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荒蝦夷
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荒蝦夷の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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奈良時代の陸奥=東北地方で起こった 伊治公呰麻呂(これはりのきみあざまろ)の乱 所謂「宝亀の乱」を描いた時代小説です これとほぼ同じ時代を描いた小説が以前に読んだ高橋克彦の「風の陣 烈心篇」ですが 同じ時代をモチーフにして居ながら全く異なる趣の小説になって居ります 何しろ資料と呼べる物が朝廷側の「続日本紀」の僅か数行なので 大雑把に一ページもあれば書き切れる情報しか無い訳で コレを小説化するとなると殆んど創作小説となるのは否めません 従ってこの「荒蝦夷」も「風の陣」も著者の想像(創造)で描かれて居る訳ですが 同じ空想作品ならば断然こちらの「荒蝦夷」の方が読み応えがありました ただし 呰麻呂と阿弖流為との関係性や母礼の関係性等は史実とは異なった設定なので これが歴史的事実だとは勘違いしないで読んで欲しいです 同著者の作品で阿弖流為の乱を主題とした「まほろばの疾風」の前編に当る作品ですが 登場人物等の設定等で一致しませんので その辺は御理解戴きつつ両方御楽しみ戴くのも一興です♪ | ||||
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高橋克彦の「火怨」を読んで古代東北に興味を持ち、本作「荒蝦夷」を手に取りました。 火怨が大和朝廷に対する蝦夷の反抗を描いた作品なのに対し、 こちらは荒蝦夷のタイトルどおり、蝦夷の荒々しさ、野性や残虐性を描いた作品でした。 物語は宝亀の乱(呰麻呂の乱)までを描いています。 主人公は伊治公呰麻呂、狂言回しは道嶋御楯です。 呰麻呂は後世の武士のように大義や義理・忠義などの価値観を持っていません。 あくまで己や部族の利益のために活動する様は、変に高潔な思想をもつよりリアリティがありました。 その狡猾さや残虐性が魅力のキャラクターであり、そこが評価を上げる良い点だともおもいますが、私は読んでいてなかなか不快でした。 後半は青年のアテルイ、坂上田村麻呂が登場し、さわやかな風が吹きますが最終的にはその二人にも黒いものが見え隠れするようになります。 続きを読んでみたいと思える良い作品でした。 | ||||
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呰麻呂が主人公だというのが、けっこう読み進めないと分からなかった。 最初、押人が主人公なのだろうと決めつけて読み進めたからなのだけど。 それにしても、人名や地名や役職名にはルビをもっと振っていただきたい。 呰麻呂(あざまろ)、伊佐西古(いさしこ)、宇屈波宇(うくはう)、浄足(きよたり)、大楯(おおだて)…… うーん、頭の中に名前が定着すればいいけど、字面と読みが一致しないのもあり、引っかかる度、なんて読むんだっけなあ、と前のページに戻って確認するのは面倒だった、というより読む勢いが失われた。 | ||||
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1000年以上前の時代となると、今に比べて人間はより野生に近く、野蛮な行為が頻繁に行われ、武士と言えどもほとんど損得勘定で動いていただろう。本書はその時代の人間を結構リアルに描いているのではないかと思う。残虐な、人道にもとる行為の描写も少なからずある。主人公の呰麻呂は魅力的であるが、彼の非情さや残虐さもかなりのものである。 その点、高橋克彦作品は蝦夷を美化しすぎている嫌いがある。しかし、利よりも誇りのために戦っているので、感動的である。 小説としての楽しさを純粋に追求したいのなら高橋克彦だが、違った蝦夷感(と言うよりも当時の人間観)を培うためには本書も押さえておくべきであろう。 | ||||
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蝦夷の英雄アテルイの父親、呰麻呂(アザマロ)の活躍を描く歴史小説。 古代の東北(7世紀半ば)の話は、あまりよくわからない。アテルイの名前ぐらいは知っているが、日本の歴史でもほとんど触れられないところだ。 しかし、物語としては非常に面白い。朝廷に反抗する人々が当時いたんだな、この日本も決して、単一民族で出来上がったわけではなく、血で血を洗う抗争の末、統一されてきたのがよくわかる。 | ||||
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大和朝廷が「東北の地」を支配下に納めていくプロセスは、 高橋克彦の「火炎」が圧巻だった。 しかしこの「荒蝦夷」も、優るとも劣らない。 押し寄せる大和朝廷軍に立ちはだかる荒蝦夷――砦麻呂。 人物造形も秀逸。他のキャラも充分に書き込まれている。 「火炎」ほど、血湧き肉躍るものはないが、 そのぶん、静かな炎のような迫力がある。 これは熊谷達也独特の、重厚な迫力だ。 決して服従しない者たちの生き様は、感動的でさえあった。 | ||||
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NHKあたりには、是非本格大河ドラマの設定作品として勉強でもしてもらいたい作品である。 蝦夷と呼ばれる種族が、時の政権(大和朝廷)の政権下で、勢力を伸ばしてゆく様を、リアルに、ドラマチックに描く力作である。 人の執念、葛藤、拘り、確執、天分、裁量、決断などが、様々な登場人物を通して計算して描かれ、最終の制覇までに至る。等しく読者は、満足に至る作品ではなかろうか? 自然描写、人間描写も、誇張せず、手を抜かず、読者の想像力に寄与していると思われる。 | ||||
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大学時代国史の教官から「日本という視座から古代~中古の東北を見ても理解できない。それはヤマトというフィルターを通して見ることになるからだ。東北には東北を中心に据えた理解の枠組みが必要だ」と習ったことが思い出される。まさしく東北にとっての東北人がこの本では躍動していた。ヤマトにつけられた蔑称としての「蝦夷」を、ヤマトとは同一視されたくない自分たちのアイデンティティ「蝦夷」に転換して誇り高く生きる荒ぶる魂が全編に渡って我々に昂揚をもたらす。しかし、時代を世界を社会を動かしたのは一握りのスーパーヒーローだという英雄史観の枠からは作者ものがれられなかったのではと感じてしまったのも事実である。 | ||||
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中央政府に牛耳られる前の東北の姿が生き生きと描かれています。アテルイとはひと味違ったヒーローが躍動しています。8世紀の陸奥はこうも素敵で波乱に富んでいたのだと実感しました。この本の世界は圧巻です。 | ||||
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