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シャーロット・ホームズの冒険 女子高生探偵の憂鬱
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シャーロット・ホームズの冒険 女子高生探偵の憂鬱の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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『冒険』と呼ぶよりは原題に倣うに『シャーロット・ホームズの習作』と呼んだ方がベストだと思う。無論、原題はかの記念すべき一作目のもじりである。 作中のホームズとワトソンにせよ、作者にせよ、まだ「これから」の未来があると信じているし、そういう意味ではまだホームズとワトソンとしては『習作』である若い二人を長い目で見守っていきたいと思う。そして彼らが真に「ホームズ」と「ワトソン」になった時、新しい伝説が始まることだろう。 余談であるが、猫被ってる時のシャーロットはかわいいし、それにどぎまぎするワトソンもかわいい。 | ||||
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米amazon.comでは非常に高評価なので翻訳に問題があったかと思い若干不安だったが、まったく問題なく大変楽しめた。 著者は大学で創作文芸の講座を持ちつつ博士課程で研究を続けているそうで、その経歴からわかるように堅実なつくりをしている。ミステリィとして「誰が、なぜ、どうやって」罪を犯したのか、を詰めていくところに破綻はなく、他レビューで針小棒大を絵に描いたような形でまるで致命的な欠陥があるかのように書かれているが、最重要事件についてはそんなことはなく、その欠陥のように見える特徴も普通に読んでいけばすんなり流れてくるものなので心配する必要はない。 ただ、犯罪の綻びを詰めるために細かな手を犯人が打っていて、それがさらりと描かれるので見落としやすいということ、くわえてその手があったかと手を打つようなスペシャルなトリックではなく地味なので、そこに期待して読むと残念なことになるだろう。 他の方が言及している通り、原題はA Study in Charlotte、つまり、ヒロインたるシャーロットが主たるものである。シャーロットが何かするのではなく、シャーロットとは何者なのかを主人公が探っていく物語である。 ただし、高校生の少年少女の物語であるが、舞台はアメリカでアメリカで書かれた小説なので、日本のライトノベルとはノリがまったく違う。「表紙買い」して、日本のライトノベルのヒロインのように清廉潔白なのに、官能性を持っているが防御は固くけれども主人公だけは特別扱い……みたいな「理想の女の子」を期待していると酷い目に会う。 上巻の序盤の場面なので書いてしまうが、ワトスンの憧れの少女シャーロットは薬物を多用するし、喫煙者である。そしていけ好かない被害者と性行為に及んだことがあり、その過程がよく見えなくなっている。だからこそワトスンは事件に好んで巻き込まれていくわけだが、その衝撃が前述の「ライトノベルのノリ」で読む方にはおそらくとてつもない水準であるから、注意したほうが良い。 が、アメリカの高校生活については映画レベルの知識があれば十分だ。 ワトスンはすぐに状況を展開し始めるが、そうではなく衝撃に打ちひしがれたワトスンの状態で最後まで読み進めたのだろうと思えば、小説の全てをこき下ろすために全精力を費やしたようなレビューも微笑ましく眺めることができるだろう。 また、シャーロットを初めとしたキャラクタは洗練されていて、それこそトイレにもいかないようなキャラクタは1人もおらず良いところも悪いところもあり、それは確実に現実感を高めている。繰り返すが、ライトノベルのようにキャラクタは神聖なものでないから、期待しないことをお勧めする。 ミステリィとしては、驚きはない。キャラクタたちも、よく言えば手堅く、悪く言えばまあこんなもんである。が、この堅実に高い水準で描いた作品がどれだけ少ないかを考えれば高評価に値するし、絶対的に見て秀作という評価を与えられてしかるべき作品である。 | ||||
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