(短編集)

終末のフール

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評判

終末のフールの評価:

3.59/5点 レビュー 202件。 B ランク

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平均点3.59pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全318件 301〜318 16/16ページ
No.18
(5pt)

人生には、期限があるということ。

たとえば、地球は後8年で消滅しないかもしれない。若くして子供を生んでもその子の成長をみずに死んでいくのかもしれない。私達にとっていつだって、人生そのものに期限があるということ。一番好きな人の側にいたいと思うのは、本当はこの世の中で一番大切な事なのに、忘れてしまうのです。
終末のフール Amazon書評・レビュー: 終末のフールより
4087748030
No.17
(5pt)

終わりを前にどのように生きるか

小惑星との衝突による終末が予告された世界で生きる人達の、9つの物語。
各々の物語は巧みにリンクし、全体で大きな風景を描き出している。
極限状態で前向きな物語を紡ぎだす著者は、自らの資質に挑戦しているかのようだ。
世界全体の終わりでなくても誰にも死という終末はやってくる。
終わりを前にどのように充実した生をおくるか、また大事な人を亡くしたことにどう折り合いをつけて生きていくか。深く考えさせられ、また勇気付けられる。
著者の本を読んでみたいという人に、最初の一冊として自信を持ってお勧めできる傑作。
終末のフール Amazon書評・レビュー: 終末のフールより
4087748030
No.16
(3pt)

ハリウッド的発想だけど、日本的な情緒も感じた。

前から読んでみたかった作者の一人。
「世界滅亡まであと8年」を伝えられて、混乱の5年を過ぎ、
自殺、他殺、暴動、何でもありの時期を乗り越えた人たちが
束の間の平穏の中、残り3年をどう生きるか語っている。
舞台は仙台のとある街。
P.300に8篇、それぞれの登場人物で語られるのでサクサク読める。
みんなご近所で少しづつ次の話にも登場する。
噂話や会話の中や、行き先に…
設定はハリウッド映画の突飛な感じそのものだが、
リミットのある世界で如何に生きるかが面白いと思った。
だらだら続く世の中ではしないだろう事、有り得ないことが身近になる。
今までのお金とかの価値観も変わってしまう。
将来と言う発想のない中で自分を全うするにはどうするか考えてみたりした。
終末のフール Amazon書評・レビュー: 終末のフールより
4087748030
No.15
(5pt)

直木賞候補にするなら、「砂漠」よりこちら!

いい作品ですね。仙台土着作家ってのが、いい味になってるのかも。
あなたの人生での優先順位一位は何ですか?
最後に一緒にいたい人は、誰ですか?
そういうテーマが、はっきりしていて良かった。
自分が幸せに生きてることを、再確認できた。
鋼鉄のウールがいいですね。
ストイックなのには、あこがれるんだなあ。
終末のフール Amazon書評・レビュー: 終末のフールより
4087748030
No.14
(3pt)

んー??

伊坂幸太郎お得意の伏線を使った繋がりが無いせいか、物足りなく感じた。
レビューのタイトルは読み終えたときの感想。
伊坂氏の特徴として、初めにどこにどうやって絡んで来るのかがわからない部分があり、それが最後になって「あぁ、ここで最初のアレが繋がるのね」と読者が納得するような書き方をする、ということが挙げられると思う。
この本ではそういった「納得感」が薄かったような気がする(あると言えばあるけども)。
短編でさえ(例:透明ポ−ラーベア)そういった書き方をしていたのに、この本では何故しなかったのだろう?
期待をしていただけに少し拍子抜けしてしまった。
終末のフール Amazon書評・レビュー: 終末のフールより
4087748030
No.13
(3pt)

絶望

あと3年の人生。その先がない。
これまで味わったことがない絶望によって人類は試される。
8年後に小惑星が地球にぶつかると報道されると、
世は乱れ、暴力が幅を利かせるようになった。
必ず死ぬと判ってしまった人生はむなしい。だから、
したいようにする人間が現れることは、当然の流れなのかもしれない。
しかし5年が経ったころ、平安な時が流れ始める。
ここはちょっと乱暴だが、「みんな飽きたんだ」と説明されている。
暴れることに飽きた、馬鹿らしくなった、と。
そして、何はともあれ小康状態が訪れて、
表題を裏切らず、世界の「終末」を舞台としたお話が始まる。
ここに登場する人物は皆、生きることに真剣に向かい合っている。
赤ちゃんを産むかどうかで悩む男性、ボーイフレンドを探す女の子。
3年以降に馳せた想いがすべて無駄になるとしても、
人は日々を精一杯生き、前を向いて進むしかない。
この設定どおりの状況に陥ったら自分はどう行動するだろうか、
おそらく読者はそう考えずにはいられなくなる。
暴動に加わるか、座して死を待つか、
もしくは登場人物のように一生懸命あがいて生きるのだろうか?
残酷な設定と、人間の強さと脆さ、そして読者に残す無言の問。
本作の魅力はそのあたりにある。
終末のフール Amazon書評・レビュー: 終末のフールより
4087748030
No.12
(4pt)

仙人

伊坂幸太郎って、仙人になろうとしているのか?
いろんな人間を、「あとちょっとで地球壊滅」なんて極限状態に泳がせて、眺めてる感じ。
上からな。上から。
嫌な意味でなくて、ずっと上方から登場人物たちの生活を眺めてるような感じで読み終えた。
自分だったら・・・・
終末のフール Amazon書評・レビュー: 終末のフールより
4087748030
No.11
(4pt)

作品の持つ意味は重い・・・

毎日の平凡な生活があと何年か後には失われてしまう。終わりが見えて
いる人生。自暴自棄になる人、耐え切れずに自ら死を選ぶ人、他人を
襲う人。架空の物語なのだけれど、読んでいて背筋がぞくっとなった。
人類最期のときまで、いったい何をすべきなのか?いつもの日常が
断ち切られるなんて想像もできないけれど、実際にこういうことが
起こったら、私も耐えられなくなるかもしれない。この絶望的な状況の
中でいつもの生活を送ろうとする人が、とても強く見える。確実な
未来なんてない。そのことに気づかされるこの作品が、とても重く
感じた。
終末のフール Amazon書評・レビュー: 終末のフールより
4087748030
No.10
(4pt)

様々な人間の物語

全世界に「あと8年の寿命」と報道があってからの8つの物語。内容としてはそれぞれの話が裏設定程度にリンクしていて家族の話が多いですが、恋人探しだったり、まったく変わらないボクシングジムの先輩と会長だったりとそれなりに飽きずに読めました。また、死が決まっている人間のとる行動がその人間性によって様々に分かれてくる部分がしっかりと書かれていてよかったです。自暴自棄になる者や奇跡を願う者、家族ごっこを始める者、死を受け入れ人類最後の死人になろうとする者。人間とは不思議な存在です。死が訪れることは早いか遅いかの違いしかないのに、その状況・状態で悪い方向にも良い方向にも自身で持っていくのです。地球上にそのような存在は人間だけだと言えるでしょう。だからこそ多くの思いや願いが存在するのだと思います。死が訪れる瞬間私たちは何を思い、願うのでしょうか。この本を読みながら考えてみるのも一興だと思います。
終末のフール Amazon書評・レビュー: 終末のフールより
4087748030
No.9
(5pt)

あきらめるな

伊坂幸太郎の最近のパターンでもある、短編が連なり、8家族から残り3年の人々が浮かびあがる。
伊坂幸太郎は、人間が弱くて、ずるくて、みっともないことを、逃げも隠れもせず、この作品でゆっくり呈示してくる。
どんなに惨めでも、カッコ悪くても、恐くても、生きるしかない。
私達が1日を大切に生きようとしないとき、流れたしまった時間の尊さを、伊坂幸太郎は覚えているような感じだ。
余命3年の状況でも、進むべき生き方は、今でも同じだと語られている気になる。
<あきらめるな>静かな闘志が、心を揺り動かす。
終末のフール Amazon書評・レビュー: 終末のフールより
4087748030
No.8
(3pt)

ふつうすぎる感。

今回の物語は
3年後に小惑星が地球にぶつかり、世界が終わる...
そしてそれまでを誰とどう過ごすのか?仙台のヒルズタウンという
マンションに住む人々を中心に描かれている短編集。
正直に言うと、伊坂氏の今までの小説の中で一番、読み終わるのに
時間を要した本です。それはどういうことなのか?
短編集ということも理由になるのでしょうが、
「次が読みたいわくわく感」が感じられず、
ページをめくる手が進まなかったということです。
良くも悪くも優等生的な作品に感じられました。
平均点以上は確実に取っているけれど面白みに欠けていて
個人的にはあまり楽しめませんでした。
どうせならもっと現実離れしたものにしてほしかったなあ...。
エラソーな事を言わせてもらえば
これで直木賞はとって欲しくないです。
なんかもっとこう、パンチの効いた疾走感のある伊坂ワールドが読みたいのです。
次回作に期待します!
終末のフール Amazon書評・レビュー: 終末のフールより
4087748030
No.7
(5pt)

許すよ、俺は

ヨカッタ。
「生きる」ってことがこの作者のライフテーマなんだろうなと。
作品を振りかえってみると全部「生きる」って話なのに驚いた。
テーマとしてはごくごくありふれたもので、
この時代にそういう青臭いメッセージはどうかとも思うけど、
この作者の場合、単なる楽観主義でもなく、シニシズムでもなく、
残酷さをもって静かに書ききってしまうところがすごい。そして面白い。
だから許せる。
気になったのは各章のタイトル。
天体のヨールはどうなんだと思う。
でも、お話としては一番好き。
だから許せる。
あと、登場する女性がみな度量が大きいというか
ちょっと現実離れしてる感じはした。
でもみんな斉藤和義のいくつかの曲に出てきそうな感じで魅力的。
だから許せる。
終末のフール Amazon書評・レビュー: 終末のフールより
4087748030
No.6
(4pt)

極限状態に置かれてもなお生き抜こうとする人たちの物語

どこか人を喰ったような、浮遊感のあるエキセントリックな伊坂幸太郎の世界。そんな伊坂テイストを残しながらも、前々作『魔王』と前作『砂漠』では、ミステリーとは離れた小説が続いた。本書もミステリーではなく、SFちっくな極限状態におかれた人間群像を描いている。
2***年。「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されてから5年が経った。
恐怖心が巻き起こす、暴動、殺人、放火、強盗、デマ、そしてパニック的な逃避行動・・・。社会に秩序がなくなり、世界中は大混乱に陥っていたが、ここへきて“5年ぶりに祭りが終わったかのように町に落ち着きが戻り”(「鋼鉄のウール」)、世間は危うい均衡が保たれていた。
舞台は伊坂小説のフランチャイズ、仙台。本書は、その北部の丘を造成して作られた団地「ヒルズタウン」に建つ、築20年のとあるマンションの、“世界の終わり”騒動の後も、今なお生き残って住んでいる人たちが、入れ替わるように一人称で語る8話の連作短編集である。
彼らはいずれも今回のパニックか、あるいはもっと以前に何らかの理由で家族を亡くしている。心の中にあるのは絶望のはずである。冒頭から主人公の自殺未遂で始まる物語もあるくらいだ(「天体のヨール」)。
しかし、本書のすごいところは、ただ単に人々の絶望やパニックを描いているのではなく、その向こうに「生きる道のある限り、あと3年の命を精一杯生きよう」という前向きの姿勢を導き出しているところだ。8つの物語はいずれも主人公の前向きな「生きる決意」で終わっている。
「じたばたして、足掻いて、もがいて。生き残るのってそういうのだよ、きっとさ」(「深海のポール」)。
本書は、極限状態に置かれてもなお生き抜こうとする人間の強さを静かに訴えた傑作である。
終末のフール Amazon書評・レビュー: 終末のフールより
4087748030
No.5
(4pt)

同じフィクションなら「ディープ・インパクト」よりもこちらでしょう

伊坂氏の得意路線の連作集。
今回は「滅亡することが分かった地球」がテーマで、各話が微妙にリンクしながら話が進みますが、「死神の精度」ほどのエンタメ路線ではなく、どちらかといえば静謐な佳作という印象。レビューにもあるように、ネタは隕石衝突なのですが、同じフィクションでも、映画「ディープ・インパクト」や「アルマゲドン」に比べたら、こちらの方が虚構の世界らしい現実感がありますし、読み始めたら止まらないことは保証します。
相変わらず「感傷」を排したように淡々と進みながら、物語の幕切れは「急にパーっと視野が広がるような」感じで、読後感は良いのですが、本作は若干の物足りなさもあります。ただ、テーマがテーマだけに、これ以上のカタルシスを求めると「ご都合主義の嘘」になってしまうので仕方ないかもしれません。
ところで、読みながら何となく、高野文子さんのコミック『棒がいっぽん』の世界観を思い出したのですが、両作品をお読みの方どうでしょう?未読の方にも併せてお薦めしたいです。
終末のフール Amazon書評・レビュー: 終末のフールより
4087748030
No.4
(3pt)

伊坂さんならここを書くと思いました

なんだか、読んでいて星新一の『声の網』を思い出しました。
マンションの住人が連続して主人公になっていくという設定の共通点があります。
「3年後に世界が小惑星の追突によって、滅んでしまう」という世界の、とあるマンションに住む人々の物語です。
世界が終わりを迎えるということは、8年前に発表され、それから5年間は混乱した人類による暴動やらが起きていて、それが一段落した段階での物語。
映画ならば破滅が決まったときの人々の混乱を描くか、その破滅の瞬間を描くでしょう。
伊坂さんならその時期は外して、ある程度小康状態になったところを描くか、結局は破滅しなかった世界のどちらかを描くかだな、と思いました。
自分のなかの伊坂さんの世界とある程度一致している内容でした。
伊坂作品によくあるように、ある作品の主人公と他の作品の主人公がちょっと会話をしたり、関わったりします。
まあ、それが伊坂作品の良さなのですが、ちょっと今回のは個人的には展開の予想が当たりすぎて残念というところがありました。
そういった意味で星3つです。
終末のフール Amazon書評・レビュー: 終末のフールより
4087748030
No.3
(5pt)

万人のための童話

私は伊坂氏の今までの作品の魅力にすっかり浸透され,どうしてもひいき目なレビューになりがちかもしれないが,
読んで得るものが大きい作品であることは間違いないかな,と思う。
3年後に地球に小惑星が衝突して,世界が無くなってしまうという設定で繰り広げられる8つの短編は,
なんてことがない話だったりするが,それぞれがユーモアに溢れつつ,人生について考えさせられる。
正しい生き方って何かな?と。短編だから余計にストレートに伝わる感じがする。
「明日死ぬとしたら,生き方が変わるんですか?」
「あなたの今の生き方は,どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」
ときどき,グサリグサリとくる。
終末のフール Amazon書評・レビュー: 終末のフールより
4087748030
No.2
(4pt)

絶望的状況での日常は意外と和やかだったりもする

小惑星が激突して地球があと数年で地球が滅びる、という状況での仙台某所のマンションに住む住人達がそれぞれ主人公となった短編集。
設定は唐突ですが、終末に向けてのそれぞれの日常を温かく描いています。このような状況下で(所謂パニック映画のような)激しい感情の変化などがありがちですが、あまりそのようなことはなく穏やかに進んでいきます。そこが逆に切なくもあり、温かく感じる所以なのでしょうか。
伊坂作品ですから短編同士のクロストークもちらほらあります。
ミステリーではなくても伊坂作品もおもしろいですね。
終末のフール Amazon書評・レビュー: 終末のフールより
4087748030
No.1
(5pt)

僕らと彼らの終末に

伊坂ファンであり知り合いにその魅力を布教している者だが、正直いって近作の『魔王』と『砂漠』については紹介がしずらかった。だって、伊坂幸太郎風のおもしろさ(と、勝手に特定してしまうのは著者とその愛読者に失礼だが、まあ、ファンってのは不公正な思い込みがなければ成り立ちませんので…)があんまりなかったのだもの。とりあえず、これらは後回しにして『ラッシュライフ』とか『死神の精度』とかを先に読んで、その軽快な物語づくりや会話のセンス、いかにもフィクションな楽しさを味わいながら、でも「人生って何だろうね」をあまり深刻でなく考えられるすごさをどうぞ、ってな紹介をしていたわけだ。
だから、やった。この作品の登場をもって、新作からいきなりすすめられるのである。また思い込みで恐縮だが、この作家の本質は相互リンクを前提とした連作短編である。一つの視点が長いとダレる。しかし一つの世界を複数の視点から構築していく才覚には舌を巻く。講談的でなく、落語的なのだ。お話の神様の視点からエピソードの全体を長々と語りとおすのではなく、実際にその場で生きている人々の声や視線やしぐさが交差しあう様をおもしろおかしく時にかなしく演じてみせる。
今回はテーマは世界=私の人生の終末。まあ、理の必然として「死に照らされてこそ生は耀く」的なニュアンスが前面に出てくるわけだが、しかしもちろん、それだけではない。あと三年、という状況を想像力ゆたかにリアルに描写しつつ(基調としては、大混乱と大量死の嵐のあとの静けさ)、その日の前の異常な日常が、あちらではコミカルに、こちらでは社会風刺的に、全体を通してごく哲学的に(SFはいつも哲学的だが)、そして本作の最大のポイントかなと思うのだが、家族ドラマ的(「家族」はカッコつきがいいかな)にたんたんと語られる。
楽しみながら、考えて。恐怖しながらやさしい涙を流して。そういう傑作である。
終末のフール Amazon書評・レビュー: 終末のフールより
4087748030