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サマーキャンプ 潜入捜査官・高階紗香の慟哭
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サマーキャンプ 潜入捜査官・高階紗香の慟哭の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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スピード感溢れる展開と状況描写で序盤から物語に引き込まれていきます。 たった一人で事件と向き合う主人公の恐怖をいつの間にか読者も共有してしまうのはまさに映像作品のよう。 巧妙なトリックで驚かす謎解き系ミステリーではなく、骨太な警察小説というのが正しいと思います。 終盤、事件の背景や真相が徐々に明らかになるに従い、物語はズッシリと重い何かを読み手に背負わせていく。 最終ページを繰った後も、大きく揺さぶれた心は一晩落ち着くことがありませんでした。 平穏な日常の陰に伏す、凄惨な運命。 フィクションだとわかっているのに、何故か自分の周囲で起きているかもしれないと思わせる現実感。 作者が何を言おうとしているのか? 突きつけれらた陰鬱な刃物がいつまでも残っています。 | ||||
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蒸発、自殺、事故死、まったく関係性のないと思われていた3件の現場に残されていたのは、新興宗教団体のチラシ。 潜入捜査を命じられた捜査一課特殊班4係所属の高階紗香が挑むのは、隔離された出家者たちの集団生活の中に潜む見えない殺意と罠だった。 息をのむスピーディーな展開と、緻密な計算のもとに炙り出されていく、登場人物たちの消せない痛み。 圧倒的な臨場感をもって描かれる潜入捜査のさまは、読者をいつの間にか映像を追っているかのような錯覚に陥らせる。 予測不能、驚愕の真実。エンターテイメントとしての完成度の高さに目が行きがちだが、作者が描こうとした、ごく普通の人生が、ふとした瞬間に生まれた悪意で汚されていくことに対する無力さ、哀しみは、今の日本のありふれた日常にひそんでいる狂気と絶望に他ならない。 なぜだか泣けるのは、犯罪ではなく人間が書かれているからだ、と思う。 | ||||
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隔離された集団の中で悪意が芽生え、ヒステリックにでも静かに成長していってしまう様子を潜入捜査という特異な視点からスリリングに描いています。 決して他人事ではなく身近でも起き得る事だと私たちは知っているから冷たい刃を当てられたようなヒリヒリとした気持ちになるのでしょう。 楽しいはずのサマーキャンプの中で、崩壊した家庭の中で、腐敗した宗教団体の中で。 閉ざされた空間の中で自浄性が失われた時、身勝手な欲が暴発して救いようのない結末を招いてしまいます。 作者は映画やドラマの企画をしていたという人物だけにロケーションの描写が繊細かつ正確な為、知らず知らずストーリーに引き込まれて行きます。合間合間にカットインしてくる伏線もまるで映画を観るようで期待を煽ります。 映画を作るように1シーン1シーン丁寧に作りあげた、そんな作品だと思います。 | ||||
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