ティファニーで朝食を

【この小説が収録されている参考書籍】

評判

ティファニーで朝食をの評価:

4.10/5点 レビュー 72件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.10pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全142件 101〜120 6/8ページ
No.42
(4pt)

原作が読みたくなりました

すぐに届き、満足でした。
映画、訳者のファンなので楽しみです。
ティファニーで朝食を (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食を (新潮文庫)より
410209508X
No.41
(4pt)

原作が読みたくなりました

すぐに届き、満足でした。
映画、訳者のファンなので楽しみです。
ティファニーで朝食を Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食をより
4105014072
No.40
(5pt)

読みやすく、世界観もきちんとした翻訳

「ティファニーで朝食を」は原作と映画がかなり異なるので、映画ファンの方は「えっ」と思われる作品だと思います。(逆に私は原作が先だったので、映画を見た時は「ええっ!」でした)
他に3編、龍口氏の翻訳と同じ作品が入っています。
龍口氏の訳を高校生の時から愛読していましたが、正直「うーん」と思っていました。翻訳された当時に「わかりやすいように」という工夫だとは思いますが"Champion"を「大関」など、世界観を損ねてしまうような言葉が次々出てきていました。
今回村上氏の訳でそういった点は改められ、戦中のニューヨークやハイチの雰囲気をきちんと出していたのがよかったと思います。
「クリスマスの思い出」も、龍口氏の「子供の視点からの語り口調」に馴染んでいたために、最初違和感を感じましたが、原文を優先して訳せばこうだよなあ、と思い直すきっかけになりました。
確かに「村上風」とでもいうのでしょうか、あっさりした文体や独特の言葉もありますが、完全に「村上春樹の文章」にはなっておらず、味わい深い仕上がりになっていると感じます。
ティファニーで朝食を (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食を (新潮文庫)より
410209508X
No.39
(5pt)

読みやすく、世界観もきちんとした翻訳

「ティファニーで朝食を」は原作と映画がかなり異なるので、映画ファンの方は「えっ」と思われる作品だと思います。(逆に私は原作が先だったので、映画を見た時は「ええっ!」でした)
他に3編、龍口氏の翻訳と同じ作品が入っています。
龍口氏の訳を高校生の時から愛読していましたが、正直「うーん」と思っていました。翻訳された当時に「わかりやすいように」という工夫だとは思いますが"Champion"を「大関」など、世界観を損ねてしまうような言葉が次々出てきていました。
今回村上氏の訳でそういった点は改められ、戦中のニューヨークやハイチの雰囲気をきちんと出していたのがよかったと思います。
「クリスマスの思い出」も、龍口氏の「子供の視点からの語り口調」に馴染んでいたために、最初違和感を感じましたが、原文を優先して訳せばこうだよなあ、と思い直すきっかけになりました。
確かに「村上風」とでもいうのでしょうか、あっさりした文体や独特の言葉もありますが、完全に「村上春樹の文章」にはなっておらず、味わい深い仕上がりになっていると感じます。
ティファニーで朝食を Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食をより
4105014072
No.38
(5pt)

ナウ・トラヴェリング…

夢の中を生きているいつまでも少女のままで時が止まった女性。ホリーはそんな女性だ。ホリーの家の表札にはトラヴェリングと何時も掛かっている。そんな個性的なというより少しお頭の弱いようにも思われる、どこかとらえどころの無いホリーは、女優の卵であるのにもかかわらず週一回刑務所に「空模様」を伝えにいくために出かけたり、軍人たちから法外なチップを貰い彼らは彼女の家へと押しかける…、そんな不可思議な謎に満ちている。そして主人公僕は彼女の上の階の高級マンションに住むようになって、彼女と出会う。
物語は何年も前に消息を絶った彼女に生き写しの木製の彫像を日本人のユニオシ氏が文明から遠いところにいて自然と共に暮らしているようなアフリカ人が持っていたのを目撃するところから始まる。僕は以前のマンションで行きつけだったホリーとの共通の親友であるバーのマスターからその話を聞き、彼女のことを回想するのだ。そこで彼女に振り回されながら、恋した日々を…。
物語としてはとてもコンセプトのはっきりした小説で、フィッツジェラルドのようなストーリーよりも描写の美しさを重視した小説とは異なっている。しかしホリーの天衣無縫さがとても愛らしく神々しささえ感じられる。扱っている宝石はどうでもよいがティファニーのようなところで過ごすことが出来たなら幸せだ、彼女は言う。ティファニーの落ち着いた佇まい。働く人間のセンスのよさ。牛革の財布やベルトの匂い…。それが彼女に人生の意味、生きがいを感じさせるのだ。しかしそのくせそこいら辺に転がっている彼女をシンデレラにしてくれるチャンスには目もくれようともしない。そして彼女はついにその機会を掴むことは出来ずに僕の前から姿を消すことになる。
彼女の相棒の猫とのお別れのシーンはほろっとさせられる。僕たちよりもかけがえの無い親友の彼に注がれたホリーの優しさは美しい。そんな猫氏はさておき、しかし男ならば読者として僕の立場に立てる僕らは喜ぶべきことなのかもしれない。天衣無縫の美女とのまさに特権的なトラヴェリングは想像力の豊かなカポーティによってしか実現し得ないだろう。実際にそんな体験が出来るなど望むべくも無い。この文明の世の中彼女のような天衣無縫な女性が生きていくにはアメリカのハリウッドはさぞ住みづらくなったことであろう。ホリーは今どこへとトラヴェリングをしているのであろうか…。
ティファニーで朝食を Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食をより
4105014048
No.37
(5pt)

ナウ・トラヴェリング…

夢の中を生きているいつまでも少女のままで時が止まった女性。ホリーはそんな女性だ。ホリーの家の表札にはトラヴェリングと何時も掛かっている。そんな個性的なというより少しお頭の弱いようにも思われる、どこかとらえどころの無いホリーは、女優の卵であるのにもかかわらず週一回刑務所に「空模様」を伝えにいくために出かけたり、軍人たちから法外なチップを貰い彼らは彼女の家へと押しかける…、そんな不可思議な謎に満ちている。そして主人公僕は彼女の上の階の高級マンションに住むようになって、彼女と出会う。
物語は何年も前に消息を絶った彼女に生き写しの木製の彫像を日本人のユニオシ氏が文明から遠いところにいて自然と共に暮らしているようなアフリカ人が持っていたのを目撃するところから始まる。僕は以前のマンションで行きつけだったホリーとの共通の親友であるバーのマスターからその話を聞き、彼女のことを回想するのだ。そこで彼女に振り回されながら、恋した日々を…。
物語としてはとてもコンセプトのはっきりした小説で、フィッツジェラルドのようなストーリーよりも描写の美しさを重視した小説とは異なっている。しかしホリーの天衣無縫さがとても愛らしく神々しささえ感じられる。扱っている宝石はどうでもよいがティファニーのようなところで過ごすことが出来たなら幸せだ、彼女は言う。ティファニーの落ち着いた佇まい。働く人間のセンスのよさ。牛革の財布やベルトの匂い…。それが彼女に人生の意味、生きがいを感じさせるのだ。しかしそのくせそこいら辺に転がっている彼女をシンデレラにしてくれるチャンスには目もくれようともしない。そして彼女はついにその機会を掴むことは出来ずに僕の前から姿を消すことになる。
彼女の相棒の猫とのお別れのシーンはほろっとさせられる。僕たちよりもかけがえの無い親友の彼に注がれたホリーの優しさは美しい。そんな猫氏はさておき、しかし男ならば読者として僕の立場に立てる僕らは喜ぶべきことなのかもしれない。天衣無縫の美女とのまさに特権的なトラヴェリングは想像力の豊かなカポーティによってしか実現し得ないだろう。実際にそんな体験が出来るなど望むべくも無い。この文明の世の中彼女のような天衣無縫な女性が生きていくにはアメリカのハリウッドはさぞ住みづらくなったことであろう。ホリーは今どこへとトラヴェリングをしているのであろうか…。
ティファニーで朝食を (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食を (新潮文庫)より
4102095012
No.36
(5pt)

映画と違うストーリーに興奮

映画しか知らなかったので、読んでみた。
(恥ずかしながら)
なんとも言えず原作の方が、淡く儚くて美しい。
旅に持って行こう。
何度でも、読み返したいと思った。
ティファニーで朝食を (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食を (新潮文庫)より
410209508X
No.35
(5pt)

映画と違うストーリーに興奮

映画しか知らなかったので、読んでみた。
(恥ずかしながら)
なんとも言えず原作の方が、淡く儚くて美しい。
旅に持って行こう。
何度でも、読み返したいと思った。
ティファニーで朝食を Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食をより
4105014072
No.34
(3pt)

英語の勉強にはなるかな

映画の字幕スーパーの様なルビ訳になっているので、意訳表現が多く見受けられる。知らない単語があれば辞書を引いて確認するのも良いと思う。
ティファニーで朝食を [英語版ルビ訳付] 講談社ルビー・ブックス Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食を [英語版ルビ訳付] 講談社ルビー・ブックスより
4770023774
No.33
(4pt)

スタイリッシュな小説

村上春樹訳ということで興味を持って読んでみた。主人公ホリーも物語も文体もすごくお洒落な、スタイリッシュな小説だった。もっともこのお洒落な文体がトルーマン・カポーティによるものなのか、村上春樹訳によるものなのか正直自分には分からないのだけれど、素敵なことに変わりはない。

他の方も書かれている通り、映画はまったく別物になっている。オードリー・ヘップバーン演ずる映画の主人公に原作のホリーが持つ自由奔放でありながらどこか寂しげな感じはないし、映画のジョージ・ペパードにも原作の「僕」が持つ振り回されっぱなしの華奢な感じはない。エンディングが異なれば物語も異なるわけで、どちらが良いという以前に、抱く感想は「まったく違うね」だった。

表題作に続く3つの短編の中では、切ないながら清々しさを残す『クリスマスの思い出』が良かった。
ティファニーで朝食を (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食を (新潮文庫)より
410209508X
No.32
(4pt)

スタイリッシュな小説

村上春樹訳ということで興味を持って読んでみた。主人公ホリーも物語も文体もすごくお洒落な、スタイリッシュな小説だった。もっともこのお洒落な文体がトルーマン・カポーティによるものなのか、村上春樹訳によるものなのか正直自分には分からないのだけれど、素敵なことに変わりはない。

他の方も書かれている通り、映画はまったく別物になっている。オードリー・ヘップバーン演ずる映画の主人公に原作のホリーが持つ自由奔放でありながらどこか寂しげな感じはないし、映画のジョージ・ペパードにも原作の「僕」が持つ振り回されっぱなしの華奢な感じはない。エンディングが異なれば物語も異なるわけで、どちらが良いという以前に、抱く感想は「まったく違うね」だった。

表題作に続く3つの短編の中では、切ないながら清々しさを残す『クリスマスの思い出』が良かった。
ティファニーで朝食を Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食をより
4105014072
No.31
(5pt)

Good Luck,Holly.

そうしか生きられない人間の痛切な物語。映画化に当たっての改作に最後まで異議を唱えたという原作者カポーティー。ラスト、消息を絶ったホリーの、彼女が望む本当のしあわせを思う。ハリウッド映画には描けなかった本物の自由。ホリーに幸運を。
ティファニーで朝食を (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食を (新潮文庫)より
410209508X
No.30
(5pt)

Good Luck,Holly.

そうしか生きられない人間の痛切な物語。映画化に当たっての改作に最後まで異議を唱えたという原作者カポーティー。ラスト、消息を絶ったホリーの、彼女が望む本当のしあわせを思う。ハリウッド映画には描けなかった本物の自由。ホリーに幸運を。
ティファニーで朝食を Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食をより
4105014072
No.29
(5pt)

ペーパーバックは読みにくいという人に

内容ではなく、このシリーズのよさについての評価です。 ペーパーバックの紙の悪さと開きにくさを、気にする人ならこれがおすすめ、文庫本のサイズで読みやすく紙の質もよく、おまけに脚注も最後についているので参考になる。ルビがふってあったり対訳だったりいろいろなシリーズが各社からでているがこのシリーズがおすすめ。このシリーズで何冊か持っているが、変色もせず何度でも読める。昔買ったペーパーバックの ”日はまた昇る” なんか変色だけならまだしも紙がくずれて読めないので、このシリーズを見つけ購入しました。名作はこのシリーズがおすすめ在庫がないのが多いけど、講談社も、もう少しがんばってこれに力を入れてほしいですね。
ティファニーで朝食を (講談社英語文庫 カセット・セレクション 64-T) Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食を (講談社英語文庫 カセット・セレクション 64-T)より
4770025521
No.28
(5pt)

ペーパーバックは読みにくいという人に

内容ではなく、このシリーズのよさについての評価です。 ペーパーバックの紙の悪さと開きにくさを、気にする人ならこれがおすすめ、文庫本のサイズで読みやすく紙の質もよく、おまけに脚注も最後についているので参考になる。ルビがふってあったり対訳だったりいろいろなシリーズが各社からでているがこのシリーズがおすすめ。このシリーズで何冊か持っているが、変色もせず何度でも読める。昔買ったペーパーバックの ”日はまた昇る” なんか変色だけならまだしも紙がくずれて読めないので、このシリーズを見つけ購入しました。名作はこのシリーズがおすすめ在庫がないのが多いけど、講談社も、もう少しがんばってこれに力を入れてほしいですね。
ティファニーで朝食を (講談社英語文庫) Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食を (講談社英語文庫)より
406186064X
No.27
(5pt)

ペーパーバックは読みにくいという人に

内容ではなく、このシリーズのよさについての評価です。 ペーパーバックの紙の悪さと開きにくさを、気にする人ならこれがおすすめ、文庫本のサイズで読みやすく紙の質もよく、おまけに脚注も最後についているので参考になる。ルビがふってあったり対訳だったりいろいろなシリーズが各社からでているがこのシリーズがおすすめ。このシリーズで何冊か持っているが、変色もせず何度でも読める。昔買ったペーパーバックの ”日はまた昇る” なんか変色だけならまだしも紙がくずれて読めないので、このシリーズを見つけ購入しました。名作はこのシリーズがおすすめ在庫がないのが多いけど、講談社も、もう少しがんばってこれに力を入れてほしいですね。
ティファニーで朝食を―Breakfast at Tiffany’s 【講談社英語文庫】 Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食を―Breakfast at Tiffany’s 【講談社英語文庫】より
4770022433
No.26
(5pt)

懐かしかったですね

村上春樹の日本語訳と比べるとなかなか面白い。特に筆者本人が書いている「あとがき」には、映画版の辛辣な批判があり、とても面白い
ティファニーで朝食を Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食をより
4105014048
No.25
(5pt)

懐かしかったですね

村上春樹の日本語訳と比べるとなかなか面白い。特に筆者本人が書いている「あとがき」には、映画版の辛辣な批判があり、とても面白い
ティファニーで朝食を (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食を (新潮文庫)より
4102095012
No.24
(4pt)

都会の洒落たファンタジー

中篇というには長く、長篇というには短めの「ティファニーで朝食を」。
 ニューヨークで作家修行中の「ぼく」が出会った超個性的で不思議な美少女、ホリー。自由気ままに、奔放に生きるホリーの言動と行状を「ぼく」の観点から描写するだけでストーリーが成り立っている。
 ホリーの心理描写はいっさいない。それを短篇ではなくかなり長い話として見事に成立させている。展開のメリハリの付け方は巧いとしか言いようがない。

 ある意味、ファンタジーとも言える物語だが、アラバマもの/ニューヨークものという観点からするとちょうど中間に位置するだろう。「ぼく」の年もたぶん20代だし、ホリーは20歳直前くらいだ。だから、ニューヨークものの特徴である「得体の知れない不安、恐怖」も一瞬現れるだけだ。

 《 いやったらしいアカに染まったときどうする? いちばんいいのはタクシーを拾ってティファニーに行くこと 》
 だから、タイトルは意味がある。《 自分とものごとが一つになれる場所がティファニー 》とホリーは思っている。

 同じ理由で、アラバマものにみられる子供の目を通したピュアな美しさは感じられない。本来のカポーティからすればどっちつかずで中途半端だが、洒落て洗練された上質の都会小説ではある。

 「花盛りの家」。
 カリブ海(と思う)の島の港町の娼婦。美人で客には人気があったのだが、初めて恋した若者と田舎に所帯を持ち、お姑さんのブードゥ祈祷師にいじめられて苦労する。そんなとき、昔の親友(娼館仲間)がやって来て町に戻るように説得するが・・・。
 南国の明るい風景の中で、気だてのいい少女の心理が的確に描かれる。細かな仕掛けも効果的で、後味の良い小品。
 
 「ダイヤモンドのギター」。
 99年の刑に服している初老の囚人が新入りのラテン系の若者と仲良くなる。彼は模造ダイヤを散りばめたギターを弾き、この模範囚に娑婆を思い起こさせる。ある日、作業に出た二人は脱走を決行するのだが・・・。人生の空しさを強調する作品でとても読みやすいが、結末は盛り上がりに欠ける。

 「クリスマスの思い出」。
 本当に美しい、心の底にまで染み通る傑作。
 クリスマスの準備にいそしむ少年(作者)とスック叔母さん(本当は年の離れた従姉妹)の会話を通して心の交流が的確に描かれ、それに素晴らしい自然描写が加わる。スック叔母さんの無垢な心が印象的。
ティファニーで朝食を (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食を (新潮文庫)より
410209508X
No.23
(4pt)

都会の洒落たファンタジー

中篇というには長く、長篇というには短めの「ティファニーで朝食を」。
 ニューヨークで作家修行中の「ぼく」が出会った超個性的で不思議な美少女、ホリー。自由気ままに、奔放に生きるホリーの言動と行状を「ぼく」の観点から描写するだけでストーリーが成り立っている。
 ホリーの心理描写はいっさいない。それを短篇ではなくかなり長い話として見事に成立させている。展開のメリハリの付け方は巧いとしか言いようがない。

 ある意味、ファンタジーとも言える物語だが、アラバマもの/ニューヨークものという観点からするとちょうど中間に位置するだろう。「ぼく」の年もたぶん20代だし、ホリーは20歳直前くらいだ。だから、ニューヨークものの特徴である「得体の知れない不安、恐怖」も一瞬現れるだけだ。

 《 いやったらしいアカに染まったときどうする? いちばんいいのはタクシーを拾ってティファニーに行くこと 》
 だから、タイトルは意味がある。《 自分とものごとが一つになれる場所がティファニー 》とホリーは思っている。

 同じ理由で、アラバマものにみられる子供の目を通したピュアな美しさは感じられない。本来のカポーティからすればどっちつかずで中途半端だが、洒落て洗練された上質の都会小説ではある。

 「花盛りの家」。
 カリブ海(と思う)の島の港町の娼婦。美人で客には人気があったのだが、初めて恋した若者と田舎に所帯を持ち、お姑さんのブードゥ祈祷師にいじめられて苦労する。そんなとき、昔の親友(娼館仲間)がやって来て町に戻るように説得するが・・・。
 南国の明るい風景の中で、気だてのいい少女の心理が的確に描かれる。細かな仕掛けも効果的で、後味の良い小品。
 
 「ダイヤモンドのギター」。
 99年の刑に服している初老の囚人が新入りのラテン系の若者と仲良くなる。彼は模造ダイヤを散りばめたギターを弾き、この模範囚に娑婆を思い起こさせる。ある日、作業に出た二人は脱走を決行するのだが・・・。人生の空しさを強調する作品でとても読みやすいが、結末は盛り上がりに欠ける。

 「クリスマスの思い出」。
 本当に美しい、心の底にまで染み通る傑作。
 クリスマスの準備にいそしむ少年(作者)とスック叔母さん(本当は年の離れた従姉妹)の会話を通して心の交流が的確に描かれ、それに素晴らしい自然描写が加わる。スック叔母さんの無垢な心が印象的。
ティファニーで朝食を Amazon書評・レビュー: ティファニーで朝食をより
4105014072