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不発弾
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不発弾の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.79pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 21~26 2/2ページ
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私は個人投資家歴が長いので、思い当たることが多すぎて、これは企業名や人名を変えただけの全くのノンフィクションではないかと感じた。全部、「この会社はあの会社のことだよね」とわかるんだけども…登場人物の「小堀」というキャラクターには「こんな子供みたいな大人いないだろう」(実在しなさそうなキャラ)と憤慨しつつ読み進めたが、主人公の古賀のキャラクターがものすごくいい!そして圧巻の最終章。読後の怖さは「残穢」と似ている!!!!「これって、もしかして、予測されることが実際に起きたりしないよね」というあの感じと同じだ。経済にかかわるすべての人にお勧めの本です。 | ||||
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大企業と政治の癒着、、日本経済の歴史の一端が小説として分かりやすく描かれています。 内容自体は日本経済の黒幕 VS 警察のように描かれていますが、 どのように黒幕になっていくかという部分が非常に面白かった。 | ||||
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本人も意図しないうちに金融界のフィクサー的な存在になってしまった男の半生を 時系列に描く一方で、 現在時制では、男を追う若手キャリア警視を描く。 最後に笑うのはどっちか…それは読んでのお楽しみ。 企業の巧妙な損失飛ばし(別に損失が消えてなくなるわけじゃない)やノックイン債については 金融・経済本で知っていたが、 無理なM&Aをわざと仕組んで隠していた巨額損失を明るみに出す手口は初めて知った。 おっそろしい! 悪巧みの極致のような手口を考え付くのは、わが大和民族ではなく、外国の頭脳優秀な方々です。 前述のフィクサーさんは、まあ、橋渡し役のようなものです。 マネーロンダリングのように、損失もころころ転がせるんですね。 そういえばジョージソロスが、 「最初はアメリカのサブプライムローンから始まったのに、 なんでいつのまにかEUの危機の話になったんだろうねぇ…」などと仰っておられました。 あと、国連銀行(?)だかなだかの元職員が、 シカゴの自治体破たんについて、「そしてバチカン銀行にお金が…」などと言っていました。 なんでシカゴの破たんとバチカン銀行が関係あるの、と一瞬きょとんとなってしまいました。 もう、私にはなにがなんだかわからない。 渦中にいる頭脳優秀な人たちも、 もしかしたら自分のやっていることが全体から見てどういう位置を占めどこへ響いていくのか、 よくわからなくなっているのでは…。 もう、ついていけません。 ストーリーを楽しむだけにしておきます。 | ||||
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経済小説、警察小説、どちらも好きなジャンルです。 古賀の母親の強欲さには辟易する。最後の妹のお墓の近く、、、という下りは信用できない。 古賀も被害者のように感じてしまう。 最近読んだ「罪の声」にも通じる暗闇を感じてしまう。 あの時代、山一證券がつぶれ、社長が「社員には罪がない」と絶叫した。 飛ばし、という言葉も初めて知った。 バブルとその崩壊、金融資本主義、金融工学、、、これまでのいわゆる労働のもつ価値を棄損する時代でもあった。 時事ネタをいろいろと取り込んでいるところも自分には面白かった。 | ||||
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この手の小説の難しさはデリバティブの解説書ではないため、その仕組みを読者にかみ砕いて説明できないとこにもあると思う。 恐らく読者のほとんどは「デリバティブ」の言葉が出てきただけで思考がフリーズしてしまうだろう。 だからスキームの説明はせずに話を展開しなければならない。 それ故、なぜ損失が雪だるま式に膨らんで首が回らなくなるのかが不明瞭となり、すっきりしない形になってしまう。 しかし、これは致し方ない。本文で出てきた仕組債の内容を素人でもわかるように説明しだしたら、10~20ページでは収まらないし、 1~3ページの説明ですら理解が困難であろう大部分の読者にそれは流石に酷である。 その辺に対する作者の苦悩が窺える作品で、デリバティブについてそれなりの知識を持っている人にとっては 相場氏がどのような闇を解き明かしてくれるのか期待して読むと物足りなく映ると思う。 しかし、小説という性格上、読者はデリバティブに全く関わったことが無い人であるというと前提にたたざるを得なく、 スキームの中身はもうブラックボックスにしてしまうしか無いのであろう。 そういう意味では作者が読者に対して本文中で説明できない(実際にはしたくでもできない)ジレンマ(=不発弾)を抱えている とも言えると思う。 様々な本文中に登場する企業、金融機関のみならず、最後警察までも不発弾を抱える。 そしてそれらを包み込むかのように作者自身も不発弾を抱えている、 そして読後に読者自身も何らかの負の感情(=不発弾)を抱える。 そんな面白い本だと思います。 ただ、最後小堀氏に対しては「ざまあみろ」と思い、佐知子氏のことは「頭が悪い、恩を仇で返す卑怯者」と思ってしまった。(笑) | ||||
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本書の「表」の主人公は、警視庁捜査二課の若手キャリア管理官・小堀警視です。白物家電から原発設備まで揃える老舗総合電機メーカー・三田電機(どう考えてもモデルは東芝)が1500億円もの損失隠しをしたというのに、粉飾決済ではなく「不適切会計」で済まされ、東証1部上場廃止にも監理銘柄にもならないことに不審を覚え、内偵を開始します。 一方、「裏」の主人公は、金融コンサルタントの古賀。1978年に高校を卒業し、福岡の寂れた炭鉱町を飛び出して、東京の中堅証券会社に就職。その後、フリーのコンサルタントに転じます。 話は、現在の小堀たちの捜査と、1977年からの古賀の半生が交互に語られる形式で綴られます。 本書の主眼は、古賀の人生と共に語られる、この40年間の日本経済、金融の変遷です。景気の上昇、一般人の株式市場参入、バブルの崩壊、不良債権‥‥。古賀がコンサルティングするのは、企業の損失隠し、「飛ばし」などと呼ばれる隠蔽工作の方法でした。 警視庁捜査二課の活躍譚というよりも、日本の裏の経済史という感じです。経済の話がメインなので、警察小説を期待されている方には少々肩すかしかもしれません。(「震える牛」「ガラパゴス」は刑事ものという感じでしたが。小堀警視も薄味で、田川刑事のようにキャラが立っていません) それにしても、金融関係者はこんなえげつないことをしていたのか、と読んでいて改めて驚きました。そして、これから日本経済はどうなっていくのか。本当に不安です。 | ||||
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