りが見えなくなり、雪ダルマ式に悩みは大きくなる。思えばそれは、「世界は自分を中心に回っていると信じて疑わない十代」と図らずしも重なる構造ではないか。ちょっと世界の中心軸をずらしてみれば、何か変わるかもしれない。肩の荷が軽くなるのかもしれない。そんな気がした。 最後に一通の手紙が出てくる。その端正な文章は、野々のもつ浮遊感との対比が鮮やかで、印象的だ。こんな手紙、一度書いてみたい。 | ||||
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28歳の独身女性・柏原野々は、亡くなったばかりの父の部下と称する女性から、かつて父と自分は愛人関係にあったと告げられる。野々ら三兄妹を徹底的にストイックに育て上げようとしていたあの堅物の父が、本当に部下の女性に手を出したりしたのだろうか。三兄弟は父をたどる旅に出る…。 二十歳前後の若者が性的関係に何か人生の重大さを見出してがんじがらめに縛られている様を、最近話題の小説の中で幾度も目にしてきました。例を挙げるならば、山崎ナオコーラ「人のセックスを笑うな」(河出書房新社)や島本理生「ナラタージュ」(角川書店)などです。 それぞれの小説に見られる若者たちの性愛に対する偏執狂的な思いに対して、私は否定的なレビューを綴りました。 そんな私にとってこの小説の前半部で「濡れない」野々がひどくコンプレックスを抱く様子は、少なからず辟易とする思いを与えるものでした。どうやら彼女は自分の性的な部分に、父の痕跡を見ているようでもあります。それがこの物語の核なのか、と思うとなおのことこの物語は私の舌に合わない気がしてきました。 ですが、佐渡へ渡った野々たち兄妹は父の足跡をたどりながらあることに気づきます。それは父親を言い訳にしてはならない、ということです。父自身がそのまた父、つまり兄妹たちの祖父を言い訳にしていた節があります。人は血をたどることで、その血に人生の大半を背負わせてしまうことが珍しくありません。そのことがくびきとなって、人生の幅を狭めてしまう。そのことに彼らは賢明にも気づくのです。 そしてまた、佐渡から戻った野々に対して恋人の達郎は、彼女が奇妙にセックスにこだわってきたことを見事に看破してみせます。この点が、先に挙げた二つの小説と決定的に違うと私は感じるのです。 くよくよしても人生は進まない、ということを伝えるひとつの形としてこの小説を読みました。 | ||||
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森絵都氏は初めて読みました。何気ない日常をさらりと描き、そこにきらきらした光を与える作品でした。情景描写にしても心理描写にしても、この作家はすごいたくさんの語彙を持っています。時に笑わせ、時にうならせ、時にしんみりさせる。さわやかな作品です。 後半で「イカイカ祭り」の最中に胃の中のものを吐き出しながら主人公が「生きるということの尻尾を掴んだ気がした」くだりは、誰が読んでも納得できる人生の指針でした。 ストーリー的にはよくあるファミリードラマのような感がありますが、味わい深い作品で、これは本で読んでこそ醍醐味が味わえるといえましょう。 | ||||
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さわやかな表紙から一転、出だしはどきっとするシーンから始まるのですが、最後まで初夏のさらっとした風が吹いているような作品でした。 亡くなった父親の過去をたどる旅。 3人の兄妹の絆が復活していく様子が、とてもほほえましかったです。 野々と達郎の恋愛もとてもわかりやすくて、最近の若者っぽいのですが、不思議と絶望感がなく明るい未来が見えるようでした。 最後は短いセンテンスで場面が変わるのですが、とてもスムーズな展開で、読者の疑問に思っていること、知りたいことをきちんと伝えてくれています。 きれいな終わり方でした。 設定は現代なのですが、全体に流れている雰囲気が20年前に読んだ恋愛マンガっぽいなぁと思いました。 | ||||
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カラフルで森絵都さんの本と出合い、児童書ってこんなに面白いの!?と思わされ、この本は森絵都さんの本ではの二冊目なんですがやっぱりこの人はすごいなと思いました。 何気ない文章部分でも読ませる文章で書けるのがすごい。 そして、個人的に嫌いなクサイ台詞を使わないで愛を語っていて、そのやりとりが、すっごく読んでいて自然で、気持ちいいです。泣けます。っていうか、ちょっと泣きました。ちょっとだけど。 男女の性についての考え方の違いとか、Hのあり方とか、一緒に暮らすことの良さとかを、本当の意味で純粋に感じることの出来る一冊でした。 | ||||
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なくなったお父さんが浮気した気持ち、なんとなくわかる。 つまらない人生に突如としてドラマが降りかかり、それが突如として終わる。残されたものは、「どうして」と思う。でも、なんとなくそれを消化して日常が過ぎていく。劇的なことは何一つなく、日常はつまらなく過ぎていくんだ。その中で人は「劇的」なことを求めるのだね、ということをこの本を読んで感じた。 唯、一つ難点。登場人物、名前が難解。どうやって読むのか、わからないような源氏名はやめてほしかったなあ。 | ||||
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お父さんも男、でも、子供にとってはお父さんってそんな性欲なんてないきれいな存在。娘にとっては、永遠の恋人でいてほしいものなのでしょうが本当の人生は童話話では終わらないんだなあ。自分がとっくの昔に父がお兄さんからお父さんになり、お父さんであり続けなければいけなった年齢になり、お父さんでいる事よりも、一人の男として誰かにとことん愛されたかっただろうにと思えるようになりました。そんなとき、この小説のようにパラソルの下で乾杯できるのかな? | ||||
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この作家の本は初めて読んだのですが、文章にセンスがありますね。ユーモアのある文章を書ける人って意外と少ないんですが、この人は巧くユーモアを織り交ぜつつ読ませてくれる文章が書けるんだなと思いました。 印象的だったのは主人公の野々が愛に言ったセリフ。 「その程度の機微もわからないから、まだ子供だって言ってるの」 父親のちょっとした機微を理解しようせずに、人生における様々な困難を父親のせいにして逃げてきた三兄弟の話なんだと思う。 しかし、人のちょっとした機微を理解するってコトは難しいことです。それが例え、家族であっても。 理解できなくても、理解しようとする気持ちが大事なんです。 父親のルーツを探るという名目で色々と動き出した兄弟でしたが、その中でいつしか「父親を理解したい」という気持ちが芽生え始めたんだと思います。それによって、人に優しくなれたり、困難に正面から向き合えるようなったような気がします。 最後に・・・、達郎の父親はカッコいいと思う。 | ||||
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気になっていた作家ですが、土曜ラジオ「アバンティ」の小説特集で本屋さんがほめていたので、読んでみました。厳格すぎた父の生前の浮気をめぐり、父のふるさと佐渡を尋ねる、ちょっと奇妙な旅物語でした。人生そのものを旅のようにフラフラ暮らしている長男・長女と傷ついた次女が、佐渡に癒されてしまうところが印象的でした。佐渡人の豪快さ、土俗っぽさに、3人は人生に対する見切りとか確信とかを持てたように思います。 佐渡の「イカイカ祭」というのが、なんともはや、豪快でした。 | ||||
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「永遠の出口」の瑞々しさが大好きで、次を読むのを楽しみにしていました。 「いつかパラソルの下で」は、性に関する問題も大きく扱い、 児童文学を書いてきた森さんの“挑戦”を感じる作品でした。 父と子の確執。 自分のルーツを探す旅。 テーマとしては新しくはないです。 けど、目をそらしてきた(そらしたい)問題に真正面からぶつかって 大人になっていく、 それは成長過程としては永遠のテーマ。 父と子、母と子、兄弟、姉妹・・・ この関係だけはたとえ仲が悪くなってしまったとしても 絶対に否定することはできない“血”で繋がっている。 そのかけがえのなさを改めて感じました。 「いつかパラソルの下で」 このタイトルの気持ちの良さは、 この本を読んだ人でなければわからないすがすがしさがあります。 | ||||
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亡くなった父に愛人がいた・・・これって話の設定は桐野夏生の「魂萌え」に似てる、と思った。さあ、重たい話の始まりなのか?と腰をすえて読み始めてみると、途中からどんどん話のスピードが加速して、空気を吐き出しながら飛んでいく風船のような感じ。私としては、もう少し後半で父の人間性に触れて欲しかったし、最後のほうで駆け込みのような、悪く言えばとってつけたようなエピソードが結構多かったように感じた。兄にしても達郎にしても、あとちょっとだけ掘り下げて欲しい気もする。あと、佐渡の人がこの本を読んだらどう思うかな?私は新潟県人だけと、ちょっとひっかかるところもあったから・・・ | ||||
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厳格な、いや厳格すぎて変人な父親が、不慮の事故でなくなってから1年が過ぎようとしている。そして、その父の知り合いという人の電話から、あの厳格な父が不倫をしていたことが発覚した。さらにそのあたりを探ってみると、父の父親、つまり自分たちの祖父は、大変な浮気物である事がわかった。いったい父の過去には何があるのか。父の子供である私と兄と妹は、父が頑として語らなかった、父の生まれ故郷である佐渡島へ向かう。そこで私たち三人兄弟が見たものは・・・・ 自分の父親も度を過ぎて厳格だった。決して人を評価する人ではなかった。 例えば自分が絵を描いてそれが95%の出来だったとすると、95%の良いところでなく、至らなかった5%を探し出し、そこを責めて、そんなものでは意味が無いと言う人だった。そういう父親に育てられた自分は、少なからず性格を歪められたと思う。 この物語に登場する死んだ父親の家族も、母親を含めて、みんな厳しすぎる父親から大きな影響を受け、変な方向に人生を曲げられていった。 その父親が不倫をしていた。しかも祖父は、佐渡島全体に名が轟く浮気物だった。父は「ええ格好」を家族に見せていただけじゃないのか。裏ではとんでもない事をしていたんじゃないのか。佐渡島に行けば、それが手に取るように判るんじゃないのか。そして、「あいつ、かっこいい事ばっかり言ってたけど、本当はこんなんじゃんか!」と溜飲を下げれるんじゃないのか。 しかし、自分も、この兄弟も、別の、全く違った事で溜飲を下げた。 「そう、そうなんだ、生きるって事は。」って。 家族って、決して100点は取れない。しかし0点の家族も存在しない。それを知った上で生きていくしか、私たちに道は無い。 そう思いました。 もしかしたら、後世に残る名作になるかもしれません。 | ||||
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最近大人向けの本が増えてきた森絵都さんですが この本では相変わらずのリズミカルな会話が展開されていて ツボにはまってしまうこともしばしばです。 15歳の少女も登場しますが、やっぱり絵都さん。と思わせる描写 が素敵です。 | ||||
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家族というもの、夫婦というもの、兄弟というもの、そして恋人というもの。お互いをよく知っているようで、知らない。わかっているようで、全然わかってない。それぞれの間にある感情や確執。それでもいっしょにいるということ。自分の身を合わせみて、いろいろ考えさせられる物語でした。 永遠に訪れることのなくなってしまった「いつか」が、ちょっと切ない、でもステキな物語です。大人向けも、子供向けも、やっぱり大好き!と思いました。 | ||||
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家族の誰にでも厳しかった父が、実は浮気をしていた!その衝撃的な事実に、残された家族は呆然となる。そして父が語っていた「暗い血」という言葉。その事実を確かめるために、野々たち兄妹3人は佐渡へと向う。そこで知らされた意外な事実! 現実はきっとこんなものなのだろう。拍子抜けするような事実。野々たちの気持ちにも変化が生じる。愛しても愛されないこともある。受け入れても受け入れられないこともある。だがそれも人生。そう思ったとき、父への思いも変わってくる。「いつか、野々たちと仲良く語り合う日がきっと来る。」父もそう思い、願っていたのかもしれない。 | ||||
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父の過去をこれ以上、知りたくない。知ってもどうせ死んだんだから。 しかし野々は何かと父の過去について色々調べてしまう。 きっと切り捨てることの出来ない、そういう存在の父。 生まれ故郷も、どういう人生を送ってきたのかも語ることの無かった父。 それに加えて、とても厳格な性格だった父。 父について不快なことがあっても、調べるとそこには野々が知らない何かがあった。 森絵都は本が出る度に文章の表現力がとても上手になっていると思います。 素晴らしい感性があるというか、そんな感じがします。 | ||||
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