夜の記憶

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評判

夜の記憶の評価:

4.11/5点 レビュー 19件。 B ランク

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平均点4.11pt

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全21件 21〜21 2/2ページ
No.1
(4pt)

後半1/3は徹夜で一気!

 1946年8月27日。50年前に大富豪の私有地「リヴァーウッド」で起きた少女殺害事件の真相解明を依頼されたミステリー作家グレーヴズ。しかしそれは同時に封印した彼の少年時代のある「夜の記憶」を甦らせる作業に他ならなかった・・・。 物語は静謐かつ詩的な文章で淡々と進行する。「過去」・「現実」・「虚構」のフラッシュバックが随所に散りばめられそれぞれ別の展開を見せながら、最終章に至って相互に作用しあい、まるで手品の種が明かされるかのように「残酷な真相」を暴き出す。この構成力の見事さには誰もがこの作者の卓越した才能を感じるだろう。特に、地上の楽園と形容された「リヴァーウッド」の真実。グレーヴズが執拗なまでに幸福に背を向ける理由。これらの謎が紐解かれる中盤から後半にかけては、加速度的に面白さが増し読み応え十分だ。 また、グレーヴズの謎解きのパートナーとしてエレナーという女流脚本家の登場も物語に深みを持たせている。エレナーは機知に富み、鋭い洞察力を持つがゆえに人間がいかに罪深い生き物であるか知っている女性だ。長年自らに孤独を課してきたグレーヴズでさえ必然的ではあるが彼女との関わりを望むようになる。私的解釈をさせてもらえるなら、これは作者が「女」に求める「母性(適切な言葉ではないかもしれないが・・・)」なのではないだろうか?彼女の存在が、物語の唯一の救いとなるのは偶然ではないだろう。 最後に、星4つ評価となったのは事件の真相に物足りなさを感じたことと、この作家ならばこれ以上の作品を今後も発表し続けるだろうという期待の現われと理解していただきたい。星5つに十分値する秀作である。
夜の記憶 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 夜の記憶 (文春文庫)より
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