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骨を弔う
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骨を弔うの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.43pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 1~20 1/2ページ
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プチ・ホラーなミステリ小説を。 小学生のころに5人でやった行い。 とあるきっかけで30年前のあの時をたどってみることに。 5人はそれぞれに悩みを持ちつつ、それぞれの道を歩んでいた。 ”過去の出来事が今に作用し何かを変えるのかも”という。 それはもしかして、”希望”なのか。 | ||||
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最後の第六章の話の展開が、胸にぐっと来るものがあって、目頭が熱くなりました。 実はこの最終章で、話の序盤で仕掛けられていた種(たね)が開花し、そのポイントをスルーしていた読み手は「えっ! そうだったんだ!」と驚くことになってます。ですが、幸運にも(不運にも?)、わたしはその種に気づいてしまった。でもっ! 著者・宇佐美まことが話に潜ませたこの仕掛けは、わたしには心地よいものでした。「いつ、あのサプライズが発動するかな」とでもいった、何か倒叙ミステリでも読んでいくみたいなわくわく感がありましたね。 囚われた現在にもがくなか、小学生時代に起きたある出来事の謎を解きほぐしていく登場人物たち。そのなかでも、本多豊(ほんだ ゆたか)とその父親との、ぎくしゃくした関係が変わっていく辺りの話に、特に妙味を感じました。 本文庫の巻末の「解説」は、今から二ヶ月前の2023年1月19日に永眠された北上次郎氏。 この解説の最後で北上さんがおすすめされている宇佐美まことの二作のうち、未読の『愚者の毒』が気になるなあ。これは、読まなあかんな。ちなみに、もう一冊の宇佐美まことおすすめ本は、『展望塔のラプンツェル』。これは面白かったな。 うん。解説の最初の一行で北上さんの言うてるとおり、《宇佐美まことは面白い。》p.391 | ||||
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昔小学生の頃、一人の女の子がいけ好かない理科の教師を困らせるために骨格標本を 山に埋める。これを行ったのは本人の真美子とあと男の3人と女の子1人の合計5人。 そして30年後、川が氾濫しその標本が姿を現す。だが、そのグループの1人である豊は 考える、おかしい、自分たちが埋めた場所はもっと山奥でこの標本が出てきた場所では ないと。ひょっとすると自分たちが埋めたのは標本ではなくて本物ではないのか。 彼は今はバラバラに暮らしている仲間たちに声をかけて真相を探ろうとする。仲間たちは それぞれ40歳の中年男女となって人生の辛酸を舐めているものもいる。彼らは自分たちが 埋めたものは何かという真実探しの旅に出る。この設定と、登場人物たちが中年になって 人生の辛さから抜けられない焦りをそれぞれの視点から描くという発想が巧い。 そして真実らしきものにたどり着くが、真美子はもう白血病で死んだということを知って しまう。だが、この作品の面白さはこれからだ。最後の数ページは、温かくておもい切り おしゃれだ。希望を感じながら終わるエンディングは何とも言えない。宇佐美まことの筆力を 見せつけられた気分だ。 | ||||
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結論から言うととてもよかったです。意外と酷評が多いのにびっくりしました。力作だと思います。 作者の作品は、「入らずの森」「虹色の童話」「死はすぐそこの影の中」と読んできました。どれも人間の心の闇を描いたイヤミス、そして地方を舞台にしたどこか横溝正史的なホラー・ミステリでした。 作者の作品は暗いと思い込んでいたので、この「骨を弔う」をラストまで読んでびっくり。まさかこんなに明るいなんて。恐怖と闇で怖がらせるだけでなく、深い内容、そして人間に対する信頼感に満ちていて、作品のスケールが一回り大きくなりました。見事に脱皮したという印象です。 地元の名士たちが理科の授業参観に来る直前に骨格標本を盗み出し、傲慢な教師に恥をかかせてやろうとした小学生5人組。そのうちの1人豊は、30年後になって増水で崩れた河川敷から骨格標本がみつかったという新聞記事をみつけ、怪訝な思いにかられます。自分たちが盗んだものは山の中に埋めたはず。まさか埋められた骨格標本が2つあったはずはない。では自分たちが埋めたものはいったい何だったのか?まさか本物の骨では・・? ずっと独身で職も転々とし1人暮らしの豊。人もうらやむ議員の妻だが、実態は夫に暴力を振るわれ、義父母にもお飾りとしか思われていない京香。引っ越し後、白血病にかかり過酷な闘病をした真美子。東北で結婚し妻の実家を継いで民宿を経営、幸せに暮らしていたのに、家も家族もみんな津波で奪われてしまった正一。東京で恋人と暮らして広告代理店に勤め華やかな生活を送っているのに、何かが足りないと感じる哲平。 彼らが30年前の出来事を思い起こし、本当に起きたことは何だったのかを探り始めます。それは人生に惑う彼ら自身の自分探しでもありました。 それぞれの事情や心情は現実感に満ちて、1人の身の上話だけでも1本の小説になりそうです。どの人物にも共感できる部分があって話に引き込まれました。 途中から明らかになってくる真実は凄惨です。真相は途中でなんとなくわかってしまいますが、人間ドラマの占める比重が大きいのでそのあたりはあまり気になりませんでした。今までの作品と違って、非現実的なホラー(ほめ言葉でもありますが)の要素はありません。すべて足が地についた現実の物語です。 意表をつくラストと意外な人物の登場にはびっくりしました。あの陰鬱な作風だった宇佐美まこと氏がこんなウィットに富んだ”遊び”をするとは。この部分は賛否両論あるようですが、作者の茶目っ気を感じて思わず笑みが出てしまいました。 希望に満ちた終わり方で後味はとてもいいです。作者の言葉通り「この世界はまだまだ捨てたものじゃない」という実感がこみあげてきました。 | ||||
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ストーリーの展開がとても魅力的で一気に引き込まれました。 主人公が一人設定されているのではなく、登場人物一人一人の人生、細やかな心情や外からは窺い知れない深い部分が丁寧に描かれている群像劇。 一見、普通の中高年に見える登場人物たちが一人一人様々な苦しみや葛藤、迷いやトラウマを抱えつつもがきながら一生懸命生きている姿に、知らず知らずのうちに共感し胸が熱くなりました。 四国の田舎の狭い地域に限定された濃密なドロドロした人間関係と子供達のとある冒険の関係が次第に明らかになり、大人になった子供達の人生に大きく関わって変化させていく展開は一気読み! 人間の醜さや愚かさ、いやらしさ、支え合い助け合える人間の強さ、罪と罰と赦しなど、様々なテーマを内包しつつ、抜群のリーダビリティでグイグイ読ませます。 最後の最後まで驚きの展開が用意されていて、思わずニヤリ!最後まで楽しめたし、希望を感じる結末に読後感も良かったです。 しかし残念なのは、午後のメロドラマというか、火曜サスペンス劇場?的なあまりにも古くさい男女のからみのシーンの多さ……。あれさえなければ、またはもっとすっきりとクールな描写であれば、他の人にも薦めたいのですが、特に若い子に薦める気がしません、、、。 せっかくのストーリーを台無しにしちゃってると思うんです…。そこがとても残念。 魅力的な謎があり、一見田舎なのにそこに深いドラマもある、一人一人の登場人物の成長物語にもなってるのだから、クリスティの作品のように普遍的な作品にもなりえるのになぁ、もったいない…。(勝手な感想、すみません) | ||||
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少年時代に、山のなかに骨格標本を埋めに行った、と思っていたら、実はあれは本物の人間の骨だったのではないか、という疑問が生じて、仲間たちに聞き取りにいく、という筋立てです。 殺人にかかわるミステリ部分と、その後の各人の人生を描いた部分と、二層構造になっています。 そして、その二層のどちらも、うーんとうならせてくれます。 特に、東日本大震災で家族を亡くしてしまう正一の体験は、わたしは涙なしで読めませんでした。 また、ミステリ部分になりますが、最後にわかる意外な事項にはまいりましたし、うれしかったです。 ミステリ好きの読者なら、読んで損のない本かと思います。 | ||||
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きれいな状態で届きました。 | ||||
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最初の段階で、事件のキーワードがいくつか出てくるので、それを組み立てれば大体、予想がついた。だから、謎を解いていくミステリーというよりもパズルのピースを組み立てていく感じだった。 最後の作者の名前を使ったオチは、いらないかな。 けっこう長い分量のオチでした。あれ、まだ終わらないんだな、と思いながら読みました。 | ||||
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紀伊国屋書店員さんが選ぶ「キノベス2019」にランクインしていて手に取りました。ある小さな事件を機に、「小学生だった時にみんなでしたあること」の意味が解きほぐされていきます。そのさらに奥が、明かされていきます。登場人物それぞれが登場した後は、一気読みでした。物語に没入したい人、お勧めです。 | ||||
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稚拙な文章運びで登場人物はカタにはまったものを説明してるだけで描くということもないなぁ。 で 多分この人が犯人だろうなぁ、それが当たる。 小説はミステリだろうとパズルゲームではないのでそれは悪いことではないのだけれども、作者の方がゲームに専念していて書く(描く)ことはおざなりだからそこで馬鹿馬鹿しくなってしまうのも仕方ないだろう。 ラストにとってつけたような言葉遊びのこれまたパズルがあって、ああ…生きてたのね(笑)みたいになる。 馬鹿馬鹿しくて読み飛ばした。 | ||||
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初めての作家の初めての作品を読了。冒頭のインパクトのある記事から始まり、それに関連したであろう小学生時代の同級生の男女が真相を突き止めようとする話。中には東日本大震災を経験した男もいたりして。終盤まででで飽きてきましたが、エンディングの50ページで真相やその他のからくりが判明。週刊文春のミステリー国内部門の20位だったとはいえ、自分には合わなかった。 | ||||
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丁寧には書いているのだが、"尻すぼみ"の印象を免れない凡作。豊という男(40代)を狂言回しとして、真実子という並外れた女子をリーダとして豊達5人が小学生の頃行なった冒険の真実の追求を縦軸に、豊がその謎解きのために大きくなった旧友達を訪ねて行く過程での各々の人生の描写を横軸に描いた作品。 各々の人生の描写の方はありきたりで、どうと言う事もない。焦点は冒険の真実だが、前半はこの真実に絡んだ描写が少な過ぎて、読者が推理する余地はない。途中で、真実子に関するフェイクが出て来るが、これに騙される読者は居るまい(何せ、作中に<宇佐美まこと>という作者のペンネームが出て来るくらいだから。物凄い違和感があった)。一方、後半、豊達の生まれ故郷の話・村人達の関係の濃密な描写が出て来ると、事件構造が極めて単純な事が分かり、ガッカリする。作者としては、冒険の真実よりも、ラストで明かされるフェイクの方に力点を置いている様だが、前述の通り、こんな薄っぺらなフェイクに騙される読者は居るまい。 一応、メタ・ミステリに属する作品だとは思うが、作者がメタ・ミステリの書き方を知らないせいか、謎の迷宮、という感じも全く受けなかった。また、読んで怖くもないし、上手く騙されたという爽快感もない。「骨を弔う」という題名からは程遠い無味乾燥な凡作だと思った。 | ||||
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作者が作中にああいう形で存在するのが鼻につきます。しかも最後のオチにまで使ってますし。 よく女性が性的に酷い目に遭いますね、この方の小説は。性行為と性犯罪を混同して書いておられるのがとても引っかかりました。明らかにレイプなのに、セックスだの男女の交わりだのと表現されていてとても不快でした。 ミステリーとしても大したことないです。中盤より前で大体の真相が分かってしまい、キャラクターがいつまでも遠回りしていて読むのに疲れました。 | ||||
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新聞の書評で激賞されていたので読んでみました。期待以上の面白さでした。他のレビューで星1つとか3つとかつけてる人がいるのですが、ちょっと信じられないです。これが傑作でなくて、何が傑作なのでしょう。何より、プロットやストーリー展開には明らかな独創性があります。よくこんな話思いつくなと終始感心しきりでした。最後のオチも小さな工夫ではありますが、ミステリー好きならクスッと笑える仕掛けでしょう。私、この著者の作品は初めてなのですが、もともとサービス精神旺盛な作家なのだと思います。これ以外も是非読んでみたいです。けれど、著者の将来性を見込んで一つ大きな注文があります。それは、もっと文章力を磨いて欲しいということ。特に、文章が荒削りなことから派生する前半のモタモタ感は多くのレビューで指摘されている通り。話が広がる後半も、ストーリー自体の魅力で引っ張るとはいえ、文章力が十分に追いついてない印象です。もっと登場人物たちの内面や状況の描写が的確であれば、より感情移入出来たと思います。 | ||||
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謎解きにしてはベタ過ぎて意外性なし。プレイバック青春小説として読むべきか。だとしても…。 他の方も書いていらしたが、作家名をあのように使うのはどうかと思う。 「遊び心あるでしょ?」と思って書かれたのだとしたら相当痛い。 | ||||
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あらすじに惹かれて購入しましたが登場人物が多すぎ難しい印象でした。 あらすじが興味を惹かれる内容であったのにざんねんです。 | ||||
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小学生の時、悪戯心でしでかしたことを、大人になってからある出来事をきっかけに思い出し、気になっていた事を探るため当時の友達に会いに行く、というオーソドックスな展開です。 伏線もしっかり張られミステリーの体裁はありますが、それよりも過去を辿る行為のお蔭で、大人になった幼馴染たちが次のステップに進めた、という風な青春小説が色濃くなっていると思います。そして、その流れを汲んでのラスト近くの仕掛けが上手く利いていて、爽やかな仕上げになっています。 | ||||
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作者名が作品の中に出てきたことにとても違和感を覚えました。敢えて宇佐美まことの名前を作品に使う意図がよくわかりません。これからシリーズ化でもするのでしょうか…? それが気になってしまったのと、登場人物たちの現実があまりにもリアルすぎて読んでいて疲れたてしまったので、先にどんどん読みたい気持ちもあまりないまま肝心のミステリ部分にも集中できませんでした。 最後はみんな幸せで、いい感じに終わったのは良かったのですが。 | ||||
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帯で謳われるほどのどんでん返しや衝撃はなく、装丁から受けるほど暗い内容ではない 求めているものによって満足度は異なるのであろうが、帯通りの「新境地ミステリー」を期待して読んだ当方にはやや不満の残る作品だった 事件の真相自体も途中で検討がついてしまい、後半は消化試合の感が否めなかった 救いのある内容なので、ミステリ初心者や読後の爽快感を期待する方には良書となるのではないだろうか | ||||
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内容は面白いと思います。 ただ… ただ個人的にどうしても納得いかなかったのが、登場人物に真美子(まみこ)って女の子がいるのですが、物語の中で友達から「真美ちゃん」(まみ)と呼ばれていたと思ったら、同じような文章の中で真実(しんじつ)と書いたりややこしい! 真実子と真実(しんじつ)を同じ文章の中で何回も書くんなら、名前、せめて漢字だけでも何とかならんかったんか。 | ||||
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