スクラップ・アンド・ビルド

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評判

スクラップ・アンド・ビルドの評価:

3.56/5点 レビュー 190件。 E ランク

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平均点3.56pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全194件 161〜180 9/10ページ
No.34
(5pt)

ビルド

介護がテーマなのかな?ということで かなり暗い話を想像したが想定外に明るい話で面白かった。 明るいというよりもはやコミカルといった内容で意外。 主人公や登場人物は作者の自己投影かな。 趣味も共通しているし。 「火花」にこの二つが共通しているし、審査員の趣味が出てて、選考は単なる話題作りではない感じ。 良作。
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.33
(5pt)

ひとつひとつが素晴らしい

少子高齢化社会。 団塊ジュニアは働き盛り、 ゆとり世代は人口が少なすぎる。 介護のつらさを文字に表してくれた作品。 火花の裏で、ホンモノを読ませていただけた。 こういうのを求めていました。 次回作は、自身の愛について書いてくれそうな気がする。
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.32
(5pt)

新進性を感じる構造

「スクラップ・アンド・ビルド」レビュー /本文引用部分は:  :で表記します。

主な登場人物 
健斗(28歳・無職)、健斗の祖父(87歳)、健斗の母(祖父の娘)、健斗の彼女(恋人)

粗筋
健斗は自宅で祖父を介護している。
祖父が事ある毎につぶやく「死にたい」を真意であると感じた健斗は:苦痛のない穏やかな死という理想形:を実現しようとする。
そのために意図的に手厚い介護(:プラス介護:)を行い、祖父が脳や身体を使わなくても済むようにし:弱体化させ:
:恐怖と痛みのない死:に導こうとする介護譚。

読み始めた当初、私は2つの不満を感じました。

1つ目は粗筋に対する不満で、
健斗が祖父の「死にたい」を真意だと確信する迄の必然性が弱いように思え、もう少し頁数を割いた方がいいのではないかと感じた点です。

2つ目は技法に対する不満で、
「セリフ」の後に「セリフを吐いた思い」が書かれていることが多く、それが少し説明的でくどく感じた点です。

ただ、逆に言いますと、上記不満1は、:プラス介護:というメインストーリーに早期に突入するテンポの良さともいえます。
上記不満2は登場人物の心情がわかりやすく読み進めやすいメリットともいえます。

とは言え、せっかく純文学を読むのですからメタファーをこそ楽しみたい、という主義の私には不満であることに変わりはありません。よってこれらの点を不満と感じるか満足と感じるかは読書各人に依ると思います。

また4分の1程読んで、これほどまでにメタファーのない作品がなぜ芥川賞に選ばれたのか?この徹底的にメタファーを排除した点が逆に新進性と評価されたのか?それとも他に何かあるのか?というストーリー展開とは別の興味も湧き読み進めました。

すると、様々な「対(比較)」が重層的にどんどん積みあがっていくことに気付かされます。

対1
・元特攻隊員だったが今は:ゴボウのような:陰部をもつひ弱な祖父
・ひ弱な祖父を毎日見るうちに、ジョギング、筋トレ、オ○ニートレーニングを始めるようになり、逞しい身体及び彼女と連続2回をこなす精力を得た健斗

対2
・祖父(母から見ると父)ボケないように、口や態度は悪いのだがなるべく自分でやらせようとする母
・祖父が自身で出来ることでも、率先して行う優しさを見せているが、内心は早くボケさせ理想の死を達成しようとしている健斗

対3
・:肉体的疲労を嫌がり楽したがり::「どうせ私はデブだし」「もっとかわいい人と付き合えば」:と言う健斗の彼女
・自分が出来ることでも健斗にしてもらおう甘えながらも「自分は死んだ方がいい」と言う健斗の祖父

(他にも対はありますが長くなるので割愛します)

この対については直接的な説明はなく、全てメタファーとなっています。

セリフ  :白けるほどに説明的(メタファーなし) 
対(比較):説明は排除し徹底的にメタファー   という構造です。

これにより、「対」に気づきやすいという効果を上げていると思います。おそらくこの構造こそが「新進性」と評価され、介護を掘り下げた「時代性」と相まって芥川賞に選ばれたのだと思います。

前半感じていた不満は消え、非常に技巧的で野心的な作品で流石芥川受賞作だと感じながらさらに読み進めました。

(注)以下●●●の間20行程ネタバレあり 

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すると、健人の祖父は死にたいはずだという:確信:に疑義が生じる出来事が起こっていきます。(本レビューでは単純に列挙しますが、実際は巧妙にちりばめられています)

・健斗が予定時間より早く帰宅すると:黒く小さなものがすごい勢いでリビングから台所に駆け抜けてゆく:台所に行くと圧力鍋で柔らかくしたほうれん草でさえ「固い」と文句を言う祖父がピザを焼いて食べた形跡がある
・5,6kgある曾孫を祖父が抱きかかえる
・緊急入院し予断を許さない状況下で「特攻隊所属していた時に死んでおけばよかった」とつぶやいた祖父の言葉が嘘だった(特攻隊に所属した事実はない)とその後わかったこと
(ピザの部分はゾッとしました)

極め付きが
・目を離した隙に祖父が風呂で溺れ健斗が助けた。:「死ぬとこだった」「健斗が助けてくれた」:と言う祖父が:生にしがみついていることに気付く:

直接的な表現はないですが、これに前後して健斗は彼女に振られています。
・イケメンの俺と別れる筈がないと思っていたのに彼女に振られる
・「死にたい」筈だと思っていた祖父が生に執着していることに気づかされる

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健斗の確信が崩れた瞬間でした。

ここまで読んで、健斗の内心以外他の誰の内心も説明されていないことに気づきそのことに私はまたゾッとしました。

当然これも作者の計算でしょう。セリフ説明、対構造メタファーに加え、健斗以外の内心の徹底的な秘匿、と非常に技巧的な純文学です。
大衆文学(直木賞系)は登場人物に起こる「出来事」の因果により筋を進めます。一方純文学は登場人物の「心情」を重ね筋を進めます。
それを主人公以外の「心情」は隠して進めているところが非常に野心的だと私が思う点です。そして巧みだと思います。

その後健斗も自分の人生を ビルド します。(具体的内容は割愛します)

最後の1文は割愛しますが、見えていたものが近づいてくる、そして離れていく、この小説最大のメタファーで非常に爽やかな余韻を残します。

この小説の醍醐味は、純文学の原則を壊す(=主人公以外の心情を隠す)ような野心的なその構造にある、私はそう思います。
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.31
(3pt)

読みやすい

思っていたよりもページ数が少なく一気に読んでしまった。 しかし内容は薄くも濃くもなくどちらかといえば面白い、と思うような作品だった。 読む価値はあるが芥川賞になるような作品ではないのではと感じた。
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.30
(3pt)

火花よりはましかな

『火花』の影に隠れてしまった感じがしますが、こちらの方が読みやすく、ユーモラスです。 本当にぼけているのかよくわからない祖父、その祖父に早くお迎えがくるように介護する孫。 口の悪いわりに父親を引き取った母親。 これまた本音がよくわからない恋人。 ただ、ラストが唐突なうえ、これといった解決もないのは不満が残ります。 この点は『火花』と同様。
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.29
(4pt)

現実味がある本

今の日本で起きているリアリティある内容が、ユーモラスに書かれていて面白いなと思いました。
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.28
(4pt)

考えさせられる

正直そんなに爺さんいじめなくても と思った。 読んでいて可哀想に思えた。 リアルにうちの隣のおばさんと爺さまも こんな感じで、おばさんのでっかい怒った声が しょっちゅう聞こえてくる。 時代を反映させた読み物でした。
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.27
(4pt)

現代の家族に潜む暗さがずっと根底にある作品

ストーリーとしては地味かもしれないのですが、
主人公が仕事がうまくいかない/家族に問題がある/未来に閉塞感がある という悪循環から、
どうやって少しでも抜け出していこうか、と模索していて、
最後は少しだけ明るい兆しが見えて終わる感じでした。

主人公が介護を補助したり、体を鍛えたりして、徐々に自己肯定感をはぐくんでいく様子は、
少し滑稽な分とてもリアリティがあって、
祖父と自分を比較して共感を持ったり、優越感を持ったりする場面は妙に説得力がありました。

同時受賞で色々注目された作品ですが、やはり「家族」というテーマは文学において一つ、不動のものだと思いました。
主人公が実家を去ることは、親や祖父にとって試練でもあるかもしれませんが、
家族にとって必要な変化であり、彼が彼の人生を生きるには欠かせない決断のだと思います。
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.26
(4pt)

時代反映型20代劇場。

小説は常に時代を反映したものだ。
そんな誰かの言葉を思い出しました。その言葉を尺度とするなら、これはまさに小説。完全に時代を反映しきっている。読者を惹きこむ設定のもと、淡々と描ききって、気づいたら読み終わっていました。

羽田さんの著作はデビュー作の「黒冷水」以来。受賞の報道で、羽田さんが芥川賞!?と正直驚きました。偏見かもなのですが、なにせ読みやすくて、文体に純文学らしい奥行きある表現は割と控えめな方だな、という印象で(純文学ってなんだ?よくわかんないけど)。

今回も、さっぱり読めました。介護、年金、戦争、若者の負担。ある程度政治や経済に関心を寄せる若者であれば共感できる内容がてんこもり。

ただ、そうした重々しく語られるテーマを、人を惹き付けるユニークな発想や設定で、わりかしさっぱりと書いていく。かといって、その文体に微塵も雑さを感じない、むしろ読者を引き込むように練られている、というのがとても好印象。

あれはどうなったんだろう?と終わりまで分からないこともあるのですが、逆に主人公の視点になりきるなら分からないままなはずで。リアルを書くならそれでいいわけですね。

正直、何でも分かりたい知りたい読者の人にとっては消化不良を起こすかもしれません。そういう方にとっては「どうなったの?」「結局この話どういう展開だった?」と感じてしまうかも。

ただ、それでも最後までページを進めてしまうっていうのは、もはや文体の技巧以外の何物でもない。そういう意味では、やっぱり羽田さんって巧いんですね。

すごく欲張ったことを望めば、登場人物をところによってはもっともっと人間臭くして奥行きを出すシーンが欲しかったです。さっぱりしすぎていて。終始ドライでいくので、黒冷水の時に見せた泥臭い雰囲気とか、羽田さんなら絶対に書ける生々しさっていうものが欲しかった。テーマがテーマだけに淡々としすぎず一つのシーンくらい汚すと広がり豊かになったのかなあと。もちろん欲をいえばですが。

ともかく、おもしろかったなあ。
芥川賞受賞、おめでとうございます!
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.25
(4pt)

現代社会における若者の暗い一面

芥川賞作品は当編を含めダダイスム的な作品が多いと感じる。小生は高齢者であるためか割り勘でラブホテルを利用したセックスで憂さを晴らすとか、セックス描写で編を飾ることは好きでない。母親が認知症の祖父をいじめる描写も現代日本の世相かもしれないが、主人公の置かれた環境を表現するには格好の表現方法かもしれないが感心しない。編の終盤でそこそこ大手の会社に中途採用が決まったこと。国家試験のための受受験勉強が波に乗ってきた様子が主人公の中途採用決定に直接影響していないとしても、彼の未来に明るい兆しが見えてきたことと合わせて読者を安心させる。認知症の祖父を消極的にでも介護する姿勢は彼の置かれた状況を割り引けば技ありと評価できるのではないか。
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.24
(5pt)

羽田ファンになるかも

祖父、孫息子(主人公)、母。 母は主人公の母親にして祖父の実の娘。 血縁三世代の切羽詰まった家族愛が主人公の中で妙な熟成を始める。 主人公の感情の振れにかどっぷり付き合わされて一気に読み終えた。 羽田ファンになるかも。
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.23
(4pt)

テーマに興味がなくても読ませる力が、この本にはある

東京・多摩ニュータウンに住む27歳の健斗は
母・祖父と3人で暮らしている。

健斗はカーディーラーを5年でやめて求職中で
認知症ではないけれでも、健康ではない祖父には
それなりに手がかかっている。

祖父は口癖のように「早く死にたい」と言う。

そんな日々が描かれている。

私にとって、それほど興味を惹くテーマではなかった。
話題作でなかったら、手に取らなかったかもしれない。
しかし読み始めると、はまっていき
作者の力量をとても強く感じた。

自分の親が老いたら、
ひいては自分が老いたら、
特にやることのない日々を
どう過ごすことになるのだろう。

薄々気になってはいたが目を背けていたことに
本書を読んで向き合うことができた。
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.22
(1pt)

つまり、つまり、つまり、つまり

作品の冒頭から最後まで、同じ表現が乱発されている。

数ページに一度、「つまり」、「つまり」、「つまり」

作者の表現をそのまま借りるなら、つまり、自分の表現に自信がないから、
「つまり」という言葉を使って、数行ごとに端的な表現を繰り返さないと、読者に伝わらないのだ。

芥川賞は文章の美しさ、独特の表現で読ませるもの。
しかし、この稚拙な文章表現は芥川賞候補とすら呼べないレベルの低いものである。

12年のキャリアというが、この著者はただ時間を浪費していたに過ぎないのではないか。
インタビュー記事を読んだけれど、「公務員を考えたがやっぱり辞めた」と。
これもステレオタイプだ。公務員もピンキリだろう。
それに、公務員は手続きをすれば作家になれるはずだ。
なのに、記事ではあたかも、
「オレは安定した世界に行きそうになったけど、ギリギリで足を踏みとどめて無頼の小説家の道を選んだぜ」
という、いまどき、誰も感動しないようなニュアンスの寄稿をしている。

この作品、作者の底の浅さ随所に感じる。
若手だけど、10年以上のキャリアだから、そろそろ賞をとらせてあげようという
公務員以上の年功序列主義のなかでの、「がんばったで賞」的受賞。

つまり、つまり、つまり、
何の価値もない受賞である。

これからこの作品を読まれる方は「つまり」という表現が何度出てきたか
数えてみてください。ほかの小説に比べてびっくりするくらいに多いです。
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.21
(4pt)

亜美が気になる。

羽田圭介は17歳で純文学の登竜門である「文藝賞」を受賞し、その後、30歳を待たずして、芥川賞候補4回目の本作品で見事受賞した。いわば純文学作家としてのキャリアは凄いのだが、同時受賞のお笑い芸人又吉直樹に注目が集まり過ぎ、可哀そうな面もある。

選評や新聞記事などを見ると、若年層とお年寄り世代の対立をユーモラスに描いた物語と書いているが、10年ほど前、父の介護に若干携わった身としては、本書の祖父の介護に、肉親としての主人公と母親の対処の仕方は、安物の映画やテレビドラマっぽくなくリアル感があって良いのだが、ユーモラスとは感じなかった。

20代の作家でこのような作品を書く才能は認めるが、細かくストーリーを追うと、恋人というよりセックスフレンドの亜美との交流の中で、無職の主人公に愛想を尽かしたのか、後半、誘いに乗らなくなり、ラスト、主人公が新天地へ向かう電車の中で、祖父のことは思うが、亜美に対して一言もないのが不自然で、取るに足らない存在だとしても、何か一言ほしかった。
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.20
(4pt)

重いテーマを笑いの要素交えた力作

「火花」が注目されてるがもう一つの芥川賞の本書は28歳の主人公 と87歳の祖父との微妙な愛憎を描いてるが介護という重いテーマを 笑いの要素を交えて表現しており全体的に読みやすい、特に死にたい を口癖のようにいう祖父、孫息子は死を叶えようとする、しかし一般的 に老人になると生にしがみつくというように、この祖父も同様であること を孫息子は気づく、この表現等は作者の技量が高く個人的には「火花」 より「スクラップ・アンド・ビルド」に軍配を上げたい。
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.19
(3pt)

悪くないけど、絶賛するほど?

特に悪くないと思うけど、絶賛するレビューが多かったので、感想としては物足りなかった。
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.18
(4pt)

芥川賞受賞作。題名を読後に納得。平易な文章ながら、静かに深く描かれていていいと思った。

芥川賞受賞作。
「火花」を読み終え、やはり、もう1作も読まねば、片手落ちかと購入。
読み始めて、買ってよかったと思った。
いい小説だと思う。
最初、題名がめんどくさいと思ったが、読後に納得した。
平易な文章ながら、静かに深く描かれていていいと思った。
「火花」はいいのだが、どこか、過剰な修飾がされている文章だなと思えたのだが、この小説は、「abさんご」の雰囲気に似ていて、できるだけ平易な文章で書くというような決心を感じさせた。
そして、この決心は、この主題を見事に浮き上がらせていると思った。
終盤の仕舞い方も無理がなく、過剰に書きすぎてもいないところがよかった。
とても読後感のいい作品だと思う。
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.17
(4pt)

「介護」の中からの若者の自立

28歳の健斗が主人公です。
務めていた会社を辞めて、中途入社の応募と資格取得で日々を過ごしています。
そんな彼と毎日過ごすのが、87歳の祖父です。
祖父の介護に明け暮れる中で、「早う死にたか」と言う祖父の言葉に、介護の中で「安楽死」と言う言葉を胸に秘めます。
実際、「介護」の場面にあたるといろいろな問題に直面します。
この物語にある様に、自分の実の娘に介護される場合には、どうしても甘えようとする病人と、それに対しきつく当たる娘と言うのは、良くあることです。
それに対して、主人公が甘えさせて体力や精神力を萎えさせる方法を取ったりします。
この物語は、祖父の面倒を見る孫と言うスタイルをとっていますが、実は、孫にこそ「スクラップ・アンド・ビルド」が起こっています。
祖父の介護をする中で、主人公は自らの生活を再建してゆきます。
それまでの甘ったれの若者から、責任ある社会人への成長の物語と言えると思います。
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.16
(4pt)

こちらの受賞作品も読んだ方がいいですよ

読後感が良く、読んで良かったと感じられる作品でした。題材は暗いにも関わらず、“おじいちゃん”も“孫の健斗”も生きることについて貪欲で前向きだという共通点があると感じました。
私は健斗ほど若くはないけれど、だからこそ身体を鍛えたり、学んだりすることは必要なことだなと改めて感じさせられました。
芥川賞同時受賞の「火花」を先に読んだのですが、「スクラップ アンド ビルド」は流れる様なストーリーや登場人物の魅力もあり、流石にプロだなと感じました。比較すると「火花」は素人感が拭えませんでした。違いを感じたのは女性との別れの場面でした。本作ではさりげなく別れを連想させるのですが、「火花」ではこれでもかといったしつこさがありました。読後感も全く違い、読んでよかった本作と、読まなくてもよかった「火花」ぐらいの差がありました。(又吉さんごめんなさい。)
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402
No.15
(4pt)

芥川賞ってこんなだっけ

介護職としては祖父の状態に時々首を傾げたけれど、全体は面白く読めた。 主人公と恋人の関係がどうなったのかも気になるところ。 ただ芥川賞を読んだのが何十年ぶりで、最近はこういう傾向なのかと驚きもした。
スクラップ・アンド・ビルド Amazon書評・レビュー: スクラップ・アンド・ビルドより
4163903402