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ガラパゴス
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ガラパゴスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全51件 41~51 3/3ページ
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日本社会の、特に雇用問題を取り上げ、社会の歪みを糾弾した作品。非正規という名の部品として扱われる人間たちの姿を鮮明に描き出している。これが今現在の日本の姿であると思うと、胸が締め付けられ、絶望感に打ちのめされずにはいられない。作品の中にぐいぐい引き込まるうちに、自分や家族、友人たちが、登場人物たちと同じ立場に立っている錯覚に陥り、理不尽な社会への憤怒と、その一方でこの社会に対してどうにもできない無力感に襲われる。 本作品は一冊のミステリーとしてではなく、痛烈な社会批判をテーマとして読むこともできる。 | ||||
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面白い。 一気読みした。 ただ、昨今よくある、警察組織のトップや、大物政治家に最後邪魔されるという展開勘弁して欲しい。 カタルシスがあったもんじゃない。 | ||||
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派遣社員の働いても働いても恵まれない環境が、せつなかった。ぼくも契約社員の経験があり1年単位での契約更新で、いつクビきられるかと不安であったことを思いだした。この小説では、工場の派遣は項目では備品扱いというのも絶句した。日本の実態を知るためにも一読をすすめます。 | ||||
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内容も作家のことも全く知らず読み始めたけど、もう圧倒的な面白さだった。経済の話も絡んできて、それでいて全く退屈させないどころか、主人公の田川と同様「もっと話を聞きたい。知りたい」という気持ちにさせられ、本を置くことができず、ただひたすら読み続けてしまった。 主人公の田川も非常に魅力的な人物として書かれてる。チビで髪が薄いメタボ気味のオッサン、という設定だけど、心優しく、正義感強く、好奇心が強く、柔軟性が高く、そして粘り強い。良い作家に出会ったな、と思う。 派遣社員、ブラック企業、格差社会。色々なことを考えさせられる、本当に面白い小説だった。 | ||||
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終に実行犯に辿り着いた、田川刑事。 しかし、事件の発端である自動車会社や派遣会社は、すんでの所で 逃げ切ってしまう。 「しかし、働くってこんなに大変な事なのか?」木幡刑事の漏らした言葉、 大半が非正規社員の今の現状、やはり狂ってますね。 | ||||
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相場さんの新作、迷わず借り読み。 身元不明遺体、自殺と処理されたが、遺体の写真から他殺と判断し、捜査を始める田川刑事。 九州の高専を卒業後、訳あって派遣労働者となった仲野。上巻では派遣労働の実態が綴られます。 派遣元と派遣先の関係、日本の労働環境の変化など興味深い内容です。 下巻が楽しみですね。 | ||||
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本屋で手に取って自宅で読み始めて上・下巻ともに一気に読みました。たまたま本日のNHK BS1のWIADOMで若者の労働問題を取り上げた番組を放送しており、 各国の若者の労働状況が報告されていましたが、各国とも若者を取り巻く労働環境は厳しく、日本だけの問題ではない事を思い知らされました。企業だけを向いた労働条件の規制緩和で、若者の労働状況は厳しさを増すばかりで改善の方向性すら見えずに、むしろ悪化の方向に向かうばかりです。昔は新入社員 を教育し育てて一人前の社員にして行くことは当たり前のことであり、それが日本企業の強みであったのですが、今の経営者達は目先の損益ばかりを追いかけて、将来の会社や政治家を含めて将来の日本像を描いていないと思います。只、消費者も利便性や安価な物を追い求めるあまり、コンビニやスーパーに走り、地元の商店街で買い物をして、地域を作っていくということがなくなってしまったのが、シャッター通りを生み出しているのだと思います。この小説は殺人事件を追いかける刑事の目を通して、リーマンショック以降の日本とは何だったのか。このままでは、ガラパゴス化して他の国に身売りした電機業界と同じように、基本的なエンジン開発を怠り、ハイブリッド車で低燃費ばかりを競う自動車業界も同じ運命をたどることになると、警鐘を鳴らしていると思います。司馬遼太郎さんが亡くなって20年。日本の今後を考える良い機会であると思います。 育休詐欺の政治家を始め、多くの政治家、経営者に読んでいただきたいと思います。 | ||||
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日本家電のガラパゴス化の末路を私たちは知っていますが、車の世界でも同じことが起こっているのですね。日本製品は安全・高品質という共同幻想の下、私たち日本人は諸外国に比べ割高なガラパゴス製品を買わされているわけです。車という日本の基幹産業にまでそれが及んでいることを、本書で知りました。 本書は就労人口の3割(今や4割?)といわれる非正規労働者の実態をあぶり出していますが、真面目に働いているのに生活していけない人というのはこれからもっと増え続けるのではないかと危惧しています。人もモノも、余剰の時代なのです。新興国の低賃金労働が先進国にもおよび、ロボット化が促進し、人々の二極化がますます進むでしょう。 暗澹としてしまいます。 余談ですが、正社員もひどいものですよ。人員削減で一人一人の仕事の量やノルマが増え、うつ病患者が全職員の10パーセントになった職場を知っていますし、私が勤めていた編集プロダクションは、右も左もわからない新人を、編集者なのだからうちは裁量労働制を採用してます、といって残業代をいっさい払いませんでした。先輩より後に出社するわけにいかず、結局10時前に出社して帰りは毎日終電―なのに残業代はゼロなんですよ。私は経理をしていましたが「ボーナス出たって喜んでるけど、それ、毎月払うべき残業代の3ヶ月分にもならない額だよ」と言ってあげたい気持ちでいっぱいでした。 ちなみに事務系派遣社員のピンハネ率は当時50%、交通費の支給はなし。これ、女衒商売と同じじゃないと思いましたね。社会保険に入ってあげたり、いろいろキャリアアップのセミナーを開いてあげたり、派遣会社は福利厚生を充実させていることをアピールしたいのでしょうが、このピンハネ率じゃあたりまえのことやってるだけじゃない。儲かってるんでしょうねぇ。 閑話休題。 本作はいわゆる警察小説ですが、スーパーヒーローがいるわけではありません。しかし地道な地取り、鑑取りで事件の真相に肉薄していく中年刑事田川は魅力的で、共感を覚えました。 | ||||
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派遣社員という名の下の使い捨て労働者問題を扱った作品は 数多くありますが、 作者曰く 「取材するうちに『ここまでひどいことになっているのか』と。思っていたよりもはるかに、日本の産業は傷んでいました」 『こんなにひどいことに?』と驚いてくれる人もいるでしょうが、『こんな甘いもんじゃねえよ!』という人もいるはず。働いている人の4割がすでに非正規雇用ですからね」 というくらいに、非正規雇用が当たり前になってきた日本 ということはモラルもレベルも下がるのは必然ですよね そして、家電メーカーならまだしも 命を預かる自動車メーカーの品質管理のモラルとレベルが 下がるというのはもう命より金という 情けないを通り越して恐ろしい世の中になったものだと 実名はあげられませんが ハイブリッドカーの例の車 実は買おうか?と思ったことあるんですよ そうしたら保険会社の方にとめられました 低燃費のためにとにかく車体を軽くするために 安全性をまったく無視している 事故による死亡率軽自動車どころじゃないからって まさしくそのことが書かれてました 知っている人は知っている、公然の秘密なんでしょうか? 『震える牛』もそうですが自分を守るのは自分だけなんだと つくづく思いました | ||||
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派遣社員という名の下の使い捨て労働者問題を扱った作品は 数多くありますが、 作者曰く 「取材するうちに『ここまでひどいことになっているのか』と。思っていたよりもはるかに、日本の産業は傷んでいました」 『こんなにひどいことに?』と驚いてくれる人もいるでしょうが、『こんな甘いもんじゃねえよ!』という人もいるはず。働いている人の4割がすでに非正規雇用ですからね」 というくらいに、非正規雇用が当たり前になってきた日本 ということはモラルもレベルも下がるのは必然ですよね そして、家電メーカーならまだしも 命を預かる自動車メーカーの品質管理のモラルとレベルが 下がるというのはもう命より金という 情けないを通り越して恐ろしい世の中になったものだと 実名はあげられませんが ハイブリッドカーの例の車 実は買おうか?と思ったことあるんですよ そうしたら保険会社の方にとめられました 低燃費のためにとにかく車体を軽くするために 安全性をまったく無視している 事故による死亡率軽自動車どころじゃないからって まさしくそのことが書かれてました 知っている人は知っている、公然の秘密なんでしょうか? 『震える牛』もそうですが自分を守るのは自分だけなんだと つくづく思いました | ||||
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あえて誤解を招くような言い方をすれば、本書は、非正規労働者問題、シャープの経営再建問題、自動車部品メーカーの品質管理問題など、最近の社会問題を取り上げてミックスして、ひとつの話にまとめ上げたような小説です。(こう書くとお手軽で陳腐なように聞こえますが) ただ、私のような政治・経済問題に疎い人間は、新聞やニュースなどでの報道は、その時その時の「点」としか捉えることしかできず、その問題がいつ端を発したか、その影響がどのように他に波及していったのかが、理解できていないことが多いのです。 本書では、殺人事件とその捜査を軸に、現代の日本が抱える諸問題をひとつの物語として描き、「点」と「点」を「線」で繋いで図解説明してもらった感があり、私にとってはとても有意義な小説でした。 故郷の有志の援助を受け、高専に進学して勉学に励みながらも、ある事情から新卒採用を逃したばかりに、非正規労働者としてしか生きる道のなかった被害者。 ちょうど本書を読んでいる時、朝日新聞(2月4日)に、非正規から抜け出せない40歳前後の人達に関する記事が掲載されました。その中で、私大に進学するも学費のためのアルバイトが忙しくなりすぎて中退し、それ以降35歳の現在も派遣のまま、という男性の例が紹介され、その人のお母さんの、「新卒一括採用の日本では大学を中退させてしまったのがすべて。人生、チャンスは1回切りしかないんですよ」という言葉が胸に突き刺さりました。 捜査を続ければ続けるほど明らかになる残酷なばかりの現実。唯一の救いは、「震える牛」にも登場した田川刑事でしょうか。有能で切れ者という評判ながら、温厚で礼儀正しく、手帳にメモをとりガラ携を使う、昭和の雰囲気を残す51歳のおじさん刑事。私生活も経済観念も慎ましくごく普通なこの人が、最後に同期の同僚と交わす会話、 「普通に働き、普通にメシが食えて、普通に家族と過ごす。こんな当たり前のことが難しくなった世の中って、どこか狂っていないか?」 という言葉にすべてが表れていると思います。 総理や副総理に読んで頂いて、ご感想を聞いてみたいです。 | ||||
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