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(短編集)
黒牛と妖怪
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黒牛と妖怪の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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明るく自由奔放な主人公が時代のしがらみにとらわれずに動く様は心地よい。 | ||||
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1995年に出た単行本の文庫化。 風野氏のデビュー作。長らく単行本のままであったが、新人物往来社から「新人物文庫」が創刊されたことで、本書も文庫本として読めるようになったのである。 「黒牛と妖怪」、「新兵衛の攘夷」、「檻の中」、「秘伝 阿呆剣」、「爺」の5篇が収められている。いずれも最初期の作品であるが、すでにのちの作風が見え隠れしているところが面白い。 「黒牛と妖怪」は明治初期の鉄道開通にまつわる物語。アイデアが突飛で、また結末が皮肉なところが風野氏らしい。 そのほか、「爺」が面白かった。織田信長の世話役であった平手政秀を描いたものなのだが、ユーモアがあって楽しい。 | ||||
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戦国時代から明治初期に掛けての激動の時代を、史実を踏まえた上で、"まったり"と描いた異色の時代短編集。「黒牛と妖怪」と言うタイトルから想像される邪悪と怨念に満ちたイメージとは真逆なユーモラスな作品で、その落差感が心地良い。 「黒牛と妖怪」では、「黒牛=岡蒸気」、「妖怪=鳥居耀蔵」で、要は旧世代(元幕臣)の新時代に対する剥き出しの敵愾心を扱ったものだが、これを耀蔵の孫の嫁"お延"の現代的視点でドライに描いている点が巧み。名探偵コナンを思わせる賢い少年が登場して、"起こり得た"かもしれない大事件を、機知で未然に防ぐ辺りも面白い。「新兵衛の攘夷」は黒船来航を扱ったもの。浪人の新兵衛が住む長屋の住人達の屋形船がドンチャン騒ぎに紛れて黒船に突っ込む寸前、前作と同様、"起こり得た"かもしれない大事件が未遂に終る顛末が楽しい。「檻の中」は座敷牢に閉じ込められた勝子吉が、富クジに係る謎を安楽椅子探偵として解くと言う楽しい趣向。「安吾捕物帖」に言及しているのも微笑ましい。「秘伝 阿呆剣」は、剣技に纏わる話を通して、人生の真の幸せをユーモアたっぷりに描いた佳作。「爺」は信長の堅物の守役、平手政秀の苦渋と色恋沙汰を扱ったものだが、本作の中ではややインパクトが弱いか。 現代的視点で時代小説を描くと言う試みは成功していると思う。特に、作者がユーモアに拘っている点が特徴で、これからも楽しい小説を期待したい。 | ||||
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時代小説の主人公は、 その作者によって造形に特徴が異なります。 耐えて義に生きるのは山本周五郎。 乾いてニヒルな池波正太郎。 さて風野 真知雄です。 この人の描く人間は、 既成概念に囚われず、 明るく開放的。 そこが本作を一貫する魅力になっています。 「黒牛と妖怪」のお延、 「新兵衛の攘夷」の新兵衛、 「檻の中」の勝小吉。 どの主人公もくすっと笑わせます。 文体が大変平易で読みやすいのも、 作者の力量です。 お勧めの文庫本です。 | ||||
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スマートで抑制のきいた文体だと感じた。売れっ子作家となった現在とはチト違う。 今は『愛想のいい文体』て感じかな?←凝った比喩表現とか。無論、悪いことじゃないですけどね。 戯作者を自称する風野氏の原点を知ってほしいと思うのだ。 表題作の他に『勝小吉事件帖』の雛形になった作品と、信長の守役の家老・平手政秀を描いた『爺』、藤沢周平氏の隠し剣シリーズを思わせる『秘伝 阿呆剣』などがある。 | ||||
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