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美術鑑定士・安斎洋人 「鳥獣戯画」空白の絵巻
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美術鑑定士・安斎洋人 「鳥獣戯画」空白の絵巻の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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日本の美術館の舞台裏を覗け、視野が広がり、鑑賞できるありがたみが増します。ただ、初めのところがもったいぶった印象が残念。(私はミステリ小説、好まないので。最後まで読める方にはおすすめできるかも。) | ||||
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全くの勘違い 鳥獣戯画絵巻が少しは入っているのかと思ってたら 単なる ミステリー がっくり | ||||
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表紙も趣があり、鳥獣戯画にまつわる謎が興味深くて、美術界の裏側ものぞけます。 一気に引き込まれます。 ぜひぜひ続編も読みたいです! | ||||
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中村啓氏の本は最初の頃読んだが、またこの鳥獣戯画を読んでみた。文句なしに面白い。 | ||||
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「天才鑑定士」、「有名画家の子息」という設定だけで、強引に謎解きを進める安直なミステリー。ステレオタイプの登場人物に、どうでも良い過去の人間関係。更にエピローグは何の為に付け足されているのか... 断簡発見という構想は面白いが、作者の筆力不足もあり、ミステリーならではの謎解きの楽しさすら感じられなかった。他のレビューアーが高評価していている理由が分からない。 | ||||
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名もないお寺の仏像の中から出てきたのは国宝「鳥獣戯画」の断簡だった!? 「鳥獣戯画」の謎に迫る美術ミステリであります。 新発見とオークションで話題を集めた「鳥獣戯画」に持ち上がった贋作疑惑と連続殺人事件の顛末。 美術品で真贋テーマ……となると多くは贋作にどうやって説得力を持たせるかというトリックがメインになるものですが、そんな読者の先入観の裏を見事にかいた大胆なアイデアにあっと驚き。また、こうした実際の出来事に関する新発見をからめたミステリーでは現実との整合性を保たせるため、焼却させたり、水没させたり、関係者の手で処分させたり、新発見の史料を抹殺してしまって仮説だけが残るという展開が定番なのですが、ここでも定番を外して、ぬけぬけと現実をひっくり返してしまいました。これにもびっくり。 もっとも「鳥獣戯画」に関する仮説(設定?)は面白いのですが、物語自体にはあちらこちらに難があるのがとても勿体ない。 第一にストーリー展開がけっこう唐突で強引。序盤~中盤までは美術業界についてはよく調べたなと感心させられたものの、贋作疑惑が持ち上がってからの展開はメディア描写に現実味が感じられず。軽薄で扇動的なマスコミ批判をやりたかったのかもしれませんが、いくら疑惑の事件だからといって、警察に逮捕されたわけでもない関係者を実名出して犯罪者扱いはしないでしょう。インターネットのアングラニュースじゃないんだから。 第二に主人公たちの過去の確執と「鳥獣戯画」関連事件の内容がちぐはぐといおうか馴染んでいないといいましょうか、むしろ磁石のN極とS極のように反発する結果になってしまっているのでは? という印象。主人公安斎洋人は「絵の心」を読み取ることによって真贋を判断できるという一種の天才なのですが、この設定を突き詰めて考えると「初めから贋作のつもりで作られたフェイク」と「初めから量産品のつもりで作られたコピー」はどう違うのかということになってしまい、本書のような解釈にとってはマイナス要素となるような。 そして、これが一番違和感を感じたところなのですが、「鳥獣戯画」を現代的な意味での「美術品」として評価してしまったよろしいのでしょうか? 国宝として指定されていることからも判断できるように「鳥獣戯画」は「美術品」ではなく「文化財」として評価されているもの。「美術館」よりも「博物館」(それもどちらかといえば歴史博物館)のカテゴリーに入るものなので、美術品として鑑定していいものやら。 作中、日本画に関心がない社長さんが「和紙に墨でいたずら描きをした程度のものだろう」とコメントして見識の浅さをバカにされるくだりがあるんですが、本書での「鳥獣戯画」に関する解釈も合わせて考えると、作者もどこまで意図していたのか、社長さんの素人的感想が案外「文化財」「美術品」というものの本質をついているのでは。「文化財」がどうして「文化財」として認められているかといったら後世の人間がこいつは「文化財」に相応しいと判断したからで、もともとどんな意図で制作されたかは分からないものね。 | ||||
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国宝「鳥獣戯画」の一部と見られる断簡が京都の寺で発見され、断簡にかかわった人物が次々と謎の死を遂げる。事件の真相は? また、「鳥獣戯画」の真贋は? ページをめくるのももどかしい気持ちで、一気に読んだ。 登場人物たちの描き方が、とてもリアルで魅力的。本筋の進行とともに詳らかになるほろ苦い過去が物語に奥行きを感じさせてくれ、ミステリーという括りにおさまらない、文学的な要素もたっぷり楽しめた。 このストーリー、このキャラクターを思いついたとき、作者・中村啓はきっと快哉を叫んだであろう。 主人公の天才美術鑑定士・安斎洋人のみならず、玲子、美宙の未来も見てみたい。上品で、華やかな美術の世界に、また浸りたい。 続編、シリーズ化を強く望む。 ただのミステリーでは飽き足らない、特別な物語を読みたい、という方にお薦めします。 | ||||
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京都の名もない寺から、国宝「鳥獣戯画」の断簡と見られる10枚の白描画が見つかります。その真贋が注目される中、関わった人達が次々と亡くなるという事態が起こります。正直、ミステリとしてだけ考えれば、そこまで凝った謎ではありません。本書の読みどころは、謎解き以外の部分にあるように思えます。 まず、美術品の真贋鑑定の問題です。絵や彫刻が芸術だ、著作権だと言われるようになるまでは、画家はどちらかといえば職人扱いで、師弟制や工房制もありましたから、実際には弟子の手が大幅に入った作品もあれば、弟子が勉強のために師の絵を模写した場合もあるわけです。そんな悪意のない「贋作」もあれば、本書でも名前が挙げられているような滝川太郎や、海外ならメーヘレンといったプロ(?)の手による明らかな贋作もあります。 主人公の学芸員・洋人が、作品を前にどのように考え、鑑定していくか、読んでいてとても興味深く感じました。 一方、現実の事件と並行して語られる、10年前の洋人の美大生時代の話があります。皆それぞれ「我こそが」と意気軒昂に入学してくるわけですが、同級生の中でも圧倒的な才能の差があるという残酷な現実に気付いてしまいます。世界的に有名な画家の息子として生まれた洋人、銀座の一流画廊の娘・玲子、実家の佇まいからお世辞にも裕福とはいえないであろう美宙(みそら)。この若い3人の、情熱や不安、嫉妬、羨望、絶望の物語も、読み手の心に響いてきます。 オークションの場面や、美術館の学芸員の日常業務の様子も描かれていますし、普段あまり美術に興味のない方も、楽しんで読める作品ではないかと思います。 | ||||
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筆者の、絵画に関する深い造詣に揺さぶられているような気分で読み切りました。オークションの情景にものめり込む思いでした。今まで知らなかった世界に導かれ、目を開かされた、この体験は大きかった。この書き手は、もともと絵を描く人ではないかと思う。 | ||||
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ただのミステリーでは終わらないミステリーですね。上品な作品です | ||||
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スケールの大きい著者の大作「リバース」に感銘を受けていた。 憲法24条に絡む政財界の世界から、一転して国宝「鳥獣戯画」 に絡むサスペンスに引き付けられ、一気に読んだ。特に眼の離せ なかったのが、「未知の断簡」のオークションの場面だった。 自分では経験したことはないが、何故かその場面に自分が居合わ せているようで、手に汗を握る思いがした。安西洋人に託した 著者の美術への鑑定眼と創作力に感じ入った。最近、ゴッホと ゴーギャンやルノアールと梅原龍三郎を見てきたが、いつか 鳥獣戯画の真作をしっかりと見なければと思った。ばんび | ||||
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鳥獣戯画をめぐる殺人事件に立ち向かう主人公・安斎洋人の推理と行動が光る。美術鑑定という才能に伴う責任に主人公が目覚めていく過程と、事件解決の過程が絡み合いながら発展していくという面白い展開になっている。成長していく主人公に共感しつつ、読んでいる自分も新しい世界に目が開かれていくような気分になった。久々に良質の作品に出合い、ミステリー小説の醍醐味というか、面白さをあらためて味わうことができた。 | ||||
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いわゆる普通のミステリー小説では終わりません。登場人物たちの駆け引き、苦悩、様々な心模様がジリジリとせまってきます。読み進めているとその描写にはっとさせられる場面があり、新鮮です。美術鑑定士・安斎洋人の心の目がまたとても繊細で興味深いです。ミステリーが好きな方にはもちろんですが、美術関係が好きな方、純文学の好きな方にもお勧めの作品だと思いました。 中村啓さんの作品はデビュー作から読んでいますが、今までのものとは一味ちがったトッピングがなされています(そこもまた、読んでいて面白い)。 そして落ち着いてじっくり読める仕上がりになっていて幅広い年齢層が親しめる作品だと思います。 | ||||
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突然、世に出た、国宝「鳥獣戯画」の知られざる断簡……連続する事故死と殺人事件が描かれる中で、主人公・安斎洋人の天才的な審美眼と推理が冴える……はらはらドキドキしながら読み続けました。中盤からは、息もつかせぬ迫力ある事件の展開となり、ますます面白い。美術の世界に対する、豊富な知識も開陳されていて、大いに得した気分です。華やかな美の世界の謎解きに、たっぷりと浸かる極上のひと時を味わった一冊でした。同じ主人公の、次の小説が早く読みたい。シリーズ化を期待します。 | ||||
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