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花魁さんと書道ガール2
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花魁さんと書道ガール2の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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状態良く安心しました | ||||
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「花魁さんと書道ガール」シリーズの第2弾にして、最終巻 「栗色ロケットガール」「マニキュアを塗る君を笑わない」「恋という字をあなたに」「ばいばい、春風さん」の4話が収められている。 前作と変わらず、恋の相談に次々とのっていくのだが、いずれも一癖ある相談ばかり。また、女性の嫌なところがじっくりと描かれるのも同じで、著者自身のことが心配になってしまうくらいだ。どんな体験をしてきたんだか。 これで完結となるけれど、印象に残るシリーズであった。 | ||||
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読後の願いなんて、ちっちゃなものです。 国語辞典を買って、知っているつもりの言葉も、しっかり調べてください。 出版社も新人には、校閲は予算的に無理でも、校正くらいは入れてあげましょう。 日本語が酷過ぎます。 「ちょっとした旅館の朝餉みたいだ」というのが、 「地元で採れたお米で炊いたご飯、皮までパリパリに焼けた塩鮭、 すり下ろしたショウガがのった冷ややっこ、そして、厚揚げと玉ねぎの味噌汁。」 ちょっとしたの意味は「ささいな」もありますが、ここでは「相当の」「かなりの」と読めます。 一事が万事、江戸時代の吉原について、思い込みとにわか知識書くのは、推理文庫という性質上、 許されるかもしれませんが、それなら、せめて、巻末に 「花魁や吉原等の記述はフィクションであり、時代考証は行っておりません」の一文が欲しい。 年齢や年数をわざわざ表記していることで、 大学を卒業して5年、卒業後1年後に結婚して、娘が4歳(結婚前の出産か?構わないが、わざわざ周知する必要はない) 作品の世界から現実に引き戻し、しらけさせる要素になる。 てにをは、係り結び、会話文の受け答え等々、物語に浸らせてくれない日本語の酷さは、 構成力や物語を引っ張る力では相殺しきればいほどだった。 | ||||
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皮肉屋で辛口トークが絶えず、そしてどうしようもなく面倒見が良すぎる花魁幽霊・春風と そんな幽霊に取り憑かれた書道バカ・多摩子が恋の悩み相談を解決するべく奔走する物語・第二弾。 物語は主人公・多摩子が通う白城大学のキャンパスに「最強の恋愛アドバイザー・春風さん」の噂が すっかり定着する中、教育学部の小中学生向けイベントにボランティアで駆り出された多摩子が 一休みしている所へ親友の林檎がやってくる場面から始まる。 相変わらず焼きそば作り一本の多摩子と違い、あれやこれやと引っ張りだこで顔の広さを見せつける 親友に「本当にお祭りのときの林檎は輝いているね」と声を掛けた多摩子だったが、 林檎が見せたのは「…そんな事無いよ」という妙に元気のない顔だった。 一ヶ月ぐらい前から林檎の変化に気付いていた多摩子は近所の喫茶店「シドニー」へと林檎を連れ出し、 わけを聞こうとするが、そこへ登場したのは花魁幽霊の春風。 「林檎は恋に落ちている」という春風の言葉通り「好きな人が出来ました」と白状する林檎。 林檎によれば相手はライブハウスでチケットを売っていた男らしいが、 ライブハウスなんかに林檎が出入りすること自体が不思議に思えた多摩子に 「書道に一生懸命で多摩子ちゃんと違って私にはそんな全てを賭ける物が無いから」と あれこれ手を出していた事を告白した上で、大切な恋だからよく知らない春風さんに関わって欲しくないと 春風の手助けを拒絶する。 黙って親友の恋を見守る事にした多摩子に「ああ、面白くない」とボヤく春風だったが、 林檎の双子の兄・ガクを焚きつける方向で動き始め、多摩子も仕方なしにライブハウスへと向かう事に… うんうん、やっぱり他人の恋の悩みに乗っかるだけじゃ物足りないよねえ。 最後は主人公自身の恋で話を締めくくらないと…というわけで完結編となったこの二巻は 女子大生なのに書道一本やりで女子力なんか無縁と思われていた主人公・多摩子の恋の物語。 構成の方は短編四本…というか三本+長めのエピローグ、みたいな作りになっている。 一本目は上に冒頭部分を紹介させて頂いた親友・林檎の恋の物語。 「多摩子ちゃんと違って自分には打ち込むものが無い」と普段のパワフルな様子からは 想像もつかないコンプレックスを抱いていた事を明かした林檎の恋模様。 春風姐さんの策士ぶりに引っ掛かって、普段は不愛想なのに変なところで シスコンを発揮するガクの姿が中々楽しい。 二本目は「最強の恋愛アドバイザー・春風さん」の噂を聞きつけて相談にきた一組のカップルの話。 自分が思っていたのと違う姿を男が見せ始めて別れようかと悩んでいる、と話を持ち掛けてきた 女子大生・律に対する春風さんの対応がまあキツい事w 瀬那和章はたまに女性に対して恐ろしく辛口な事を書くけど(「婚活シュート」の菊池エリ子とか、もうね…) もう辛口フルスロットル「そんな事で悩むお前は男を自分の見栄の道具としか思ってない」と ピンポイントで相手が言われたくない事を抉りまくるから「せ、先生、どうかその辺で…」と読んでいる方が 律が気の毒になってストップを掛けたくなる。 そして三本目こそがこの第二巻のクライマックスとなる多摩子自身の恋の物語。 「自分には書道だけがあれば良い、色恋沙汰なんか自分とは縁がないもの」と思い込み 女子力ゼロを押し通そうとしてきた多摩子がいざ自分に想いを告げてきた相手を前にして どうしようもなく思い悩み、全てを捧げてきた筈の書道すら手に付かなくなるほど悩む姿を描いている。 その一方で妙に多摩子の前に姿を見せなくなった春風さんの真実を同時進行で明かす一本。 春風さんの恋愛相談は相変わらず相談者の「本音」をこれでもかと曝け出させるのだけど、 そこには綺麗な事ばかりではなく、むしろ人の醜い部分や弱さ、逃げている対象みたいな物が 容赦なく暴き出され、相談者に突き付けられる事になる…だからこそ相談者の恋に対する想いや覚悟が 問われ「あなたはどうしたいの?」と徹底的に自問自答を繰り返す事になるのである。 甘くも無ければ優しくも無いけど、だからこそ価値がある恋…遊郭という「疑似恋愛」で埋め尽くされた 世界で生きてきた春風さんが見たかったものはこれだったのか、と頷かされるものがある。 そして三本目の多摩子の恋を通じて見せ付けられた春風さんが吉原を出て見に行った物。 その理由と顛末が明かされるちょっと長めのエピローグで描かれる女郎・春風が同じ世界で生きる 妹女郎に見せた「どうしようもない優しさ」の下りでは男に夢を見せる世界だからこそ芽生えた 血の繋がりすら超越した様な「姉妹愛」に愕然とさせられた。 辛い現実を乗り越えるためにそこまでするのか、と春風さんが恋愛相談にきた女子大生たちに 聞かせた辛口トークの厳しさなんか吹っ飛ぶ様な「厳しい愛」に言葉を失う。 遊郭や現代のお遊び感覚の「恋もどき」の様な綺麗ごとではなく、 辛さも苦しさもたっぷりと盛り込まれ、それを乗り切り自分自身の弱さや醜さとしっかりと向き合うからこそ 初めて「本物」としての価値が生じる恋の姿を描いた瀬那和章らしいシリーズ。 春風姐さんの気風の良さとその根っこにあった吉原の現実を知らしめたこの第二巻を持ちましてお開きという事で。 いや、お見事! | ||||
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第二巻が出た! となれば最大の興味は多摩子は真の恋を見つけられるかという点ですが、大丈夫です。期待してください。さらに、恋愛をめぐる楽しいお話集だった第一巻以上に吉原の花魁の幽霊である春風と多摩子の内面が掘り下げられ、山口学や林檎もしっかり絡んでくるストーリーにワクワクさせられます。 第一話は一番親しい友人の山口林檎の恋の顛末。次は一度別れた教育学部の秋野律と経済学部の岩井竜太郎が恋人同士に戻れるかの問題。第三話は多摩子のこと。そして最終第四話はなんと後日談で、緊迫感の中に幽霊花魁春風はどんな花魁だったのかの謎を明らかにしながらの大団円。登場人物の落ち着きどころもわかります。 恋話もさることながら、多摩子が書道に研鑽を積んでいく様子が読ませます。相手をよく見て言葉に騙されないで真の思いを汲み取り、それに対する自分の心を表現する。それは、恋においてだけでなく、書道でも同じ。「伝えることを諦めたら、あんたは、あんたを失うよ」という春風の言葉が重いと同時に希望を与えてくれます。 また、誰もが何を諦めて何を取るのかを決めることで恋を成就させたり、将来の道を決めたりしていくあたりは、甘いだけではない、恋のそして人生の苦しさ、にがさを感じさせます。その上で、光と陰、赤と青といった対立が共に並んで際立っていく美しさを伝えてくれる小説です。 あと、映像を言葉で表現しているところも素敵です。春風さんがデザインし、おばあちゃんが縫った林檎の舞台衣装とか、昔の吉原の華やかの様子の幻の描写とか。 竜太郎の「恋に落ちるときって、ドミノみたいなもんだ」というセリフに、小説も同じと思いました。素敵だと思うところに一つ気づくと、次々に自分が好きなところが見つかってきて大好きになり、私こそ一番魅了された読者だって思ってしまう。私はこの小説に恋をしたようです。 | ||||
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